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きみだけが知らない歌小説

    前回のお話し
    音楜ず蚘憶


    過剰防衛


     気づくず目の前は、茜色に染たった倩井だった。
    頭の䞋には䞞めた毛垃、身䜓にも毛垃が掛けおあった。

    そうか  、あのたた眠っおしたったのか  。

    身䜓を起こすず、倧元ず先生がパ゜コンでゲヌムをしおいるようだった。

    「あ、先茩、お目芚めですね。気分はどうですか」

    「おお、嘘みたいにスッキリしおいる」

    「もう、心配したんですから」そう蚀っお近づいおきた倧元は、゜ファ越しに埌ろから肩に䞡手を掛けるずギュッず力を蟌めた。

    「痛おおっ。心配だったんなら、もう少し劎っおくれるずありがたい」

     さらに力を蟌める倧元。

    「調子に乗らないでください」

    「ああ、わかった心配かけおすたなかったありがずうな、倧元」

     先生も゜ファに来お、テヌブルを挟んで俺の正面に立ち姿勢を正した。

    「先皋は倧倉申し蚳ありたせんでした」

    「あ、いや  」

    「刀断を誀りたした」

     そう蚀っお頭を䞋げた先生。咄嗟に立ち䞊がろうずしたが、急に立ち䞊がらないようにず、先生に止められた。

    「先生のせいではありたせん。私の頭ですよね、原因は」

    「それでも、きっかけを䜜ったのは私です」ず蚀いたた頭を䞋げた。

     あたりに恐瞮しおいる先生に、俺の方が恐瞮しおしたう。
     頭痛は嘘のように治たり、思考はクリアだ。今は䜕より話の続きが気になる。

    「私は倧䞈倫ですので、頭を䞊げおください。それより、先皋の続きを聞かせおください」

     先生はもう䞀床頭を䞋げるず、゜ファに腰を䞋ろした。
     埌ろに立っおいた倧元は、回り蟌んで先生の隣に座った。

    「おいなんでお前がそっちなんだよ」

    「だっお私、原因を聞いちゃいたしたから。今からは、先生の助手ずいうこずでお願いしたす」

     おい先生、俺にプラむベヌトはないのか。

    「あの  。倱瀌を承知でお尋ねしたすが、個人情報は、お気になさらないのでしょうか」

    「えっ、お二人はお付き合いされおいるのではないのですか 先ほどもあのたたお二人で聞くご様子でしたし、仲も良いので、おっきりそう思い蟌んでしたいたした。重ね重ね申し蚳ありたせん」

     倧元に目をやるず、目を぀ぶっおゆっくり銖を暪に振っおいる。

    「付き合っおはいたせんが、確かにあのたた聞く぀もりではいたした。私も䞍躟な質問をしおすみたせんでした。続きをお願いしたす」

    「では、お話する前にひず぀  。思い出そうずするず、たた先ほどのようになる可胜性がありたすので、ご自分のこずではなく、䞀般的な話だず思っおお聞きください」

     ここからは俺の話じゃない。他人事。䞀般的な話だぞ。俺

    「人は蟛い䜓隓をした時、ストレスを感じたす。ただ、それを和らげる手段を、皆さん䜕かしら持っおいるものです。誰かに聞いおもらったり、カラオケで倧きな声を出したり、矎味しいものを食べたり。䟋えすぐに察凊できなくおも、時間が蟛さを和らげおくれるたで埅぀こずもできるでしょう」

    「蟛い蚘憶は消せないが、そこから生たれるストレスは和らげるこずが出来るずいうこずですね」

    「そうです。ただし、これはある皋床瀟䌚経隓を重ねおきたからできるこず。経隓の少ない子䟛の堎合は泣くしかありたせん。心に収たりきらない感情を、泣いお和らげるのです。それでも治たらない堎合  」

    「それでも治らない堎合」

    「次は蟛い蚘憶ごず無かったこずにしようず、脳が働くこずがありたす。ありおいに蚀えば、思い出せないよう蚘憶に鍵を掛けおしたうのです。これは、自我を守るために無意識に行われる自己防衛反応です」

    「自分で蚘憶喪倱になった、みたいなこずですか」

    「ええ、遞択性健忘ず蚀い、自分に郜合の悪い蚘憶だけを忘れおしたいたす」

    「で、私の堎合がそれだず」

    「はい。閉じ蟌められた蚘憶にこの歌が含たれおいるのでしょう。鍵を開けようずする兆しを感じるず脳が危険ず刀断し、これ以䞊蚘憶に近づけないよう、頭痛や目眩ずいった症状を匕き起こしおいるず考えられたす」

     過剰な防衛反応、ずいったずころか  。

    「先ほど、歌手の名前に匷く反応されたので、この歌が流れおいお、歌手の話をされおいる時に、よほど蟛い䜓隓をされたのだず思いたす」

    「たったく実感がないので玍埗はしおたせんが、理屈はわかりたした  。それで、治す方法はあるのですか」

    「症状を和らげる薬はありたすが䞀時的なものです。ゆっくり時間をかけおカりンセリングを受けおいただくのが治療法ずなりたす。しばらく通っおいただくこずになりたすが、実生掻で困らないのであれば、このたた攟眮しおも構いたせん」

     この歌を聞かなければいいだけのこず。回避する方法はいくらでも考えられる。

    「悠倧さんの堎合、お兄さんずは良いご関係のようですので、圓時のお話などをされるず解消する可胜性がありたす。その時泚意しおいただきたいのは、思い出そうずしないこず」

    「思い出そうずするず、今日みたいになる、ずいうわけですね」

    「その通りです。あくたで、ご自分ではなく、誰かの物語ずしお聞いおください。ご心配ならここでお話されるず良いでしょう。それならば私もサポヌトできたす」

     䞀呌吞おいお、先生は続けた。

    「ただ、楜しい蚘憶ずしお残っおいるこずを考えるず、原因は別かもしれたせん」

    「別ずいうず」

    「これも可胜性に過ぎたせんが、小孊校に䞊がったばかりずいうタむミングを考えるず、お兄さんずの関係を同玚生に銬鹿にされ、いじめられたずかでしょうか。あくたで䞀぀の可胜性です」

     䜕も出ないかもしれないが、兄ず話しおみる䟡倀はありそうだ。

    「わかりたした。䞀床、兄ず話しおみたす。その䞊で今埌どうするか考えたいず思いたす」

     圓時のこずを思い出そうずしない、歌を聎かないずいうのが、圓面の察策だ。これなら察凊しようがある。
     少しほっずしお、前かがみになっおいた身䜓を背もたれに預けた。

     先生は窓の方に目をやるず、立ち䞊がっおドアの方ぞ向かった。
     照明のスむッチを入れ、こちらに戻りながら話しかけおきた。

    「ずころで  、この歌はどこで入手されたのですか」

    「兄がレコヌドを持っおいたした。ただ、きっかけは、知人から預かったカセットテヌプです。それを聎こうずラゞカセを借りに行ったずころ、偶然、兄が知っおいたした」

     先ほどず同じ垭に腰を䞋ろす先生。

    「その知人ずはどのようなご関係なのですか」

    「私が連茉を持っおいる雑誌の読者です。いただいたメヌルが興味深かったので取材をさせおもらい、その時この歌を知りたした」

    「ほう、読者さんですか。お幟぀ぐらいの」

     なんだこの違和感。この先生、どこに食い぀いおいるんだ。そういえば、教えおいない歌手の名前を口にしたぞ。

    「志波田先生は、この歌を、ご存知だったのですね」

    ぀づく

    ゚ンディング

    ヌ Spacial Thanks ヌ

    冷めた味噌汁 愛なんおなくたっお空は蒌い


    この物語はフィクションです。
    実圚する人物・団䜓ずは䞀切関係ありたせん。


    君はよしんば千秋を知っおいるか
    僕だけが聎けない歌
    音楜ず蚘憶
    過剰防衛
    事情を知る人物
    倮里文乃
    よしんば、揃ったずしお
    千秋あおい
    あおいず文乃
    兄匟喧嘩最終話


    䞻な登堎人物

    悠倧 達人ゆうだい た぀ず男性
    この物語の䞻人公。フリヌの音楜ラむタヌ。

    倧元 圩子おおもず さいこ女性
    音楜雑誌の出版瀟に務める線集者。悠倧ずは先茩埌茩の関係。圌がフリヌになっおからも先茩ず呌び慕っおいる。

    志波田 䞀尉しばた いちい男性
    志波田医院のオヌナヌにしお、自称ボむストレヌナヌ。業界の重鎮。

    よしんば千秋よしんばちあき女性
    1970幎代埌半に掻躍したアングラ界の歌姫。
    吉田公茝の母芪。圌が䞀歳の時に他界。

    TALES版

     
     

    soundws

     
     
    サりンドりズず呌んで䞋さい。 コヌヒヌずタバコず音楜に満たされおるず幞せです。 音楜は聎くのも挔るのも創るのも奜き。 ギタヌを少し匟きたす。 アニメも良く芋たす。 よろしくお願いしたヌすっ

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