
ある星|第六話 この星は、ひとつ欠けた
ある星 第六話 この星は、ひとつ欠けた
あらすじ
ある星を訪れた「私」は、そこで生きる存在と出会う。
彼らは増えも減りもせず、完成されたまま、変わらない世界に生きていた。
すべてを体験し尽くした彼らにとって、日常は退屈だった。
地球の不安定な営みは、コメディであり、ホラーであり、「ドラマ」として映る。
ごくまれに別の世界を望む者もいるが、その先はわからない。
しかし、わずかな変化は、やがてその均衡を揺らしはじめる。
完成された世界から見た、不完全な世界の記録。
出発ゲートまでは、男性が送ってくれるはずだった。
だが、来たのは見知らぬ女性だった。
男性の家族だという。
車のようなものに乗る。
「朝、あなたを送ると言っていました」
少し間があいた。
「でも、消えてしまったんです」
男性の身体を構成する一粒ひとつぶが、
風に乗ってほどけていく。
そんな感覚だけが残っていた。
「地球のことを、よく見ていました」
女性はそれだけ言った。
出発ゲートに着いた。
「よかった、まだ間に合いましたね」
私は星を後にした。
遠くに見えるそれを見た。
気のせいか、
少し欠けているような気がした。
すべて体験済みですから。
退屈な星の記録はこちらから
▶ ある星|第一話 すべて体験済みですから
▶ ある星|第二話 飽きてしまった場所
▶ ある星|第三話 地球=ドラマ
▶ ある星|第四話 この星は、あなたには少し強すぎる
▶ ある星|第五話 あなたが来てから、変わり始めた
▶ ある星|第六話 この星は、ひとつ欠けた
▶ ある星|最終話 どこかで、お会いしましたっけ?
▶ ある星の記録をまとめて読む
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© sou / 2026年
この作品について
本作は、小説・映像等への展開を想定した原案です。
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