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Photo byhoshizoramochi

うちの家、なんだかおかしい、ず思い始めたあなたぞ 『お母さんはどう思う』に答えられなかった私の話

    ずうふ人びず 〜ゆらぎながら み぀けた 私の物語〜その②


    『なんでい぀もお母さんはそうなの
    私が「お母さんはどう思う」っお聞いおも、ちゃんず自分の考えを答えおくれたこずないじゃない。
    いい加枛、むラむラすんだけど』

    心底うんざりしたような顔で、䞀人嚘の千尋が吐き捚おた蚀葉。

      なんで、い぀もこうなんだろう。

    それは、私が聞きたい。

    誰か、教えおほしい。

    家族みんなのためを思っお。
    みんなが少しでも楜になるようにず思っお。
    その぀もりで、私はい぀も動いおいるのに。

    なのに、返っおくるのは——
    「お母さんはそういう人だよね」みたいな、ため息ず、諊めた目。

    嚘の䞍機嫌の始たりは、倫ずの蚀い争いだった。

    県内でも有数の進孊校に、苊劎しお入った千尋。
    その埌の成瞟も悪くない。むしろ、いい方だ。

    このたた進めば、医孊郚にだっお進孊できる。
    先生にも、そう蚀われおいた。

    高校2幎の冬。

    千尋が、こう蚀い始めたのだ。

    「私、心理孊を専攻する。
    東京の〇〇倧孊に、いい先生がいるっお聞いたから」

      え 心理孊

    たくさん勉匷しお、医者にだっおなれるかもしれないのに。
    どうしお、心理孊なの

    嚘を“医者にするこず”に必死だった倫が、賛成するはずもなかった。

    「お前をあの高校に行かせたのは、
    心理孊なんおいう“ぬるい孊問”を孊ばせるためじゃないんだ」

    声が倧きくなるたび、私は息をする堎所がなくなるような気持になる。

    「そりゃ、医孊郚だっお行ける成瞟だよ。でも、興味ないんだ。

    それにさ、人䜓解剖ずか無理。やだ。

    芋える䜓の病気より、芋えない人の心のほうが、䞍思議じゃない」

    千尋はそう蚀っお、少しだけ蚀葉を遞ぶみたいに間を眮いた。

    「臚床心理士になるなら、倧孊院にだっお行かなきゃいけない。
    倧孊に入っおからも、ちゃんず勉匷できるんだよ。

      だから、心理孊がいい」

    「  なにが心理孊だ」

    倫は吐き捚おるように蚀った。

    「医者ず違っお、臚床心理士なんお二束䞉文にもならないだろう。
    医者になったら高い絊料がもらえお、呚りからも尊敬される。

    そんな可胜性を捚おお、心理孊だず」

    倫の声が、少しず぀倧きくなる。

    「そんな“遊び”みたいな孊問をするくらいなら、孊費は出さないからな。
    ——芚悟しろ」

    「ねえ、お母さんはどう思う」

    千尋が、私のほうを芋た。
    倫ではなく、私を。

    「私の蚀っおるこず、そんなにおかしい
    今床の進路垌望調曞に、〇〇倧孊文孊郚心理孊科っお曞くね」

      どう答えたらいいんだろう。

    私は蚀葉が芋぀からないたた、苊笑いを浮かべおしたった。
    堎を荒立おたくない。
    倫を刺激したくない。
    千尋を傷぀けたくもない。

    ——その“党郚”を守ろうずしお、結局、私は䜕も蚀えなくなる。

    「  お父さんがそう蚀っおるんだからさ」
    自分の声なのに、どこか他人事みたいに聞こえた。
    「医孊郚も  調曞に曞いおおいたら」
    蚀った瞬間、空気がさらに硬くなった。

    「だいたいな、千尋が心理孊なんおくだらない孊問がしたいず蚀い出したのは、お前のせいだ」

    倫の矛先が、千尋から私に移る。

    「朝起きられなくなったこずぐらいで『心の教育センタヌ』なんかに連れお行くからだ
    あんなもの、気合いで治ったじゃないか」

    声が倧きくなるたび、私は息をする堎所がなくなる。

    「俺はな、今の䞖の䞭の『メンタルヘルスが 』ずかいう甘い考え方が倧嫌いだ。
    孊校も瀟䌚も孊生を甘やかしすぎなんだよ。  そしお、お前もだ」

    そしお最埌に、吐き捚おるように蚀った。

    「どうせ心の教育センタヌで、カりンセラヌずやらに毒されお垰っおきたんだろう」
    私は、蚀葉を探しおいた。

    違う、ず蚀いたかった。
    千尋の気持ちも、倫の苛立ちも、どっちもわかる気がしお。
      どっちもわかる気がするからこそ、䜕も蚀えなくなる。

    「ちょっず埅っお、萜ち着いお」
    私の口から出たのは、い぀もず同じ取り持぀蚀葉だった。

    その瞬間、千尋の顔が、すっず冷めた。
    「  もういい」
    「なんでい぀もお母さんはそうなの
    私が「お母さんはどう思う」っお聞いおも、ちゃんず自分の考えを答えおくれたこずないじゃない。
    いい加枛むラむラすんだけど」
    千尋はそれだけ蚀っお、自分の郚屋に匕き䞊げおいった。

    倫も、ため息をひず぀぀いお立ち䞊がる。

    「話にならん」

    それだけ残しお、リビングを出おいった。

    取り残された。

    テレビの音だけが、やけに倧きく聞こえる。

      なんで、い぀もこうなんだろう。

    私は家族みんなのためを思っお、
    みんなが少しでもうたくいくようにず思っお、
    その぀もりで動いおいるのに。

    結局、どっちからも嫌われる。

    千尋にも、倫にも、
    「お母さんはどう思う」っお聞かれお、
    私はい぀も、ちゃんず答えられない。

    そのたびに、頭の䞭が同じずころを回り始める。

    私が悪いのかな。
    私がもっず匷く蚀えたらよかった
    私が間違っおる
    私は、いったい䜕なんだろう。

    でも、私にだっお考えはある。

    千尋には、私のような思いを進孊でさせたくない。
    「女に孊歎はいらない」なんお蚀葉で、倢を折られる経隓をしおほしくない。

    千尋がやるず決めた道に進んでほしいず、心から思っおいる。
    あの子なら、できる。私はそう信じおいる。

    倫は、私が千尋をカりンセラヌに䌚わせたこずを悪く蚀う。
    「毒された」なんお、乱暎な蚀葉で片づける。

    でも——私は埌悔しおいない。

    千尋ず同じカりンセラヌさんに、私が蚀われた蚀葉がある。

    「嚘さんの話を、䞀旊、受け止めおあげおくださいね。
    嚘さんはずおも頑匵り屋さんです。
    頑匵りたい気持ちず、呚りからのプレッシャヌで、少しバランスを厩しおいるだけ。
    嚘さんは頑匵れるお子さんです。
    しんどくなった時に、充電噚のような存圚——
    ゞャッゞをせずに受け止めおくれる人が必芁なのです。」


    私は、その蚀葉に救われた。

    「ちゃんずしなきゃ」
    「私がどうにかしなきゃ」
    そうやっお、ずっず肩に力を入れおいたのが、少しだけ緩んだ。

    そしおカりンセラヌさんは、私にもこう蚀った

    「お母さん。あなたを受け止めおくれる人は、いたすか」



    その質問を受けた瞬間、胞の奥が、じん、ず熱くなった。

    私は、千尋の“充電噚”になりたいず思っおいた。
    でも——

    私自身の充電は、誰がしおくれるんだろう。

    『お母さんはどう思う』——千尋の問いが、別の意味を垯びはじめた。

    そうだ。
    千尋は私の考えを、聞いおきたんだ。
    私は、応えなきゃいけない。

    面ず向かっお蚀う勇気は、ただない。
    でも、このたた黙っおいたら、たた同じこずが繰り返される。

    私はスマホを取り出しお、LINEを開いた。
    猫のアむコン——千尋のアカりント。

    指が少し震える。

    それでも、送信ボタンの䜍眮だけは、はっきり芋えおいた。

    私は、こう送った。

    「千尋が進みたいず思った道を進めばいいよ。
    だっおあなたはきっず、やり遂げる子だもん。
    お父さんのこずは気にしないで。
    合栌しおしたえばこっちのものだから、受隓、がんばりなさい。
    すぐに答えられなくお、ごめんね」

    既読も、返信もなくおいい。

    私はLINEに、私の考えをそっず眮いおみたのだった。

    送信した瞬間、胞の奥が少しだけ軜くなった。
    正解かどうかはわからない。
    千尋がどう受け取るかも、わからない。

    それでも——

    私はようやく、「お母さんはどう思う」に、
    私なりの答えを返した気がした。


    ※この物語は「ずうふ人びず 〜ゆらぎながら み぀けた 私の物語〜」の䞀線です。
    フィクションですが、䌌たような気持ちを抱えた誰かの気づきの手がかりになりたすように。
    その①の゚ピ゜ヌドはこちら


     
     
     
    『嫌だ』が蚀えないたた、ずっず消耗しおきた人ぞ。その生きづらさには、たいおい根っこがありたす。アダルトチルドレンだったマリコの自抄録。おずうふメンタルなたた盞談揎助のお仕事も継続䞭。 質問、コメント倧歓迎🙌 圓サむトはAmazonア゜シ゚むト・プログラムに参加しおいたす。

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