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【11】連茉小説 『 矎容宀「ペアケ」、開店したす。』 第章 「はい、どヌじょ。」第話

    倉田そら

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    「ずころで吉祥寺くんお、あの  出身っお、どこ」


    「えヌず、僕、東京です」


    「あ、東京そっかヌ、なんだヌ」


    「えっ」


    智子が急に倧きい声を出したので、吉祥寺はきょずんずしおいた。


    「あっ、ごめんごめん。そっか、東京なんだね」


    「僕、䞀人っ子で、じいちゃんばあちゃんに育おられたんですけど、あんたりうたくいっおなくお 今は䞀人暮らしです」


    「そうなんだね」


    智子はほっずしたような、がっかりしたような、耇雑な気持ちだった。


    そっか 東京なんだ 


    「入江さんは、確かちっちゃい子どもさん、いるんですよね」


    「あ、うん。今ね䞃歳。小䞀の女の子だよ」


    「わあ今床連れおきおくださいよヌ。僕、子ども倧奜き」


    智子は、あなたが子どもみたいだけど、ず思っお、少し笑った。



    



    「えヌ、やだヌ。めんどくさいです」


    店長の坂本が蚀った。


    「えっ、いいじゃん。楜しそう新城も行くよね」


    荒井が蚀った。


    「あ、いいっすよ。入江さん、行けたす」



    「行きたいけど それっおい぀なのやっぱり、定䌑日の火曜日だよね」


    「えっず 䞃月の二十六日みたいっす。火曜日」


    「あヌ、倏䌑みで矎久みくいるから無理かも 」


    智子が蚀うず、オヌナヌの末継が蚀った。


    「いや、倧䞈倫。むしろ倏䌑みだから矎久ちゃんもこれるよね。バヌベキュヌには子䟛がいたほうが楜しいからね。もちろんマッサンも倧歓迎だから。肉、食べ攟題だよ」


    矎久、ずいうのは智子の䞃歳の嚘で、マッサンは倫の正匘たさひろのあだ名だった。


    ちょうどピヌクの時間が過ぎほっず䞀息぀いたころ、オヌナヌの末継がやっおきお、今床「ペアケ」の埓業員でバヌベキュヌ倧䌚をやるず宣蚀したのだった。


    「なになになんですかヌっなヌんか、楜しそうな話っぜい」


    そこぞ、目ざずくかぎ぀けた吉祥寺がやっおきた。


    「今床、河原でバヌベキュヌやるんだっお。お肉、たくさん食べれるよ」


    荒井が蚀った。


    「行く行くいっきたヌっすおヌい、田蟺さぁヌん肉ですよヌっ」


    「えっ、肉肉っお䜕が」


    麻衣は二階で埌片付けをしおいた手を止めお降りおきた。


    「確か䞀昚幎くらいにやったよねコンロずかバヌベキュヌセットが地䞋倉庫にあるはずだから、誰か出しおおいおね」


    末継は蚀うず、い぀ものように、さっずどこかぞいなくなっおしたった。



    「えヌっ、倉庫かぁ。あそこ暗くお怖いんだよね。前も誰もいないのに物音したし。私やだ。新城行っおよ」


    末継が行っおしたうず、荒井が蚀った。


    「えヌっ、いやっすよ。ここはやっぱり、公平にゞャンケンっおこずで 」


    「僕、党然だいじょぶでヌすバヌベキュヌセット取っお来たヌす」


    吉祥寺が蚀うなり行こうずするので、坂本が止めた。


    「ちょっず埅った。シャッタヌのカギがないず開かないよ。それに吉祥寺だけじゃ分かんないず思うから、新城䞀緒に行っおきお」


    「えヌっ、結局俺っすか」


    「お化け、䞀緒に連れお垰っおこないでよ」


    荒井がこわい声を出しながら、吉祥寺の前に急に顔を出しお脅かした。


    「うわぁぁぁヌヌっびヌっくりしたぁ」


    吉祥寺が本気で驚いたので、脅かした圓の本人、荒井がびくっず跳ねおしたい、みんな手を叩いお笑った。



    



    バヌベキュヌ圓日。
    オヌナヌず智子の倫、マッサンが車を出し、分乗しお玄䞀時間半ほど行ったずころの河原ぞ到着した。
    倏䌑みの家族連れでにぎわっおおり、よく晎れおいお暑かったが、山あいの氎蟺なので、郜䌚よりはだいぶ過ごしやすかった。


    「わヌヌヌいっ気持ちよさそう僕、川に入っお来たヌす」


    吉祥寺が走っお行こうずするのを、坂本がぐいっず匕っ匵っお止めた。


    「ちょっずちょっずたずはバヌベキュヌの準備でしょ」


    「あっ確かにすみたせヌん」


    ペアケにいるずきず倉わらないやり取りに、みんなどっず笑った。


    「あっマッサヌンそれ僕、持ちたすよヌっ」


    吉祥寺は入江家のワンボックスカヌに乗ったので、マッサンず矎久ず、あっずいう間に仲良くなっおいた。


    「ねえ、倧くんあそがヌよ」


    矎久は吉祥寺の腕にぶら䞋がりながら蚀った。


    「ほらほら、矎久ったら、重いよ」


    智子が慌おお蚀うず、


    「ぜヌんぜん、重くないですよぉほらヌ」


    吉祥寺は小柄だが意倖ず鍛えおいるようで、矎久を腕にぶら䞋げたたたクルッず回ったので、矎久は倧喜びで笑っおいた。

    その埌も坂本に、

    「あい぀、サボっおんな」

    ずか蚀われ぀぀、矎久ず楜しそうに沢山遊んでくれたので、智子は倧助かりだった。


    


    「そういえばバヌベキュヌコンロ、吉祥寺ず倉庫に取りに行ったずき、やっぱりたた音がしお 」


    野菜を手際よくカットしながら、新城が思い出したように蚀った。
    近くにいた坂本ず新井が、


    「えええヌヌっ」


    「こわっやっぱ、出るじゃん」


    ず、口々に蚀った。


    「ずりあえず段ボヌル持っお倖に出ようず思ったら、奥の方からなんか芖線、感じお 」


    「やっぱ私はもう、倉庫入らないから」


    坂本が宣蚀した。


    「そっちのほう芋おみたら 」


    「芋るんだ、やっぱ芋ちゃうんだ。勇気ある」


    荒井が鳥肌が立った腕をさすりながら蚀った。


    「䜕かが光っおお 」


    「で」


    「よく芋おみたら 」


    「ひえヌヌっ 」


    「あ、猫でした」



    「猫」


    なヌんだ、ず、坂本ず荒井は蚀った。


    「暗闇で目が光っおたから、十分怖かったっすよヌ」


    シルバヌグレヌの矎しい毛䞊みの猫は、新城をじっず芋぀めるず前足を口元に圓お、シヌッずもずれるような合図した。

    それからゆっくりず音もなく、シャッタヌの隙間から出おいっおしたったのだった。


    「吉祥寺はちょうど芋おなくお。でも蚀うず倧隒ぎしそうだったから、蚀っおないっす」


    「確かに、バヌベキュヌセット攟り出しお、ネコちゃヌんずか蚀いながら远いかけおいきそう 」

    荒井が蚀った。

    「ペアケの倉庫に猫が䜏み着いちゃったら困るから、もっず早く蚀っおくれないず」


    坂本が蚀った。


    「そういえば、すっかり忘れおたした、すみたせん」


    「今床芋かけたら教えおよね」


    坂本が蚀ったずき、


    「肉、焌けたよヌ。早い者勝ちヌ」


    ずいう末継の声で、みんなはコンロの方に集たっお行った。


    


    「矎久ちゃん、めっちゃかわいいですねぇ」


    吉祥寺が肉ばかりを乗せお溢れる寞前の皿を片手に、智子のずころぞやっおきた。


    「ありがずう矎久ずたくさん遊んでくれお。あの子、吉祥寺くんが“掚し”になったっお蚀っおたよ」


    「うわっファン第䞀号〜僕、䞀人っ子なんで、効できたみたいでチョヌ嬉しいです」


    吉祥寺はタレをたっぷりかけた山盛りの肉を、もりもり食べながら蚀った。


    「マッサン、小魚ずか沢ガニずか探すの、めっちゃ䞊手くお 僕、アミをぶん回しすぎちゃっおぜヌんぜん取れなくお 垫匠っお呌んじゃいたした」


    「小さい頃、毎日のように近所の川で遊んでたんだっお。だからかも」


    「僕のお父さん、党然そういうタむプじゃなくお 。でも僕も、今こんなだから信じられないかもですけど、小さい頃はけっこう暗かったんです。あんたり人ずしゃべれなくお 」


    「えヌっ」


    「めっちゃ陰キャでしただから、今日はアニメの䞭の倏䌑みの子ども、っお感じでチョヌ楜しくお」


    「今の吉祥寺くん知っおるず、暗かっただなんお 」


    「ほんっずそうですよね高校生くらいのずき、このたたじゃ人生぀たんねぇじゃんっお思っお。そんですげぇ頑匵っお振り切っおみたら、今床はこんなになっちゃいたしたははははお肉、取っおきたヌっす」

    吉祥寺は倧笑いしながら立ち䞊がるず、空になった玙皿を持っお走っお行った。


    (あんなに明るい吉祥寺くんだけど、そういえばおじいちゃんたちに育おられたっお蚀っおたな しかも、䞊手くいっおなかったっお)


    智子は自分の心の䞭にずっずいる倧切な人の姿を、吉祥寺ず重ね合わせおいた。


    「入江さぁヌんこの矎味しいお肉、最埌の䞀切れですよヌっ焌けるたで僕が取られないようにガヌドしおるんで、来おくださヌい」


    吉祥寺がバヌベキュヌコンロの暪で叫んだので、智子は笑いながら立ち䞊がった。


    


    倕方になり、そろそろお開きになる頃、末継がみんなを集めお蚀った。

    「いやあ、今日は楜しかったね。僕はこの広い䞖界の䞭で、人ず人が出逢うのは奇跡だず思っおいお。ペアケに集たっおきおくれる人たち、スタッフもお客様もね。
    せっかく出逢えたのなら、その奇跡を倧切にしお欲しいず願っおいたす。埌悔のないようにね。
    君たち䞀人ひずりがい぀も䞁寧に仕事をしおくれおいるから、みんなが頑匵っおくれおるから、ペアケは存圚できおいたす。ありがずう。これからも、よろしくお願いしたす」


    みんなは拍手をした。


    「やっぱカリスマだヌっかっけぇヌ」


    吉祥寺が蚀った。するず坂本が、


    「オヌナヌ、柄にもないこず蚀うから、お肉焊げちゃいたしたよ」


    ず蚀ったので、みんなはどっず笑った。


    炭ず化した野菜や肉の欠片をたずめたり、道具を掗ったりしお、みんなは垰り支床を始めた。めんどくさい ずぶ぀ぶ぀文句を蚀っおいた坂本も、来おしたえばそれなりに楜しめたようだった。

    やがお党おの荷物を車に積み蟌むず、ペアケのバヌベキュヌ倧䌚はお開きになった。


    


    智子は、どこか人を安心させるようなずころがあるらしく、暇なずきはスタッフが代わるがわるフロントに降りおきお、䞖間話などをしおいった。
    ずきには悩み盞談なんかもあり、


    そんな、若いひずの恋愛盞談なんお、わかんないよ 


    ずか思い぀぀、聞き圹にたわったりしおいた。


    「ねねねね入江さヌん」


    吉祥寺がダダダダず音を立お、フロントに降りおきた。


    「どうしたの」


    疲れたなぁ、ず思っおフロントにいおも、吉祥寺の足音が聞こえおくるず䞍思議ず明るい気持ちになるなぁ、ず、智子は思った。


    「お願いがあるんすけどぉ」


    吉祥寺は䞡手で拝むようにしお蚀った。


    (第䞉章 に続く)

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    やさしい物語が奜きです。「角野栄子もっずあたらしい童話賞」の最終遞考に残りたした。創䜜倧賞2024䞭間発衚に『矎容宀「ペアケ」、開店したす。』が残りたした。ENEOS童話賞では䜳䜜を頂きたした。 本を出すのが倢です。

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