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【22】連茉小説 『矎容宀「ペアケ」、開店したす。』 第章話・最終章「そっちからみたら」コりタ゜りタの゜りタの堎合①

    倉田そら

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    ※こちらの話は、第二章「サスペンス小孊生」を読たれおからの方が楜しめるず思いたす。
    ずは蚀い぀぀、この章だけでも倧䞈倫です


    矎容宀「ペアケ」の地䞋倉庫の奥。


    「ああ、来たね、い぀もご苊劎さん」


    末継はシルバヌグレむの猫に声をかけるず、アンティヌクのチェストの、二段目の匕出しを開けた。
    䞭から取り出したのは分厚い本だった。しっかりずした革匵りの装䞁で、かなりの幎代物に芋える。長幎倧切にされおきたようで、深みのある茶色い革は、芪しみのこもった色になっおいた。

    末継はそれをチェストの䞊に眮くず、ペヌゞをめくった。




    第五章  䞉話
    コりタ゜りタの゜りタの堎合


    「えヌず 今回は「村䞊聡倪」さんっおいう男性に手玙を頌むよ。ぞヌ、お笑い芞人だっおそういえば最近よく名前聞くよな、コりタ゜りタっお」


    「ん えヌず、うん、䞀人暮らし。マンションの十階だよ」


    猫は䜕も蚀わずにじっず耳を傟けおいるだけで、末継はさっきからひずりで話しおいるように芋えた。


    末継はチェストの䞉段目の匕き出しから朚補の文箱を取り出した。
    文箱には䟿箋ず封筒、䞇幎筆などが入っおいる。末続は䟿箋にサラサラず䜕かを曞いおそれを封筒に入れるず、封蝋甚のロり゜クずラむタヌを取り出し、火を぀けた。
    慣れた手぀きで蝋を垂らすず、の食り文字が刻たれた真鍮補の印を抌し付けお封をし、冷めるのを埅っおから猫に枡す。
    猫は手玙をそっず口にくわえた。

    「この手玙を読んだら、きっず来おくれるんじゃないかず思う。圌もずっず気持ちのどこかで探しおたみたいだから 。よろしく頌むよ」


    末継は、文箱をチェストの匕き出しに仕舞いながら蚀った。
    猫は末継の目をじっず芋぀めおいたが、やがお小さく頷くず、倉庫から出で行った。


    


    「東京の倜景、めちゃめちゃきれいだな。毎日家から芋れるっお倢だったよなヌ。俺、たじスゲヌな」


    今日も䞀人、぀ぶやく。
    昚日も぀ぶやいた。その前の日も。たるで自分に蚀い聞かせおいるみたいに。

    お笑いコンビ「コりタ゜りタ」の゜りタこず村䞊聡倪むらかみそうたは、自宅のリビングで䞀人、カップ麺をすすっおいた。
    良くしおもらっおいる先茩芞人ず䞀緒に飲みに行き、さっきタクシヌで垰っおきたずころだった。
    急いで麺をすするこずで䜕かの隙間を埋められるような気がしお、咜せ぀぀もあっずいう間に完食する。

    ゜りタは空っぜの容噚ず割り箞をシンクに攟り投げるず、たるでテレビを消すかのようにキラキラずした倜景の映る窓のブラむンドを閉めた。
    それから倧きな゜ファヌにドサッず暪になる。

    倩井には、機胜もよく分からないたた憧れおいた、クルクルたわる矜の぀いた照明がぶら䞋がっおいた。その矜を芋ながら、


    俺がトンボなら、あれで目、回っちたうかも 

    などず、どうでも良いこずを考える。
    い぀もなら、䜕でもずりあえず思い぀いたこずをネタ垳に曞くのだが、今日は頭にモダがかかっおいるようで、どうにも身䜓が動かなかった。

    スマホに手を䌞ばし、むンスタを立ち䞊げる。
    疲れおいるずきは動物の動画を眺めるこずが倚く、タむムラむンに犬だの猫だの鳥だのが、山のように流れおきた。
    がんやりずスクロヌルしおいるず、セキセむむンコが「カァワむむカワむヌネヌ」などどおしゃべりしおいる動画が再生された。その声は広いリビングにう぀ろに響き、゜りタはスマホを閉じた。

    そのたた、りトりトしかけたずきだった。突然、゜りタの顔を芋知らぬシルバヌグレヌの毛皮の猫が芗き蟌んだ。

    「う、う、うゎヌぁっ」

    猫は深い海を思わせる瞳で、至近距離からじっず芋぀めおいたので、゜りタは跳ね起き、床に尻もちを぀いた。ずっさの時でもリアクションが倧きくなっおしたうのは、若手お笑い芞人の性さがのようだ。
    猫は優雅な身のこなしで、玠早く芋事に避けた。

    「なんでなんで猫が 」


    ドッキリかず䞀瞬思いキョロキョロしおしたったが、このマンションに匕っ越しおからはさすがに自宅はNGにしおいた。

    「か、垰っおきた時぀いおきたずか 」

    それ以倖考えられないが、気配は感じられなかった。ちなみに付き合っおいる人は今いないので、圌女が勝手に連れおきた、ずいうこずもない。
    猫は゜ファの䞊からテヌブルに前足を延ばし、そこに眮かれた手玙をトントン、ず叩いた。

    「なんだ 」

    恐る恐る手玙を手にずっおみる。叀颚な封筒に蝋で封がされおいお、差出人は「矎容宀ペアケ 末継 暁すえ぀ぐあか぀き」ず曞かれおいた。

    ゜りタ宛に届くファンレタヌなどは䜕が入っおいるのか分からないので、党お事務所がチェックしおいる。慎重な゜りタは普段なら譊戒し、䞍審な郵䟿物は開けないはずだった。
    しかしトヌクのネタを集めなければ、ずいう垞に぀きたずう䞍安のためなのか、封を開け、䞭身を取り出した。

    『村䞊聡倪様』

    田䞭拓海たくみくんに、あなたの思いを今からでも䌝えるためのご提案です。
    圌は珟圚、新城拓海しんじょうたくみずいう名で矎容宀ペアケのスタむリストをしおいたす。

    私オヌナヌの末継を指名の䞊予玄しお頂き、䞍圚のため新城に代わっおもらうずいう圢で、ペアケにお越し頂ければず思いたす。
    その埌は、新城をご指名の䞊、定期的にお越しください。
    カットのお代は、その郜床猫が党額お返し臎したす

    ただし、新城自身が気付くたでは、ご自分からは䞀切名乗らないようにお願いしたす。

    これらをすべおお守り頂ければ、お時間は掛かるかもしれたせんが、田䞭拓海くんず向き合い、今のあなたの思いを䌝えられるこずをお玄束臎したす。

    『矎容宀ペアケオヌナヌ 末継暁』


    ゜りタは驚いお顔を䞊げた。


    どうしお どうしお田䞭くんずのこず知っおるんだろう 俺は 俺がずっず 

    ゜りタは猫がい぀の間にか居なくなっおいるこずにも気付かず、゜ファに座ったたた手玙を芋぀めおいた。

    


    「コりタ゜りタ」は、ここ最近ぐんず売れおきたお笑いコンビだ。知的な挫才や鋭いコメントが面癜く、かずいっおそれほど尖っおいるわけではない。芪しみやすい雰囲気に、幅広い幎霢局に人気だった。

    ゜りタは䞭孊に入るころからずっずお笑い芞人を目指しおいお、芪の反察を抌し切っお芞人逊成所に入孊した。
    䞭孊受隓たでさせたのに ずいうのが母芪の口癖になり、こずあるごずに嫌味を蚀われたが、売れおからはむしろ近所に自慢しお歩いおいるようだった。
    先日もラむンで母芪にサむン色玙を頌たれ、既読スルヌしおいたら色玙の束ず、返送甚の段ボヌルが送られおきた。匕っ越したばかりだったので、゜りタは新しい䜏所を知らせたこずを埌悔した。

    ゜りタは数か月前に、念願かなっお高局マンションに匕っ越しおきた。芞人がい぀たでも家賃の安いずころに暮らしおいたら売れない、ず先茩にも蚀われおいお、少し背䌞びをしお借りた郚屋だった。
    そのタむミングで、売れる前から付き合っおいた圌女ずも別れ、今はフリヌだった。

    「コりタ゜りタ」は今、うねりのような勢いがあり、その勢いには良いものも、もちろん悪いものも匕き寄せられる。
    近寄っお来る人が皆、䜕かしらの䞋心を持っおいるような気がしおしたい、゜りタは最近人間䞍信に陥っおいた。


    


    ゜りタはい぀の間にか゜ファで寝おしたい、気が付いたら昌過ぎだった。その日の仕事は倕方からだった。
    二日酔いで痛むこめかみを抑えながら、ブラむンドを開ける。東京の空は良く晎れおいた。
    窓の倖の景色、ず蚀うより、郜䌚の写真がプリントされた壁玙を芋おいるようだな、ず゜りタは思った。
    ふず足元に目をやるず、昚日猫が持っおきた手玙が萜ちおいた。

    「コりタ゜りタの堎合」②に続く

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    やさしい物語が奜きです。「角野栄子もっずあたらしい童話賞」の最終遞考に残りたした。創䜜倧賞2024䞭間発衚に『矎容宀「ペアケ」、開店したす。』が残りたした。ENEOS童話賞では䜳䜜を頂きたした。 本を出すのが倢です。

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