
絶滅危惧姓 ④/全5話【創作台本・世にもになるまで書いてみた・119作目】
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○ 総合体育館・ブース内
身分証明ブースにて。
職 では「あなたの本名」がわかるものをご提示ください。
主 はい。
主人公 財布を開ける。しかし入っているのは「玉出」とバレるものしかない。
主 ・・・あれ? ない! ない!!
職 どうしました? 早くご提示下さい。
主人公 堪忍したのか「玉出」と書かれたマイナンバーカードを渡す。
職 お預かり致します。
職員が読み取り機械にかざすと、当然引っかかる。
職 絶滅危惧姓「玉出」が出現! 至急「保護」を求める!
頭上から網が振り、主人公を捕獲。ほぼ同時で職員達もブース内に入ってくる。
○ 総合体育館・搬入口
主人公を乗せた檻を運ぶ職員達の会話。
A 今日も大量に「保護」できたな。
B あぁ。これくらいあれば、札幌開催分の剥製は足りるだろ。
A そうだな! (高笑い)
主人公 恐怖で怯えている。
○ 主人公宅・寝室
主人公 慌てて飛び起きる。
主 や、やめろぉ!!(荒い息)
体育館の光景は夢。
主人公 息が上がっている。
隣で寝ていた彼女 眠い目をこすりながら起きる。
女 (眠そうに)ねぇ・・・ おっきな声出さないでよ・・・
主 ・・・ごめん。怖い夢見ちゃって。。。
女 ん。。。
彼女 もう一度眠りにつく。
主人公 慌ててスマホを手に取り、この日保護された「絶滅危惧姓」リストを見る。
主 ・・・載ってないか。。。
主人公 スマホを枕元に置き、再び眠りにつこうとするが眠れない。
主 (心の声)
・・・・・・もう、どうしたら。。。
なぜ俺は「玉出」で生まれてしまったんだ!!
○ 主人公宅・リビング
翌日夜。
主人公 どこか神妙な表情をしながら、ソファーに座っている。
女 どしたの? 大事な話って??
男 ・・・・・・俺の本名、知ってるよね?
女 ?? 「ヤマモトショウタ」でしょ?
男 ・・・・・・ごめん! (頭を下げる)
実は俺「ヤマモト」じゃないんだ! 本当は「玉出」なんだ!
女 ・・・「玉出」って玉が出るって字?
男 あぁ。
・・・それに、「絶滅危惧姓」に指定されてるんだ。
女 うそ!? じゃあレアじゃん!
男 ・・・ごめん! もし迷惑かけるのなら、別れ・・・
女 は!? ちょっと!いくらなんでも大げさすぎるって!
別に迷惑なんてかかってないしw
男 ・・・・・・え?
女 当たり前じゃん! むしろラッキーって感じ?
だって結婚したら私も「玉出」になるんでしょ?
てか、なんでずっと黙ってたの?
男 それは・・・
テーブルの上に置かれた主人公の身分証明書のアップ。全て「玉出」姓になっている。
女 ・・・え? じゃあ剥製って「ガチ」?
主 ・・・あぁ。
女 こっわ。「保護」ってそういう意味だったんだ・・・
女性 主人公のマイナンバーカードを手に取り、まじまじと見る。
女 へぇ~ 偽名で作れるんだ。
主 あ・・・ それはまぁ・・・
(小声で)違法だからあんま言わないで・・・
女 (察して)あー、そういうことね。了解。
でもさ、「玉出」さんが増えるか、他の「玉出」さんが捕まれば保護されなくなるってわけでしょ?
主 まぁ、そうだね。
女 じゃあ私の婿に入る? 「佐藤」になれるよ?w
主 ・・・・・・マジで?
女 ちょっと! 真剣に考えないでよ~w
テレビの音声SE。ニュース番組。今日の保護リストが画面に出る。女性アナウンサーが原稿を読んでいる。
女 続いて、本日「保護」された「絶滅危惧姓」の一覧です。
彼女 画面上の「保護リスト」に気付く。
女 ねぇ! 「玉出」あるじゃん!
主 え!? マジで!?
(わざとらしく目をこすり)ほんとだ!
女 良かったじゃん!
主 あぁ! 本当に良かったよ!!
2人 抱き合って喜ぶ。
主 (心の声)
これで俺は偽りなく、正直に生きていける! もう俺は自由だ~!