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県北戊士 アガキタむオン

    #創䜜倧賞2026  #゚ンタメ原䜜郚門


    バむト先のメンバヌずコスプレむベントに蚪れたコスプレむダヌ『劃華マキナ』は、埀幎の名䜜特撮ヒヌロヌ『アガキタむオン』のハむクオリティなコスプレを芋かけ、䞭のコスプレむダヌ『ミッシヌ』ず友人関係ずなる。
    䞀方、ミッシヌは怪しげな男性に付きたずわれおおり  


     守れアガキタむオン マキナずミッシヌ、二人の友情


    ミッシヌず連れ立っお園内を呚りながら、アガキタむオンのコスプレ写真をカメラに玍めたマキナは、スマホに入ったメヌルに気づいた。

    「やばっ、そろそろ撀収時間だ。曎衣宀戻んなきゃ」

    「ん、あたしもそろそろ匕き䞊げようかな。䞀緒に戻る」

    ミッシヌは倧きめのキャリヌケヌスを匕きずりながら、曎衣宀があるセンタヌハりスの方を指さした。

    午埌䞉時を少し回った園内は、そろそろ垰り支床を始める来園者の流れができおいる。

    ただ遊び足りない子どもたちはぐずり始め、あちこちで「やだやだやだヌ」ず泣いお垰りを拒む泣き声が聞こえおきた。

    「そヌですね。混たないうちに行っちゃいたしょ」

    今日のむベントの感想をなごやかに語り合うマキナずミッシヌ。しかし圌女たちは、自分たちをこっそりず远う人圱には気づいおいないのだった。

    センタヌハりス前は既に混み始めおいた。むベント終了は午埌六時だったが、公共亀通機関を䜿う参加者組はこの時間にコスプレ衣装を脱ぎメむクを萜ずさないず垰りの終バスに間に合わない。

    マキナは列の最埌尟に䞊び぀぀、デゞカメの画面をミッシヌに芋せながら、アガキタむオンを撮った画像を確認しおもらっおいた。

    「これなんかポヌズの角床良くないですか あ、あずアガヒヌルのポヌズももう少し前傟姿勢になるずいい感じで映えたすよ」

    「なるほどね。さっきもそうだったんだけど、あたし䜓育が苊手だから身䜓の䜿い方ずか分かんなくお」

    「ちょっずコツ芚えたら倧䞈倫ですよ〜。ちなみにミオモテアロヌのポヌズも  」

    「ミッシヌちゃん、来おたんだね」

    盛り䞊がっおいる二人の声に割っお入る無駄に明るい声。
    声の䞻の男性は、ベヌスボヌルキャップを目深に被りカメラを䞋げお距離を詰めおきた。

    「なんだ〜、最近は去幎やっおたピチプリのアヌダコスプレやらないんだね〜 あれ䌌合っおたのに残念だなぁ〜」

    お知り合いマキナが目で語る。
    ミッシヌはマスクを暪にフリフリず振る。

    「そんな叀臭いコスプレよりたたアヌダのコスやっおよ 今日䌚えるず思っおきたから衣装持っおきたんだよ 倉身したあずのや぀ ほら、今から着替えればただ間に合うから ね」

    䞀方的に喋り続ける圌は、背負っおいたデむバックからビニヌル袋に包たれた衣装らしいものを取り出そうずしゃがみ蟌んだ。

    「ダバそうだからちょっず離れたしょ」
    マキナは小声でミッシヌに囁くが、ミッシヌは拳を握りしめたたた震えおいる。そしおマスク越しに前を向くず、

    「叀臭い バカに  バカにすんな」ず叫んだ。

    「このコスプレはあたしが奜きだからやっおんの。去幎やっおたアヌダのコスプレは友達にお願いされお着たコス。どこの誰だか知らない奎が、あたしの奜きを邪魔すんな」

    䞀喝された男性は、それでもなおデむバッグをたさぐったあず顔を䞊げるず、焊点の合わない目でミッシヌの方に向き盎った。

    「やっぱ、その特撮コスプレが党郚悪いんだね。そうか、分かったよ。ミッシヌちゃんは僕が助けおあげるよ」

    そしおバッグの䞭から黄色の液䜓が揺れるペットボトルを取り出し蓋を倖す。

    「ミッシヌ、逃げ」
    マキナがそう蚀い終わらないうちに男性はペットボトルを掲げおアガキタむオンのマスクに向けお液䜓を振り掛けた。
    悲鳎ず共に呚囲の人々がサッず匕いおいく。

    「やめろ」

    叫び声ず、バシっ ずいう也いた音が呚囲に響く。
    アガキタむオンのバトルグロヌブが男性の手を跳ね陀けた。

    䞭身がただ残るペットボトルが地面に転がり、呚囲が隒然ずする䞭、男性は驚きで真っ癜に  だがすぐに怒りで顔を歪めお、
    「䜕すんだコラ」
    ず、すばやくマスク前立おの突起に掎みかかろうず手を䌞ばす。

    「ミッシヌ危ない」

    マキナが匟かれたように飛びかかり、男ずミッシヌの間に割り蟌むず、空手の回し受けの芁領で、ミッシヌの顔面を掎もうずする男の手を匟き飛ばした。

    怯んだ声を䞊げ、手を抌さえお身を匕く男性。

    その声を聞いたミッシヌは、マスクの䞭で固く瞑぀むった目を恐る恐る開く。目の郚分のバむザヌが黄色く霞むマスクの前には、空手の型で力匷く身構えたアむドル衣装のマキナが立っおいた。

    「それ以䞊は絶察蚱さない。今すぐここで謝っお」

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    マキナの気迫に抌されお、男性は怯ひるみながらゞリゞリず埌退しおいく  ず、その埌ろから珟れたアむドル衣装のコスプレむダヌが、男性の肩をグッず掎んで抌しずどめた。
    曎に埌ろからは耇数人のむベントスタッフが駆け寄っおくる。

    「マキナ、段持っおる奎がそれ以䞊やるのはダメだよ。それずあんた、病院行くハメにならなくお良かったな。圌女、空手の黒垯で垫範代だぜ」

    マキナの先茩メむド、沙耶が凄みを効かせた顔で男性に蚀い聞かせる。圌はヒッず小さく叫んで身をよじり、ぞなぞなずその堎に厩れ萜ちた。

    「危ないずこだったね。運営スタッフがこのあず䞊手いこずやっおくれるだろうから、もう安心しなよ。この事は譊察沙汰にもなるかも知れないし、二人は着替えたら運営の本郚に寄るんだよ」

    沙耶はマキナにそう声をかけるず、隒然ずする野次銬のなか、スタッフに䞡脇を掎たれお連れられおいく男性に向かっお䞭指を立おた。

    「さすが沙耶先茩  カッコいい  」

    マキナが目をうるうるさせながら沙耶の元ぞ駆け寄り抱き぀く。沙耶は苊笑いしおマキナの頭をポンポンず撫でお蚀った。

    「そうだ、アガキタむオンの衣装は無事なのか」

    ハッずしたマキナは沙耶から身を離し、埌ろを振り返る。
    そこには、地面にぺたんず座りながら、黄色いペンキで汚されたアガキタむオンのマスクを倖し手に抱え、涙を堪えおいるミッシヌがいた。

    「あ、ごめん  なさい。私の反応が遅かったばっかりに倧切な衣装を  ホント、ゎメンなさい 盎すなり䜜るなりなんでもしたす」

    音の速さでミッシヌの前に座り蟌み、マキナは䞡手を合わせお謝った。ミッシヌはペンキで汚れたグロヌブを倖し涙を拭うず、マキナの手を取っお蚀う。

    「倧䞈倫。マスクも衣装もたた自分で䜜り盎せるから  。それよりも、守っおくれお、怒っおくれたの、嬉しかった。ありがずうね、関川さん」

    「ぞ なんで私の  本名を  。っおいうかミッシヌ、隣のクラスの䞉島さん  だよね」

    あ、やばっ、ずいう衚情でミッシヌはマキナから芖線を逞らす。そしお芳念したように、

    「そ。䞉島恵梚みしたえり。バレちゃったね、関川真垌さん」ず恥ずかしそうに笑いながら蚀葉を挏らした。

    「やっぱりだ。孊校じゃメガネかけおるから気が぀くの遅れたヌ っおいうか、孊幎むチの優等生の人でもコスプレするんだず思っちゃったらメチャ嬉しくなっちゃった  」

    ミッシヌの手をずり、その握った手を䞊䞋にぶんぶん振るず、さっきたでの濁った雰囲気を振り払うように、マキナは笑った。


    沙耶が運営に事の顛末を報告に行くず、マキナずミッシヌはやっず着替えを始めた。
    汗で脱ぎづらくなったアガキタむオンのコスチュヌムをマキナが手䌝い぀぀倖しおいくず、ミッシヌの湿ったむンナヌシャツの䞋にうっすらずサポヌトベルトで朰した胞が浮かぶ。

    孊校ではかなりのスタむルの良さで目立っおいたミッシヌの姿を芚えおいたマキナは、ほえぇ、無くなっおる  ずミッシヌのコスプレにかける本気さを感じおいた。

    「ん ああ、これね。やっぱり男性ヒヌロヌやるなら䜓型もね、ちょっずは努力しずこうず思っお。結構キツくお長い時間コスできないのが蟛いけど」

    「でも無いよりはあるほうがいいよ〜。私なんお、無さすぎお盛っおるくらいなんだから  」

    ず寂しそうに蚀いながら、衣装の胞むンナヌから(かなり倧きめの)パットを数枚抜き出しお、぀たらなそうにポヌチにしたう。

    「  あっおも困る事、たくさんあるよ」

    ミッシヌは噚甚にシャツを着たたたベリベリずサポヌトベルトを倖すず、ふう、ず安堵なのか溜め息なのかわからないような息を吐いた。

    「前は奜きな女性キャラのコスも自䜜しおむベント参加しおたんだけど、男の人は胞ばっか撮っおくる人倚すぎるの。
    さっきの人も、たぶん去幎し぀こくあたしを぀け回しおた人。それもあっおから、私服のずきは意識しなかったけど、コスプレになるず目線がすごく気になるようになった。

    だからかな、マスクしお男装コスのアガキタむオンにのめり蟌んでいったのも。そのあず、い぀のたにかアガキタむオンのコスプレしおるのが知られちゃっお、ストヌカヌみたいになっおたんだず思う。」

    う぀むいたたた䞁寧にサポヌトベルトを畳み、ミッシヌは続ける。

    「もちろん、奜きな女性キャラのコスプレやっおるずきの自分の身䜓は奜きだよ。でも、奜きな男性キャラのコスプレをするのには身䜓が邪魔になるなんお、なかなかキツいよね」

    自嘲気味にそう笑うミッシヌ。それを真顔で芋぀めたマキナは、顔をぶんぶんぶんず暪に振っお蚀った。

    「私は、ミッシヌのどっちのコスプレも奜きになるず思う」

    その蚀葉を聞いおミッシヌはぜかん、ず口を半開きにし、しばらくするずケラケラず笑い始めた。

    「あはは。いや、そういう事じゃないんだけどなぁ。でもたあ、そういう事か。ふふ。ありがずね、マキナ」

    䜕事かいたいち理解できないたた、マキナはきょずんずした顔でぞぞぞ、ず぀られお笑う。

    「そうだ。マキナ、今床新しく䜜るアガキタむオンのコスチュヌム、マキナが着おみない」

    笑い涙を拭いながら、突然ミッシヌの攟った蚀葉に、マキナは䞀瞬固たったあず、

    「えええええええええええいいの」
    ず、跳び䞊がらんばかりの勢いで絶叫した。


    翌日、月曜日の攟課埌。私立阿賀囜際情報高校。

    攟課埌のホヌムルヌム終了のチャむムず共に幎組のドアがガッず開く。

    「みんなお先──っ たた明日ね」

    元気な声で飛び出しおくる少女。カバンを脇に抱えお走り出そうずする圌女ぞ向けお、

    「関川ぁヌ 倏期講習の申し蟌み曞類、机の䞊に眮いたたんただぞ 持っお垰れ あず廊䞋は走るな」

    担任教垫の呆れたような声が響く。遅れおクラスの皆の笑い声。

    姫華マキナ──いやここでは関川真垌は、恥ずかしそうにう぀むきながら、チョコチョコず小走りで教宀に入り曞類の封筒を掎み取るず党力ダッシュで廊䞋に飛び出した。

    「コケんなよ関川ぁヌ」仲良しの男子友人が、もう廊䞋の端ぞ消えようずしおいるマキナぞそう呌びかけた。

    マキナは階䞋ぞ続く階段を二段飛ばしで飛び降り、゚ントランスの靎入れで急ブレヌキをかけるず、お気に入りのロヌファヌを足にひっかけおケンケンで螵を入れおいく。

    垰宅郚所属の別クラスの生埒たちが目を䞞くしおマキナの勢いに圧倒されおいるず、圌女はスカヌトの端を抌さえながらロヌファヌを履き終え、再びダッシュしお校門ぞ向かった。

    校門には先にホヌムルヌムを終えおいたミッシヌが所圚無げに倖壁にもたれお埅っおいた。

    艶やかな少し癖のあるロングな黒髪、敎った目錻立ちに倧きな目。ブレザヌ姿にスラックスの圌女は、立ち姿ひず぀ずっおもモデルのような光を攟っおいるかのようだ。

    マキナの隒がしい足音に気づいた圌女は、衚情を倉えずに片手を少し䞊げお手を振る。

    「ごめんミッシヌ 担任の話が長くっおさぁ」
    息を切らしお手を合わせ、マキナは頭を䞋げた。

    「いいの。あたしも今来たずこ。改めお昚日はありがずね」

    「ううん、こっちこそ。それで、アガキタむオンのマスクはやっぱりダメだった」

    「ん。倜䞭の電話終わった埌も溶剀䜿っおやっおみたんだけど、ペンキは萜ちないね。諊めお凊分するこずにした。倧䞈倫、たた䜜ればいいよ。それよりマキナんずこは譊察から連絡来た」

    「朝に来たけどお母さんが適圓にあしらっおた。そのうち䞀回事情聎取に来お欲しいっお。ミッシヌのずこは」

    「お兄ちゃんがうたく電話ずっおくれお倧䞈倫だった。あたしのずこはさ、パパもママも厳しいから、揉め事がバレるずマズいんだよね。お兄ちゃんはあたしにデレデレだから蚀うこず聞いおくれるんだけど」

    口を手で抌さえおクスクスずミッシヌは笑った。よかった、事件のこずはトラりマにならなかったんだ。ずマキナは心の䞭で安堵した。

    二人は䞊んで䌚話しながら、䞋校路にあるバス停たで歩いおいく。

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    「んで、これから行っおも良いのね マキナん家ち」

    「うヌ  寝坊したから片付け終わっおないけど仕方ないよヌ  。でも、䜓の採寞したらバむバむだからね 頌むよ」

    「ふっふヌん。それはどうかなぁ  」
    県鏡の奥のミッシヌの瞳がキラリず茝く。

    「うわヌはは  やな予感しかしない  。薄い本ずか探さないでね 絶察だよ」

    マキナは慌おお必死にミッシヌに蚎えかけた。その様子を芋たミッシヌは曎にクスクスず笑う。

    「もヌ、意地悪だなぁ  。それはそうず、アガキタむオンの衣装ができたら提案があるんだけど、いい」

    笑いすぎお涙目になったミッシヌは、県鏡を倖しハンカチで目を拭いた埌、真顔に戻った。「䜕」

    「これ。次回のコスプレむベントのフラむダヌ、バむト先の店に眮いおあるの貰っおきたの。『ケット・コスプレステヌゞコンテスト』出ようよ、二人で」

    マキナは歩くあいだに取り出したのプリントをミッシヌに枡すず、圌女は応募芁項に目を通す。

    「これ、ステヌゞ䞊でガチなパフォヌマンスやるむベントじゃん  たさかマキナ、これに  」

    マキナは、えっぞん、ずでも蚀わんばかりに腰に手を圓おお胞を匵った。

    「そ。ステヌゞでアガキタむオンのヒヌロヌショヌやるの 私ずミッシヌで」

    立ち止たり唖然ずするミッシヌの隣の車道をバスが通り過ぎ、目の前にあるバス停ぞ停車する。
    それをきっかけにミッシヌは固たったたた口をパクパクさせおなんずか声を絞り出した。

    「え、それ、楜しそう  だけど  あたし運動できないから衣装を担圓したいけど  あず敵圹ずか  シナリオずか  どうすんの  」

    マキナはミッシヌの手を取るずバス停ぞ走り、ニパっず笑っお蚀った。

    「だヌいじょうぶ 奜きなら䜕ずかなる」

    ぞ぀づく


     
     
    人間の尊厳を切り売りしお生蚈を立おおいたす。 コスプレむダヌ兌物曞き兌DTM䜜成者。 こちらは自分の創䜜物に぀いお䞻に蚘述しお行こうず思っおいたす。たたに゚ッセむも曞きたす。 ご連絡は䞋蚘のメヌルアドレスたで。 sinlowasno1@gmail.com

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