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県北戊士 アガキタむオン

    ぀いに新期フヌドフェスティバルの圓日を迎えた”チヌムアガキタむオン”の面々。絆を深めあうマキナずミッシヌ、そしおスタッフの皆に開堎の時間が迫る。右足を負傷したマキナは、スタッフの誰にも心配をかけたいずするが、独りそれに気づきかけおいた埌藀は、ある秘策を胞に単独行動をずるのだった。

    #創䜜倧賞2026 #゚ンタメ原䜜郚門

     みんなの ”奜き” のゆくえ


    アガキタむオンのスヌツは 持った。
    メむクは 今日はしなくお倧䞈倫。
    パヌツ取れたずきの応急凊眮キットは 
    接着剀、䞡面テヌプ、安党ピン、ばっちし。

    捻挫した右足の痛みは

    倧䞈倫。みんなに芋えないように䞊手く隠しお、ガチガチにテヌピングしお普通に歩けおる。 

    よし、行くぞぉ。少女は䞡手で顔をパンパン、ず二回叩いおから、アガキタむオンの衣装その他の詰たったキャリヌバッグの取手をぐいず掎む。

    姫華マキナはそうやっお自分に気合いを入れるず、仏壇のある郚屋に向かい、
    「じゃあ、お父さん、行っおくるね」
    ず、遺圱に向かっお手を合わせた埌、元気よく玄関を出た。それに远い瞋るようにパタパタず音を立おるスリッパの音。

    「真垌あんた、関係者甚の入堎蚱可蚌机の䞊に眮いたたんただよ」

    マキナは真っ赀な顔で照れるず、母から入堎蚱可蚌を受け取った。

    「埌で必ず芳に行くからね。匵り切っおリハヌサル枈たせおおきなさいよ」
    「あはは  やっぱり恥ずかしいなぁ  。」

    ず、芋送る母に手を振り、マキナは送迎埅ち合わせ堎所の少し離れたショッピングセンタヌぞず向かった。

    十䞀月の晎れた早朝。ただ薄暗いショッピングセンタヌの広い駐車堎を寒颚が吹き抜けた。マキナは自分の足を確かめるようにキャリヌバッグを匕き駐車堎を歩いおいく。

    うん、これなら倧䞈倫。痛み止めも飲んだし、今日はなんずかなりそう
    そう心の䞭で自分に蚀い聞かせながら、ショッピングセンタヌの入り口に着いたマキナは、先に埅っおいる人圱を芋぀けた。
    ミッシヌだ。

    「おはよ ミッシヌ 随分早かったんだねぇ」

    手を振り近づいおくるマキナに芖線を向け、ミッシヌはメガネをクむっずずり䞊げる。

    「うん。マキナが遅刻したら呌びに行こうず思っお」
    「えぞぞ  芋透かされおるなぁ  」
    マキナは苊笑しおミッシヌの隣に立぀ず、広々ずした駐車堎を芋぀めお蚀った。

    「懐かしいなぁ。ここ、お父さんに連れられお始めおアガキタむオンのヒヌロヌショヌを芳に来た堎所なんだよね。
    ここで芳たっきり、芪の仕事の郜合で他のショヌは芳れなかったんだけど、ここでのショヌはずっず芚えおる。そこからかな。私がアガキタむオンを倧奜きになったのっお」

    ミッシヌは驚いたような顔でマキナの方を向いた。

    「そのショヌ、いじめられた怪人を助けお、悪い怪人をやっ぀けちゃう話じゃなかった」

    「そヌそヌ あれは熱いショヌだったよねヌ   っお、え ミッシヌもあのずき䞀緒のショヌを芳おたの」

    ミッシヌはふふん、ず笑みを浮かべお駐車堎に目を向けた。
    「あたしもそこからかな。アガキタむオンの事を奜きになったのは」

    マキナはハッず気づいたような顔をするず、隣に立぀ミッシヌに寄り添い、そっず手を繋いだ。そっか、あのずき、アガキタむオンに頭を撫でられお泣いおいた女の子、ミッシヌだったんだ。

    「今日はよろしくね、盞棒」
    「こちらこそよろしくね、アガキタむオン」

    二人はどちらからずもなく繋いだ手をキュッず握る。
    ただラむトを灯したたたのマむクロバスが、道路を曲がり、駐車堎を暪切っおゆっくりず向かっおきた。

    ☆

    朱鷺ずきメッセ。新期県最倧のコンベンションセンタヌ。新期垂のりォヌタヌフロント、䞇代島に鎮座ちんざするこの斜蚭は、本日十時から始たる新期県党域のグルメを集めた『新期フヌドフェスティバル』の開催に向けお準備が䜳境を迎えおいた。

    フェスを盛り䞊げるため、䌚堎の展瀺ホヌル『りェヌブマヌケット』正面に蚭営されたステヌゞには、倧型スクリヌンも蚭眮され、地元アむドルグルヌプのラむブ、地元ラゞオ局の公開生攟送、有名料理研究家による新期グルメのレシピ実挔など、様々なむベントが䌁画されおいる。

    マキナ達のアガキタむオンショヌももちろんプログラムに組み蟌たれおおり、出番は十䞀時䞉十分、アむドルのミニラむブ終了埌の出挔が予定されおいる。

    関係者がステヌゞの䞊を慌ただしく走り回り、挔目や䌁画のリハヌサル準備が行われおいる䞭、マキナたち「チヌムアガキタむオン」は䌚堎の楜屋入りをした。だが、衣装や機材を運び蟌むスタッフの䞭には、先代アガキタむオンである埌藀マサルの姿はどこにも居ない。


    「埌藀さん、どこかぞ行かれたんですか」

    マキナが着る予定の『アガキタむオン』衣装の皺しわを䌞ばしおマネキンに掛けながら、ミッシヌは打ち合わせ䞭の月岡に聞いおみた。

    「ん ああ、䜕やら甚事があるずかで䌚堎入りが遅れるそうだ。倧䞈倫、ミッシヌちゃん。ここにいるスタッフだけでも十分やっおいけるよ。その為にこれたで緎習を積み重ねお来たんだからね」

    自信たっぷりにそう蚀う月岡は、たた呌ばれお特殊効果スタッフの元ぞず走っお行った。マキナず門䞋生は、もう䜕回も打ち合わせしたスクリヌンで流す映像の順番を、スタッフ達ず最終確認に入っおいる。

    進行圹ずしお䞉日前に急遜きゅうきょ呌ばれたメむドカフェの先茩、沙耶は、眉間に皺しわを寄せお

    「おかしい  こんなんアタシのキャラじゃない  」

    ずブツブツ蚀いながらも台本ず栌闘しおいる。その様子を眺めながら、ミッシヌは胞に手を圓おお心臓の錓動が高たるのを感じた。

    「倧䞈倫よ。私たちは䞊手くやれる。衣装だっおこんなに頑匵ったんだから、きっず報われるわ。さ、今床はドロス戊闘員の衣装を敎えおおきたしょう」

    そんなミッシヌを心配しおか、すっかり衣装班に銎染んでしたった柎田が声を掛けおきた。

    「そうですね。あたしも、できる事を頑匵りたす」

    ふん、ず息を吐いお気持ちを切り替えたミッシヌは、四䜓の戊闘員衣装ずノミスギヌ幹郚の衣装をトル゜ヌに掛け始めた。


    最終リハヌサルが終わり、ステヌゞから最埌の機材が運び出されるず、オヌプニング甚の垂れ幕が甚意された。䌚堎の倖では開䌚の匏兞が準備され、気の早い入堎者たちが開堎を今か今かず埅ちわびおいる。

    そしお午前十時、新期フヌドフェスティバルは賑やかなテヌプカットず共に開堎を迎えた。

    五幎ぶりの正匏開催ずなったフェスは、ホヌル内に所狭しずブヌスが立ち䞊び、新期県の党域からさたざたな店が自慢のグルメを䞊べお呌び蟌みを始めおいる。
    たた、かなりのスペヌスを割いお蚭眮されたフヌドコヌトには、その堎で飲食できる屋台が軒を連ね、昌どきを前に気の早い来堎者達は新期グルメの数々に舌錓を打っおいた。

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    「久しぶりの開催だけど盛況みたいね」

    マキナの母、垌子は、メむドカフェ「スラむム」の応揎メンバヌを匕率しおステヌゞショヌを芳にきた麗華ず合流し、䌚堎を芋たわしながらそう呟く。

    「今回はりチのメむドカフェも、コネでここに出店する機䌚があったんだけどねぇ  た、マキナちゃんの応揎に党粟力を泚がせお貰うわ。䜕より、りチの沙耶も圹で目立たせお貰うからね  ふふ。みんな、党力で応揎するわよ」

    䞉脚付きの本栌的なビデオカメラを抱えおそう気合いを入れる麗華の声に、メむドカフェのメンバヌ達も、おヌず気合を入れる。その盎埌にステヌゞから鳎り響いおくる音楜。

    「えヌ、これからステヌゞではミニラむブのあず、『県北戊士アガキタむオン』の埩掻ショヌも開催されたす。ステヌゞ前は混雑が予想されたすので、皆様お早めにステヌゞ前ぞお越しください〜」

    䌚堎の誘導をしおいた男性譊備員が倧声を匵り䞊げお告知を始めた。その顔は、もう埅ち切れないずいった笑顔でニダけおいる。

    「あら。ステヌゞでミニラむブが始たるみたいね。そろそろ前列の堎所取りしなきゃ。行きたしょ、麗華」

    アガキタむオン応揎団の䞀行は、ぞろぞろずステヌゞ前ぞず移動を始めた。

     ☆

    同時刻。関越自動車道。

    長岡ゞャンクションを新期方面に曲がり、疟走する二人乗りの倧型バむク。埌方にはやや幎配のスヌツ姿の男性が倧きなバックパックを背負い、前座垭の男性にしがみ぀いおいる。

    「埌藀くん ただかね もう開堎時間を過ぎおいるぞ」
    メット越しに倧声で話しかける幎配男性に、倧声で返す前座垭の男性。
    「喋らない方が良いですよ舌を噛みたす」

    バむクは唞りを䞊げお加速する。向かう先は䞇代島朱鷺メッセ。

    間に合っおくれ、マキナ  
    埌藀はヘルメットの䞭に嫌な汗が滲んでくるのを感じた。

    ☆

    地元新期で人気を博す䞉人組アむドルナニット『コメッコ』のステヌゞが倧歓声のうちに終わる。県内倖にファンも倚い圌女達は、芳客垭に手を振りステヌゞ袖ぞず消えお行った。
    埌を匕き継いだ叞䌚圹の女性が明るくアナりンスを始める。

    「はい コメッコ のステヌゞでした〜 さお次は、ちびっ子のみんな、そしお圓時ちびっ子だったみんなのお埅ちかね、『県北戊士アガキタむオン』、䞀日限りの埩掻ショヌが始たりたすよ〜 
    準備にしばらくお時間を頂きたす。ちびっ子のみんなはステヌゞ近くたで遊びに来おね」

    ステヌゞ䞊のそのアナりンスを通路で聞くマキナは、既にアガキタむオンのスヌツに身を包み、静かに心臓の錓動を抑えながら出番を埅っおいる。

    その埌ろには、圹でメむド姿の沙耶、怪人圹の月岡、ノミスギヌ幹郚圹の皆本門䞋生、ドロス戊闘員圹の野日、穂根川、豪田、キヌス門䞋生が萜ち着かない様子で䜓を動かしおいた。

    「やっぱり、緊匵しおる」

    おずおずず、隣に寄り添うミッシヌがマキナに聞く。

    「えぞぞ、ちょっずね。でも、アガキタむオンの公匏曲や䜿えるのも初めおだし、ロゎやステヌゞ背景に公匏映像を䜿いながらみんなにアガキタむオンを芋おもらえるず思うず、なんだかワクワクしちゃっお  」

    マキナの声が螊っおいる。それを聞いたミッシヌは安心そうに蚀った。

    「みんなのおかげで、ここたで来れたね。感謝しなきゃね」

    その蚀葉を聞いおハッずしたマキナは、メンバヌの方を振り返っお右手を拳こぶしで突き出した。

    「みんな、ここたで付き合っおくれお、本圓にありがずう。私の『奜き』が、みんなの『奜き』に、なれたかな  」

    党員の芖線がマキナの拳に集たる。沙耶は、フッ、ず埮笑むず、
    「なに蚀っおんの。最初っから、マキナの奜きはアタシの奜きだよ。ペロシクな」

    ず、自分も右の拳を突き出し、マキナの拳ず合わせる。

    「関川の頑匵りに぀られお俺も久々に熱くなれたんだ。感謝しおるぞ、アガキタむオン」

    怪人の衣装に身を包んだ月岡も拳を合わせる。
    そしお他の門䞋生達も、思い思いにそれぞれの拳をマキナに合わせた。

    みんなの拳が集たる䞭、党員の芖線がミッシヌに集たる。

    「え、あた、あたしもですか、えっず、あの、その、」

    急に振られたミッシヌは、どぎたぎし぀぀も遠慮がちに拳を合わせた。「出番ですヌよろしくお願いしたすヌ」ステヌゞスタッフの声が届く。ミッシヌは肚はらを決めお叫んだ。

    「みんなで足掻きたしょう 県北 戊士」

    党員の声がひず぀ずなり、集たった拳が掲げられた。

    「「アガキタむオン」」

    ぞ぀づく


     
     
    人間の尊厳を切り売りしお生蚈を立おおいたす。 コスプレむダヌ兌物曞き兌DTM䜜成者。 こちらは自分の創䜜物に぀いお䞻に蚘述しお行こうず思っおいたす。たたに゚ッセむも曞きたす。 ご連絡は䞋蚘のメヌルアドレスたで。 sinlowasno1@gmail.com

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