
久しぶりに一日中外回りだった。
鼻が焼けて夕方職場に戻った。
「焼けたねー」
「いやあ、日焼け止めを塗るのを忘れましたよ。」
「え!日焼け止めとかスキンケアをちゃんとするタイプ?」
「いえ、軽い嘘をついてしまいました。」
はぁ?と言って女性職員は呆れた。
気さくな会話ができる女性職員のいる職場は、やはり明るくて風通しがいいと僕は思う。
少し間を置いて、
「そう言えばさよ子なんですけど、彼氏っているんですか?」
「ねえー。もーやめてよねえ」
「‥ですよねぇ。」
少々気まずい空気が流れたあとで、僕と彼女は黙ってキーボードを叩いて仕事の続きに取りかかった。
「さよ子に僕のこと、良いように言っといてくださいよ。」
「私、嘘つけないからねぇ」
「そこをなんとか、頼みます。」
「ねぇー」
「絶対、さよ子の連絡先なんて教えないからね」
「わかってますよ。」
僕と彼女はそれきりで、またそれぞれのパソコンに向かって集中した。今度は終わりまで無言だった。
帰り際、同僚の彼女は紙切れを僕のデスクにのせて「おつかれさまでーす」と帰っていった。
紙切れには、
6/4 誕生日
と走り書きがしてあった。
さよ子↓