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犬を飌ったら「負け」だず思っおた

    䞍劊治療をしおいた頃は、劊嚠成功、劊嚠しない倱敗、だず思っおいた。もはや、完党に「勝ち負け」の䞖界。今思えば、時間もお金も䜓力も、そしお心も削っおいたから、「回収したい」ずいう思考になるし、䜙裕がなくなるず、芖野が狭くなっおいく。

    劊嚠する人が勝者で、䞍劊の人は敗者。そういう考え方でいるず、他人の劊嚠ほどおもしろくないこずはない。職堎に赀ちゃんを連れお挚拶にくる同僚に䌚いたくなさすぎお、そっず垭を倖したこずもある。心から祝犏するこずなんお、できなかった。

    圓時の私は、䞍劊治療を人生の勝負だず思っおいた。



    「犬を迎えたら負け」


    「負け」だず思ったのは、劊嚠しないこずだけじゃない。結婚したら犬を飌いたかったのだが、子どもがいない䞭で犬を迎えたら「負け」だず思っお、なかなか螏み出せなかった。

    犬が、劊嚠できない自分を慰める存圚になりそうで嫌だったのず、犬にメロメロになっお「子どもは、もういい」ずあきらめおしたいそうな怖さもあった。「赀ちゃんもほしいし、犬ずも暮らしたい」が圓時の本音。でも、その順番は「赀ちゃんが先」ず自分に蚀い聞かせた。

    そうしないず、人生が取り返しの぀かないこずになりそうで怖かった。



    間に合わなかった、あの日


    30代の埌半になったある日。SNSで昔飌っおいた犬にそっくりな犬を芋぀けおしたった。某県の保健所に収容されおいお、呜の期限が決たっおいた。茶色い雑皮で、優しい目をしおいる。

    「ハリヌ」
    昔飌っおいた犬の名前を口にしたら、泣けおきた。よく芋たら、ハリヌに䌌おいないずころも倚かったけれど、䌌おいるずころを探しおしたう。

    なんずか助けたい。そう思った。

    圓時、私が䜏んでいたマンションは犬を飌うこずはできなかった。匕っ越し先が決たるたで保護団䜓に預かっおもらい、私は䞍動産屋を蚪ね歩いた。そしお、䞭型犬ず䜏める家がみ぀かった。

    だけど、新居を契玄した矢先に、その犬は預かりさん宅で息を匕き取っおしたった。既に老犬だったから、保護団䜓から「この冬は越せないかも」ず蚀われおいた。間に合わなかったのだ。

    保健所ではなく、人のぬくもりの䞭で最期を迎えられたこずだけが救いだっただろうか。わからない。あの子は私のずころぞ来るこずはなかった。でも、ほろ苊い思い出ずずもに、私の心だけは確かに動かしたんだず思う。



    犬ず暮らしお、スむッチが入った


    やがお40代になっお出䌚ったのが今の愛犬だ。子どもはもう無理かも、ず心が揺れおいた頃。あんなにこだわっおいた「勝ち負け」はだんだんどうでもよくなっお、ただ犬ず暮らしたい、ずがんやり考えた。たたたた芋かけた保護犬のサむトから問い合わせたら、あっずいう間に譲枡が決たった。

    愛犬がやっおきた。最初は小さな呜を預かる責任感でおっかなびっくりだった犬ずの暮らしも、だんだんず生掻になじみ、やがお愛犬はわが家では欠かせない存圚ずなっおいった。

    䞍思議なこずに、犬を迎えたら子どもを諊めるどころか、前よりもっず子どもがほしくなっおいった。自分の䞭からあふれ出る「愛おしい」ずいう気持ちが倧きな゚ネルギヌずなり、どこたでも広がっおいく。気づけば、愛犬だけでなく、子どもも愛したいず思うようになっおいた。

    たるで、自分でも知らなかったスむッチが、カチッず入ったような感じ。
    犬を飌ったら子どもを諊めるず思っおいたのに、珟実は真逆だった。

    そしお、それは自分が産むこずぞのこだわりをなくし、血瞁を超えお、子どもに愛情を泚ぎたいずいう気持ちぞず倉化しおいった。自分が劊嚠・出産しなくおも、子育おはできるじゃないか。誰かが産んで、事情があっお育おられない子を愛したらいいのではないか。そう思うようになった。

    里子がわが家にやっおきお、䞀緒に毎日を぀みかさねお、家族になっおいく。里子がいるから、愛犬ぞの愛情が枛ったずは思わない。逆に、愛犬に愛情を泚いでいるから、里子に愛情がいきわたらない、ずも思わない。

    誰かを、䜕かを「愛おしい」ずいう気持ちは、倚分、有限ではなく、無限にわいおくるのだ。



    「負け」でいい


    あの頃の私は、劊嚠勝ち、劊嚠しない負け、ず思っおいた。幞せにも愛情にも限りがあるず考えおいた。犬を飌ったら、劊嚠を諊めおしたいそうで怖かった。圓時は、ずおも狭い䞖界で必死に戊っおいたから。

    でも今は違う。犬ず暮らすこずも、子どもを迎える方法も、幞せの圢も。
    どれも勝ち負けじゃなかった。

    誰かを、䜕かを愛おしいず思う気持ちは、無限にわいおくるのだず知った。
    たぶん、「幞せ」も同じだず思う。

    もし今、「犬を飌ったら負けだ」ず思っおいる昔の私に䌚えるなら、
    「倧䞈倫、あなたは䜕も負けおないよ」ず䌝えたい。
    もし誰かが今の私に「負けだね」ず蚀うなら、私は笑っお答える。

    こんなに幞せなら、「負け」でいい。


    ▌赀ちゃんを望んでいた私たちが迎えたのは、䞭孊3幎生の里子でした↓

    ▌䞍劊治療ず、その先にあった䟡倀芳の倉化↓


     
     
    海倖での䞍劊治療を経お、高校生の里子ず暮らしおいたす。 逊育里芪、䞍劊治療、身䜓のこず、血の぀ながらない家族のこず。 「望んだ幞せ」から少しはみ出した日々を、自分の蚀葉で蚘録しおいたす。 ずきどき旅の話も。

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