
1枚絵を作るのは簡単だった。難しかったのは、9枚を”ひとつの物語”にすることだった。
先日、えりぃさんの「ココロととのいレストラン」の記事を読みました。
100皿目を迎えたお話で、うさ吉シェフとちびうさちゃん、そして三羽の小さなあひるたちが登場します。
それぞれ好きなものも、食べる速さも違う。
「同じだから、同じ」ではない。
そんなことを、レストランの物語の中でやさしく描いた素敵な記事でした。
そこに登場する、うさ吉シェフとちびうさちゃん。
やさしい雰囲気の中で動く二人を見ていたら、ふと、
「うさぎって、やっぱり最高に癒されるな」と思ったんです。
そのあと、今度はしらたまうさぎさんの記事を読みました。
しらたまうさぎさん自身を題材に、ChatGPTとGeminiでイラストを作り比べていて、思い通りにならない生成結果まで含めてかなり楽しい記事でした。
特に、うさぎの特徴を何度説明しても別方向へ「魔改造」されていくくだりが印象に残ります。
そこで、完全にダメでした。
🐰🐰🐰 もう頭の中が、うさぎ 🐰🐰🐰
えりぃさんの記事で、うさ吉シェフとちびうさちゃん。
しらたまうさぎさんの記事で、またうさぎ。
こうなると、
「自分もうさぎを使って、何か描けないかな?」
が頭から離れなくなりました。
そこで思い浮かんだのが、
『不思議の国のアリス』の白うさぎ。
懐中時計を持って走っている、あの白うさぎです。
最初は本当に、
「白うさぎを追いかけるあかりとコバンを1枚描いてみよう」
くらいのつもりでした。
でも、白うさぎを追いかけたら――
その次は、穴に落ちる。穴に落ちたら、次の場面がある。
そうやって考えていったら、気づけば1枚では終わらなくなっていました。
Sunoでイラストをイメージしながら聞ける曲を作ってみました。
よかったら聞きながらイラストみてもらえると嬉しいです。

白うさぎが、物語を走り出した
そこから最初に浮かんだのが、
『不思議の国のアリス』の白うさぎでした。

最初は、ここだけを描くつもりでした。
懐中時計を持って走る白うさぎ。
それを見つけて追いかけるあかりとコバン。
PVの一瞬みたいにしたかったので、普通に3人を並べるのではなく、うさぎを思い切り前景へ。
文字も枠の中にきれいに収めず、
「LATE!」
を画面からはみ出すくらい大きくしました。
これだけでも、かなり好きな一枚になりました。
でも、ここで終わらなかったんです。
「白うさぎを追いかけたなら、その次は穴に落ちるよね?」
そう思ってしまいました。
穴の先で、世界がひっくり返る

次は、うさぎ穴。
ただ落ちているだけでは面白くないので、
時計、額縁、椅子、ティーカップ、鍵。
いろいろなものが一緒に落ちている世界にしました。
文字も、
DOWN
DOWN
DOWN
と、絵の中まで一緒に落ちていくように表現しています。
ここまで来ると、もう1枚絵ではなくなってきました。
「この先も描きたい」
になっていました。
小さな扉、大きすぎる私

小さな扉。
そして、大きくなりすぎたあかり。
このあたりから難しくなったのが、
同じキャラクターなのに、毎回ちゃんと違う絵にすること。
同じあかり。
同じコバン。
でも構図まで似たら、9枚作る意味がありません。
そこで、この場面では思い切りローアングルに。
巨大化したあかりを、コバン側から見上げるようにしました。
「TOO BIG!」の文字まで、画面の一部です。
巨大キノコの森で

次は、巨大キノコの森。
ここでは一気に色を変えました。
青。
紫。
シアン。
マゼンタ。
それまでの時計や扉の世界から、今度は少しサイケデリックな場所へ。
巨大なキノコを見上げながら、
WHO ARE YOU?
物語が進むたび、背景を変えるだけではなく、
その場面で一番見せたいものも変える。
ここはキノコそのものを主役級にしました。
笑顔だけの猫に会う

そして、チェシャ猫。
ここはかなり好きです。
猫を全部見せず、
笑顔と目だけが森に残っている。
あかりは楽しそう。
コバンは完全に困っている。
同じものを見ているのに、反応が全然違う。
この2人の温度差も、連続した物語にすると使いやすいんだなと気づきました。
狂ったお茶会へ

ここは逆に、全力で派手にしました。
ティーカップ。
ケーキ。
カード。
時計。
全部飛ばす。
文字も、
TEA!
TIME!
AGAIN!
と、もうPVのクライマックスみたいに。
あかりは笑顔で駆け抜けて、コバンはティーカップの中。
ここまで来ると、
「不思議の国のアリスを描いている」
というより、
1本のアニメPVを静止画で作っている
感覚に近くなっていました。
女王が待つ場所

そして、女王。
ここでは逆に色を絞りました。
赤。
黒。
金。
今までカラフルだった画面を一気に変える。
巨大な女王を上に。
あかりとコバンを下に。
見上げる構図にすることで、力関係まで一枚で見せたかったんです。
大きな文字も、
GUILTY?
NO.
これまでとは違って、少し緊張感のある場面になりました。
カードの嵐と、目覚め

そしてクライマックス。
カードが全部舞い上がって、世界そのものが崩れていく。
ここではもう、
整った一枚絵にしない
ことを意識しました。
カットを割る。
顔のアップを入れる。
大きな文字を重ねる。
カードを前景に飛ばす。
全部を一度にぶつける。
同じキャラクターを使っていても、ここまで画面の印象を変えられるんだ、と自分でも面白かったところです。
そして、夕暮れに戻る

最後だけは、静かにしました。
夕暮れ。
木の下。
あかりの手には、小さな歯車。
コバンと並んで、
「あれは夢だったのかな?」
とでも考えているような場面です。
ずっと派手にしてきたからこそ、
最後だけ静かにすると、逆に物語の終わりらしく見えました。
9枚作ることより、9枚をつなぐ方が難しかった
今回やってみて感じたのは、
1枚だけなら、かなり自由に作れる。
ということでした。
でも、
2枚目。
3枚目。
4枚目。
と続けていくと、
同じキャラクターに見えるか。
同じ世界の続きに見えるか。
でも、構図はちゃんと違うか。
色も単調になっていないか。
最後まで見たときに、
「9枚のイラスト」ではなく「ひとつの物語」に見えるか。
そこが一番難しかったです。
タイトル:九つの幻想、ひとつの物語
最後に、9つのシーンをひとつの画面にまとめて、今回の記事のタイトル画像にしました。
白うさぎ。
ウサギ穴。
巨大化。
キノコの森。
笑顔だけの猫。
大騒ぎのお茶会。
女王。
カードの嵐。
そして、夕暮れ。
最初はそれぞれ別々に作っていた場面が、一枚の中に並ぶと、ようやくひとつの流れに見えました。
ここまで来て、やっと、
「9枚のイラストを作った」ではなく、
「ひとつの物語を作った」
と言える気がしました。
でも、そもそもの始まりは、そんな大げさなものではありませんでした。
えりぃさんの記事で、うさ吉シェフとちびうさちゃんを見て。
そのあと、しらたまうさぎさんの記事でも、またうさぎを見て。
気づけば、頭の中からうさぎが離れなくなっていました。
「自分も、うさぎを使って何か描けないかな?」
そこから浮かんだのが、『不思議の国のアリス』の白うさぎでした。
最初は、白うさぎを追いかけるあかりとコバンを、1枚だけ描くつもりでした。
でも、白うさぎを追いかけたら、その先にはウサギ穴がある。
穴に落ちたら、次の場面がある。
次を描いたら、さらにその次が気になる。
そうやって一枚ずつ進めていったら、気づけば最後の夕暮れまで来ていました。
最初から9枚作ろうと思っていたわけではありません。
「この次は、どんな場面だろう?」
それを考えていたら、結果的に9枚になった。
たぶん今回いちばん面白かったのは、そこだった気がします。
AIイラストは、1枚だけでも楽しいです。
でも、そこで終わらずに、
その次の場面を考えてみる。
さらに、その次も考えてみる。
そうすると、ただの一枚絵だったものが、少しずつ前後を持ちはじめる。
そして気づいたときには、
絵ではなく、物語を作っている。
今回は、そんな遊び方ができた気がしました。
きっかけは、ただ頭から離れなくなった「うさぎ」でした。
そこから白うさぎを追いかけて、
最後まで不思議の国を走り抜けることになるとは、最初はまったく思っていませんでした。
でも、こういう予定外の寄り道も、AIで絵を作る面白さなのかもしれません。
