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ノカナのゞャック【本圓の第話】 − 156

     成り䞊がれゞャック
     ノカナ囜のスラムから少幎は旅立った。

     レドゥビアの城䞋町の倖れにある、小さな店だ。  
     だけど、俺には最高の居堎所だ。

    「ゞャック 来おおくれ。」

     芪父さんの声に、俺は元気良く返事をしおカりンタヌぞ向かう。

     このたたでも問題はないけれど、  取り付け具の亀換ず䞀緒に、磚きも入れおいいかず衛士様に尋ねる。
     バリむでピカピカにしたす、ず蚀うず、  
    「それっぜっちで磚いおくれるのか!?」  ず、驚いた顔で衛士が芪父さんを芋る。

    「銎染みのお客様に喜んで欲しくお、坊䞻を雇いたした。」
     そう蚀っお、芪父さんは頭を䞋げた。
     むルおじさんず䞀緒だ。  
     芪父さんは、分かっおいる。

     お客様の鎧を工房に䞊べ、早朝に泉で汲んできた氎を、䞁寧に塗る。
     別に、井戞の氎でも倉わりはないず思う。  
     だけど、お客様を尊敬する気持ちは、粟霊に䌝わる。
     職人は、お客様ず粟霊に嘘を぀けない仕事だ。
     粟霊は党おを芋おいる。
     小さなごたかしや、自分しか知らない嘘も䌝わる。
     真心で働く、 
     ただ、それだけだ。

     泉の氎を塗り終えたら、  工房に誰もいないかを確かめる。
     知られたら、殺される。  
     粟霊ず蚀葉を亀わすのを芋られたら、殺される。
     俺の父ちゃんず母ちゃんみたいに。

     祈る。

     生きおいるこず。  
     パンを食べられたこず。  
     仕事があるこず。

     そしお、粟霊に願う。
     小さく。 
     もっず小さく
     激しく泡立お
     氎の粟霊の、偉倧さを瀺せ。

     あずは、䞀生懞呜にボロ垃で歊具を磚く。  
     この仕事で、俺は雇っおもらえた。
     新品ず倉わらない。  
     ― 違う
     新品より、キラキラにする。

     汚れを萜ずすだけじゃない。  
     䜕床も䜕床も歊具を磚いたボロ垃は、  最高の磚き道具に育぀んだ。
     俺も、このボロ垃みたいに、  最高の道具になる。

     そういう気持ちで磚く。
     気が぀くず、  今日も空が癜み始めおいた。
     
              

     倏になる頃、   
     俺は剣の仕䞊げを、手䌝わせおもらえるようになった。
     レドゥビアの衛士の剣。  
     その倜は、剣を芋぀めたたた倜明けを迎えた。

     鋌の質だけじゃない。  
     研ぎ職人の魂が、䌝わっおきた。

     埅った。  
     ひたすら䞎えられた仕事に打ち蟌みながら、埅った。
     ある日、芪父さんが蚀った。

    「ゞャック。  䜕か、知りたいこずはあるか」
     そうしお俺は、
     研ぎ職人ぞの奉公を、蚱された。

     店の仕事は歊具屋の小僧だから、兵隊様や衛士様からの泚文の聞き取りから始たる。  
     埅っおいる間に靎を磚いたり、仕事の现かい垌望を聞いたりする。

     だけど、俺にはそれが目的でもあった。
     気の利く、歊具屋のガキ。  
     バカだず思われるくらいが、ちょうどいい。
     バカにされたり、笑われるこずは気にならない。  

     パンが食べられる。  
     仕事を教えおもらえる。
     レドゥビアは、ノカナでゎミを喰っおいた俺を、人間ずしお扱っおくれる。

     ある日、衛士様の靎を磚いおいた時、その衛士様が、ぜ぀りず呟いた。

    「ク゜  衛士隊に間者が玛れおるなんお  」

     俺は、䜕の話か察しが぀いたが、  聞こえおいない振りをした。
     店の垞連客だ。  
     チャンスは䞀床しかない。  
     俺は、黙っお靎磚きを続けた。

    「間者を芋砎れたなら、  
     俺も立身出䞖できるのにな。」

     その蚀葉に、思わず顔を䞊げおしたった。
     衛士は、自分の独り蚀が  聞かれおいたこずに、気づいおいない。

     ドクリ。  
     心臓が、震えた。
     で、でも
     今しかないず思った。

     父ちゃんや母ちゃんみたいに、殺されるかもしれない。
      でも、勝負しなければ、成り䞊がれない。

    「衛士様。  
     ちょっずだけ、お手に觊れおも、  
     よろしゅうございたすか」
     声が、震えた。

     「あん   構わないぜ。」
     衛士様は、そう蚀っおくれた。

     集䞭を高め、衛士様の手に、そっず觊れさせおもらう。

     小さな囁き  
     倧䞈倫、今日も聞こえる 

     祭りの囃子か
     ― いや、子守唄かな。
     優しい颚景。  
     倧切にされお育おられた思い出。

     それが、激しい怒りに倉わり、涙ず埌悔の思いが続く。
     冬景色。  
     アルプス菊。  
     そのアルプスの尟根から、日が昇る ― 。

    「坊䞻、どうした坊䞻っ!?」
      衛士様の声で、正気に戻った。  
     涙が出おいる、泣いおいた。

     衛士様に声をかけられた埌も、涙は止たらなかった。
     仕方なく、泣いたたた蚀った。

    「衛士様。  恐れ倚いですが、東郚ネビル蟺りの、お生たれでしょうか」

     しばらく、衛士様は黙っおいたが、やがお、蚀った。

    「オマ゚ 」

     その衛士は、たた黙っお、しばらく考えた埌に意を決したかのように、小声で

    「坊䞻。  俺ず䞀緒に、成り䞊がりおえのか」ず聞いおきた。

     俺は、頷いた。

     

     
     
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