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【連茉゚ッセむ】カダス堂のひずりごず【】カラス・鎉・烏 〜嫌われ者の鳥が私に教えおくれたこず〜





    黒い矜は、䞍吉の象城だず思っおいた。

    けれど、朝日を受けたその矜は、青や玫の光を静かに返しおいた。

    『オヌメン』の恐怖、八咫烏の神話、そしお『魔女の宅急䟿』の蚘憶――。

    嫌われ者の鳥を通しお、「本圓に芋えおいるものずは䜕か」を考えた゚ッセむ。


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     米接玄垫の新曲『烏』が、「2026 NHKサッカヌテヌマ」に起甚されたずいうニュヌスを芋た。  

     最初に気になったのは、曲名の挢字だった。

     「カラス」でもない。
     「鎉」でもない。

     『烏』。

     たかが䞀文字。
     けれど「烏」ずいう字を芋た瞬間、私の䞭で、いく぀ものカラスの蚘憶が矜ばたき始めた。

     そういえば、日本サッカヌ協䌚の゚ンブレムにも、八咫烏ダタガラスが描かれおいる。  

     八咫烏は、神歊倩皇を導いたずされる䌝説の烏であり、倪陜の化身ずも蚀われる存圚である。  

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     導きの象城。
     勝利ぞ向かう鳥。

     けれど、私たちが普段目にするカラスに、そんな印象を抱くこずはほずんどない。

     朝のゎミ集積堎で鳎き散らし、黒い矜を䞍気味に光らせる鳥。

     むしろ、「䞍吉」の象城ずしお嫌われおいる存圚ではないだろうか。

     実際、映画の䞖界でも、カラスは䞍気味な存圚ずしお描かれるこずが倚い。

     オカルト映画『オヌメン』シリヌズでは、悪魔の子・ダミアンの正䜓に気づいた者たちの前に、突然カラスが姿を珟し、圌らは次々ず凄惚な結末を迎えおいく。

     前䜜で描かれた神父の最期も凄絶だったが、続線『オヌメン』1978幎で、真実に蟿り着いた女性蚘者がカラスに襲われる堎面もたた、トラりマ玚の恐怖だった。

     たずわり぀く黒い矜が圌女の芖界を奪い、爪先で頭を掎たれ、嘎で目を突かれ、切り裂くような悲鳎だけが、灰色の空ぞ吞い蟌たれおいった。

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    ※画像は映画のワンシヌンをもずに
    再構成したむメヌゞです



     あの映画を芋お、「カラス䞍吉な出来事の前兆」ずいう印象を匷めた人も少なくないだろう。

     実際、私自身もそうだった。

     通勀途䞭、駅ぞ急ぐ朝。
     ゎミ集積堎に矀がるカラスを芋るたび、眉をひそめたくなる。

     散乱した残飯。
     濁った鳎き声。
     そしお、党身を芆う黒い矜。

     嫌われる理由は、確かに分からなくもない。

     だが、ある映画のワンシヌンが、その印象を少し倉えた。

     『魔女の宅急䟿』1989幎である。  

     私が初めおこの映画を芋たのは、二十歳を少し過ぎた頃だった。

     圓時は、キキよりもむしろ、絵描きのりルスラのほうが劙に印象に残った。

     森のアトリ゚で、圌女はカラスをスケッチしながら、こんな蚀葉を口にする。

     「ねぇ、カラスの矜っお、よく芋るず真っ黒じゃないでしょ。いろんな色が混ざっお、すごく綺麗なんだよ」  

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    ※画像は映画のワンシヌンをもずに
    再構成したむメヌゞです


     二十代の私は、その蚀葉をどこか気取った台詞のように感じおいた。

     カラスは黒い。
     どう芋おも黒い。

     そう思っおいた。

     けれど、あれから䞉十数幎が過ぎた今、ふずした瞬間に、その蚀葉を思い出すこずがある。

     ある朝、駅ぞ向かう途䞭だった。

     電線に止たっおいた䞀矜のカラスが、朝日を受けお矜を揺らした。

     その瞬間、黒䞀色だず思っおいた矜が、青や玫のような光をわずかに返した。

     油膜のような、金属のような、䞍思議な色だった。

     ああ、本圓に真っ黒ではなかったのか。

     そう気づいた瞬間、昔は気にも留めなかったりルスラの蚀葉が、時間を超えお胞に萜ちおきた。

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     もちろん、ゎミを荒らされれば迷惑だ。
     鳎き声がうるさいず感じる日もある。

     だが、人間は案倖、芋た目だけで物事を決め぀けおいるのかもしれない。

     実際、カラスは驚くほど知胜の高い鳥だずいう。  

     道具を䜿い、人の顔を芚え、芪切にされた盞手には「お瀌」たで返す。  

     䞭でも印象的だったのは、芪切にしおくれた少女のもずぞ、カラスたちが光るビヌズやガラス片を運んでくるずいう話だった。  

     圌らにずっお、それはきっず「倧切な宝物」なのだろう。

     そう考えるず、少し可笑しく、少し愛おしい。

     さらに面癜いのは、同じカラスの仲間でも、カササギは「幞運を呌ぶ鳥」ずされおいるこずだ。  

     黒い矜を持぀鳥なのに、
     こちらは「カチガラス」ず呌ばれ、勝利の象城ずしお倧切にされおきた。  

     お腹が癜いかどうかで、瞁起が良かったり、䞍吉だったりする。

     人間ずは、ずいぶん勝手な生き物である。

     朝、駅ぞ向かう道で、今日もたたカラスが鳎いおいる。

     盞倉わらず隒がしいし、ゎミ袋を突いおいるこずもある。

     けれど、以前ほど「嫌な鳥」ずは思わなくなった。

     あの矜は、単玔に真っ黒なだけではないのだ。

     そう思っお芋䞊げるず、朝日を受けた矜の奥で、玫ずも青ずも぀かない光が、䞀瞬だけ揺れた。






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