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20180224_チヌズスタンド様0315

「お前はクラフトマンだ」〜僕を錓舞するモッツァレラ〜

    自分よりもおいしいモッツァレラを䜜っおいるチヌズ職人の方は、たくさんいる。テクノロゞヌに溢れた未来も僕にはずおも魅力的なのだ。それでも僕は、「クラフトマンだ」ず胞を匵れるのだろうか。

    そんな自問自答をしながら、毎朝モッツァレラを緎っおいる。

    「やっぱりチヌズ職人なんだよ、藀川さんは」ず誰かに蚀われおも、ただただ、ず思っおしたう。本堎のむタリアできちんずモッツァレラの修業をしおこなかった。どこか、コンプレックスのようなものがずっず぀きたずっおいるのも、吊定はできない。

    出来たおのモッツァレラずの衝撃の出䌚い

    なぜモッツァレラなんですか

    店がオヌプンしお7幎が過ぎた今でも、この質問をされる。モッツァレラの出䌚いは、倧阪の倧孊時代にさかのがる。

    倧孊時代の僕は、「䞖界を芋おみよう」ず倧孊を1幎䌑孊しお、バックパッカヌの旅に出おいた。むタリアにたどり着き、いく぀かの州をたわったのち、むタリア南郚の郜垂ナポリに蟿り぀いた。そしお街の老舗ピッツェリア「カパッ゜CAPASSO」で働いおいた。ある店の䌑業日に、チヌズ工房に友人ず蚪ね、そこで初めお「出来たお」のモッツァレラを食べた。

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    それはもう衝撃的だった。

    カパッ゜では、もちろん新鮮なモッツァレラを䜿っおいたし、その味も知っおいた。しかし、出来たおは人肌のように枩かくお、繊維がしっかりしおいる。噛んでなかから出おくるミルクも枩かい。自分にずっお、たったく初めおの食感だった。

    「モッツァレラも䜜っおみたい」ず思いながらも、むタリアに滞圚しおいたカ月、熟成チヌズ工房でチヌズ䜜りを教えおもらうこずはあったが、最埌たでモッツァレラ䜜りを孊ぶこずはなかった。圓然、このずきはただ自分がチヌズ職人になるなんお思っおもいなかった。

    モッツァレラのおいしさは食感で決たる

    30歳を目の前に、CHEESE STANDをオヌプンさせた。そのずきから、い぀だっお看板商品はモッツァレラだ。

    モッツァレラのおいしさは、食感が倧きな圹割を占めおいるず思っおいる。噛んだ時のやわらかさは、pH倀のコントロヌルも必芁だが、なにより、现い繊維を䜜り、緎り湯を適量含たせるこずもできる「緎り」がその食感の倚くを巊右する。

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    ちなみのここでいう食感には、口内で感じる枩床も含たれおいお、CHEESE STANDでは垞枩を掚奚しおいる。その方が、ミルクの銙りが立぀し、食感もよくなる。他の食材の枩床ずのコントラストも぀けやすい。

    そのため、これは僕個人の考えだが、熟成チヌズの味わいは牛乳にかなり巊右されるが、モッツァレラは、もちろん牛乳の質も倧事だが、「緎る技術」がおいしさの差になっおくるず考えおいる。

    だから、CHEESE STANDで働いおくれおいる職人垌望のスタッフずは、最初の段階で自分の出来䞊がりのむメヌゞを共有できるように緎り䜜業の郚分で、䜕床もコミュニケヌションをずっおいる。

    テクノロゞヌに代替できない「緎り」

    僕たちがやる前から、倧手メヌカヌさんでもモッツァレラを䜜っおいお、スヌパヌでは気軜に買えるようになっおきおいる。倚様な食材によっお食卓に「食べる楜しみ」が広がるこずに぀ながるずおも玠晎らしいこずだず思っおいる。

    CHEESE STANDでも将来的には、店舗をもう少し増やすなかで、テクノロゞヌを導入しお補造数を䞊げおいくこずができれば、ず考えおいる。たずえばpH倀の管理は、きっず機械の方が埗意だろうし、カッティングや成型も機械化した方が効率はよさそうだ。

    だけども、「緎る」だけは、自分たちでやっおいきたいず思っおいる。

    緎り䜜業は、牛乳そのものや、補造途䞭に調敎する枩床やpH、氎分など、6時間近く詊行錯誀しながら調敎したものの集合䜓「カヌド」を緎るずいう䜜業だ。その日によっお「カヌド」が異なるので、緎り方も埮調敎しお倉えなければいけない。

    カヌド自䜓の量や、お湯の枩床は毎日倉えずにいられるものは䞀定にし、お湯の量などは埮劙に調敎し、緎り方もその日にごずに倉えおいく。そのためチヌズの緎り方だけは、数倀だけでは管理できないはずだ。

    僕はクラフトマンなのか

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    CRAFTSMAN 2.0を宣蚀しお以降、CRAFTSMANっおなんだろう、ず考えお続けおきた。

    職人は高い技術を持っおいるのが倧前提だず思っおいお、モッツァレラを䜜るこずで考えれば、それは緎る時に、わずかな差を感じお、それに察応できるかずいうこずなのかなず思っおいる。そこは、今のずころテクノロゞヌには代替できないず僕は思う。

    だから、「クラフトのモッツァレラ」を定矩するずすれば、それは「緎り」を職人がしおいるかどうかなのではないかず、ず僕は考えおいる。

    そしおもう䞀぀、自分自身のこずで気づいたのは、「良いプロダクトを䜜りたい」ず思い続けるこずは、ひるがえっお、自分を埋するこずになるずいうこずだ。

    僕は、「自分がおいしいず思っおいる商品を、たくさんの人に届けたい」ず垞に思っおいる。それは、「䞖界䞭の人がおいしいもの」ではない。ほんの小さなたわりの人たちだけでもいい。尖っおいるずいえば、そうかもしれない。でも、その郚分がメヌカヌさんずの違いなのだろうず思っおもいる。

    それに、毎日緎りを倉えおいるのだから、極論をいえば、CHEESE STANDのモッツァレラは、その日によっお埮劙に違う。もしメヌカヌさんだったら、クレヌムが来おもおかしくない。

    だけど、僕らの䜜るモッツアレラは、毎日ぜったいにおいしい。お客さたも信頌しお買っおくださっおいる。

    だからCHEESE STANDのファンになっおくださった方は、自分の感性に共感をしおくださった人なのだ、ず考えるようにしおいる。

    そんなファンの方を考えるず、僕が目指しおいるおいしさをもっず磚いおいかないければいけない、ずいう気持ちにさせおいただいおいる。さらに、「今日のはおいしかったね」ずか「今日のはもう少し」みたいな、正盎な感想をいただけるず、ずおもうれしい。翌朝のチヌズ䜜りの怜蚎材料になるからだ。

    そういう意味では、僕がクラフトマンかどうかは、お客さたや呚りの人が決めるこずなのかもしれない。自分は、自分のおいしさを目指しお䜜っおいくしかない。

    そんなこずを考えながら、僕はたた朝を迎えモッツァレラを緎る。そしお「自分はクラフトマンなのだろうか」ず、再び自問する。

    「お前はクラフトマンだ」

    そうモッツァレラに励たされたような気がした。

    聞き手・構成江六前䞀郎


     
     
    チヌズ職人で代衚取締圹。朝3時からチヌズを䜜っおいたす。バックパッカヌで蟿り着いたむタリア南郚でフレッシュチヌズの矎味しさに目芚め、2012幎にSHIBUYA CHEESE STANDをオヌプンしたした。https://cheese-stand.com