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第17話 社長は何を考えているのか

    進・過程人

    会社を変えようとして、会社に教えられたこと
    What I Learned from the Company I Tried to Change

    ― 大企業約40年、中小企業約10年。あるアドバイザーが二つの世界で見たもの ―
    ― About 40 Years at a Large Corporation and 10 Years at a Small Company: What an Advisor Saw in Two Different Worlds ―

    第Ⅵ部 社長という存在
    Part VI: The Role of the President

    第17話 社長は何を考えているのか
    Episode 17: What Is the President Thinking?

    ※この記事は「会社を変えようとして、会社に教えられたこと」シリーズの第17話です。シリーズ全体はこちら →[総合目次]

    私は、社長と何度も考え方がぶつかった。事業。品質。人材育成。組織。新しい仕組み。新しい仕事。私が「こうした方がいいのではないか」と思う。資料を作る。説明する。必要性を伝える。しかし、動かない。あるいは、最初から関心を持ってもらえない。私は何度も思った。「なぜ、この人は分かってくれないのだろう。」
    今振り返ると、この問いそのものが、少し傲慢だったのかもしれない。私は、社長に私の考えを理解してもらおうとしていた。しかし、私は、社長が何を考えているのかを、本当に理解しようとしていただろうか。この問いに、私は長い間、きちんと向き合っていなかった気がする。


    社員と社長は、見ている景色が違う

    社員は、自分の仕事を見る。責任者は、自分の組織を見る。私は、会社全体を見ようとしていた。しかし、社長が見ているものは、それとも違う。売上。利益。資金。社員の給料。取引先への支払い。銀行。顧客。投資。会社の信用。そして最悪の場合、会社が続けられるかどうか。
    私は、経営に近い仕事をした経験はあった。事業も見た。数字も見た。人も見た。しかし、それでも私は会社の所有者ではなかった。最後に、会社の存続そのものを背負う立場でもなかった。この違いは、思っていた以上に大きい。


    私には「やった方がいい」がたくさんあった

    私は会社を見ると、次々に課題が見えた。事業計画を作った方がいい。営業管理をした方がいい。人材育成を体系化した方がいい。品質保証を強くした方がいい。情報を共有した方がいい。新しい事業も考えた方がいい。技術開発も必要だ。アライアンスも必要だ。一つ一つを見れば、私は今でも必要性があったと思っている。実際、その後に会社の中で動き始めたものもあった。
    しかし、経営者から見れば、別の問いがある。「それを全部、誰がやるのか。」そして「いくらかかるのか。」さらに「それをやって、本当に会社は良くなるのか。」私は必要性を説明することには熱心だった。しかし、その提案を受ける経営者が何を心配するのかまで、十分には考えていなかったこともあったと思う。
    私は「なぜ、やらないのか」と思っていた。しかし社長から見れば、「なぜ、そんなにやりたがるのか」だったのかもしれない。
    十年間、私は社長の「やらない理由」を考えてきた。
    しかし最後になって気づいた。
    問うべきだったのは、社長の考えだけではなかった。
    社長から見た私は、いったいどんな人間だったのか。

     
     
     
    いくつになっても、進化中の人。 長い会社員生活を経て、その後ある中小企業でアドバイザーとして仕事をしてきました。 成功よりも、迷い、失敗し、考え、変わっていった「過程」を書いています。 仕事、組織、人間、そして人生について。

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