
第14話 技術の分かる営業マンたち
会社を変えようとして、会社に教えられたこと
What I Learned from the Company I Tried to Change
― 大企業約40年、中小企業約10年。あるアドバイザーが二つの世界で見たもの ―
― About 40 Years at a Large Corporation and 10 Years at a Small Company: What an Advisor Saw in Two Different Worlds ―
第Ⅴ部 事業を作る人たち
Part V: The People Who Build Businesses
第14話 技術の分かる営業マンたち
Episode 14: Salespeople Who Understand Technology
※この記事は「会社を変えようとして、会社に教えられたこと」シリーズの第14話です。シリーズ全体はこちら →[総合目次]
営業の仕事は、ものを売ることなのだろうか。私は、この会社の営業を見ながら、次第にそう考えるようになった。
お客様の話を聞く。技術的な可能性を考える。社内の技術者とつなぐ。必要なら外部の会社まで探す。そして、ときには、お客様自身もまだ気づいていない次の仕事を考える。
大企業なら、営業、技術、商品企画、事業企画など、いくつもの組織が担う仕事である。しかし、小さな会社では、一人の人間がその境界を越えて仕事をすることがある。
私は最初、それを単に「役割分担が曖昧な会社」だと見ていた。しかし、しばらくして考えが変わった。
これは弱さではなく、小さな会社だからこそ持てる強さなのではないか。
そのことを私に気づかせたのが、「技術の分かる営業マンたち」だった。
私はこの会社に来てから、大企業と比べて「ないもの」をたくさん見つけていた。
ところが、私が「ない」と思っていたものの中に、この会社の強さが隠れていたのである。