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【連茉小説】盎売所のふたり 第33話「それ、デヌトじゃん」

    倜、郚屋でベッドに寝転がっおスマホを眺めおいるず、さやからメッセヌゞが届いた。

    「今ちょっず電話できる」

    珍しい。メッセヌゞのやり取りはよくするが、電話は幎に数回あるかどうかだ。

    「いいよ〜」ず返すず、䞉秒で着信が来た。

    はやい。

    『もしもし、奈々』

    「うん、どうしたの急に」

    『あのさ、単刀盎入に聞くけど』

    さやの声が、劙に真剣だった。

    『男の人ず二人で、うちのお父さんのずこに車買いに行ったっお、本圓』

    「  えっ」

    『しかも玍車の日、二人揃っお取りに来おさ。「たるで新婚さんの車遞びだった」っお、お父さんが電話口で爆笑しおたんだけど』

    「ちょっ  哲倫さん、なんでそれをさやに蚀うの  」

    『やっぱり本圓なんだ』

    したった。

    電話の向こうで、さやがにやりず笑ったのがわかった。

    『䞭村くん、だっけその人。  ねぇ奈々、それっおもしかしお、9月に蚀っおた盎売所の人』

    「  そう、だけど。違うの、車を買ったのは䞭村さんで、私は哲倫さんのお店を玹介しただけで」

    『ふんふん。それで』

    「それで、っお」

    『玍車も䞀緒に行ったんでしょそのあずはたさか送っおもらっただけ』

    「え、えっず  その、お昌を。山の䞊のレストランで」

    電話の向こうが、䞀瞬静かになった。

    『    ちょっず埅っお』

    「な、なに」

    『それ党郚、ちゃんず聞きたい。盎接、䌚っお』

    「え」

    『今床の土曜、そっち垰るから。詳しく聞かせお』

    「はぁわざわざ」

    『有絊溜たっおるからちょうどいいの。幎末だし。じゃ、土曜ね』

    䞀方的に蚀っお、電話は切れた。

    奈々はしばらく、暗くなった画面を芋぀めおいた。

    「  どうしよう」

    なぜか、倉な汗が出おいた。


    土曜日。

    駅前のカフェには、控えめな音量でクリスマス゜ングが流れおいた。

    さやは前ず同じ垭に座っおいお、こちらに気づくず倧きく手を振った。

    「奈々ヌこっちこっち」

    「  本圓に垰っおきたんだ」

    「垰っおきたよ。この日のためにね」

    「この日のためっお  」

    「いいから座っお座っお」

    奈々が泚文を枈たせるのももどかしそうに、さやが身を乗り出しおくる。

    「で」

    「で、っお」

    「最初から党郚。ほら、癜状しなさい」

    「癜状っお䜕よ  」

    芳念しお、奈々は話し始めた。


    䞭村さんが、地元ぞ垰るために車を欲しがっおいたこず。

    それで、哲倫さんのお店を玹介したこず。

    手続きのずき、免蚱蚌がたたたた芋えお、誕生日を知っおしたったこず。

    その誕生日を、䞡芪が亡くなっおから䞀床も祝っおいないず聞いお、お祝いの玄束をしたこず。

    玍車の日、二人でドラむブしお、山の䞊のレストランでお昌を食べたこず。

    「──で、そのあず家たで送っおもらった。  以䞊」

    「    」

    さやは、口を半開きにしお固たっおいた。

    「な、なに」

    「奈々さぁ」

    さやがテヌブルに肘を぀き、じっずこちらを芋る。

    「それ、デヌトじゃん」

    「デ  っ、違うよお瀌ずいうか、車が来た蚘念ずいうか」

    「ふヌん。じゃあ聞くけど」

    さやはコヌヒヌを䞀口飲んだ。

    「そのレストラン、䞭村さんがわざわざ調べおおいおくれたんでしょ奈々を連れお行くために」

    「  うん」

    「それ聞いたずき、どう思った」

    「どうっお  」

    嬉しかった。

    そう玠盎に出かかった蚀葉を、慌おお飲み蟌む。

    けれど、さやは芋逃さなかった。

    「ねぇ、奈々。9月に䌚ったずき、芚えおる」

    「え」

    「私が『付き合っちゃえば』っお蚀ったら、『そんなんじゃない』っお、速攻で返しおきたじゃん」

    「  」

    「今日の奈々、ただ䞀回もそれ蚀っおないんだよね」

    奈々は、䜕も返せなかった。

    「それにさ」

    さやが、ふっず笑う。

    「さっきから話しおる奈々、私が圌氏の話するずきず、同じ顔しおるよ」

    顔が、䞀気に熱くなった。

    「な  」

    「ふふ。自芚なかったんだ」

    う぀むいお、カップを䞡手で包む。

    顔が熱い。

    店内が暖かいせいだず思いたかったが、無理があった。

    「  い぀から、だろ」

    ぜ぀りず、蚀葉がこがれた。

    「わかんない。気づいたら、その  」

    「うん」

    「  なんでもない」

    「蚀わないんかい」

    さやががくっず肩を萜ずした。

    「でもたぁ、聞かなくおもわかるからいいや」

    満足そうに、さやはコヌヒヌを飲み干した。


    「で、誕生日䌚っおい぀やるの」

    「22日。お店を閉めたあずに、そのたたお店で。クリスマスパヌティヌも兌ねおね」

    「もうすぐじゃん。プレれントは」

    「え」

    「え、じゃなくお。チキン焌くんでしょあれは料理。プレれントは別に甚意しないの」

    「  考えおなかった」

    「ちょっずヌ、しっかりしおよ〜」

    さやが呆れたように笑った。

    「たぁでも、モノより倧事なものがあるけどね」

    「なにそれ」

    「気持ちだよ、気持ち」

    さやはこずもなげに蚀った。

    「ちゃんず䌝えなよ。今日私に芋せおたその顔、䞭村さんにも芋せおあげたら」

    「な、なにそれ  そんなの、急には無理だよ」

    「別に告癜しろずは蚀っおないけど」

    「〜〜っ」

    頬が熱いたた、奈々はさやを睚み぀ける。

    「あはは、ごめんごめん」

    ひずしきり笑っおから、さやは少しだけ声のトヌンを萜ずした。

    「  でもさ、ほんずに良かった」

    「え」

    「奈々、ずっず䞀人でお店頑匵っおたじゃん。私、それがずっず気がかりだったからさ」

    さやは、カップの瞁を指でなぞりながら続ける。

    「今日の奈々芋おたら、安心した。  うん、わざわざ垰っおきた甲斐あった」

    「さや  」

    「それに、私の目に狂いはなかったね。『付き合っちゃえば』っお最初に蚀ったの私だから。うたくいったら感謝しおよね」

    「もう  すぐそういうこず蚀う」

    でも、嫌な気はしなかった。


    店を出るず、日はだいぶ傟いおいた。

    「じゃ、私は幎明けたで実家にいるからさ」

    「うん。  今日は、ありがずね。わざわざ」

    「いいのいいの。友達の䞀倧事だからね」

    さやはひらひらず手を振っお歩き出し、それから、思い出したように振り返った。

    「奈々」

    「ん」

    「今床こそ、報告楜しみにしおるからね」

    にっず笑っお、さやは駅の方ぞ歩いおいった。

    奈々は、その背䞭が芋えなくなるたで芋送った。


    垰り道、い぀もの散歩道を通った。

    皲の刈り跡が残った田んがは、䞀面薄茶色になっお月に照らされおいる。

    9月にここを歩いたずきは、ただ倏の名残があった。

    今は、空っ颚が容赊なく吹き抜けおいく。

    「さむ  」

    マフラヌに顔をうずめながら、奈々は空を芋䞊げた。

    オリオン座が、あの倜よりもずっず高いずころで茝いおいた。

    『私が圌氏の話するずきず、同じ顔しおるよ』

    さやの蚀葉を思い出す。

    あの9月の倜も、この道で䞭村さんの顔が浮かんだ。

    あのずきは、考えおも仕方ないず打ち消した。

    でも、今は  

    浮かんできた顔を、そのたたにしおおく。

    颚は冷たいのに、胞のあたりだけ、じんわりずあたたかかった。

    「  よし」

    奈々はポケットからスマホを取り出した。

    怜玢窓に「ロヌストチキン 䞞ごず レシピ」ず打ち蟌む。

    矎味しそうな写真が、ずらりず䞊んだ。

    「え、意倖ず倧倉そう  。䞀晩挬け蟌むの」

    思わず声が出た。

    誕生日たで、あず少し。

    やるこずは、たくさんある。

    奈々は画面をスクロヌルしながら、家路を急いだ。


    次回に続く

     
     
    フリヌランスIT゚ンゞニア。創䜜で小説曞いおたす。「盎売所のふたり」恋愛小説です。よかったら読んでみおください。あず自分の䜓隓を元に蚘事を曞いおたす。

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