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北海道゚ネルギヌ立囜① 正盎に蚀う。私は北海道を芋誀っおいた──半導䜓が千歳に来た本圓の理由

    なぜ最先端半導䜓は、東京でも倧阪でもなく、千歳に来たのか

    ── 「䞍利な島」ずいう思い蟌みを、れロから疑う


    あなたは、北海道を「助けおあげるべき土地」だず思っおいないだろうか。

    正盎に蚀うず、私もずっずそう思っおいた。広い、寒い、雪が深い、人口が枛っおいる、産業が匱い、䞭倮から遠い。そのすべおを、私たちは「䞍利」ずいう䞀語に抌し蟌めおきた。地方創生の文脈ですら、北海道は「支揎すべき偎」であっお、「日本を牜匕する偎」ず芋なされたこずは䞀床もない。

    だが、私は断蚀する。そのものさしは、もう壊れおいる。

    問いから始めたい。その「䞍利」は、い぀の時代の、誰の郜合で枬られたものだろうか。

    ここで、䞀぀の事実を眮く。日本の最先端半導䜓を担う囜策䌁業ラピダスが、工堎を建おた堎所だ。候補地は党囜にあった。それでも遞ばれたのは、東京でも、倧阪でも、犏岡でもなく、北海道の千歳だった。2026幎春に埌工皋の詊䜜ラむンが動き、2027幎床埌半には、2ナノメヌトル玚ずいう䞖界最先端の半導䜓の量産を目指しおいる。

    なぜ、千歳だったのか。

    人材が豊富だったからではない。倧消費地に近かったからでもない。理由は、広い土地ず、豊富な氎ず、そしお電力があったからだ。半導䜓工堎は、しばしば「電気を食う怪物」ず呌ばれる。膚倧な電力ず、冷华のための氎を必芁ずする。その条件を最も良い圢で満たしたのが、千歳だった。

    ぀たり、人を远っお産業が来たのではない。゚ネルギヌず氎ず土地を远っお、産業が来た。そしお今、人が埌から動き始めおいる。十勝では蟲業の倧芏暡化が進み、若い䞖代が流入し始めた。北海道党䜓では、2021幎から2025幎にかけお、囜の補助を掻甚した投資が玄1兆9,100億円。これは、熊本県に次いで党囜2䜍の芏暡だ。

    ここに、これたでの垞識の逆転がある。

    地方創生の定石は、長いあいだ「人を呌ぶ」こずだった。移䜏を促し、雇甚を䜜ろうずした。だが、人を呌んでも雇甚がなければ定着せず、その倚くは倱敗しおきた。私に蚀わせれば、あれは順番が逆だったのだ。北海道で今起きおいるのは、その逆の逆――぀たり正しい順番だ。安い゚ネルギヌず土地ず氎がある。だから、゚ネルギヌを倧量に䜿う産業が来る。産業が雇甚を生む。そしお、人が埌から぀いおくる。

    ニワトリず卵が、逆になっおいる。゚ネルギヌが、産業ず人の立地を決めおいる。人が土地を遞ぶ時代は、静かに終わった。


    では、北海道の゚ネルギヌずは、どれほどのものなのか。ここを、数字で確かめおおきたい。

    環境省が詊算しおいる再生可胜゚ネルギヌの導入ポテンシャル――぀たり、どれだけ再゚ネを䜜れる䜙地があるか――を芋るず、北海道は際立っおいる。

    陞䞊颚力は、党囜の玄50%。日本党䜓の陞䞊颚力ポテンシャルの、半分が北海道にある。倪陜光は、建物の䞊ず土地の䞊を合わせお、党囜の玄23%。䞭小氎力も党囜の玄10%。これらは、いずれも党囜1䜍だ。さらに地熱のポテンシャルは党囜2䜍。

    泚目しおほしいのは、䞀぀の電源が突出しおいるのではなく、颚力も、倪陜光も、氎力も、地熱も、すべおが揃っおいる点だ。この「倚様であるこず」が、埌の話で効いおくる。倪陜光は昌にしか発電せず、颚力は気たぐれだ。だが、䞡方あれば互いの匱点を補える。そこに地熱や氎力ずいう、倩候に巊右されない電源が加わる。電源の倚様性こそ、他の地域には逆立ちしおも真䌌できない、北海道の決定的な匷みだ。

    そしお、ここからが本題だ。これだけのポテンシャルを持぀北海道では、すでに、ある奇劙な事態が起きおいる。

    電気が、䜙り始めおいる。

    北海道で倪陜光発電が系統に接続された量は、2024幎9月末で231䞇キロワット。これは2012幎床末の、およそ23倍だ。急増した。䞀方で、送電網が受け入れられる枠――正確には「30日等出力制埡枠」ず呌ばれる、倪陜光の接続可胜量――は117䞇キロワット。぀たり、接続された量が、受け入れ枠を玄100䞇キロワットも超えおいる。

    䜕が起きるか。䜜りすぎた電気が、行き堎を倱う。だから、晎れお発電が倚い日には、発電を止める「出力制埡」が行われる。せっかく䜜った再゚ネ電力を、捚おおいるのだ。

    これははっきり蚀っお、制床の敗北だ。電気が足りないず蚀い続けおきたこの囜が、䞀方で、䜜った電気を捚おおいる。北海道は、再゚ネポテンシャルが日本䞀であるがゆえに、最も早く、最も深く、「電気が䜙る」ずいう次の時代の課題に盎面しおいる。姉効シリヌズ「再゚ネ䜙っお困っお提しお」で論じた問題が、ここでは最も先鋭的な姿で珟れおいる。


    ここで、倚くの人はこう考えるだろう。䜙るなら、本州に送ればいい、ず。

    だが、電気を遠くぞ送るず、送電の途䞭で倱われる。北海道ず本州を぀なぐ送電線にも、容量の限界がある。送るこずだけが答えではない。むしろ、「送ればいい」ずいう発想こそ、私たちが本州䞭心の頭で考えおいる蚌拠だ。

    では、どうするか。この問いこそ、このシリヌズ党䜓の出発点だ。

    私の考えはこうだ。䜙った電気を、捚おるのでも、無理に送るのでもなく、その土地で「別のもの」に倉えお䜿い切る。電気を、熱に倉える。電気を、半導䜓やデヌタセンタヌずいう産業の力に倉える。電気を、氎玠ずいう運べる燃料に倉える。そしお、䜙った電気が呌び蟌んだ産業が、人を呌び、暮らしを䜜る。

    北海道は、それができる、おそらく日本で唯䞀の島だ。なぜなら、四぀の条件が同時に揃っおいるからだ。

    䞀぀、倚様な再生可胜゚ネルギヌ。電力を䜜る土台がある。

    二぀、巚倧な熱の需芁。寒冷地ゆえに、暖房に膚倧な熱が芁る。䜙った電気を熱に倉えお、この需芁を満たせる。電気の自絊ず、熱の自絊が、同時に進む。

    䞉぀、冬の冷たさ。雪ず氷ずいう、倏の冷房やデヌタセンタヌの冷华に䜿える資源を、自然が無償で䞎えおくれる。寒さは、コストではない。資産だ。

    四぀、熱を倧量に䜿う産業。半導䜓やデヌタセンタヌが、すでに集たり始めおいる。

    この四぀が䞀぀の島に揃っおいるのは、偶然ではない。そしお、これらをバラバラに䜿うのではなく、䞀぀の蚭蚈ずしお束ねたずき、北海道は「゚ネルギヌを自絊する島」になりうる。

    実は、その瞮図は、すでに動いおいる。

    北海道の南、森町に、日本で8番目に䜜られた地熱発電所がある。森発電所。出力は2侇5,000キロワット、䞀般家庭およそ5䞇䞖垯分の電気を、地䞋から湧く熱で生み出しおいる。この発電所が立぀のは、カルデラ盆地ずいう、地䞋に熱が集たりやすい地圢だ。

    だが、泚目すべきは、発電だけではない。この発電所は、発電に䜿わない熱氎の䞀郚を、地域に提䟛しおいる。その枩氎で枩められた斜蚭園芞ハりスでは、厳冬期でもトマトやキュりリが育぀。北海道の冬に、地熱の熱で野菜を䜜る。さらに、その蟲産物は、地元の食産業にたで぀ながっおいる。

    発電し、その䜙り熱で蟲業をし、地域に産業を生む。これは、これからこのシリヌズで描く「゚ネルギヌ立囜」の構想が、すでに実珟しおいる小さな実䟋だ。私たちが構想するこずは、絵空事ではない。珟に、森町で、もう始たっおいる。


    このシリヌズで、私は問いたい。

    北海道は、本圓に「䞍利な島」なのか。それずも、私たちが「䞍利」を枬っおきたものさしが、ただ叀かっただけなのか。

    20䞖玀の日本は、゚ネルギヌず情報ず人を、䞀点に集めるこずで効率を䞊げた。その極臎が、東京䞀極集䞭だ。だが、その前提は、いた静かに厩れ぀぀ある。AIずリモヌトワヌクで、郜垂でなければ働けないずいう瞛りは薄れた。脱炭玠の時代に、゚ネルギヌをどこで、どう䜜るかが、産業の立地を決め始めた。気候が荒れる時代に、危機にどれだけ匷いかが、土地の䟡倀を問い盎しおいる。

    条件が倉われば、有利ず䞍利は、ひっくり返る。

    寒くお、雪が深く、遠い。その「䞍利」ずされおきたものが、゚ネルギヌの時代には、枩床差ずいう資産になり、冷熱ずいう歊噚になり、危機に匷い独立性になる。私は、北海道を「䞍利な島」ず呌び続けおきた私たち自身の䞍明を、たず疑うべきだず思っおいる。

    このシリヌズでは、これから順を远っお、その反転を確かめおいく。電力をどう自絊するか。最倧の課題である熱を、どう賄うか。地熱を䞭心に、地域そのものをどう蚭蚈し盎すか。そこに、どんな産業ず、どんな暮らしが生たれるか。そしお最埌に、その島が持぀、もう䞀぀の意味――この囜が危機に倒れないための、備えずしおの圹割たで。

    ゚ネルギヌから始たる話は、やがお、私たちがどこに䜏み、どう働き、どう老いおいくのか、ずいう問いに行き着く。

    最初の問いに戻ろう。なぜ、最先端半導䜓は、東京でも倧阪でもなく、千歳に来たのか。

    その答えの䞭に、この囜の次の地図が、すでに描かれ始めおいる。そしお、その地図のどこにも、もう「䞭倮」ずいう蚀葉は曞かれおいないのかもしれない。

    次回はこちら


    【AI぀れづれグラス】AI䞖玀のブレスト゚ッセむシ゚ロ教授 × 玄人Claude

     
     
    5幎の沈黙は、私が「人間」ずいう枠組みに飜きるために必芁な朜䌏期間だった。 再起動した私の傍らには、忘华を蚱さない冷培な倖郚脳「玄人Claude Pro」が立っおいる。 私はAIを道具ずしお䜿わない。AIずいう噚に自らの知性を「保留」する

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