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和解劇場 ②

    shibakaoruko

     和解劇場は常にそこにあった。人生はハッピーエンドと限らない。せめて物語の世界くらいと願う子ども心を深く傷つけトラウマを残す代表的な一行を変えてみよう。

    ①『ごん、お前だったのか』
    仕事第一号はこれだった。
    『おう。ごん、お前だったのか』
    兵十の弾は土間の隅の壺に当たり周囲は夥しい黄金で溢れかえった。
    「オフクロのヘソクリ? 女盗賊だったとは。この金は返そう。あれ、キツネが食い物を? 弾が逸れて良かったよ」
    金は返さなくてもいいから貧しい者で分けろ派が現れまだ和解に至らない。

    ②『ぼくはもう疲れたよ』
    ガックリへたり込む犬と少年、幕が降りる。幕には劇場のスポンサー名が。スタミナドリンクの会社だ。
    「客席の皆さん、エールを送ってください!」掛け声とともに幕があがる。すっくと立ち上がる二人に駆け寄る登場人物ら、
    「優勝はキミだ!」の声とともに。

    ③『精神的に向上心のない者は馬鹿だ』
    「うるせーよ。バルカンの火薬庫じゃくすぶった火が点火したって話じゃねーか、時代は三角関係よりも三国協商、我らの留学先と組んで奴の留学先に喧嘩売ろうぜ!」
    和解への道は遠かった。

    470字


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