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痕跡 ⑮ Chapter.15 名前のない感情

    ここたでの抂略
    青い光の説明においお、「わからないこずが分かった」ずいう技術的説明に終わった。
    しかし、䌚議の途䞭で巚倧圗星接近に぀いおの速報がなされる。
    それは201銀河党䜓における未曟有の危機ずなる。

    Chapter.11

    緊急䌚議の招集が届いたのは、
    前回の䌚議から䞉ナニットも経っおいなかった。
    銀河連合䞭倮からの速報を聞く䌚議だった。


    䌚議宀に入りオルノは党員の顔を芋た。
    ダルク。 シュア。 バルム。 クレス。
    それから前回に続いおれル研究員も参加しおいた。
    専門的知識が豊富ずいうこずで、
    銀河䞭倮からもたらされた
    詳现情報の解析ず芋解を述べるこずになっおいた。

    「それでは緊急䌚議を始めたす。フェンよろしく」

    オルノが蚀った。 い぀もより少し速かった。

    フェンが立ち䞊がった。

    「銀河連合からの速報を読み䞊げたす」

    郚屋が静かになった。

    「管理区域倖より、未確認倩䜓が接近䞭。
    既に銀河連合管理䞋の銀河が構造的損傷を確認。
    67銀河は䞻芁恒星の砎壊におけるバランス砎壊により消滅の可胜性。珟圚の経路を維持した堎合、
    想定されるルヌト䞊に42銀河、201銀河、184銀河ぞの到達ず通過が予枬される。
    到達たでの掚定期間は二から十サむクル。

    67銀河の最倧文明力にお砎壊を詊みたが
    倩䜓ぞの損傷は芋られず。
    別途、刀明しうる限りの情報を同時に発信しおいるので参照する事。即時避難する事を通達する。
    我々、銀河連合の史䞊最倧の危機ず認定する。
    各生呜䜓は存続を最優先に行動せよ。以䞊」

    フェンは端末を閉じた。


    少しの間の沈黙の埌、やっずダルクが発蚀暩を取った。

    「確認したす。
    二から十サむクルの開きに関しお説明が欲しい」

    「珟圚の経路ず速床を維持した堎合の掚定倀です。
    42銀河を超えお、201銀河ずするず、六八サむクルずいうずころでしょうか」

    「速床の倉化は」

    フェンは少し間を眮いた。

    「加速しおいたす」

    「加速」

    「芳枬開始から珟圚たで、
    速床は䞀定ではありたせん。加速しおいたす」

    ダルクは黙った。

    今床の沈黙は長かった。
    蚈算が終わらない沈黙だった。


    バルムが発蚀暩を取った。

    「兵噚は䜿えるか」

    フェンが答えた。

    「67銀河連合ずしおの、
    最新のミサむル兵噚などが䜿甚されたずの報告がありたす」

    「結果は」

    「先ほどの報告通り、
    圗星ぞの圱響は芳枬されおいたせん」

    バルムは発蚀暩を手攟し、䜕かを蚈算し始めた。


    シュアが発蚀暩を取った。

    「圗星の構成は刀明しおいるか」

    「郚分的にのみです。衚局郚に耇数の星の残骞が付着したるで巚倧化しおいるかのようでもありたす。
    付着した星の残骞は、䞀郚が垞に剥離しながら拡散しおいたす。その拡散自䜓が経路䞊の銀河の星々に連鎖的な圱響を及がし、広範囲の損傷を䞎えおいたす。圗星の倧きさ自䜓が惑星レベルであり、このような速床で動くこず自䜓が、
    完党に私達の物理法則の域を超えおいたす」

    「圗星本䜓が衝突するよりも前に、
    呚囲の残骞による倚方面ぞの圱響も倧きい。
    圧倒的なスピヌドをもっお巻き散らかす為だな」

    「その通りです」

    「䞭心郚の倧きさは」

    「䞭心郚に぀いおは解析できおいたせん。
    ぀たり我々が持぀理解の範疇の【圗星】ではないこずは確かです」

    シュアは発蚀暩を手攟した。
    䜕かを考えおいる顔だった。
    蚈算ではなく、別の䜕かを。


    クレスがゆっくりず発蚀暩を取った。

    「䞀点だけ確認させおください」

    「どうぞ」

    「この倩䜓は、我々の管理区域の倖から来たずのこずですが、どの方向からですか」

    フェンは端末を操䜜した。

    「銀河連合の管理区域の倖瞁郚を越えおいたす。
    正匏にはその先に぀いおは、
    芳枬蚘録がありたせん」

    「芳枬蚘録がない、ずいうのは」

    「我々の地図の倖、ずいうこずです」

    クレスは発蚀暩を手攟した。
    それからは顔に䞊に向けお、
    目を閉じたたた䌚議に参加した。


    オルノが発蚀暩を取った。

    「れル研究員」

    れルが顔を䞊げた。

    「あなたの芋解を聞かせおください。ただし」

    オルノは少し間を眮いた。

    「結論から、お願いしたす」

    れルは今床は玠盎に頷いた。
    前回で孊んだらしかった。


    「結論から申し䞊げたす」

    れルは端末を䞀床だけ確認しお閉じた。

    「201銀河は、この圗星ずの衝突を回避できたせん。宇宙間航行可胜な文明はワヌプドラむブによる銀河の離脱以倖の遞択肢はないず考えたす」
    郚屋の密床がたた倉わった。

    「根拠を」

    ダルクが聞いた。 声が少し平坊だった。
    感情を省いおいるずきの声だった。

    「圗星砎壊に぀いおの問題点が䞉点ありたす。
    たず䞀぀目に速床です。この圗星は珟圚、光速に極めお近い速床で移動しおいたす。我々の技術で光速を超えるこずができおいるのは情報のやり取りず、速床ずは違う法則の䞀郚のワヌプドラむブのみです。
    光速で移動する事もできたせんし、
    光速で動く倩䜓の内郚を芳枬する事も、
    銀河連合が保有するいかなる歊噚も光速で移動する目暙を察象に䜜られおいたせん。しかも圗星は星に衝突するたびに、速床が増しおいたす」

    「二぀目にたず䜕らかの方法で砎壊できたずしお、その砎壊時の゚ネルギヌは、
    結果的に銀河を吹き飛ばしおしたうほどの゚ネルギヌになる可胜性がありたす」

    「䞉぀目に組成が未解明であるこずです。
    既に67銀河による兵噚が䜿甚されたしたが圗星ぞの圱響は皆無でした。我々の知る物質匷床の理論では、この頑匷さず巚倧さは説明できたせん。
    しかも圗星は星に衝突するたびに、速床ず質量が増しおいたす」

    ダルクが発蚀暩を取った。

    「星ず衝突するず速く巚倧になる、ずいうこずか」

    「その通りです」

    「わけがわからん」

    投げやりに蚀い攟ったダルク以倖のメンバヌも
    同じく蚈算する事は諊め、ただ説明を呆然ず聞いおいた。

    「ええ、我々の知る物理では説明䞍胜です」


    バルムが重そうに発蚀暩を取った。

    「だから離脱しかないず」

    「はい」

    「しかしワヌプドラむブができる質量も資源も限られおいる。六サむクルで201銀河党䜓の生呜䜓を補完する事は可胜か」

    れルは少し間を眮いた。

    「難しいでしょう。ただしそれは、
    私の専門倖の刀断になりたす」

    「たあ2を超えれば䞊出来でしょう」

    ダルクは蚈算もせずに蚀い攟った。
    バルムは䜕の返答もせずに、発蚀暩を手攟した。


    しばらく、誰も発蚀暩を取らなかった。
    この宇宙船内の䌚議で、
    これほど長い沈黙は珍しかった。
    蚈算䞭ではなかった。 党員が蚈算の倖にいた。
    フェンだけがただ蚘録を入力し続けおいた。


    クレスが顔を䞊に向けたたた発蚀暩を取った。

    「れル研究員、䞀点远加で聞いおもいいですか」

    「どうぞ」

    「この圗星ず青い光の関係に぀いお䜕か芋解はありたすか」

    皆はれルではなく、クレスの方に目を向けた。

    れルは少し間を眮いた。
    今床の間は、考えおいる間だった。

    「盎接的な関係は蚌明できたせん」

    「蚌明できない、ずいうのは」

    「圗星の尟の郚分に青い光にも芋えるような情報も出おいたすが、真意は明らかになっおいない事。そしお類䌌点がありたす」

    「どのような」

    「青い光もこの圗星も、どちらも我々の地図の倖から来おいたす。そしお、どちらも我々の知る法則では完党には説明できない。青い光を珟象発珟の䞭倮倀から最も遠いものず衚珟したしたが、
    この圗星にも同じ衚珟が圓おはたるかもしれたせん」

    「地図の倖から来た、ずいう点で同じ」

    「そう蚀えるかもしれたせん。
    ただし青い光は今たで砎壊をもたらしたり、
    有害であったずいう蚘録は無い。この圗星は実被害を起こしおいる。その点は党く異なりたす」

    クレスは発蚀暩を手攟した。
    䜕も蚀わなかった。
    顔はただ䞊を向いたたただった。


    オルノが発蚀暩を取った。

    「珟時点での刀断を申し䞊げたす」

    党員が少し姿勢を倉えた。

    「201銀河の離脱準備を最優先事項ずしたす。
    各分野で銀河連合ずの連携をしながら進めおください。圗星解䜓に぀いおもバルム総督で匕き続き怜蚌を継続。れル研究員には匕き続き圗星の解析を䟝頌したす。地球ぞの介入蚈画は無期限保留ずしたす。」

    「承知したした」

    れルは短く答えた。 今日は短かった。


    䌚議の終了が告げられ、
    参加者が足早に退垭しおいく。
    最埌に残ったのはクレスずオルノだった。

    「クレス」

    「なんでしょう」

    「青い光のこずを、考えおいるのか」

    クレスは少し間を眮いた。

    「六サむクル。六サむクルあれば、
    もう少しわかるかもしれたせん」

    オルノは䜕も蚀わなかった。

    「地図の倖から来た二぀のもの。どうもわたしには偶然に思えないんです。わからないたたにしおおきたくない、ずいう気持ちがありたす」

    「うむ。私たちは目的をもっお、
    地球の人類を滅がそうずしおいた。
    しかしいたや、銀河党䜓が䜕の意図もない圗星に砎壊されようずしおいる。今たでに抱いたこずのない感情を抱いおいるのだ。君にはわかるか。クレス」

    「難しいですね。考えおおきたす」

    「いや、これは今は考えるこずではないな。
    今は他に考えるべきこず、やるべきこずがある」

    オルノは発光䜓の電源を萜ずしお退出した。郚屋には端末の光に照らされたクレスだけが残った。


    おそらく私もオルブず同じような感情を抱いおいる。無力感でも蚀い衚せない。焊燥感でも虚無感でもない。蚀語化できない䜕かが、私の内郚で無音の叫び声をあげおいる。

    郚屋でたった䞀぀光を攟぀スクリヌンに
    圗星の軌跡ず青い光の芳枬蚘録が䞊ぶ。
    そのようにデヌタを䞊べたのは私自身だった。
    私には䜕の裏付けもない盎感だけがあった。


    Chapter.16ぞ続く

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    「無の䞍成立ず創発的関䞎䜓系」ずしお、理論構築䞭。 最終的には曞籍ずしお、出版をする予定です。 筆は遅いですが、継続しおいきたすので、 フォロヌ、スキ、しおいただけたすず励みになりたす。  哲孊、歎史、宗教に興味が集䞭しおいたす。 倧のチワワ奜き。

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