
夫、初めての氷作りの真実
朝のバタバタが一段落して、
私は冷蔵庫を開けながら
今晩のメニューをどうしようかと
材料を物色していた。
すると横から夫が話しかけてきた。
「1つ聞いていい?
氷ってどうやって作るの?」
必要だから教えて欲しい、
という真面目な顔。
はい?
氷ですか?
普段、夫は飲み物に氷を入れない。
どちらかといえば
温かい飲み物を好むタイプだ。
でも最近、
麦茶を作ってくれたりして
冷蔵庫の中を
よく見るようになった夫。
ついに
「氷が無くなりそう」
というところまで
気づくようになったのか?
と、少し驚いた。
せっかく聞いてきてくれたので、
私はコールセンター並みに丁寧に説明した。
製氷機の場所、
水の入れ方、
扉の側面にあるボタンの押し方。
氷を作るボタンは、
冷蔵庫の扉を開けた
すぐ右側の側面にある。
普通なら目に入る場所だ。
なのに夫は、
「こんな所にあったっけ?
この冷蔵庫、買ってからだいぶ経つのに全然気づかなかった!」
と言った。
8年ぐらい経ってますが。
「でも、なんで氷いるの?」
と聞いてみたら、
「犬が氷好きだからあげるんだけど、
すぐなくなっちゃうんだよね。
だから、作っとかないと。」
だそうです。
家族のための気づかいではなかった。
犬のためなのね(笑)
しかも夫、
氷ってスピーディーに
じゃんじゃんできると思っていたらしい。
子供みたいに製氷機を何度ものぞいては、
「まだ出来ないんだね」
と驚いていた。
そうだよ。
主婦は、
氷が切れないように、
麦茶がなくならないように、
地味にタイミングを見ながら
家事を回しているのだよ。
……なんてことを、
私は心の中で思っていた。
以前、娘が
「人って、自分事になると動くよね」
と言っていた。
本当にそうかもしれない。
夫にとって、
家事はずっと
“自分事”ではなかったんだと思う。
でも、
犬の氷がなくなるのは
自分事だった。
だから、
冷蔵庫を見て、
氷の減りに気づき、
作り方まで聞いてきた。
私は最近、
卒婚したあと夫が困らないように、
家のことを少しずつ伝えている。
でも今日、
氷を作る夫を見ていたら、
必要になれば、
案外ちゃんとやっていくのかもしれない
なんて思った。
……まあ、
きっかけが犬だったのは
ちょっと面白いけど。
恐るべし、犬(笑)

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