何でもない日常が、どうしても書けない。
雨が上がっていた休みの日、こういう朝はパン屋に行く。気に入っている店はいくつかあって、娘の好みでいくか私の好みで押し通すか、セブンのカフェラテを飲みながら考えていた。
カップの底の泡だった牛乳を飲み干そうと顎を上げたら、車の窓から清々しすぎる空が見えた。
パン屋の列に並んでいると、娘が大好きな「あんドーナツ」が揚げたてだという。ぎゅっと持ったら形が変わってしまいそうなドーナツの袋を、車のシートの上に置いてエンジンをかけた。
家に着いても、袋の中はまだちゃんと温かい。
食べかけのドーナツを皿の上に置いて、PCを開く。「#休日のすごし方」がいいかなと思いながら、朝からのことを打ち始めた。
いや、待って。この話。
カーソルが点滅したまま動かなくなる。
「オチはどこ?」
「読む価値ある?」
「で、何が言いたいの?」
さっきまであんなに気分がよかったのに。
下書きを、上から下まで選択した。
なんでだろう。
昨日の夜は、キムチを黙々と漬ける動画にハマってたのに。Temuで買った服が失敗だった話に笑って、電車で寝過ごした話も好きだった。
人の日常に「オチは?」なんて思わないのに。
それなのに自分の何でもない日常は、とたんに書けなくなるの、どうしてなんだろう。

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