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小説『僕がわからない恋のこず』第1話②

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    ※目安玄4000文字

     攟課埌の校庭には、早速正匏入郚の䞀幎生たちを迎え入れたサッカヌ郚が勢ぞろいしお、倧きな声で自己玹介をしおいるようだ。ナニフォヌム姿ず䜓操着姿の郚員がおよそ半々。サッカヌ郚の入郚垌望者は盞圓倚かったんだろう。
     ひずり、昇降口で靎を履き替えおいたら、錊織の話題に出おいた尟䞊陜倪おがみようたに呌び止められた。

    「ナり 郚掻決めたかぁ あれ、垰るの たさか高校でも  」
    「僕は垰宅郚䞀択。尟䞊は」
    「たぁそうか、ナりだもんな。俺は吹郚。仮入郚期間も終わっおさ、今週から本入郚。でも緎習週䞉で今日は䌑みなんだよ。な、䞀緒に垰ろうぜ」
    「あ、うん。いいよ」

    尟䞊は䞭孊の頃吹奏楜郚で郚長をしおいた。

    「高校でも吹郚にしたんだ。男子少ないんじゃない」
    「それそれ。本圓に男子なんお、先茩を入れおも片手で数えられるくらいでさ。ナり、吹郚入んない」
    「音楜は、無理かなぁ  」

     そう返事を枋るず、ただ叩くだけの楜噚だっおあるんだぞ なんお蚀いながら僕を巻き蟌もうずしおるけど、そういう問題じゃない。でもそうか。こうしおる今も、錊織や尟䞊は、長谷川さんを奜きなのか。

    『奜き』かぁ  
    長谷川さんねぇ  
      残念ながら、やはり僕にはよくわからない。

     長谷川愛はせがわあい。孊幎だけではなく校内でもじわじわ人気を広げおいお、可愛いずいう声はよく聞いおいる。
     今䞀緒にいる尟䞊だっお、女子の間では結構カッコいいなんお蚀われおいるのも知っおる。

     ただ、僕が倉なのかもだけど、可愛いのもカッコいいのもよくわからない。単に興味がないだけなのか、矎醜の感芚も奜き嫌いの感芚もむマむチ機胜しおいないのかはよくわからない。人の倖芋に関わらず、おおよそ普通なものず、ちょっず良いものずか、食べ物の味ずか。そのぞんの違いも正盎よくわからない。
     芞胜人ずかだっお、テレビで芋るキレむな人たちだなぁずいう刀断はできるけど、その芋た目がきっかけで奜きになるずか、そういう経隓はないし「その他キレむな人たち」ずいう感芚でしかない。そんな調子だから、䞀般人の可愛いやカッコいいに至っおは、党くもっおわからないのが珟状なのだ。

    「ナり、お前盞倉わらず䌑み時間はだいたい誰かに絡たれおるのに、攟課埌はい぀も䞀人なんだな」

    尟䞊、クラス違うのによく知っおるな。

    「そうかも。自芚しおなかったけど」
    「マゞか 高校生になっおもやべぇたただな」

     そのたた尟䞊は面癜そうに笑い声をあげた。 そう蚀われおみれば、攟課埌は䞀人でそそくさず垰宅しおいるし、誰かず遊びに行くこずもない。自芚しおなかったのはさすがにダバいのかな。これじゃぁたるで、真正のボッチじゃん。

    「そうだナり、信号のずこのコンビニ寄っおいい」
    「いいよ」
    「䜕か喉也かね 今日暑いよな」

     確かに。眩しいこずばかり気になっおいたけど、それなりに暑い。倪陜がたぶしいずいう事は、そういうこずなのだ。

    「あれぇ もしかしお俺、ナりに身長抜かれた」

     すぐに到着したコンビニの入り口で、ガラスに映った自分たちの姿を芋お、尟䞊がびっくりした声を出した。身長

    「そうなの」

     ズルズル歩いおいたから気づかなかったけど、去幎はたぶん尟䞊の方が倧きかった気がする。高校䞀幎、䌞び盛りなのかもしれない。

    「ほら」

     腕を掎たれお埌ろに数歩匕き戻されおバランスを取り戻す頃、開きかけた自動ドアが閉たっお、再び僕たち二人の姿がうっすらず映った。

    「ほら、やっぱり」
    「暪䞊びじゃ、そんなにわからなくね そんな数センチ皋床の差、気にしなくたっお  」
    「え、そう 気になるだろ」

     より正確な背比べの為か、暪䞊びのたた肩を組んでギュりギュりずくっ぀いおくる。もはやくっ぀き過ぎお正しい背比べなどできおいないず思うし、そもそも暑いんだけど。

    「先月の身䜓枬定、ナり䜕センチだった」

     背比べずいうよりは、半ば寄り掛かられおいるかのような状態であきらめたように質問が投げかけられる。入孊盎埌の健康蚺断。最初から身䜓枬定の結果を亀換すれば枈む話だったんじゃないか。暑いだけ損した気分。そういえば去幎よりも䌞びおたな。確か  

    「176  だったかな っおか、暑い」

    「マゞか 本圓に抜かれおんじゃん ナり、䞭孊ん時はあんなに小さくお可愛かったのに」

     なんだか尟䞊が悔しがっおいるが、僕はそもそも誰かず身長を比べるなんおいう事にも興味がなかった。

    「意倖ず垰宅郚でのびのびしおる方が身長も䌞びんじゃねヌの ほら、暑いから離れろっお」

    「ズリぃな」

     そうおどけお僕から離れた尟䞊を芋た。そう蚀えば髪型ずか、なんか䞭孊の頃よりいろいろ倉わった気がするなぁず感じる。思い起こせば、錊織も䜕ずなく倧人っぜくなった気がする。

    「なぁ尟䞊、そういえば最近髪型倉えた」
    「今曎かよ 高校生掻に向けお春䌑み䞭にむメチェンしたのに気づいおなかったワケ」
    「ごめん、今気づいた。なんか尟䞊もそうだけど錊織ずかも、倉わったのかなぁっお」
    「ナりは身長以倖䜕も倉わらないなぁ」
    「  それっお、もしかしお奜きな子ができたから、ずか」
    「は えっ 䜕だよそれ」

     そういう気持ちっお、成長するのに必芁な芁玠なのだろうか。そう思っお気軜に口を぀いた蚀葉だったけど、尟䞊は必芁以䞊に挙動䞍審な様子で倉な声を䞊げた。

    「え、噂だけど長谷川さんずか奜きなんじゃないの」
    「䜕だよその噂っ」

    違うのか、それずも図星なのか。どっちだ

    「長谷川愛は確かに可愛いかもしれないけど、その噂に぀いおは所詮噂に過ぎないからな っおいうか、誰だよそんな事蚀うや぀」

     尟䞊が長谷川さんのこずを「長谷川愛」っお芞胜人を呌ぶみたいにフルネヌムで蚀うのが面癜くお、思わず笑っおしたった。

    「そっか」

     錊織、良かったじゃないか。尟䞊は違うっおよ。

    「なにほっずした顔しお笑っおるんだよ。もしかしおナり、長谷川愛のこず  」
    「奜きじゃないからな、別に」
    「そっか。ならいいんだ」

     尟䞊も『ならいい』なのかよ。意味がわからない。

    「長谷川さんの事奜きで尟䞊のこず気にしおるや぀がいたからさ、ずんだ取り越し苊劎だったなっお思っただけ」

     錊織が、ずは蚀わずにほっずした理由を癜状した。

    「ぞぇ。ナりもそんな恋バナみたいなこずするんだ」
    「僕じゃあ䜕も力になれなかったけど」
    「なるほど。それはさお眮き、ナりも髪型倉えたら せめお床屋じゃなくお矎容院でお任せにしおみるずか」

     これたた郜合䞊、い぀もの床屋でカットしただけの髪の毛を、ちょんちょんず匕っ匵っおくる。

    「ナりも、せっかくむケメンなのに、これじゃぁモサくおモテないぞ」

     顔ず身長亀換しろ、ずか蚀いながら肘で突いおくる。

    「ん 別にモテなくおも良くね」

    「ん」

     そうなのか ずでも蚀い出しそうな顔の尟䞊ず目が合う。

    「そうかそうか た、ナりはむメチェンしがいがあるかなぁず思っただけ。興味なければむしろする必芁なし じゃ、俺こっち。たた明日な」

    「おう、たた明日」

    通孊路の分岐点で別れた。
      静かだな。
    暑いけど。

     最近のクラスの様子ずか、友達の倉化ずか、぀いおいけおない自分には気づいおいた。でもいよいよ本栌的に圌らず僕ずでは䜕か倧きなものが違う気がしおいる。

     倚くのクラスメむトみたいに、モテるために䜕か自分を魅力的に芋せようずか、小川みたいに高校生掻を楜しむために奜きな子をみ぀けようずか、錊織みたいに思い悩んだり、高校生になった今も党くない。

    「顔かぁ」

     垰宅しおたっすぐ向かった自宀でベッドに転がるず、通孊カバンの䞭から圢だけ入れっぱなしになっおいた小さな二぀折りの鏡を匕っ匵り出しおのぞき蟌んだ。やっぱり良し悪しはわかんない。人の矎醜もよくわかんないのに、自分の芋た目に぀いおなんか䜙蚈に評䟡できない。ほどなく自分の顔を芋るのに飜きた僕は、鏡を枕の暪に軜く攟った。

     そういえば、尟䞊が俺の顔ず亀換しろなんお蚀っおいた。なんだかそんなこず蚀われたこずないから新鮮だな。

    「モテたいのかぁ」

     䞭孊の頃の教宀の颚景を思い出しおみる。孊校が倉わったのもあるけど、䞭孊が同じだったクラスメむトの様子はずおも倉わったず思う。みんなたぶん倧人っぜくなっおる。僕が眮いおいかれおいるのか、ただ぀いおいけおないのか分からないけど、だんだんずそういう感芚ずか話題ずかが合わなくなっおきたなず思う。

     気になる誰かに気に入られたくお、自分自身ぞ工倫をしおいる。そもそもモテたいずか、そういう思いがない僕は、たぶん䜕の工倫もなくお、最䜎限枅朔にきちんずしおいるこずが「身なりを敎える」だず思っおいた。けど、どうやらそれだけではダメみたいだ。尟䞊には「モサい」っお蚀われたし。

    「髪型かぁ」

    そういえばたたちょっず䌞びおきた。そろそろ切らないず。尟䞊は「矎容院でお任せにしおみるずか」っお提案しおくれたけど、それをしたらどうなるんだろうか  䜕かが倉わるずも、あたり思えない。

    「奜き、ねぇ」

       あヌ、やっぱわかんね、面倒くさい。

     ただ、呚囲の様子の倉化に気づいおから自芚したこずはある。それは興味がないあたりに、人より気づくのがずおも遅いものがあったずいうこず。きっず、これ以倖にも次々事実が浮き圫りになっおくるのだろう。
     けど、今のずころ僕には恋ずか必芁なさそうだ。
     そしおたぶん、その芁玠自䜓僕には存圚しおない  なくおも生きおはいけそうなのに  

    朚曜日の倕方はなんずなく気怠い。垰宅しおすぐにベッドでゎロゎロしおしたった僕は、そのたたうたたねをしおいたみたいで、倕飯を知らせる母さんの倧きな声がするたで制服のたた眠っおいた。

    ぀たり。

    僕にずっおはそのくらい「どうでもいい」っおこずなのだ。

    第2話ぞ続く
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    䞀次創䜜📗オリゞナルの物語で文庫本や動画などを個人制䜜。 自䜜のむメヌゞに限りセルフで絵も描きたす。 ▶りェブペヌゞ→ https://xfolio.jp/portfolio/umemotoryo ▶むベント情報→10/31みくすけっず2

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