
連載小説 学園デジタル民主主義 あとがき
はじめに
今回の作品は、学校を舞台にして「デジタル民主主義」を適用して民主的な学校運営を物語として描きました。
物語を進めながら「デジタル民主主義2030」で公開しているツールを物語の主人公たちと一緒に検証したり、必要に応じてツールを作成しながら物語を進めていきました。
あとがきとして、この物語を書いた動機や思いなどを少し書きたいと思います。
デジタル民主主義について
近年の極右勢力の台頭であったり、2024年の第2期トランプ政権の誕生により民主主義は大きな試練の時を迎えていると言っていいと思います。
こういった社会の分断による影響から民主主義を守るためにデジタル民主主義が必要だと思って、デジタル民主主義に関する物語を書いてみようと思いました。
実は、今の社会の分断は「エリート」(知識階級)と「反エリート」(非知識階級)の分断というのが、根本的な分断ではないかと思います。
正直言うと今のデジタル民主主義を導入していくとして、ちゃんと参加するのは知識階級(層)になると思います。
物語を書いてみての所感ですが、今のデジタル民主主義のフレームでは、反エリート主義的な分断を解消するのは難しいようにも思います。(エリートが難しいことを言って、勝手に決めていると言う感覚から抜け出せないかもしれません。)
ただ、結局のところ分断というのは、収入格差や教育格差などの格差が根本原因なのでそこを地道に埋めていくしか無いようにも思います。
ツール利用と執筆
今回は、デジタル民主主義のツールを使ったり、AIで仮想データを作ったりしながら物語を書いていきました。
ある程度のアウトラインは事前に決めてましたが、AIの作成したデータやツールの出力結果に応じて物語を進めて行ったため必ずしも思い通りにはいきませんでした。
AIが出力するものは常識的でイマイチ面白みが無いと言う部分もあり、もう少し意外性を持った展開に出来ると良いと思います。
この執筆を通して幾つかのツールを作れたのも成果だと思います。
学園自治シミュレーター
仮想政策シミュレーター
民主主義と実践教育
正直、日本は政権交代もほとんどなく、大きな方針変換をほとんどしたことがなく、民主主義があまり機能していない感があります。
選挙による政権交代はほとんど無い代わり、世論調査などの結果をもとに首相はよく変わり、国民の空気を読んだ小さな方針変換はよく起こります。(ただし、実際に民主制度を行使して方針変換は少ないように思います。)
日本人は空気感での合意形成は得意ですが、なんとなく合意するため根拠も不透明な感もあります。
民主制度をしっかり活用するためには、学校教育での実践経験が必要になると思います。
つまりは、民主制度を利用して学校自治を体験させるということが大事だと思います。
そういった意味では、この物語のようなことが全国の中学校・高校で起こって欲しいですね。
なぜ制服をテーマにしたか
一つは私が学生時代に制服の廃止という投票が学校であったからです。(それは、投票で否決されました。)
もう一つは、制服というテーマが論理的な正解があるテーマではなく、個人の好き嫌いといった趣向がベースになっているからです。通常のテーマの多くは、ある程度論理的な正解があり、論理的に議論する部分と感情的な議論がぶつかって噛み合わない議論になりがちです。
そういった意味で、基本的には感情的な話がメインである制服という議論はむしろ噛み合わせが良いのでは無いかと思いました。