メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

むブ物語刀断寓話゚ラずペル第䞉十九話 ルヌベント

    アむ


    私の目の前に、ありえない光景が広がっおいる。

    地鳎りずずもに揺れる地面。
    晎倩を芆い隠す巚倧な圱。

    先を芋通すこずもできないほど、巚倧な䜕かが私の前にいた。

    画像


    ゚ラずペル 第䞉十九話
    【ルヌベント】


    ロヌズずの玄束を守り、商隊を護衛しながら、ルヌベントが珟れるずいうオアシスを目指した。

    ダヌクず呌ばれる、ラクダに䌌た生き物は倧人しく荷を運ぶ。

    砂挠に適性をもった匷靭な足は、砂に沈んで重くなる堎所を䞀歩䞀歩進んでいく。

    鞍を぀けられたダヌクは、二人たでなら楜に乗せるこずができた。
    私はオトが操るダヌクにたたがり、隣にはすでに乗りこなしおいる゚ラが続く。

    䞀列に長く連なる商隊を守りながら、蜃気楌のように揺れる地平線を目指す。

    方向は、先頭を進むロヌズが瀺しおいた。

    䜕日か埌、私たちは倧きなオアシスにたどり着き、荷を䞋ろしおいた。

    「本圓にここに来るの」

    私はただ、半信半疑のたたでいた。

    日差し避けのテントを匵り、オアシスの氎を汲む。
    䞀口含むず、からからになった䜓に氎が染み蟌んでいくのを感じた。

    ゚ラは自分の乗っおいたダヌクが気に入ったようだ。
    逌を䞎えお、むしゃむしゃず食べる顔を飜きもせず眺めおいた。

    しばらく小䌑憩を取ったあず、あたりが慌ただしくなる。

    日陰で腰を䞋ろしおいた私ずオトは、その物音に気づいお立ち䞊がった。

    ズシン、ず地面が揺れる。
    砂挠の砂が、ぱらぱらず岩肌から萜ちる。

    その音のする方向を芋るず、私は蚀葉を倱った。

    ――䜕かが近づいおくる。

    目の前の光景を衚す蚀葉が、すぐには思い぀かない。
    隣に立぀オトも目を芋開いおいる。

    「ペル カメだ」

    ゚ラが指を差しお叫んでいる。

    ――カメ

    カメの圢をした巚倧な岩だ。
    ただ、動いおいる。

    甲矅ず思われる堎所には、倖壁に囲たれた幟぀もの建物が芋えた。

    動く街。
    それが今、たさに目の前に珟れた。

    「もたもたするんじゃないよ」

    ロヌズの声が飛ぶ。
    その声に反応した男たちは、慣れた手぀きでダヌクたちを萜ち着かせおいる。

    近づくたびに倧きくなる揺れで、立っおいるのもやっずだった。

    オアシスを目の前に、巚倧な圱が止たる。

    ドン、ずいう音ずずもに、カメは砂に沈んでいく。
    揺れが収たる頃には、ルヌベントの街䞊みだけが広がっおいた。

    遠くの門が開く。
    甲矅に匵り぀いた建物からも、幟぀もの梯子や、滑車に吊られた昇降機が降りおきた。

    どこから湧いたのか、人々の姿が芋える。

    慣れた手぀きでテントや屋台が匵られ、あっずいう間に垂堎が生たれた。

    「案内はここたでだ」

    そう蚀うず、ロヌズは私の背䞭を叩く。
    軜く叩かれたはずなのに、バランスを厩しお転びそうになる。

    「ありがずうございたす」

    私はそう蚀うず、街ぞ向かっお歩き出した。

    ルヌベントの門は開かれおいる。
    歊装した門番らしき男たちがいたが、私たちには目もくれない。

    「出入り自由なんですね」

    オトがぜ぀りず蚀う。

    子どもたちが私たちを芋぀けお走り寄っおくる。
    手には小さな花や果物を持っおいた。

    「お姉ちゃんたち、これいらない」

    無邪気な笑顔を浮かべおいる。
    い぀の間にか、たくさんの子どもたちに囲たれおいた。

    「ありがずう。でも、いらないわ」

    私が蚀っおも聞きもしない。
    それぞれが手に持った品を差し出しおくる。

    その時、声が䞊がった。

    少幎の手を掎む゚ラの姿。
    その手には、私の腰にあったはずの小さなポヌチがあった。

    「痛えな、離せよ」

    悪びれる様子もなく、悪態を぀く少幎。
    ゚ラはその顔にぐいっず顔を近づけお蚀う。

    「あんたら、私たちに䜕かしたらわかっおるね」

    普段ずは違う゚ラの姿。
    鋭い県光が子どもたちを芋据えた。

    「チッ、あんたらもこの街の人間か  」

    そう蚀うず、少幎は手に持っおいたポヌチを゚ラに枡し、頭を掻いた。

    その姿を目にした子どもたちは、蜘蛛の子を散らすように私たちの呚りから離れおいく。

    「ペル。気を぀けお」

    ゚ラからポヌチを受け取りながら、私は自分の軜率さを反省した。

    ここは倖の䞖界ずは違う。
    子どもたちですら、生きるために必死だ。

    近くを台車を匕く少幎が暪切る。
    茉せられた満タンの氎暜は重く、足堎の悪い地面に䜕床も足を止めながらも、必死に歩いおいた。

    「たずは、宿を決めたしょう」

    オトもい぀もより、衚情が固い。

    倧通りも真っ盎ぐではなく、無秩序に積み䞊がるような家や、家ずも呌べない小屋が䞊んでいる。

    建物も、すぐには䜕階建おなのかもわからない、䞍思議なものが倚かった。

    しばらく進むず広堎に出た。
    するず、近くにいた憲兵颚の男が近づいおきた。

    「お前ら、芋ない顔だな。い぀着いた」

    突然声をかけられ、私は身構えた。
    そこぞオトが割っお入る。

    「今日着きたした。砂挠の薔薇の“友人”の玹介です」

    “友人”の郚分だけが、少し匷く感じた。
    憲兵颚の男は頷く。

    「そうかい。友人の玹介なら、わかるよな」

    憲兵颚の男は、口角を䞊げる。

    「はい」

    そう蚀うず、オトは䜕枚かの硬貚を憲兵颚の男に握らせた。
    男の顔が明らかに倉わる。

    「困ったこずはないか」

    「“安党な”宿屋を探しおいたす」

    オトはい぀もの柔らかな衚情のたた答えた。
    男は顎に手をやるず、少し考えお蚀う。

    「安党な宿屋なら、この先の“癜カラス亭”だな」

    そう蚀うず、通りの奥を指差した。

    「ありがずうございたす。優しい憲兵さん」

    オトがい぀もより、艶っぜい声を出す。

    「おお、困ったこずがあったらい぀でも蚀えよ」

    「そうだ。宿屋にはラヌクの玹介だず蚀いな。悪いようにはしないから」

    男は錻の䞋を少し䌞ばしながら答えた。
    オトは小さく手を振るず、宿に向かっお歩き始めた。

    「オト。倧人だ」

    ゚ラが呟く。

    私もその光景を芋お、オトの凄さを感じおいた。

    宿屋の看板が芋えかけたずころで、路地から男の声が聞こえる。
    䜕か蚀い争っおいるような声だ。

    私が芖線を向けるず、若い男が二人組の男に絡たれおいた。

    ゆすりか、たかりか。
    今にも殎られそうになった若い男が、二人を突き飛ばしおこちらぞ向かっお走っおくる。

    だが、通りに出る寞前で捕たっおしたう。
    ゚ラが腰に手をやっおクロずシロを握ろうずした、その時だった。
    別の方角から怒鳎り声が響く。

    「ここが、誰のシマかわかっおるのか」

    振り返るず、倧柄な男が二人組を睚み぀けおいた。

    その声に、男たちは瞮み䞊がる。
    若い男も腰を抜かしたように座り蟌んでいる。

    殺䌐ずした空気が広がる。

    数秒の沈黙。

    その静寂を砎る声がした。

    「買い物も静かにできないの  」

    その声の先には、青い髪ず透き通るような肌をした女性が立っおいた。

    私は蚀葉を倱う。

    圌女の瞳の色が、あたりに異質だったからだ。

    赀い瞳。

    それは今たで芋た䞭でも、もっずも赀く、吞い蟌たれそうな瞳だった。

    その姿を目にした゚ラが、震えるような声で呟く。

    「ニコ  」

    画像


    🔙第䞉十八話   第四十話🔜



    創䜜倧賞2026 ファンタゞヌ小説郚門 投皿䜜

     
     
     
    ファンタゞヌな䜜家アむ 物語ず゚ッセむを曞いおいたす。 長線『゚ラずペル』完結戊蚘ファンタゞヌ『猫埁』連茉䞭 刀断寓話から、日垞に朜むちょっず倉な話たで(・κ・) 物語を読む人にも、曞く人にも。 あなたの日垞に、少しだけファンタゞヌを むブ物語刀断寓話 䞍定期曎新

    あなたぞのおすすめ