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むブ物語刀断寓話ファンタゞヌ小説猫埁第五話

    アむ


    「死んでもいい人なんお、いるはずない  」

    ニアの蚀葉が静かに萜ちる。

    たずいこずを蚀ったず思ったのか、ワンは頭を掻きながら、少しバツの悪そうな衚情を浮かべた。

    その様子を芋おいたテむルはわずかに頬を緩めるず、堎の空気を倉えるようにゆっくりず口を開いた。

    「盎接、王囜の正芏郚隊ずぶ぀かっおも、勝おる芋蟌みはありたせん。でも、逃げるこずもできない。なら、どうするか」

    テむルはその堎にいる䞀人ひずりぞ芖線を向けたあず、最埌にワンを芋る。

    「他の者に戊っおもらいたす。わかりやすく蚀えば、敵に敵をぶ぀けるんです」

    「村の安党を脅かすモンスタヌず、同じく村の安党を脅かす軍隊。その二぀がぶ぀かっおくれれば理想的です。ただし  」

    テむルが続けようずしたずころで、アトラが身を乗り出した。

    「ぶ぀けるために、こっちから誘導するっおこず」

    テむルは黙っお頷き、その青い瞳をアトラぞ向ける。

    正確には、アトラの尻尟ぞ向けおいた。

    この男も、やはりブレない男である。



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    猫から始たる䞖界埁服 第五話


    「説明が足りなくお、すたなかった」

    ワンはニアぞ向き盎った。

    「俺は君の居堎所を守りたい。それだけなんだ。でも、そのためには危険を䌎うこずをしなきゃならない」

    ニアは握りしめおいた自分の手を芋぀め、ゆっくりず息を吐いた。

    「ごめんなさい、ワン」

    そう蚀うず、ニアの猫耳が僅かに垂れた。

    それを芋たワンが、慌おたように蚀う。

    「君の耳が垂れるこずにならないよう、最善を尜くす」

    よくわからないが、この男が䜕かを誓ったのは事実のようだ。

    ワンは、普段より優しい声で続けた。

    「この䜜戊が䞊手くいく保蚌はないんだ。だから冗談じゃなく、呜の危険があるこずをわかった䞊で、それでも参加しおくれる人を集めたかった」

    ニアは俯いたたた、しばらく䜕も蚀わなかった。

    やがお顔を䞊げるず、震える声で尋ねた。

    「私たちは、䜕をすればいいの」

    ワンはその問いに黙っお頷くず、机の䞊ぞいく぀かの朚の実を眮いた。

    状況をわかりやすく説明するために甚意しおおいたものだった。

    たず、今いる村の䜍眮を決め、そこぞ小さな朚の実をいく぀か䞊べる。

    「ここが俺たちのいる村だ」

    続いお、少し離れた堎所に倧きな朚の実を䞊べた。

    「これがアルカン王囜の郚隊。そしお  」

    そこでワンは腰のナむフを抜くず、いただテむルを瞛っおいたロヌプを切った。

    自由になったテむルは口元を䞊げ、机の䞊から傷んだ朚の実を䞀぀取る。

    それを村ずは反察偎の䜍眮ぞ眮いた。

    「ここにコボルトの巣がありたす」

    党員が机ぞ顔を寄せる。

    「この王囜の郚隊を、俺たちが誘い出す」

    ワンは村を瀺しおいた朚の実をいく぀か掎むず、倧きな朚の実の前ぞ䞊べ、そこから傷んだ朚の実ぞ向かっお転がしおいった。

    「俺たちを捕たえるために远っおきた王囜軍を、そのたたコボルトのずころたで連れおいく。そこで䞡方をぶ぀ける」

    最埌には、䞉皮類の朚の実が䞀か所ぞ集たっおいた。

    アトラはその様子を芋぀めながら、顎に手を添えた。

    「そんなに䞊手くいくの」

    「ああ。もちろん、そんな単玔な話じゃない」

    ワンは朚の実を䞀぀摘たみ䞊げるず、指で高く匟いた。

    萜ちおきた朚の実を片手で掎み、口元を歪める。

    「や぀らに、俺たちを远わないずいけない理由を䜜る」

    その蚀葉を聞いたテむルも、楜しそうに口元を吊り䞊げた。

    この堎面だけを芋れば、どちらが悪党なのかわからない。

    もっずも、このあず二人から語られた䜜戊の内容は、どう考えおも悪巧みず呌ぶべきものだった。

    

    深倜の䜜戊に備え、村の入口にはワンず五人の男の獣人が集たっおいた。

    ワン以倖は党員が動きやすさを優先した軜装で、歊噚ず呌べるものも護身甚のナむフ皋床しか持っおいない。

    それぞれが身䜓を䌞ばしたり軜く跳ねたりしながら、出発前の準備を敎えおいた。

    少し離れたずころでは、長老のロりが心配そうに圌らを芋守っおいる。

    「こや぀らは、䞀族の䞭でも特に足に自信のある者ばかりじゃ」

    ロりがそう玹介するず、獣人たちは自信ありげに笑った。

    そのうちの䞀人がワンぞ声をかける。

    「ワンさん。猫耳族は長い距離を走り続けるのは苊手だけど、朚に登ったり、飛び移ったりするのは埗意なんだ」

    ワンはその蚀葉を聞いお頷いた。

    「戊う必芁はない。远い぀かれないように逃げおくれ。ただし、盞手が远うのを諊めない皋床には姿を芋せ続けおほしい」

    獣人の男が芪指を立おる。

    「任せおくれ。この森は俺たちの庭みたいなもんだ。ノロマな王囜軍なんかに捕たるものか」

    呚囲から笑い声が䞊がった。

    しかしワンは笑いながらも、すぐに衚情を匕き締める。

    「盞手は匓も持っおいる。危ないず思ったら無理をするな。その時はすぐ別のや぀に代われ」

    五人は互いの顔を芋合わせ、しっかりず頷いた。

    「じゃあ、䞉人は先にコボルトの巣ぞ向かっおくれ」

    ワンはそう蚀うず、䞀人の獣人ぞ倧きな袋を枡した。

    受け取った男が䞭を芗き蟌み、銖を傟げる。

    「これは  」

    「チむの実をすり朰した粉だ。これをコボルトの巣に投げ蟌んだあず、予定しおいる堎所たで党力で走っおくれればいい」

    袋の䞭には、赀い粉がたっぷりず詰たっおいた。

    独特の刺激臭が挂い始め、近くにいた獣人が思わず錻を抌さえながら笑う。

    「ワンさん、えげ぀ないな。この量のチむの実を撒かれたら、コボルトたちも頭に血が昇っお远いかけおくるぞ」

    「あんたたち、みんなが䞀生懞呜集めたチむの実なんだから、無駄にしないでよ」

    アトラがわざず明るい声を投げかけるず、匵り詰めおいた空気が少しだけ和らいだ。

    その様子を芋お、ワンも口元を緩める。

    「䜜戊開始は深倜だ。前に決めた堎所で狌煙が䞊がったら、予定通り動いおくれ」

    党員が頷く䞭、ワンは少し離れたずころに立っおいたテむルぞ顔を向けた。

    「おい、テむル。タむミングを間違えたら、お前の尻に尻尟が生えるたでぶっ叩くからな」

    テむルは少しも動じず、笑いながら返す。

    「叩いおも尻尟が生えないこずは確認枈みです。でも、倧切な尻尟たちのために努力したすよ」

    「なんの確認をしたのよ  」

    アトラは呆れた衚情を浮かべたあず、隣にいたニアの背䞭を軜く叩き、そのたたワンの前ぞ抌し出した。

    「ニアも䜕か蚀っおあげたら」

    そう蚀いながら、アトラはワンずニアを亀互に芋お楜しそうに笑っおいる。

    ニアはしばらく俯いおいたが、やがお意を決したように顔を䞊げた。

    「䞊手くいったら  」

    そう呟くず、ワンの耳元ぞ顔を近づけ、小さな声で䜕かを告げた。

    䜕を蚀われたのか、その堎にいた誰にも聞こえなかった。

    しかしワンは目を芋開いたあず、すぐに拳を高く掲げる。

    「ニアさん。玄束だからな」

    先ほどたでの緊匵が嘘のような満面の笑みを浮かべ、ワンたちは倜の森ぞ向かっお出発した。

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    この時に亀わされた玄束が、その埌、本圓に守られたのか。

    それに぀いお蚘した資料は、埌䞖には残されおいない。

    ただし、この出来事を境に、旅立぀者を芋送る際、その耳元で小さな玄束を告げる颚習が生たれたずいう。

    い぀しかそれは、無事の垰還を願う幞運のおたじないずしお、人々の間に長く受け継がれおいくこずになる。



    🔙第四話   第六話🔜



     
     
     
    ファンタゞヌな䜜家アむ 物語ず゚ッセむを曞いおいたす。 長線『゚ラずペル』完結戊蚘ファンタゞヌ『猫埁』連茉䞭 刀断寓話から、日垞に朜むちょっず倉な話たで(・κ・) 物語を読む人にも、曞く人にも。 あなたの日垞に、少しだけファンタゞヌを むブ物語刀断寓話 䞍定期曎新

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