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昔あった「高速車」「中速車」「低速車」の最高速度区分とは?

    道路標識マニア

    道路を走っていると、時々「高・中速車」のような補助標識が付いた古い最高速度標識を目にすることがあるかもしれない。これはどういう意味なのか、今でも気にする必要があるのかについて解説する。

    1992年まであった高速車・中速車・低速車とは?

    道路を走っていると、以下の写真のような古い最高速度標識が設置されているのを見る場合がある。傾向としては、特定の道府県の特定の地域に多く残っている。ある場所にはあるが、ない場所にはない。

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    場所: 山口県玖珂郡和木町和木5丁目
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    場所: 千葉県船橋市本町 JR船橋駅北口。
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    場所: 新潟県新潟市東区上木戸
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    場所: 新潟県新潟市東区上木戸
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    場所: 新潟県新潟市東区上木戸

    1992年 (平成4)までは「高速車」「中速車」「低速車」という最高速度区分が存在していた。これらの定義は以下の通り。

    高速車: 大型乗用自動車、牽引車※を除く普通自動車、軽自動車、250cc以上の自動二輪車
    中速車: 高速車以外の自動車 (大型貨物車、250cc未満の自動二輪車、50cc未満のミニカー、大特、小特)
    低速車: 原付

    ※牽引車は最高速度の特例として別途切り出して定義される。

    そして、それぞれ法定速度が異なっており「高速車」は60km/h、「中速車」は50km/h、「低速車」は30km/hであった。尚、沖縄県は1972年 (昭和47)の日本への返還から1992年 (平成5)までは一律50km/hであった。

    この内容は、道路交通法施行令第11条(最高速度)に1965~1992年までの約30年弱の間、記載があった。高速車、中速車、低速車という用語は政令内には出てこないが、第1項、第2項、第3項がそれぞれの定義となっている。(それを示唆している資料がある)

    第十一条 法第二十二条第一項に規定する最高速度(以下次条において「最高速度」という。)のうち、自動車及び原動機付自転車が高速通行路以外の道路を通行する場合の最高速度は、次の各号に定めるとおりとする。
    一 大型乗用自動車、普通自動車(牽引されるための構造及び装置を有する車両を牽引するための構造及び装置を有し、かつ、もつぱら牽引のために使用されるものを除く。以下第二十七条の三第一項において同じ。)、自動二輪車で総理府令で定める大きさをこえる原動機を有するもの及び軽自動車 六十キロメートル毎時
    二 前号に掲げる自動車以外の自動車 五十キロメートル毎時
    三 原動機付自転車 三十キロメートル毎時

    出典: 道路交通法施行令 1965年 (昭和40)7月21日改正

    現在の第11条(最高速度)からは、これらの項は削除されており、自動車 (高速車および中速車に相当) と原付 (低速車に相当)のそれぞれで法定最高速度が定義されている。

    第十一条 法第二十二条第一項の政令で定める最高速度(以下この条、次条及び第二十七条において「最高速度」という。)のうち、自動車及び原動機付自転車が高速自動車国道の本線車道(第二十七条の二に規定する本線車道を除く。次条第三項及び第二十七条において同じ。)並びにこれに接する加速車線及び減速車線以外の道路を通行する場合の最高速度は、自動車にあつては六十キロメートル毎時、原動機付自転車にあつては三十キロメートル毎時とする。

    出典: 道路交通法施行令 (2025年12月現在)

    「中速車」と「高速車」が統合された背景には、自動車の性能向上による交通流の整序化が挙げられる。1974年 (昭和49)の時点では、「都市の交通事故や交通混雑の主な原因は、通過交通と地域交通の混在と高速車、中速車、低速車の混在により、交通流が不安定な状態になっているところにある」とされていた。(いずれも出典は「警察白書」。)

    1965年以前の最高速度区分は4つに分かれていた

    尚、道路交通法施行令が制定された当初の1960年 (昭和35)から5年間は、車両区分はさらにひとつ多い4つの区分に分かれていた。

    第十一条 自動車及び原動機付自転車の法第二十二条第一項に規定する最高速度(以下次条において「最高速度」という。)は、次の各号に定めるとおりとする。
    一 普通乗用自動車及び自動二輪車 六十キロメートル毎時
    二 大型自動車、普通乗用自動車以外の普通自動車及び第二種自動三輪車 五十キロメートル毎時
    三 特殊自動車、第一種自動三輪車、軽自動車及び第二種原動機付自転車 四十キロメートル毎時
    四 第一種原動機付自転車 三十キロメートル毎時

    出典: 道路交通法施行令 1962年 (昭和35)10月11日

    最高速度の設定パターン「高速車」「高・中速車」「高・中・低速車」

    1992年以降は、「高速車」「中速車」「低速車」という区分の呼び方はしなくなったため、補助標識でこれらが残っているものがあっても無視してかまわない。(ちなみに原付は法定速度が30km/hであるため、最高速度標識が40km/hやそれ以上になっていても30km/hが制限速度である。)

    1992年以前に使用されていた補助標識内の表記は、「中速車」「低速車」単体のものはなく、常に「高速車」「高・中速車」「高・中・低速車」という組み合わせで設置された。そして、それぞれに組み合わせられる最高速度も決まっており、

    50高
    50高中
    40高中
    30高中
    20高中低

    という組み合わせのみが使われた。1992年以降、補助標識は廃止になったのだが、よく考えてみると、補助標識の有無にかかわらず前後で実質的な意味は同じであることが分かる。

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    道路標識、道路標示、信号機、交通規制などについて、マニアックな視点から切り込みます。Tokyo MX「バラいろダンディ」に出演しました。 お問い合わせは X (旧 Twitter) のダイレクトメッセージにて承ります。

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