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第4話 夜明け

     澄んだ早朝の空気が、葉の間をすり抜け、やがてロッジ前の広場に流れ込む。
     草木は夏の深い緑色を残しつつ、ところどころ秋の黄葉が顔を出していた。
     朝露が草にまとわりつき、光を受けて静かに煌めいている。

     ロケ班は日の出前から活動を開始した。
     限られた時間を最大限に生かすため、食事はスタッフ全員で協力して準備を進めていた。
     眠たい目をこすりながらも、誰もがその役割に集中していた。
     焼きたてのパンの香ばしさと、漂うコーヒーの湯気が、朝の冷たい空気と調和して、心地よいひとときを作り上げていた。

     団体用のロッジには、撮影スタッフたちが宿泊している。
     その前には広々とした空間が広がっている。

     広場の中央には、十人掛けのどっしりとした木のテーブルが据えられており、その頑丈な木材は時間とともに深い色に染まり、自然の風合いを感じさせる。
     テーブルの周囲には、それに合わせた木製のベンチが配置されており、舞い落ちた葉が点々と散らばっている。

     隣のロッジから、監督の大束昭雄おおつかあきおと助監督の並川大助なみかわだいすけが歩いてくる。
    「おはよう」と、並川は爽やかな笑顔で挨拶する。
    「おはようございます!」
     撮影スタッフたちの元気な挨拶が早朝の静寂を震わせる。

     監督と助監督が木のテーブルに腰を下ろすと、撮影スタッフが手際よく朝食を運んだ。
     湯気の立つコーヒー、香ばしく焼かれたベーコンエッグ、サクサクのホットサンドウィッチ。
     温かい香りが漂い、空腹を刺激する。

    「ありがとう」
     低く響く、渋みを帯びた声で感謝の意を伝える監督。

     撮影スタッフにとって彼は神とも呼べる存在。
     そんな彼にお礼を言ってもらえるだけで至福のひと時となる。
     スタッフは嬉しそうに会釈した。

     監督の顔には深いシワが刻まれている。
     寡黙でありながら、その存在感は重く、まるで暗闇にひっそりと立つ巨木のように圧倒的だった。

     彼の映画は、単なる娯楽ではない。
     観る者の心に深く響き、その後も長く余韻を残す。
     細部にまでこだわり、映像の美しさと物語の深さを追求する。
     そのため、彼の作品は必ず成功するという評判が定着しているのだ。

     ちなみに、彼の名言とされる<売れない映画は撮らない>は、監督が直接発した言葉ではない。
     助監督のコメントをマスコミが脚色したのだ。

    「ありがとう」
     助監督も笑顔で撮影スタッフにお礼を言う。「ん! 美味しいですね」
     ベーコンエッグを食べた彼が、つい感想をこぼすと、監督は無言でうなづいた。

     長年一緒に活動してきた二人は、会話は少ないが、相手が何を言いたいのか手に取るようにわかる間柄だ。
     ゆっくりとしたひと時に、互いの存在が心地よい安心感を与えている。

     木のテーブルは十人掛けなのでVIP用だ。
     このロケ地では、監督、助監督、プロデューサー、脚本家、そして俳優たちがVIP待遇されている。

     マネージャーや撮影スタッフたちは、折り畳みの簡易的なプラスチックテーブルで食事をとることになっていた。

     撮影スタッフたちは簡易テーブルに座り、それぞれ朝食を楽しんでいた。
     彼らの話題は、脚本家の霜野が台本をあげてくるかどうかに尽きていた。

     ロッジを繋ぐ小道を女優たちが歩いてくる。撮影していないとはいえ、彼女たちは完璧なメイクをしていた。

    「おはようございます!」と、アイドルの喜岡麻結よしおかまゆが元気に挨拶をすると、
    「ういぃ~っす」と、撮影スタッフも返事をする。
     彼女は、監督に近づくと、
    「監督、おはようございます」と、撮影スタッフとは別に、改めて朝の挨拶をした。
     監督は、
    「うむ」とだけ返事をする。その対応は不機嫌ではなく、いつもの調子なのだ。

     狩人役の石河優唯いしかわゆいとマネージャーの岩見愛花いわみまなかも撮影スタッフと監督に丁寧なあいさつをした。

     喜岡と石河が木のテーブルに座ると、撮影スタッフが、
    「飲み物は何にします?」と聞いてくる。
     喜岡が、
    「コーンスープお願いします」と言うと、
     石河は、
    「私も同じもので」と注文した。

     しばらくして岩見マネージャーがトレイに朝食を乗せ彼女たちのテーブルへ運ぶ。
     その後、岩見マネージャーは近くの簡易テーブルで食事を始めた。

     喜岡麻結は屈託のない笑顔を浮かべ、助監督に向かって明るく言った。
    「いい天気です、これなら撮影ができますね」

     彼はコーヒーカップを揺らし、波打つ水面をじっと見つめながら、
    「どうだろうか。半日で台本を修正するなんて私は無理だと思うよ。――霜野さんには悪いけど、あの場ではっきりと無理と断って欲しかったね」

     喜岡の眉がかすかに寄る。
     喉の奥がじんわりと熱を帯び、心臓が鼓動を強めるのを感じた。
     ――この人がプロデューサーを止めていれば、霜野さんが苦しむことも、タケオを削るなんて話にもならないのに。
     コーンスープを持つ手に無意識に力が入る。

     石河優唯はキリリとした表情で、
    「それは酷な話です。脚本家も俳優も選ばれる側の人間。プロデューサーに逆らえるはずありません」

    「そうかい? 石河君は磐田さんに意見するじゃないか。見ているこっちが冷や冷やすること多いよ」
     助監督は、石河優唯の武勇伝を思い出しながら苦笑いしている。

    「磐田さんに嫌われても仕事は減らない。そのように演技をしてきたつもりです。間違えているのは磐田さんですから私は私の信念を曲げる気はありません」

     石河の発言を、離れた場所からハラハラしながら見守る岩見マネージャーだった。

    「ホント、君は強いね。――この現場で磐田さんに意見できるのは監督と君くらいだ……。情けない話で申し訳ない」
    「情けないと言うのなら、撮影スタッフのモチベーシ――」

     背後から飛んできた岩見マネージャーは、慌てて彼女の口を塞いだ。
    「申し訳ございません。ウチの石河が生意気なことを言いまして。申し訳ございません。申し訳ございません」
     髪を振り乱しながら繰り返し頭を下げている。

    「おはよーございます。あれ? 岩見さんどうしたの、髪の毛凄いよ」
     爽やかな笑顔で勇者役の千羽翔哉ちばしょうやがあらわれると、岩見マネージャーの頭を優しくなで、乱れた髪を治してあげる。
     その仕草はごく自然で、下心を感じさせない。まるで映画のワンシーンだ。

    「ありがとうございます」
     岩見マネージャーの目が少女漫画のヒロインのようにハートマークになっている。

     賢者役の内山幸喜うちやまこうきは呆れた表情で、
    「千羽さん、ソレやめたほうがいいよ、彼女の表情を見る限り明らかに感情が暴走している」
    「え? どれ?」
    「無自覚かよ。そういうとこ、ほんと勇者っぽいな」
     何を言っても無駄。
     そう感じた内山は説明するのを諦めたのだった。

     朝食をとりながら雑談に花を咲かせる。

     そんな時、喜岡麻結は、
    「並川さん、霜野さんが台本を完成させたら撮影は続けるんですか?」と、会話の流れを中断させて質問した。
    「それが磐田さんの意向なら、私は従うしかない。――拒否する勇気なんて、私にはないよ。すまない」
     彼は申し訳なさそうに頭を下げた。

    「それなら、せめて、タケオを削るのは中止してくれませんか? タケオがいないと作品が壊れちゃいます」
     喜岡は、今にも泣きだしそうなほど強い思いを抱いている。

    「重要なキャラクターなのは重々承知しているよ。でもね、神戸君がいない現状では、磐田さんを説得できるだけの交渉材料がないんだよ」
    「そんな……」
     喜岡の視線がテーブルの木目に沈む。
     何か言いたいのに、喉が詰まって言葉が出てこない。
     心臓を鷲掴みにされたような苦しさが胸を満たした。

     重苦しい雰囲気を洗い流すように、
    「代案があればいいんだろ? じゃあ俺に考えさせてくれ」と、内山がさらっと言う。
    「あるんですか?」
     まるで一筋の光明を見つけたかのように喜岡の表情に希望が生まれた。

    「原作小説では、タケオは一度も兜を脱いでいない。けれど、映画の演出では、俳優に配慮して兜を脱ぐシーンが追加された。だからそのシーンだけ原作に準拠すれば、甲冑には誰が入っても同じなのさ。――声の演技はアフレコすればいい。異世界から神戸が戻ってくれば神戸が、戻らなければ新しく代役を立てればいい」
     彼は、昨夜、台本をチェックしながら代案を考えていたのだ。
     映画を完成させ、名を売りたい一心で。

    「内山さん、ありがとうございますっ!!」
     過剰なファンサービスのようなアイドル級の笑顔が満開する。

    「お礼は不要だ。――君のために考えたわけじゃない、俺が納得できる演技をするためには、台本に手を加えて欲しくなかっただけだ」

    「照れなくてもいいじゃないですか」
     そう言いながら千羽は、内山の脇を肘でつつく。「そうだ! 幹さんは昔、俳優をしてたんですよ。タケオは幹さんにやってもらうのはどうかな」
     千羽は幹マネージャーに視線を向ける。

     岩見マネージャーと簡易テーブルで食事をしていた彼は、呼ばれたと感じ近寄ってくる。
    「どうしたの?」
    「幹さん、タケオやってみない? とりあえずこの島にいる間だけでもいいからさ」
     幹マネージャーは冗談だと思いケラケラと笑う。
     しかし、テーブルに集まっている人たちは笑っていない。

    「え? 本気?」と、真顔で確認した。

     助監督はあごに手を当てながら深く考え込んだ。
    「……確かに、その案なら磐田さんを説得できるかもしれない。ダメもとで話をしてみよう。どうでしょう監督」
    「いいんじゃないか」
     感情の読めない表情をしているが、否定の色は見えなかった。

    「――それにしても、磐田さんと霜野さん、遅いですね」と、千羽が心配そうに呟いた。
    「さっき呼びに行かせたから、じきに来ると――、あ、来たね」と、助監督は千羽の背後を指さした。

     目の下に濃い隈を刻み、肩を落としながら、脚本家はフラフラと歩いてくる。その足取りはまるでゾンビのようだった。

    「やあ、遅れてすまない」
    「だいじょうぶですか? 具合、悪そうですよ?」
     千羽が声をかけても反応が鈍い。

    「すまないみんな。まだ台本あがっていないんだ、コーヒーだけ頂いたらすぐ作業に戻るから」
     脚本家は力なく椅子に腰を下ろした。

    「どだい無理な話なんですよ、ですから朝食をしっかり食べてください」
     助監督は撮影スタッフに朝食の用意を急がせるように指示を出す。

    「いいえ、私には台本を修正するくらいしか取り柄なんて無いのですから」
     まるで呪いの言葉を吐くように自分を責めている。
     はたから見るとノイローゼ気味なのは明白だった。

    「まあまあ、台本のことは一旦忘れて、暖かいコーヒー飲みましょう」

     脚本家はコーヒーカップを受け取ると、ズズズとゆっくりすすり飲んだ。
     そんな彼の姿を見た喜岡麻結は――タケオを削るのはやめよう――とは言い出せない雰囲気なのだと気づき、再び意気消沈してしまう。

     石河優唯は鼻から荒く息を吐き、コーンスープの入ったマグカップが割れそうなほど手に力が入る。
    「ひと言いわないとダメなようね!」
     その声には火花が散るような勢いがあり、周囲の空気を一瞬で張り詰めさせた。

     そんな彼女を見た岩見マネージャーは、彼女の手を握り、落ち着かせようとする。

    「それで? 元凶の磐田さんはどこ?」
     暴走列車が今まさに走り出そうとしている。

     二人を呼びに行った撮影スタッフは、彼女の迫力に怯えながら、
    「どこにも見当たらないんです」と答えたのだった。

    「霜野さんは磐田さんと同じロッジですよね? どこへ行かれたか知らないんですか?」

     石河の質問に脚本家は、
    「私は夕食も食べず、ずっと台本の修正をしていたので、磐田さんがいつロッジに戻ってきたのか、いつロッジを出たのか、わからないんです」

    「私たちと一緒に夕食を食べた後ね……」
     石河はすっくと立ち上がると、「皆さん、昨夜の夕食後から、磐田さんを見かけた人はいらっしゃいませんか?」
     と、まるで舞台演劇のように、よく通る声で質問する。

     撮影スタッフたちは小声で話をするが、名乗り出る人はいなかった。

    「――怪我をして動けないかもしれないわ。手分けして探しに行きましょう」
     石河優唯は、まるで学級委員長のように、その場を仕切り始めた。

    「待って石河さん」
    「なにかしら?」

     歩き出そうとした彼女を喜岡麻結が呼び止めた。
    「異世界転生は余波が生じることがあるんですっ! <巻き込まれ召喚>と呼ばれている現象で~、召喚された人の近くにいる人が巻き込まれて異世界に召喚されてしまうんですっ!」
     喜岡のワクワクしている気分が伝わってくる。

     石河は、こめかみに手を当て、大きく息を吐いた。
    「またそんな……。いい? これは失踪事件の続きかもしれないの。神戸さんを殺害した犯人が磐田さんを殺した可能性だってあるのよ」

     撮影スタッフたちは、教室で問題児を叱る学級委員長のような石河の姿を見て、苦笑した。

    「連続殺人とでも言いたいんですかぁ? ドラマの見過ぎ、いいえ、あなたはサスペンスドラマを演じすぎです」
    「あなたこそ、異世界転生に感化されすぎよ! 人間が、そんなにポンポン消失するなんておかしいでしょ」
    「いいえ~、異世界転生は普通ですぅ~。連続殺人のほうがおかしいですぅ~」
     喜岡は口角を上げ、わざと軽く言ってみせたが、その目には確信があった。

    「二人とも落ち着いて、ね」
     千羽が間に入るが、両者の視線は彼の存在を否定するかのように火花を散らしていた。
     女子生徒の喧嘩に男子生徒が割り込んでも収拾つかないという悪い例が繰り広げられる。

     そこへ、静観していた内山幸喜が立ちあがると、まるで舞台上で演技でもしているかのように大袈裟な身振り手振りで、パンパンパンと軽快に手を叩く。
    「いやぁ~凄いね。子猫と雌豹のバトルは入場料が取れそうだ。――どうやら、二人とも譲れない思いがあるみたいだな」
     内山は、教壇に立つ教師のように、優雅に手を広げた。その仕草ひとつで、周囲の目をくぎ付けにする。

     内山幸喜は喜岡を指さすと、
    「磐田さんは<巻き込まれ召喚>により、既に異世界へ旅立ってしまった、そう言いたいんだな」
    「え? あ、そうです」
     喜岡は、何事が起きているのか理解が追い付かず、うろたえながら彼の質問に答えた。

    「君は、<巻き込まれ召喚>の痕跡を探すことは可能かい?」
    「魔力のある人なら可能ですけど、私には無理です」
    「ならば静観するしか手はないと。そして戻ってくる可能性も低いと。そう言いたいんだな」
    「そ、そうですね」

    「結構」、彼はパチンと指を鳴らす。そして、
    「次」と言いながら今度は石河を指さすと、
    「磐田さんの失踪は連続殺人の始まりだと、そう言いたいんだな」

    「ええ、そうね」
     石河は臆することなく堂々と答えた。

    「連続殺人の被害者は単独行動中に狙われる、これ常識。そして次の台詞もお約束だ」。
     内山は迫真の演技で、『おまえたちの中に犯人がいるんだろ! 一緒に行動する? 冗談じゃない、信じられないヤツと一秒でも一緒にいられるか!』
    「ってね。仲たがいをして孤立する。見飽きたシーンだろ。だから石河さんと喜岡さんが喧嘩をするのは得策じゃない。――まさか、犯人の思惑に乗せられるような愚かな選択はしないよな?」
     彼の声は、挑発しているようにも、また、諭しているようにも聞こえる。

     石河の刺さるような冷たい視線が内山を射抜く。
    「磐田さんを探す気はないのかしら?」

    「探してもいいが、条件がある。石河さん、岩見さん、千羽さん、幹さん、四人でここを出発し、四人で戻ってくること。誰かが単独行動しそうなときは、残りの三人で引き留めること。いいか?」
    「任せてください! 優唯の暴走は私が止めてみせます」
     と、岩見マネージャーは、握っている石河の手を見せてアピールした。

    「残りの分担はどうするのかしら?」
     石河は、内山の提案に不服そうにしている。

    「捜索班は四人だけだ」
    「えっ?」

     彼の答えに、石河だけでなく、その場にいた全員が驚いた。

     内山はゆっくりとみんなの表情を確認する。
    「――互いに監視するなら一ヶ所に集まっていたほうがいい。監視者の人数を減らすと犯人に隙を与えることに繋がるからな」
    「この広い島を四人だけで? 冗談でしょ!」
     まるで掴みかかりそうな怒りを石河から感じ取れる。

    「はぁっ?」
     石河の怒りを涼しい顔で受け流した内山に、思いがけず聞き返された石河は、
    「えっ?」と、気の抜けた声を漏らした。

    「まさか、無計画のまま捜索を提案したわけじゃないよな?」
     彼は、――アホな子――を憐れむような表情になる。

     石河は恥ずかしさのあまり顔を赤くした。

     内山は、気まずい雰囲気を変えるため、軽く咳払いした。
    「いいか、探すのは磐田さんが散歩しそうな遊歩道だけだ。単独で山へ登るとは考えられないし、そんな非常識な人じゃない。それに、朝靄の中で地図やコンパスを持たずに道なき道を進めば、方向を見失うのは必然。二重遭難の恐れがある。同じ理由で林の中も除外だ。――次に砂浜だが、撮影のため、カンやビンなどが映り込まないように掃除をしてある。だから動けなくなるほどの怪我をするとは考えられない。――残るは波が打ち寄せる岩場だが、もう満ち潮は過ぎている。残念だけど生きてはいないだろう」

    「もし殺されて林の中に埋められていたらどうするのよ」
    「どうもしない。俺たちは警察でも、探偵でもない、ただの一般人だ。犯人捜しや、死体捜索は警察に任せたほうがいい」

    「内山さん、アナタって冷酷ね」
     石河は軽蔑の眼差しで内山を見たあと、四人で遊歩道へ消えていった。

     内山は大きな溜息をつきながら椅子に座ると、両手で頭をかきむしる。

     そんな彼の様子を見た喜岡はニヤリといたずらっ子のような笑みを零すと、
    「内山さん、アナタって不器用ね」と、石河の口調を真似したのだった。


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