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【ファンタゞヌ小説郚門】『√365』│ きらきら䞭継点

    ▌このお話は『√365』の䞀郚です。「序章」を読んでいただければ、あずはどこからでも話完結で読めたす。

    #創䜜倧賞2025
    #ファンタゞヌ小説郚門




    「うちね、぀いに食掗機を買ったの」

    麻玀絵が蚀った。

    「もう掗いものがきらいで仕方なくっお、旊那さんにお願いしちゃった」

    「わかるわかる」ず玗織が続ける。

    「汚れたものを掗うのがいやなのよねえ」

     高校時代、い぀も䞀緒にいた女子人で集たるのは10幎ぶりだろうか。化粧っ気のなかった麻玀絵はたるで別人のようだし、い぀もしずやかなほほ笑みを浮かべおいた玗織は早口でしゃべるようになっおいた。



     孊校垰りにコンビニでアむスを買い、溶けないうちに急いで自転車で海たで行っお、ぷかぷか揺れる緑色の波の䞊に足を投げ出すように座っお、くだらないこずをしゃべる時間が奜きだった。

     私たちの話は、新芜のように䌞びやかで、可胜性があった。

     ただ始たっおいない恋の話、い぀かは結婚にたどり぀くのかもしれない恋人の話、これからどうやっお生きおいこうかずいう未来の話。もちろん、他愛のない話もたくさんあった。でも、その䞀粒ひず぀ぶが、きらきら光っおいる、そういう話題だった。



     だからこそ胞の奥がざらっずしたいやな感じがした。
     ああいう、きらきらした気持ちの行き着く先が。10幎ぶりの再䌚で出おくるのがこの話題なんだろうか、ず。

     それは、私がこのごろ感じおいた、行き止たりにぶ぀かったような気持ちに䌌おいた。


    「マリヌの家は 食掗機ある」ず玗織。

    「手荒れもするしいやよねえ」ず麻玀絵。

    「そうだね  めんどう、だよね」

     私はそう答えた。でも、本圓は、掗いものはきらいじゃない。

     汚れを先に拭き取っお、さっずお湯で流せばスポンゞを汚さないたたお皿をぎかぎかにできる。油汚れならティッシュ。そうじゃなければりェットティッシュ。
     それでも汚れが萜ちないずきは、ティヌバッグに掗剀を぀けお、予掗いをする。それからはじめおスポンゞで掗う。

     掗いものの面倒くささは、スポンゞが汚れおべずべずになり、それがほかの食噚や手にも぀いお、䜙蚈に手入れが必芁になるずころにある。
     もちろん量が倚くお倧倉だったり、氎にさわるのがいやだったり、そういう理由もあるだろうけれど。でも、このひず手間をかけるだけで、ぐっずかんたんになるのだ。



    「あたしは嫌いじゃないよ。䞀぀ひず぀手で掗っおくのっお、なんだか達成感があるんだよね」

     ふず、それたでゞン・トニックを飲んでいたノンタンが口を開いた。

    「えヌ、ノンタンっおやっぱり倉わっおる」

     麻玀絵がころころず笑う。玗織も぀られお笑う。

    「マリヌはさ、本圓は掗いもの奜きなんだよ。あたし、倧孊のずきマリヌん家にヵ月くらい泊たっおたこずあるんだけどさ、すごく楜しそうに掗っおた」

    「なんだあ、マリヌったら別に倉なずころで合わせなくおもいいんだよ。気ばっかり぀かっおたら疲れちゃうよ」

    「昔からそうだもんね。私たちずいるずきくらいさ、もう少し肩の力を抜いおもいいんだよ。空気ずか読たなくおいいのにヌ」

     みんな、やわらかい衚情で笑っおいた。



    「ねえ、ノンタン。私思い違いしおたのかもしれない」

    「  30になる自分たちは、ただ老いおいくだけだずか」

     少し赀い顔をしお、ノンタンが蚀った。
     高校時代は長かった黒髪が、今はきりっずしたボブになっおいる。メむクはあの頃よりも薄くお、それなのに瞳に力があった。

    「ちょっずわかるよ。みんな結婚しおさ、あたしもそうだけど、なんずいうか自分の䜜っおいる巣を守りたいみたいなずころがあるよね。冒険心ずかはもう、きっず出せないんだず思う。そういうのはちょっずさみしい。自分ひずりで、自由に、道を切り開いおいくずか、飛び蟌んでいくずか。もしかしたらもうできないのかもしれないね」

     ノンタンはう぀むいた。

    「ここっお、あのころにあたしたちが喋っおたこずのゎヌルなんだよね。みんなよく蚀っおたじゃん、幞せな結婚するぞずか。でも、ゎヌルではあるんだけど、同時に䞭継地点でもあっお、幞せかどうかはたぶん、最埌に決たるでしょ。だったら、その幞せを䜜り続けるこずが、今のあたしたちが目指す可胜性なんじゃないかなあ」

     倜道をうすがんやりずした月が照らす。
     お酒のせいか珍しく口数の倚かったノンタンは、ちょっず照れくさそうにう぀むいお「明日は雚だねえ」ず話をそらした。


     ノンタンは子どものころから、倩気ずか自然ずかに詳しくお、お月さたががんやりず曇ったようになっおいたら雚が降るっおいうのも、前に教えおもらったこずだった。
     䞀芋するず掟手になったように芋える麻玀絵の、玠朎なやさしさは倱われおいなかった。おしゃべりになった玗織の聞き䞊手なずころはそのたただった。

     私たちは別に倉わったわけじゃないのだ。あのころ持っおいたものに新しく埗たものを重ねおいるだけ。

     たった30幎でこんなにたくさんのものを埗られるのなら、これから先、もっずいろんなものを身に぀けられるんじゃないだろうか。――そしおそれは、もちろん私の努力次第なのだ。




    2,000字

    ▌この小説は『√365』の䞀郚です。恋愛小説郚門応募予定。どのはなしから読んでも倧䞈倫な短線集ですが、序章ず終章を読むず印象が倉わるず思いたす。

    ▌先月曎新したのはこれ。


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    創䜜倧賞202526䞭間遞考通過ミステリヌ小説ホラヌ小説゚ッセむ│ 著曞『時間が貯たる 魔法の家事ノヌト』扶桑瀟刷『365日のずっおおき家事』䞉笠曞房など囜内倖で9冊📚 │ 毎日曎新4000日超✍別名矩で小説の倧賞受賞歎がありたす。

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