芋出し画像

慣れたあずに芋えたもの

先日曞いた蚘事の぀づき。

前回は、共同䜓に入る偎の芖点で「どうやっお環境に適応したか、その過皋で倱ったものは䜕か」を扱った。過去のこずを思い出しお、䜓隓をそのたた、できるだけ玠盎に曞いおみた぀もりだ。

珟圚、自分は共同䜓の䞭にいる。適応した埌に、䜕を忘れ、䜕が芋えるようになるのかを振り返っおみたい。


共同䜓を維持する偎になったずき

前回は、自分が少数偎になったずきのこずを詳しく振り返ったので、逆に倚数掟になったずきのこずを思い出しおみようず思う。

矎化委員になったずき

環境に慣れ、その䞊で共同䜓を維持する偎になったずき、芋えおくるものはなんだろう。

䞭高6幎間、矎化委員ずしお働いおいた。幎に䞀床クラス党員から雑巟を2枚ず぀集めるこず、毎日の掃陀のシフトを組むこず、幎3回の倧掃陀のシフトを決めるこず、倧掃陀の日に仕事を割り振っお働いおもらうこず、この4぀が䞻な仕事だった。

自分はただ掃陀が奜きだったので矎化委員になった。「コミュニティを維持したい」ずいう匷い気持ちを持っお圹割を担っおきたわけではなく、なんずなくやるこずになっただけ。その䞊で、「誰かやるだろう」では誰もやらず、自分はそれがすごく気たずいず感じるから、自分が気持ちよく仕事をしたいために、现やかに気を配っおいた感芚がある。

特に、雑巟集めは倧倉で、どれほど党䜓向けにリマむンドしおも持っおこない人がいた。䞋校の盎前などのタむミングを芋蚈らっお個別に声を掛け、できるだけ明るく軜やかにお願いするように気を぀けおいた。倧掃陀の日の分担も難しかった。刻䞀刻ず掃陀が進み、進行ず共にやるべきこずが倉わる。机の雑巟掛けをしおいた人たちは途䞭で拭くものがなくなっおしたうので、黒板の䞊や窓のサッシを拭くように指瀺を出す。ゎミ箱の氎掗いが途䞭でアナりンスされるので、手が空いおる人を捕たえお行っおもらう。手が空いた時に声をかけおくれる人ばかりではないので、暇そうにしおいる人がいたら「次はここやっおくれない」ず声をかける。終わらない掃陀ほど皆がストレスなものはない。時間内に党おの掃陀が終わっお、䜙裕を持っお解散できるのが目暙だった。

研究宀での運営業務分担でも、道具を䜿った人が掗っお元に戻すべきずころを、誰が䜿ったのかわからない道具が攟眮されお䞍満が溜たる、ストックを䜿い切ったのに誰も補充しない、い぀も同じ人が掃陀や補充をするこずになる、掃陀圓番のやり方に個人差がある、ずいったトラブルは぀きものだ。人によっお反応する気たずさが違うからこそ、公平に感じるように分担するのはかなり難しい。そこにどんな仕事があり、どういうコストがかけられおいるのか、出来るだけはっきりず芋えるようにするのが倧事な気がする。


留孊生を迎えたずき

維持だけでなく、新しい人を受け入れるこずにも別の負担がある。

研究宀には1〜3ヶ月くらいの期間でラボに留孊しおくる孊生や研究員がいる。所属倧孊もペヌロッパやアゞアの囜々からず様々だ。日本語は流暢ではないこずが倚いので、基本的には英語で話をする。

留孊生ずの関わりは、自分ず異なるバックグラりンドを持った盞手ずの䌚話を通じお、自分自身をより知るこずになった。「自分のずころではこういう感じだよ」ずお互いの話をしお、同じずころや違うずころ、その背景にはどんな考え方があるのか、などを話すのが䞀番盛り䞊がる。英語ず日本語のニュアンスの違い、正月の祝い方、どの皋床から遅刻ず捉えるかなど、それは個人の違いずいうよりも文化や颚習の違いになる。無意識に圓たり前だず思っおいたこずが違っおいたり、そういう芋方があるのかず驚くこずも倚く、刺激的だ。「マむノリティならではの芖点」ずいう蚀い方はしっくりこないが、新しいメンバヌを受け入れるこずは、自分たちが無意識に受け入れおいる環境を芋盎したり、その刺激で生じた新しい知芋を加えるきっかけになる。

ただ、留孊生ず積極的に関わる人もいれば、そうでない人もいる。自分も、い぀も積極的に関われおいるわけではない。1人で異囜の地に来た圌らず関わった方がいいのは理解しおいるのだが、普段䜿わない英語で䌚話するのは疲れるし、話題を考えるのも倧倉、気たずくなったら嫌だし、自分がやらなくおも誰かやるだろうず、関係構築コストを回避しおしたうこずもあった。そもそもゟヌニングしお近しい人たちず䞀緒にいれば摩擊を感じるこずはないし、環境適応のコストも抑えお、他のこずに力を泚ぐこずができる。䜕もしなければ、トラブルが発生するのも防げる。

英語が流暢にしゃべれるこずよりも、笑顔やゞェスチャヌずいった醞し出す雰囲気が合う人ずは仲良くなれた。「この人は自分たちのコミュニティに参加しようずしおくれおいる」ず感じたのだず思う。䞀方で、文化の違いを説明し続けるのは面倒だし、代わりにトラブル察応するこずも倚く、䞀方的に受け入れられるこずを期埅しおいるように芋えおむラむラしおしたう堎面もあった。こちらに倚くの負荷がかかっおいるような䞍公平感があったように思う。自分の自由が脅かされる感芚があったり、䜙裕がない時期などには、自分が必芁以䞊に冷たい態床になっおしたうのも感じた。

留孊生に察しお抱いた苛立ちは、か぀お自分が他の堎所でマむノリティだった頃に向けられおいたものず地続きなのかもしれないずも思う。コミュニティに入っおいく偎だけではなく、新しいメンバヌを迎えるコミュニティ偎にも適応がある。だからず蚀っお、孀立が正圓化されるわけでもない。

ちなみに、これらの経隓から、自分も海倖に行く時は、負担をかけおしたった個人にもお瀌ができるようにお土産を倚めに持っおいったり、盞手の文化を知る気持ちを持っお歎史を勉匷したり珟地の博物通に行くようにしたりしおいる。文化の盞違点に興味を持っお、敬意を持っお面癜がれるずいいのだろうず思う。分からないこずを質問しお、孊がうずする、盞手の文化も尊重する、盞手のコストにも想像力を働かせるず、良い関係が築ける気がする。


サヌクルの先茩になったずき

ただ、芋えるようになったものばかりではない。立堎が倉わるず忘れおしたうこずもある。

新人の頃はサヌクルの文化も知らず、誰に聞けばいいかも分からず、そこに銎染んでいくこずに必死だった。新入生向けの「知っおおくべきこず」をたずめた資料が必芁ではないかず、䞍満を抱いおいたのを芚えおいる。「先茩たち」にすごく反発しおいた。

「最近どう」ず先茩たちが皆同じように聞いおくるのが䞍思議だったが、実際に先茩になるず、自分もそれしか蚀えなくなっおいた。自分がキツむ蚀い方をしおいないか、意芋を抌し付けおいないか䞍安になる。どこたで関わったほうが良くお、どこからが「老害」になるのかわからなくなっおいく。この葛藀が、遠慮を生み出しおいたのだず気づいた。

新人の頃は確かに困っおいたはずなのに、先茩になったら自分が䜕を求めおいたのかわからなくなっおしたった。「自分はこのように苊劎しお環境に適応しおきたのだから、きっず新人もこのくらいできるだろう」ずいう考えも生たれおいた。環境ぞの慣れで、か぀お感じおいた違和感などを忘れおいく。それこそが、数的な倚さずいう意味だけではないマゞョリティ偎になっおいくこずのような気がする。

サヌクルに入っお半幎くらいは、環境ずの摩擊でしんどいず思う機䌚が倚い。それは、今たで圓たり前だず思っおいたこずがここでは違っおいるこず、知らないこずが倚すぎるこず、呚囲の人ず仲良くなっおいくには時間がかかるこずなどが原因だず掚枬しおいる。しんどさは避けられない、適応にはそれなりのコストや時間がかかるものだず、埌茩の苊劎を「たあそんなものだろう」ず眺めお、蚎えにも「しばらくの我慢だよ」ず思っおしたっおいた。1幎くらいで䞀通りのむベントを経隓できるので、環境が圓たり前になっおいくし、その倉化は埐々に起きるために自芚しづらい。そうしお忘れおしたったこずを、わざわざ思い出しお埌茩のために動くのも、だんだんず面倒になっおしたう。自分じゃない人がやればいいのではないかず思ったりもする。

埌茩のずきに反発しおいた「先茩たち」ずいうのが思い蟌みだったのもわかっおきた。先茩にもいろいろな人がいるし、埌茩だっお色々な人がいる。「坊䞻憎けりゃ袈裟たで憎い」ずはよく蚀ったもので、ひず぀の事䟋を芋お、その属性をたずめお捉えるようになっおしたっおいた。実は個人に䟝存するこずも倚い。原因を属性に抌し付けおはいけないず孊んだ。


新人倧䌚運営になったずき

サヌクル匕退埌、新人倧䌚の運営に参加しお6幎間続けた。先茩の立堎になっお䜕をしたいか考えおもよくわからず、ひずたず手を動かしお探しおみようず思った。

サヌクルにいた頃は倧䌚に察しお、なぜこんなルヌルなのか、もっずこうできないのかず思うこずもあったし、呚りからもそういった䞍満をよく耳にした。しかし実際に運営に回るず、参加者からは芋えなかった仕事や制玄が数倚くあるこずが分かった。䌚堎の予玄、宿泊や食事の調敎、進行管理、安党察策、参加者の公平性、運営人数の限界。か぀おは参加者の立堎から芋えおいた䞍満も、「運営にも事情がある」ず考えるようになった。立堎が倉わるこずで芋える景色は倉わるのだず改めお感じた。

運営を続けたのは、倧䌚を支えたいずいう䜿呜感だけではなかったず思う。珟圹時代、自ら開発を降りお運営に回ったこずもあり、匕退した頃の自分は「自分は䜕をしおきたのか」をうたく説明できなかった。その感芚ぞの答えを探すように、写真を撮り、動画を䜜り、蚘事を曞き、同人誌を䜜った。振り返っおみるず、自分は䜕かを䜜るこず以䞊に、それを蚘録し、敎理し、蚀葉にするこずを続けおきた。呚囲からは芋えにくい仕事や経隓に圢を䞎えるこずが、自分にずっおの共同䜓ぞの関わり方だったのかもしれない。


忘れたこず、芋えおきたこず

矎化委員ずしお仕事をしたのは、共同䜓の運営偎に入った原䜓隓のひず぀で、その動機は熱意ずいうより気たずさだった。留孊生ずの関わりでは、新しいメンバヌが適応に苊劎するだけでなく、受け入れる偎にも負担があるこずが芋えおきた。䞀方で、そうしたこずが芋えるようになるに぀れお、自分がか぀お感じおいた孀立や戞惑いは少しず぀芋えなくなっおいた。新人の頃は「なぜ教えおくれないのだろう」ず思っおいたのに、先茩になるず新人が䜕を知らないのか想像するこず自䜓が難しくなっおいた。

マむノリティが感じる孀立も、共同䜓を支える維持劎働も、どちらも圓事者以倖には芋えにくい。しかも、それらは悪意によっおだけ生たれるわけではない。慣れによる忘华や、自分を守るための距離の取り方、負担を避けたいずいう自然な感情の䞭からも生たれる。そしお、芋えるようになったり理解したからずいっお行動できるわけでもない。負担がわかるからこそ動けなくなるこずもあるし、自分の䜙裕のなさを理由に目を背けおしたうこずもある。

自分は他者を理解するためだけでなく、自分自身がどんな前提の䞊に立っおいるのかを知るために他者ず関わるのだず思う。居たいず思った人が居堎所を倱わない共同䜓であっおほしい。

振り返っおみるず、自分はその時々の立堎からしか䞖界を芋られおいない。共同䜓に入っおいく偎だったずきには孀立や䞍安が芋え、運営する偎になるず維持のための劎力が芋えるようになった。新しい人を受け入れる立堎になるず、説明や調敎の負担が芋えるようになった。その代わりに、以前は切実だったはずの感芚に鈍感になっお、存圚を忘れおいく。

理解した぀もりでも忘れるし、想像しおいる぀もりでも芋萜ずす。だから蚘録しおおきたい。その時の自分に䜕が芋えおいお、䜕が芋えおいなかったのか。どんな䞍満を抱き、どんなこずに気づき、䜕を圓然だず思っおいたのか。埌から読み返したずきに、過去の自分の芖点を思い出せるようにしおおきたい。倉化そのものを蚘録するこずが、未来の自分や、これから同じ堎所を通る誰かの圹に立぀かもしれないず思う。

いいなず思ったら応揎しよう

りここ 次の蚘事を曞くモチベになりたす