リハビリの仕事って、身体を良くすること?🌱私が出会った92歳の春枝さん🌸【前編】
こんにちは。
最近、食後のコーヒーとキノコの山(小袋)にハマっている🤭、まるさんです🌱
今日は大好きな春枝さんの事を、書かせていただこうと思います🌸
前編と後編に分かれていますが、それぞれ
1分で読めます✨
まるさんは、作業療法士として20年以上、
たくさんの方のリハビリに関わってきました。
歩けるようになること。
手が動かせるようになること。
自分で生活できること。
その人が「できるようになりたい」と思っていることに向かって、一緒に考え、身体を動かし、生活を整えていく。
新人の頃の私は、「少しでも良くしてあげたい」という気持ちが強かったように思います。
でも、長くこの仕事をしていると、ときどき考えるんです。
リハビリの仕事って、身体を良くすることだけなのかな?
今日は、そんなことを考えさせてくれた、大切な方のお話です。
92歳の、春枝さん。
私が今でも忘れられない、大好きな方です。
「えっ?90代?」🌸
初めてお会いしたとき、私は思わず、
「えっ?90代?」
と思いました。
白髪のボブヘアで、髪はふんわり柔らかくカールしている。
服装も女性らしくて、表情は明るい。
そして、笑顔がとても素敵でした。
何というか……その笑顔には、こちらまで包み込まれるような柔らかさがあったんです。
声も明るくて、少しきゃっきゃっとした感じ。
楽しそうに話す姿は、とても90代には見えませんでした。
「お待ちしてました♪」
いつも、そんなふうに私を迎えてくれました。
お部屋も明るく、きれいに整えられていました。
ベッドの横には少し大きめのリクライニングチェアがあって、春枝さんはそこで過ごしていました。
食事もご自身で準備し、身の回りのことも、ほとんど自分でされていました。
元気で、よく笑って、よく話す。
それが、私の春枝さんとの出会いでした。

「そうかもしれないわね〜」🌸
何度か訪問するうちに、私は春枝さんのことがどんどん好きになっていきました。
とにかく、お話が大好き。
昔の話も、家族の話も、お友達の話も、いろんなことを話してくれました。
私が自分の話をすると、それも楽しそうに聞いてくれる。
「それで、それからどうなったの?」
そんなふうに聞いてくれるのが、私は嬉しかったんです。
そして、春枝さんと話していて、私が大好きだった言葉があります。
「そうかもしれないわね〜」
私が何かを話すと、まず一度、ふわっと受け止めてくれる。
否定しないんです。
「そうかもしれないわね〜」と言ってから、
「でもね、私はこう思うのよ」
と、自分の考えを話してくれる。
そのやり取りが、とても心地よかった。
何気ない話をしているだけなのに、いつの間にか二人で笑っている。
時には、少女のようにきゃっきゃっと笑う。
私は、そんな春枝さんが大好きでした。
春枝さんの人生🌸
春枝さんは、これまでの人生も、とてもパワフルな方でした。
若い頃にご主人を亡くされ、二人の娘さんを女手一つで育ててきたそうです。
料理の仕事をされていて、とにかく仕事が早かった。
人手が足りないときには、何度も職場を助けていたそうです。
旅行も大好きで、お友達といろんなところへ出かけていました。
身体を動かすことも好きで、地域の運動サークルにも参加していたそうです。
そして、88歳まで車を運転していました。
お友達に会うために、けっこう遠くまで車を走らせていたと聞いたときには、
「春枝さん、すごいなぁ」
と、思わず笑ってしまいました。
ご家族との時間も、とても素敵でした。
三階建てのお家で、娘さんやお孫さんと暮らしていました。
それぞれの階で生活しながらも、夕食になると春枝さんを囲むように、みんなで食卓を囲む。
旅行に行けば、春枝さんを中心に写真を撮る。
旅の思い出を色紙にして、家の中に飾る。
そんな話を聞いていると、
春枝さんを中心に、家族がまぁるくつながっている。
私は、そんなふうに感じていました。
長いお付き合いのお友達もたくさんいて、よく電話がかかってきていました。
きっと、春枝さんと一緒にいると楽しかったんだと思います。
でも、それだけじゃなかったんじゃないかな。
春枝さんなら、どんな話も受け止めてくれる。
嬉しいことがあれば、一緒に喜んでくれる。
何かあれば、話を聞いてくれる。
だから、自然と人が集まってくる。
そんな人だったんだと思います。
そして、春枝さん自身も、人生を楽しむことを忘れない人でした。
旅行に行く。
友達に会う。
身体を動かす。
家族と食卓を囲む。
天気が良ければ、
「今日はお天気が良いから、外に行きたいな」
と言う。
そのとき、そのときの楽しみを、ちゃんと楽しんでいる。
私は、そんな春枝さんの生き方が大好きでした。
「今日はどうしましょうか?」🌸
リハビリでは、毎回、
「今日はどうしましょうか?」
と聞いていました。
首や肩まわりを動かしたり、胸まわりの動きを出したり。
手足のストレッチや関節を動かすこと、筋力訓練や歩く練習をすることもありました。
でも、毎回同じことをするわけではありません。
その日の春枝さんの身体の状態や気分を見ながら、一緒に決めていました。

あるとき、
「もっとまるさんに来てほしいから、お風呂の日をやめてリハビリにしようかな」
と言ってくれたことがありました。
その頃には、リハビリも週1回から週2回になっていました。
私はもちろん嬉しかった。
私も春枝さんに会いたかった。
でも、
「私は嬉しいですし、来たいですけど、お風呂は大事ですからね」
と答えました。
春枝さんは、ふふっと笑っていました。
お天気の良い日は、公園にも行きました。

最初は車椅子で、私が後ろから押して一緒に外へ。
少しずつ歩けるようになってからは、杖を使って歩くこともできるようになりました。
ある春の日。
公園のベンチに二人で座って、桜を眺めました。
暖かい日差しの中で、
「気持ちいいわね〜」
と笑う春枝さん。
その顔が、本当に嬉しそうで。
私は、桜よりも春枝さんのその笑顔を見ていたような気がします。
何か特別なことをしているわけではない。
ただ、二人で桜を見ている。
でも、私にはその時間が、とても大切でした。
そして、春枝さんとの時間には、まだ続きがありました。
この頃の私は、これから先、春枝さんの身体がどんなふうに変わっていくのか。
そして、そのとき私が「リハビリ」という仕事をどう考えるようになるのか。
まだ、知りませんでした。
後編へ続きます🌱
