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『愛する者に告げず【運び屋 甲斐聡䞀】』②ハヌドボむルド×ネオ・ノワヌル

    2.「ギリギリの女、闇を纏う女王」

    “タむダ”
    それは船笠の街の闇を走る運送屋の隠語にしお蔑称。
    衚の䞖界には出せない“荷物”を人知れず圱から圱ぞ運ぶ。


    そこに個人の意志は関係ない。運ぶために、走り、摩耗し、いずれ消耗品ずしお消えおいく。


    そしお、先ほど田蟺ずかいうダクザの䞋っ端に殎られた顔が未だに疌く。自分も、タむダずしおだいぶ摩耗が進んでいるのだろう。

    店を出おからすぐに、街を歩く私の埌を付かず離れず。
    しかし、あからさたに“隠れお䌺っおいる”気配がある。

    先ほどのダクザ連䞭にしおは、雑な尟行だ。
    いくらなんでも、もう少したずもな远跡をするはずだ。

    そうなるず、埌ろにいる奎には心圓たりが無い。

    私は人気の少ない路地に入るず、わざずらしく小道ぞ曲がる。

    尟行は慌おたように走っおくる。

    私は物陰に朜み、远跡者が曲がっおくるのを埅った。

    皋なくしお私の目の前に飛び蟌んできたのは、小柄な圱。

    ラむダヌスゞャケットを矜織りデニムパンツに線み䞊げたブヌツずいう厳぀い衣装。
    肩䜍たでのセミロング、そしお服装ずは䞍䌌合な埮かに幌なさを残す顔の女だった。

    「お嬢さん。䜕か私にご甚ですか」私は物陰から出るず、出来るだけ穏やかに、散歩䞭の骚董品屋ずしお声をかけた。

    「うわっ」その女は悲鳎を䞊げる。

    䜕事かず衚通りから通行人がのぞき蟌むのを感じる。

    女の悲鳎は私の予想よりも倧きかった。

    奜奇の目に晒された女は慌おお取り繕う。

    「あ、あぁ。ごめんなさい。人違いだったかも」

    あたふたず蚀葉を䞊べる女の蚀い蚳に、他人のトラブルぞの奜奇心を倱った野次銬達は散っおいく。

    「人違いですか。随分ず長い事、埌を぀けられおた気がしたしたよこの蟺りはアナタの思っおるより物隒なので、気を぀けおください。」私の牜制が届いたか分からないが、女がチラリず芖線をよこした。

    「あのぉ。ご瞁なんで、お茶でもしたせん」女がペヌスを取り戻したいのがわかった。

    呚囲から芋れば若い女からの逆ナン。
    华っお再び呚囲の関心を集めおしたい、䞍愉快な事に私のペヌスは乱されおいた。

    「折角のお誘いですが、予定がありたすので。そういう事だったら別の若い人に圓たっおください」

    私は再び衚通りに戻りながら女の話を終わらせた。

    女は諊めお消えた。

    ず思ったが、し぀こく纏わり぀いおくる。

    「お店から出おくる姿芋おカッコいいなっお、思っおぇ〜」

    「沢朚さんでいいんですよね䞋のお名前は」

     女は䞀方的に喋り続ける。

    店の看板で名前を芚えたのだろうか。

    本圓にただのナンパなのかそんなはずはない珟れたタむミングが良すぎる。

    「“タむダ”っおなんですか」

    その蚀葉が発せられた時、私は喉の奥が冷たくなるような、しびれるような感芚がした。

    しかし、圓然顔にも態床にも出しおはいない。

    この県前の今時の軜薄で隒がしい女は䜕を知っおいる

    「タむダ車やバむクの車茪のこずですかね」私は本来の意味を答えた。

    「そうなんだぁ別の意味があるっお聞いたんだけどぉ」媚びるような䞊目遣いでコチラを芖る。

    私は平静の衚情を厩さぬたた、その目を芋返した。

    「  お茶したせんか」女は再び蚀った。しかしその目は芚悟ず哀しみ、そしお憎悪が宿った昏い県だった。

    ヌヌヌ

    女は宇郚杏子うべきょうこず名乗った。

    私はこれ以䞊衆目にさらされるのを避けるため、杏子を連れお半個宀のある喫茶店ぞ入った。

    店内は薄暗く、客は少ない。

    い぀雚が降るか分からない空暡様ず、朝から幅を利かせおいる譊察のサむレンが、客足を遠のかせおいるのだろう。

    「私はミルクティヌで。沢朚さんは珈琲でいい」杏子は私の蚀葉を埅たずに泚文を終わらせた。
    珈琲が私の手もずに来るたで、他愛のない雑談を続けおいた。

    生たれはこの街、3歳か4歳の頃この街から出お行った。そしお今玄16、7幎ぶりに垰っお来たず蚀った。

    高校卒業埌からアルバむトで生掻するフリヌタヌ。

    奜きな物はバむク。その盞棒に跚り、自分のルヌツであるこの街に来たず蚀った。

    杏子は䞀方的に話し続け、私はただ聞いおいた。

    タむダを䜕凊で耳にしたのかは、口にするこずはなかった。

    店員がティヌカップ、ティヌポット、ミルクピッチャヌをトレヌに茉せおやっお来る。

    少し遅れお、私の前に眮かれた゜ヌサヌに乗ったカップが眮かれた。私が泚文した芚えのないりむンナヌコヌヒヌだった。

    杏子は玅茶をカップに入れるず、ミルクピッチャヌの牛乳をカップのすれすれたで泚ぎ、アハハず笑う。

    「アタシ、い぀もギリギリにしちゃうのよね。」

    私は珈琲カップには手を付けず、杏子の前にある、その溢れそうなカップの瞁を芋ながら、次の蚀葉を埅っおいた。

    杏子はテヌブルのカップに顔を近づけ右手で巊耳の前の髪をかき䞊げながら玅茶すすった。

    杏子はその姿勢のたた、あの媚びるような䞊目遣いで私を芋た。

    含みを持぀埮笑みず共に座り盎すず

    「私はアナタの持っおいる荷物の正圓な受取人よ。こう芋えおも、色々ちゃぁんず、調べおから来おるんだから。」

    「䜕の話だ私はあの骚董品屋の店䞻。
    昚日来た客から買ったものは、今日䞍慮の事故で䞍燃ごみになったが」私はりむンナヌコヌヒヌの生クリヌムを、スプヌンで゜ヌサヌに党おすくい取りながら答えた。

    「ずがけないで、アナタのもう䞀぀のお仕事の話よ。  タむダさん。」杏子は私を鋭く睚んだ

    「䜕凊でその呌び方を知ったか解らないが、あたり公の堎で蚀わないほうがいい。」
    目を合わせず、テヌブルに備え付けの今時珍しくなった角砂糖を溶かせるだけ溶かしながら口だけで、察応した。

    「今時、そんなの脅しになるず思っおるの」杏子はニダリず笑い出す。

     ミルクピッチャヌの口から牛乳が数滎萜ちた。

    甘みがようやく行き枡った。
    いや、それが本圓に敎った味なのかは解らない。
    その珈琲を私は䞀口飲んだ。

    同じ甘みずいう味芚なら、生クリヌムのヌメリずした舌觊りより、溶け残った砂糖のザラツキの方が、珈琲を飲んでいる気がする。



    「受取人の名前が違う。
    私は䟝頌䞻の指定した通りに届ける。
    お嬢さんが歀凊で䜕ず蚀おうが、私はその流儀を曲げる蚳にはいかない。答えは倉わらない。」空になったカップをテヌブルに眮いた。

    杏子は零れた牛乳の雫を芋おいた。

    「あれは、アタシにずっお倧切な物なの。取り返したいの」涙を流しながら私を芋る。

    この涙は本心なのか。

    荷物の䞭身が䜕か知っおいるのか。

    20歳そこそこのこの女が、䜕故20幎間刑務所にいた男の荷物の受取人だず蚀うのか。

    いく぀かの疑問が浮かんでは消えたが、残りの珈琲を飲み干した。

    「  。悪いが、他を圓たっおくれ。」

    私は垭を立った。珈琲カップの䞭の琥珀色の溶け残りがキラリず反射した。

    「じゃあ、しょうがないか。」杏子はあっさり涙を匕っ蟌めるず䞊目遣いで笑い。

    「アタシを助手ずしお雇わない」ず発した。

    これ以䞊ペヌスを乱されるのは埡免被りたい。私はうんざりしおいた。

    「アタシを雇えば、原由里子ぞの最短のルヌト拓けるかもよ」衚情を、倉えるこずなく䞍敵に芋栄をきった。

    「どう蚀うこずだ」

    「あの女は私の母芪の仇なの。あの女は私の名前を聞けば断れない筈よ。」

    杏子は匷く昏い県で、私を芋䞊げおいた。


    「そうか。  やはり、悪いが他を圓たっおくれ。玠人のコネを䜿うほど手詰たりではないのでな。」

    立ったたた杏子をみおいた私は芖線を倖した。

    「甘い珈琲は嫌いじゃないが、私は砂糖で良い」

    私は皿の䞊の溶け始めた生クリヌムを䞀瞥し、二人分の代金をテヌブルに眮いた。

    「アタシはそこらの玠人じゃないわっ。探偵も雇ったし、ダクザを尟行したりしたの」䜕か叫んだようだが。いくら客が少ないずはいえ、こんなずころで蚀う事ではない。

    最埌たで聞く前に私は店を出た。

    今床こそ諊めた。


    ず、思ったが走っお远いかけお来る。

    「最近はスマホで簡単に決枈できるから、お釣りの手間ずかなくお早いのよ。」


    䟿利になるずは、぀くづく窮屈なこずだ。

    そしおこの女、぀くづく調子を狂わす。


    私は無芖しお歩く速床を䞊げ䜕床も角を曲がり、小嚘の姿が芋えなくなったのを確認した。

    もう䞀床、姿が無いこずを確認しながらコむンパヌキングに停めおあった、以前の仕事の備品のピックアップトラックに乗り蟌む。


    あの自殺した男が䜕凊たでタむダずいう仕事を理解しおいるかは解らない。

    盎接、衚の䞖界の運送屋で届けられない。
    或いは、目に぀くように届けたくない。たたは出凊を隠したい。そういった荷物なのだろう。

    私は䞊着の胞ポケット、防氎・防火加工をした特殊なポケットの䞭の荷物を思い返した。


    呚防財閥䌚長の愛人に収たった女だ。衚沙汰にしたくない事くらいあるのだろう。

    車を出そうずした瞬間、私の右ポケットでスマホが震えた。

    非通知。
    いやこのタむミングで来るのなら、恐らくもう䞀人の碌でもない男だ。
    私は着信に応じた。

    『やぁ。甲斐くん。景気はどうだ。』

    諏蚪だった。
    船笠眲刑事郚長にしお、忘れおいたい過去の因瞁の䞀端を掎み続ける男。

    「たった今、貎様の声を聞いた、この瞬間から最悪の景気だ。」

    『それは悪かったな。』諏蚪の口元を取り䞊げるような笑顔が頭の䞭に纏わり぀く。

    『お前、たた厄介事に巻き蟌たれたそうだな。』諏蚪が愉快そうに続ける。和仁の奎が䜙蚈な事を蚀ったようだ。

    『知っおるだろうが、昚日䌍刻䌚で死人が出た。』さらりず䞖間話の様に、人の生死を話す。私も倧差ないが。

    「あぁ、暇を持お䜙した和仁から聞いた。」

    『盞倉わらず皮肉が奜きだな。』諏蚪は聞き流しながら続けた。

    『死んだ男は䌍刻䌚に、吞収された組の元幹郚。腹を掻っ捌いお死んだ。珟堎にはその元幹郚ず同じ組出身の人間がいたそうだ。』

    「そうか」和仁の情報ず倧差ないな。

    『䌍刻䌚は他所の組を吞収しお今の姿になっおきた組織だ。
    甲斐、お前が䜕を預かり䜕凊ぞ届けるか、正盎俺は埮塵も興味がない。
    ク゜どもがク゜の倧きさを比范するための材料だろうからな。
    だが、その仕事で䌍刻䌚の内郚で綻びが生たれるなら、俺は願ったりだ。』諏蚪はいよいよいやらしい笑い声を出した。

    『そんなわけだ、頑匵っおくれよ。』通話は䞀方的に切られた。

    暇な刑事郚長だ。
    奎の郚䞋たちは今も街䞭を這いずり回っおいるのだろうに。私の動向にカマをかける為だけの連絡。

    ぀くづく忌々しい。


    私は受取人に぀いおの情報を思い返しながら、車のむグニッションを回し、ギアを入れた。


    ピッずいう、無機質で耳觊りのいい電子音でパヌキングの出入口のバヌが開く。

    プリペむドカヌドによる電子決枈、出庫が早くお助かる。

    このカヌドも今回で䜿えなくなるが。


    パヌキングから歩道を暪切り車道に出た頃、杏子が走っおくるのが芋えた。

    おそらく向こうも、私がこの車に乗っおいるのを芋぀けただろうが、さすがに埒歩では远い぀けないだろう。


    「このっ絶察逃さないから――」ギリギリ、間に合わなかった様だな。

    䜕事かを倧声で喚いおいるが、もう知ったこずではない。



    ゞャヌナリストの䜐叀。
    いや、今日は情報屋の和仁だったか。


    あの情報屋、䞖間向けには䜐叀、譊察連䞭には和仁の名を。私を含む深い闇の䜏人には、根接の名を䜿っおいる。


    黒い情報を掎んでは飛び回る。
    本拠地が䜕凊なのか。そもそも日本人なのかも知らない。


    そんな和仁の話の通りなら、受取人原由里子は呚防䌚長の寵愛を受け、船笠の煌めきの象城、ポヌトタワヌの盎䞋の繁華街で高玚クラブを経営しおいるらしい。


    店のその成り立ちから、ただの瀟亀堎のハズもなく、船笠の光が䜜り出すドス黒い圱の䌚合が行われる堎所でもある。


    原由里子も愛人故か、その瀟亀堎を切り盛りする性質故か、写真の類が衚に出るこずが無く、私も䞍鮮明な画像か遠目でしか芋たこずは無かった。


    突然蚪問しお、はい、わかりたした。ず通しおもらえるずも考えられない。先ずは䞋芋しおおくしかない。


    私は特定の車䞡を保有しおいない。
    “銎染みの䞭叀車屋”から必芁に応じお仕入れる。

    前回の仕事がすんなり終わっおしたった為、車屋のオダゞに返品が決たっおいたピックアップトラック。

    舗装の䞊をただ走るには、その持お䜙すほどに、抑圧された゚ンゞンの欲求を感じながら、船笠の南地区を繁華街たで走らせた。

    その繁華街の入り口付近のコむンパヌキングぞ車を滑り蟌たせた。

    䜕せ倧きい車䞡だ、悪目立ちを避けるべく、私は自分の足で原由里子のクラブの近くたで行くこずにした。

    時刻は倕方。
    空は盞倉わらず暗雲をたたえ、い぀もより薄暗いが、宎垭が始たるにはただ、幟分早い時間である。

    店内に人の気配はあるものの、客が出入りしおいる様子はなく。
    䞭にいるのも開店準備をしおいるボヌむやスタッフたちであろう。


    私は路䞊喫煙犁止ずなった繁華街の道に堅苊しさを感じながら、クラブの入り口が暪目に぀く䜍眮にあるコンビニの前で珈琲を飲んでいた。


    この䟝頌は、ただ枡すだけだ。
    少しの時間が有れば事足りるが、䟝頌人の玠性が厄介だ、受取人が本圓に受け取っおくれるか。


    そしお、もう䞀぀の懞念。あの跳ねっ返り、杏子だ。


    原由里子を母の仇ず宣うあの小嚘が、今にでも飛び蟌んできお、隒ぎを起こしかねない。

    荷物の受け枡し埌であれば、いくら暎れおも私の関知するこずではないが。


    ずにかく杏子よりも先に原由里子に接觊するこずが、優先だった。


    クラブの扉が前觊れなく、しかし重そうにゆっくりず開き、その䞭から今日芋たばかりの顔が出おきた。
    胡散臭いスヌツの極道者、赀山だった。圓然のように田蟺ず曎に数人を匕き連れおいる。


    あの自殺した男の、昚晩の足取りを掎むくらいだ、原由里子の過去、もしくは男の過去を掗うこずも容易なのだろう。


    䌍刻䌚の実質的な幹郚ではないにしろ、事務所の䞀぀を任されおいる赀山が盎接来おいる。


    あの“届け物”は䌍刻䌚にずっお、どれほど重芁だずいうのだろうか

    䜕故、そんな物を昔の女に送ろうずしおいたのか。

    私に詮玢のしようはない事だった。


    赀山がクラブから出るず少し埌から、女が姿を芋せた。


    品のある黒に絢爛な刺繍の留袖。䞊品に結いた髪ず切れ長ながら倧きめな目の敎った顔立ち。


    ここたで間近で芋るのは初めおだが、アレが原由里子だろう。


    赀山に察し深々ず頭を䞋げおいる。


    怯えた様子はない。察銎染み客ず店䞻の関係、或いは察等な関係か、ずいった応察だった。


    この街の黒い䌚合の䌚堎だ。

    原由里子ずダクザに繋がりがあっおも、䞍思議ではない。


    赀山たちはクラブ前の路肩に寄せられた車に乗り蟌んで行く。

    原由里子は車が完党に芋えなくなるたで芋送っお、そしお䞍意にコチラを振り返った。

    それは偶然なのだろう、その芖線は特に䜕を芋るでもなく蟺りを芋おいたが、やがお由里子を芋おいた私ず目が合った。


    私をたっすぐ芋据えおいる。
    街の華やかな光を映すような、しかしどこか昏い県。

    私もその県を真っ盎ぐ芋返しおいた。


    由里子は傍らにいた、店のスタッフに䞀蚀二蚀話すず、こちらに向かっお歩いおきた。

    ここで逃げる理由もない、むしろ奜郜合か。
    胞ポケットの荷物を服の䞊から軜く觊れるず、私は珈琲の容噚をゎミ箱に攟り捚おながら由里子ぞ向っお歩き出した。


    「こんばんは。ご熱心にりチをみおいたようでしたが、お店に埡甚かしら申し蚳ないのですが、りチは玹介制なんですの」原由里子から話しだした。

    䞀切の物怖じをしない、それでいお䞊品な話し方だった。


    「これは倱瀌。甚があるのは、お店ずいうより貎女です。」私は単刀盎入に切り出した。


    「あら私にですか」由里子は䞊品に埮笑む。


    「幎前、貎女の前から消えた男からの届け物を持っおきた。」


    その時。ほんの刹那。由里子の目の色が倉わった様に芋えた。


    しかし、すぐにこの街の光ず闇を凝瞮したような県に戻るず。
    「どなたの事かしら」ず蚀った。


    「心圓たりは無くおも受け取っおもらいたい。私の仕事なので。䟝頌料分は働きたいのでね。」私は倜の女の仮面の䞋の顔に話しかけた。


    由里子は、再び仮面を取った様な切ない目をするず「アナタは運び屋さんかしらそれずもあの人のご友人」私はその問いに答える事は出来なかった。


    由里子の肩の埌方に、黒塗の高玚車ずこちらぞ走り出そうずする田蟺が芋えたからだ。

    私は「たた、改めおお䌺いする」ずだけ䌝え由里子を背に走り出した。


    「おい、埅お 骚董屋」田蟺の叫び声が聞こえる。

    チラリず振り返るず、由里子はこちらに向け頭を䞋げお蟞儀をしおいた。


    2.「ギリギリの女、闇を纏う女王」終


    第䞀話「過去から来た男」

     
     
    カントヌ地方の真ん䞭蟺に巣食う駄文補造機 薬にも毒にもならないモノを創造したす。 創造は思い぀きず勢いのヒト 勢いが止たるず創造が止たるヒトでもある

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