
【硝子のショコラ】1|プロローグ【長編恋愛小説】
あらすじ
通訳、ショコラティエ、作家とその妻。
別々の世界で生きていた4人は、
それぞれの出会いをきっかけに、
少しずつ人生を変えていく。
静かな恋と、破壊されていく世界。
少しずつ侵食されていく心、そして再生。
オリジナル長編恋愛小説。
「どうしてあんなことしたの?」
あれから一年ぐらい経っただろうか。
偶然再会した彼女は
少し痩せていた。
「なんで…あんなひどい…」
大きな瞳が潤んでいる。
俺は何か言おうとするけれど、
言葉がうまく出てこない。
「もう…私のことは放っておいて」
彼女は震える声で、確かにそう言った。
俺は
「…悪かった」
とだけ言うと、逃げるように
地下鉄へと続く階段を駆け降りた。
こんな形で、終わるなんて
彼女と出会った頃は思ってもいなかった。