AIコードレビューをゲーム開発に使う|GitHub Copilot・Claude Codeの観点とプロンプト
Unity製のゲームをClaude CodeやGitHub Copilotで書いている個人開発者が、公開前にAIへコードレビューを頼んで見落としを減らせるようになる記事です。AIに書いてもらったコードをそのままマージして、あとから当たり判定のバグに気づいた、という経験がある人は多いはずです。
この記事では、2つのツールの公式なレビュー機能の違いと、ゲーム開発向けの観点を加えたREVIEW.md・CLAUDE.mdのひな形を紹介します。
■ この記事で分かること
・Claude CodeとGitHub Copilot、それぞれの公式なコードレビュー機能の仕組みと違い
・レビュー結果に付く重大度の意味と、そのまま信じてよいかどうか
・両方のツールで共通して使えるREVIEW.md・CLAUDE.mdのひな形
・自分のリポジトリにレビューの型を設定する手順とチェックリスト
対象読者は、Unity・Godotなどでコードを書き、AIにコードレビューを頼みたい個人ゲーム開発者です。内容は2026年9月時点で確認した情報にもとづきます。
■ AIコードレビューで何が変わるのか(公式ドキュメントの確認)
結論から言うと、Claude CodeとGitHub Copilotはどちらも、プルリクエスト(PR。コードの変更をまとめて取り込んでもらうための提案)などの差分をAIが分析し、見つかった問題を教えてくれます。
ただし、マージを強制的に止める機能ではありません。最終判断は人がする前提です。
Claude Codeには、名前の似たレビュー機能が2つあります。混同しやすいので、分けて説明します。
1つ目は、クラウドで動くCode Reviewです。リサーチプレビュー(まだ正式版ではない試験提供の段階)の機能で、Team・Enterpriseサブスクリプション(組織向けの契約プラン)で管理者が有効にした場合に使えます。
GitHubのPRを自動でレビューし、指摘には「Important」「Nit」「Pre-existing」の重大度が付きます。
2つ目は、ターミナルで実行するローカルの`/code-review`コマンドです。クラウドのCode Reviewが使えないプランでも、ブランチの差分やPRをレビューできます。
上の3段階の重大度はクラウドのCode Reviewの表示で、ローカルの`/code-review`にはそのまま当てはまりません。
Anthropic公式のClaude Codeリポジトリにあるcode-reviewプラグインのREADMEでは、`/code-review`は次のように動くと説明されています。
・複数のエージェントが並行してPRをレビューする
・CLAUDE.mdに書いたルールを参照する
・問題ごとに、確かさ(confidence score)を0〜100で付ける
・80以上の問題だけを報告する
・以前からある問題(pre-existing)や細かすぎる指摘(nitpick)は、誤検出として除外する
・`--comment`を付けると、結果をPRのコメントとして投稿できる
ただし、Claude Codeの公式ドキュメントでは、`/code-review`はClaude Codeに組み込まれた機能として説明されています。そこには「80以上」という基準は書かれておらず、報告の範囲はeffortレベル(どこまで細かく調べるかの設定)で変わるとされています。
2つの説明が食い違っているため、使う前に自分の環境の説明を確認してください。
また、公式ドキュメントによると、ローカルの`/code-review`はCLAUDE.mdには従いますが、REVIEW.mdは読みません。
GitHub Copilotのコードレビューは、PRの「Reviewers」欄からCopilotをレビュアーとしてリクエストするか、リポジトリ側で自動レビューを設定して使います。コメントには「High」「Medium」「Low」の重大度が付きます。
▼ AIコードレビューの共通点
→ PRなどの差分をAIが分析する
→ 見つかった問題を指摘してくれる
→ マージを強制的には止めない
→ 最終判断は人が行う
■ GitHub Copilot・Claude Codeのコードレビュー機能 早見表

2つのツールを、同じ項目で比べました。
◆ 提供状況
・Claude Code:クラウドのCode ReviewはTeam/Enterprise向けプレビュー。ローカルの/code-reviewは他のプランでも可
・GitHub Copilot:Student・Pro・Pro+・Max・Business・Enterpriseで利用可(FreeはVS Codeの選択範囲のレビューのみ)
◆ レビューの起点
・Claude Code:クラウドのCode ReviewはPR作成時・プッシュ時・コメント。ローカルの/code-reviewはターミナルで実行
・GitHub Copilot:PRのReviewers欄・自動設定
◆ 重大度
・Claude Code:クラウドのCode ReviewはImportant・Nit・Pre-existing。ローカルの/code-reviewにはこの重大度の表示はない
・GitHub Copilot:High・Medium・Low
◆ カスタマイズ
・Claude Code:クラウドのCode ReviewはCLAUDE.md・REVIEW.md。ローカルの/code-reviewはCLAUDE.md
・GitHub Copilot:copilot-instructions.md等+CLAUDE.md・REVIEW.md
◆ 料金の目安
・Claude Code:利用モデル、レビュー対象の規模、契約・課金方式によって異なる
・GitHub Copilot:契約プランに含まれる
GitHub Copilotのコードレビューは、公式のプラン比較ページで、Copilot Business・Enterpriseにも含まれると掲載されています。
PRの自動レビューの設定は、Copilot Pro・Pro+・Max・Business・Enterpriseで使えると公式ドキュメントに明記されています。
一方、Copilot Freeで使えるのは、VS Codeで選んだ範囲のコードをレビューする「Review selection」だけです。PR全体のコードレビューとは別の機能なので、注意してください。
■ たとえば、当たり判定のコードをレビューしてもらう場合
2Dアクションゲームで、敵に触れたときにダメージを与える処理を作ったとします。AIに「ダメージ判定のコードを書いて」と頼むと、`OnTriggerEnter2D`の中でHPを減らす処理が返ってくることがあります。
ここでAIコードレビューを使うと、次のような見落としを指摘してくれる可能性があります。
・同じフレームで`OnTriggerEnter2D`が複数回呼ばれ、ダメージが二重に入る
・無敵時間のフラグをリセットし忘れている
・敵が破棄された直後に、そのコンポーネントを参照して落ちる
ただし、これらは「指摘される可能性がある例」であり、必ず検出されるとは限りません。実際にどこまで拾ってくれるかは、コードの書き方やREVIEW.mdの内容によって変わります。
■ レビューを頼む前に準備すること(REVIEW.md/CLAUDE.mdのひな形)
次に、実際にリポジトリへ置くREVIEW.mdとCLAUDE.mdのひな形を紹介します。GitHub Copilotも、リポジトリにこの2つのファイルがあれば読み込むと公式ページに明記されています。
そのため、同じファイルをClaude CodeのクラウドのCode ReviewとGitHub Copilotの両方に使い回せます。ローカルの`/code-review`で使われるのは、このうちCLAUDE.mdだけです。
――― コピーここから ―――
レビュー指示(REVIEW.md)
Important として扱うもの
・ゲームがクラッシュする、または進行不能になる不具合
・セーブデータが壊れる、または消える不具合
・スコアや所持アイテムなど、ゲームの結果が変わってしまう不具合
Nit として扱うもの(マージはブロックしない)
・命名や整形の指摘
・【固定値の例:ダメージ量、移動速度】のマジックナンバーの指摘
ゲーム開発で見てほしい観点
・Update()とFixedUpdate()の使い分けが正しいか(物理演算はFixedUpdate側)
・破棄済みのGameObjectやコンポーネントへの参照が残っていないか
・コルーチンやイベント購読が、シーン遷移後も残ったままになっていないか
・【対象の処理名:リプレイ、抽選など】で使う乱数のシードが、意図せず変わっていないか
報告しない
・自動生成されるファイル(【対象パスの例:Library/、obj/】)
・テスト専用コードの中だけの指摘
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――― コピーここから ―――
プロジェクト指示(CLAUDE.md)
このリポジトリは【エンジン名:Unity】で作る【ジャンル:2Dアクション】ゲームです。
コーディングのルール
・当たり判定の処理は【フォルダ名】にまとめる
・ダメージ量や速度などの数値は、コードに直接書かず【設定ファイル名】にまとめる
レビューで特に見てほしいこと
・無敵時間・クールダウンなど、時間に関わる処理の二重実行
・セーブ・ロード処理でのnull参照
――― コピーここまで ―――
【 】の中は、自分のプロジェクトの構成に合わせて書き換えてください。クラウドのCode Reviewでは、CLAUDE.mdはREVIEW.mdとあわせて読み込まれます。
■ レビュー結果を確認するときのチェックリスト

レビューが返ってきたあと、何を確認すればよいかをまとめました。
重大度の名前(Important・Nit、High・Low)は、クラウドのCode ReviewとGitHub Copilotの表示です。ローカルの`/code-review`では、この重大度の名前は使われないので、すべての指摘を同じ観点で確認してください。
【Important・Highの指摘を見るとき】
□ 指摘された箇所が、実際にゲームの進行やセーブデータに影響するか確認した
□ 指摘のコード行を、自分でも読んで意味を理解した
□ AIの推論(なぜ問題だと考えたか)を展開して読んだ
【Nit・Lowの指摘を見るとき】
□ マージを急ぐ場合は、あとでまとめて直す判断でよいか確認した
□ ゲームの動作に影響しない指摘かどうかを見分けた
REVIEW.md/CLAUDE.mdを設定した直後
□ テスト用の小さいプルリクエストで、実際にレビューが動くか確認した
□ 想定していない場所まで指摘されていないか確認した
□ 重大度の分類が、自分のプロジェクトの感覚と大きくずれていないか確認した
【最終確認】
□ 指摘がゼロでも、人の目でも一度は差分を確認した
□ マージ後に、エディタやビルドで該当箇所を実際に動かして確認した
■ 注意点:重大度の判定はそのまま信じない
AIコードレビューの重大度は、あくまでAIの推定です。Important(High)と表示されても、実際にはゲーム内で問題にならないケースもあります。
クラウドのCode Reviewでは、検証ステップが候補を実際のコード動作に照らしてチェックし、誤った指摘を減らす、と公式ドキュメントで説明されています。ただし、これは誤った指摘を減らす仕組みであり、ゼロにする保証ではありません。
GitHub Copilotのコードレビュー機能全体が正式な提供なのか、確認した公式ページには明記されていませんでした。Copilot承認機能のみ、パブリックプレビューと明記されています。今後の仕様変更に備えて、使う前に公式ページを見直すことをおすすめします。
REVIEW.mdに書いたゲーム開発向けの観点も、公式が保証したチェック項目ではありません。あくまで、見落としやすい点を思い出すための一覧として使ってください。
▼ AIの重大度をそのまま信じないために
→ Importantでも自分で読んで判断する
→ REVIEW.mdの観点は保証ではないと理解する
→ マージ後は実機でも確認する
■ まとめ:今日やること
AIコードレビューは、2つのツールを比べて使い分けるよりも、まずどちらか1つで試すほうが早く感触をつかめます。REVIEW.mdとCLAUDE.mdも、最初から全部の項目を埋めなくてかまいません。少しずつ育てていく形で十分です。
今日やることは、この記事のREVIEW.mdのひな形をリポジトリのルートに置き、次に出す小さめのプルリクエストでコードレビューを実際に動かしてみることです。
