
AIと好きな曲の話をしてみたら #2 Cindy「私達を信じていて」
Cindyという人を知ったのは、実は1年くらい前だ。
偉そうに「経歴がすごいから見てごらん」なんてAIに言ったけれど、僕自身、それまで知らなかった。
でも調べてみると、本当にすごい。
山下達郎のツアーやレコーディングでコーラスを務め、スティーヴィー・ワンダーとも仕事をしている。中山美穂さんの「ROSECOLOR」「人魚姫 mermaid」「Witches」なども手がけている。
記者としてライオネル・リッチーの取材をしたこともあるらしい。
僕がCindyを知ったきっかけも、中山美穂さんだった。
亡くなったあと、久しぶりにいろいろな曲を聴き直していて、「ROSECOLOR」が妙に良かった。
誰が作ったんだろうと思って調べたら、Cindy。
さらに探すと、Cindy本人が歌う「ROSECOLOR」もあった。
https://www.youtube.com/watch?v=0umkPeAPYoc
これがまた、すごくいい。
じゃあ、もっと聴いてみよう。
そう思って調べていったら、すでに亡くなっていた。
知ったときには、もういなかった。
懐かしい曲を聴き直していたはずなのに、そこで新しいアーティストに出会った。
そのCindyの曲に「私達を信じていて」という歌がある。
https://www.youtube.com/watch?v=2ak_dM2EHKE
AI:
「この曲、かなりメッセージ性がありますね」
僕:
「まず曲調なんだけどね」
最初に聴いたとき、誤解を恐れずに言うと、少し単純な曲に聞こえた。
いい曲ではある。
でも、一度聴いただけで「これはすごい」と思ったわけではない。
ところが、なぜかYouTubeに何度も出てきた。
そのたびに聴いていたら、だんだん印象が変わってきた。
曲より先に、声が入ってくる。
Cindyの声が、刺さってくる。
AI:
「メロディというより、あの声で届けること自体に意味がある曲なのかもしれませんね」
僕:
「そう。だんだんそう聞こえてきた」
柔らかいのに弱くない。
優しいのに、芯がある。
何度も聴いているうちに、今度は言葉が入ってくる。
最初は応援歌っぽい。
誰かを励ましている歌なのかな、と思う。
ところが途中で、
「争うことのすべてがおろかだと語り続けて」
という言葉が出てくる。
そこで急に、歌の大きさが変わる。
僕:
「これ、誰への願いなんだろう」
AI:
「一人を励ましているというより、次の人に何かを託しているようにも読めますね」
僕:
「そうなんだよ」
単なる応援歌ではない気がしてくる。
元気を出して、頑張って、ではない。
何かを信じて、語り続けてほしい。
応援する。
でも、その先にあるのは、
引き継いでもらうこと。
そんな感じがする。
もちろん、この曲が作られたときに、Cindyさんが自分の死後のことを考えていたわけではない。
でも、聴く側には時間が流れている。
僕は、この曲を聴く前にCindyさんがもう亡くなっていることを知ってしまった。
だから、どうしても重なる。
「語り続けて」
と歌っている人は、もういない。
でも、歌は残っている。
何十年も経ってから、僕のところに届いた。
AI:
「“語り続けて”が、バトンみたいに聞こえるんですね」
僕:
「そうかもしれない」
この曲は6分近くある。
でも、今はあっという間に終わる。
最初は少し単純な曲だと思った。
何度か聴いて、声が気になった。
さらに聴いて、言葉が入ってきた。
気づいたら終わっている。
音楽って不思議だ。
一度で好きになる曲もある。
でも、何度も通り過ぎているうちに、ある日突然こちらを向く曲もある。
「私達を信じていて」は、僕にとってそういう曲だった。
知ったときには、もうCindyさんはいなかった。
それでも何十年も前の歌が、今の僕に届いた。
音楽には、そういう時間の越え方がある。
AIとこの曲の話をしていたら、最後はそんなことまで考えていた。
最初はただ、
「この曲、どう思う?」
と聞いただけだった。