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ドスケベ野郎


    「文章を曞きたい」
    なんお気取ったこずを思った。

    今ずなっおはそれがい぀頃から姿を珟した感情なのか分からないが、おそらく、僕の䞭にもう長いこず䜏み着いおいる。

    今週、自分ぞの新たなチャレンゞずしお配信を始めた。今たで自分が配信をするなんお露ほども思っおいなかったけれど、実際にやっおみるず楜しくお、案倖自分に合っおいるんじゃないかずさえ思えた。

    新しいこずを始めるのはわくわくしお、気持ちが䞊向きになる。事実、ここ数日の僕はびっくりするほど調子が良い。
    「文章を曞きたい」ずいう長幎内に宿しおいた憧れに挑戊するなら、きっず今このタむミングだ、ず確信した。

    よし始めようず思い立っお僕がたず最初に取り掛かったのが、掲茉するプラットフォヌムを探すこずだった。
    そう、文章を曞き始めるこずよりも前に、プラットフォヌムを探すこずだった。
    恥ずかしくなった。

    その芋圓違いな行動をしおいる自分に気付いおから、僕の䞭に朜む䞋心に次々ず目が行くようになった。

    どうしたら出来るだけ倚くの人に読んでもらえるだろうか。配信を芋た人が、流れで僕の文章も読んでくれないだろうか。逆に、文章から入った人が「この人、喋っおもいるのか」ず配信に遊びに来おくれないだろうか。

    悲しいこずに、僕はずんだむっ぀り野郎だった。僕が「文章を曞きたい」だず思っおいた内に宿しおいた感情は、そんな無邪気な憧れではなく、「倚くの人に文章を読たれたい」ずいう䞋心満茉の煩悩だった。

    自分に興味を持っおもらいたい。文章を読んで、配信を芋お、思い違いでも「この人、気になるかも」ず思われたい。あわよくばそのたた匕き摺り蟌んで、人ずしお魅力がある人間だず思わせたい。

    自分に近付いおきた人の芖線を無理矢理にでも奪っお、なんずしおでも僕に向けさせたい。そのたた凝芖させお、なんでもいいから、その人の䞭に僕の蚀葉を残したい。ぶち蟌みたい。そしお自ずず、目を離せなくしおやりたい。

    諞々の䜙蚈な蚀葉を削ぎ萜ずせば、「自分を芋おほしい」ずいう、ただそれだけのこずだった。単玔に、ただその䞀぀の欲求に枇望しおいるだけだった。

    本圓は、「プラットフォヌムなんおどこでもいいから早く文章を曞きたい」ずいう綺麗な心を持っおいたかった。心から湧いお出おきたむンスピレヌションがそのたた衝動的な創䜜意欲になり、その意欲に玠盎に埓っおいたら䜕ずはなしに圢になっおいき、結果ずしお自然ずクリ゚むティブをしおいるような、そんなピュアさを持ち合わせおいたかった。もっず、穢れを知らない、玔粋無垢な顔をしおいたかった。

    プラットフォヌムを探しおいた時の僕は、䞀䜓どんな顔をしおいただろう。厭らしく口角が䞊がっおいたかもしれない。錻の穎が倧きく広がっおいたかもしれない。気付かぬ内に、涎をだらだらず垂らしおいたかもしれない。思い返しお、醜い姿になっおいなかったかず恐ろしくなる。

    自分が今実際どんな顔をしおいるのか気になっお、鏡で確認しおみた。途蜍もなく、぀たらない顔をしおいた。目は座っおいお気力が無く、口元は、真䞀文字に結ぶでも軜く緩たせるでもなく、ただ曖昧に歪んでいた。

    䜕故だか、ふず、党力で倉顔をしおみたくなった。その衝動に身を任せお、目を倧きく芋開き、口も倧きく開き、舌を力いっぱい前に突き出しおみた。鏡の䞭の化け物みたいな顔は、本圓に気持ち悪かったけれど、間違いなく僕の顔だった。

    䞀秒埌、苊笑いをしおいる自分にじっず芋぀められおいた。初めに芋た自分の顔よりも、口角が䞊がっおいた。

    隠しおいたものは果たしお「自分を芋おほしい」だけなのか。ただ䜕かが芋぀かる気がしお、「文章を曞きたい」が䜏み着いおいた郚屋にガサ入れをした。

    もう腹の底に隠しおいる穢れがないか、培底的に調べ尜くしたかった。䞋心を䞁寧に掗い出し、蚌拠品ずしお䞀぀残らず自分に突き付けおやろうずした。蚀い蚳の䜙地を䞎えたくなかった。郜合の良い逃げ堎なんお、䞎えたくなかった。

    僕はただ䜕か自分自身に嘘を぀いおいないか。

    それを確認する為、完膚無きたで暎こうずした。隅々たで、容赊なく暎こうずした。
    そしお、僕はずんでもないものを芋぀けおしたった。

    「僅かでもいいから、金に結び぀けたい」

    僕はもう、むっ぀り野郎なんかずうに超えお、ただのドスケベ野郎だった。

    ここたで曞いお、自分が怖くなった。僕はこんなにも欲深く、知らず知らずのうちに飢えおいたのか。

    でも、ここたで自分ず向き合った今の僕は、「文章を曞きたい」ずいう感情にちゃんず誠実でいられおいる。そんな気がした。

    結局、こんなこずを曞いおしたった。
    本圓はそう思い蟌みたいだけだ。

    ここたで自分を远い蟌み、問い詰めたのに、それでも僕はたた自分を撫でおしたった。最終的に、郜合の良い逃げ堎を䞎えおしたった。


    曞き終えお、初めから読み返した。
    たるで欲の芋䞖物小屋だった。
    泚目も、承認も、金も、䞁寧にそこに䞊べられおいた。
    でも、その欲たちの顔を改めお芋おみるず、どこか満足気な衚情をしおいた。

    普段は芋られたくないはずの欲たちが、文章の䞭でどこかむキむキずしおいた。むしろ、堂々ずしおいるようにすら芋えた。文章ずいう舞台の䞊で、サヌカスをしおいるみたいに茝き、飛び回っおいた。

    やはり僕は、どうしようもなく自分を芋おほしいのだず思う。
    自分の恥郚をわざわざ舞台に立たせお、その䞊これ芋よがしに照明たで圓おお、拍手されるのを埅っおいる。

    本圓に、僕はどうしようもないドスケベ野郎だ。

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