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坂の䞊の぀くもep1-1「鈎の行方」 📕創䜜倧賞2026応募䜜品ファンタゞヌ小説郚門📕



     付喪神っお芋たこずある
     この䞖界には、いないなんお思っおたかな
     残念。俺の䞖界では普通にいるんだ。

     長幎倧事にされた物は呜を埗る。茶碗や花瓶のような物から、建物だっお䟋倖ではない。
     もちろん、建物そのものが歩き出したら、街が壊れお倧倉なこずになる。だから、倧きなものは人や動物の圢を借りお、歩き出すんだ。
     この街には、そんな呜を持ったモノたちが昔からたくさんいる。

    これは、そんなモノたちず、人間の物語―――。

    episode1 鈎の行方 「付喪神ず䟿利屋」


     高校3幎生の進路指導で、将来の目暙を聞かれ、俺は「平和な生掻」ず答えた。それを聞いた先生は、䞀瞬あっけに取られおから、すぐに怖い顔をした。

     俺ずしおは、真剣に答えた぀もりだったけれど、ふざけおいるずしか受け取られなかったんだ。
     だっお、明日だっお䜕をしおるか分からないのに、そんな先のこず聞かれたっお分からないだろ

     そんなんだから、結局、俺は進孊も就職もしなかった。
     芪からは、たぁ奜きにしなさいず、半分呆れられながら攟任されお、しばらくはふらふらず、自由気たた奜き勝手に生掻しおいた。

     だけど1人だけ、そんな俺を心配しおくれたヒトがいた。

     それがスハラ。
     スハラは、旧寿原邞ずいう立掟な建物が呜を埗た者。凛ずした感じの女性で、芋た目は俺ず同じくらいの幎霢。だけど、付喪神なだけあっお䞭身の幎霢はりン十歳。

     正確な幎霢が分からないのは、前に䞀床だけ幎霢を聞いおみたずきに、グヌで思いっきり殎られたから。それ以来、幎霢に関しおはタブヌなんだ。

     俺が小さいずきからかたっおくれお、こずあるごずに顔を合わせおいたスハラは、俺がフリヌタヌっお蚀ったほうが聞こえがいいだろをしおいるず聞いお、心配しお䌚いに来おくれた。

     俺ずしおは、奜きでフリヌタヌをしおいるから心配無甚なんだけど、あの時のスハラの心配そうな顔は、なんかちょっず悪いこずをしおるようだった。

     だから、考えた。
     この街のこずは奜きだ。だから、仕事も勉匷もしたくないけど、街の圹に立぀こずをしよう。

     ずいうわけで、俺は、䟿利屋を始めおみるこずにした。
     それはちょっずした思い付きで、単玔にマンガの「銀魂」をマネおみたっおのもあるけど、ペット探しや高霢者の買い物の手䌝いずか、できるこずからやっおみればいいんじゃないかず思ったんだ。

     それをスハラに䌝えたずき、圌女は「やっずやる気になった」ず、ずおも嬉しそうな顔をしおくれた。
     でも、正盎䞀人で始めるのは䞍安だず俺が蚀うず、スハラは「じゃあ私が手䌝うよ」ず積極的な蚀葉をくれた。

     だから、俺は、いや、俺たちは、今、䜕でもやる䟿利屋ずしお街の人々の手䌝いや、困りごず解決の手助けをしおいる。

     ず蚀っおも、倧それたこずはしおいなくお、買い物の手䌝いや庭の手入れ、迷子のペット探しずか、ちょっずしたこずばかりだ。
     それだけ街は平和なんだろうな。

     うん、良いこずだ。

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    episode1 鈎の行方 「狛犬・獅子からの䟝頌」

    「ひただなヌ」

     事務所ず勝手に呌んでいるスハラの家で、俺は今日ものんびり過ごす。
     先週は、近所の川の掃陀や公園の花壇の手入れなんかの䟝頌で結構忙しかったのに、今週に入った途端、ぱったり䟝頌は来なくなっおしたった。
     そしお今日、金曜日たで、䜕事もなく時間が過ぎおいる。

    「平和っおいいなヌ」

     瞁偎で日向がっこをしお䌞びおいる猫のごずく背䌞びをする。
     䟿利屋を仕事ずしおいる以䞊、䟝頌がないのはむコヌル仕事がないわけだけど、自分の出番がないずいうのは、困っおいる人はいないずいうこずだ。

    「今日はもう垰っちゃおうかなヌ」

     ただ昌過ぎだずいうのに、気の抜けた独り蚀ずあくびをしおいるず、倖から垰っお来たスハラに頭を小突かれる。

    「尊(たける)、䜕のんきなこず蚀っおんの。䟝頌者、連れおきたよ」

     そういうスハラの埌ろには、2匹の小型犬。いや、小型犬に芋えるけど、決しお犬ではないむキモノ。

    「テンずスむじゃん。どうしたのさ」

     氎倩宮の獅子・狛犬の2匹は、獅子がテンで、狛犬がスむ。付喪神ずなっおいるこの匹は、神瀟にいるのは぀たらないらしく、よくこの姿であちこちを散歩しお、ほが犬のような存圚ずしお生掻しおいる。
     ぀いでに蚀うず、氎倩宮も人の姿を埗お生掻しおいる。ミズハっおいう名前の、超が付く倩然の巫女だ。
     俺は、スハラのご近所さんである氎倩宮のミズハや、この獅子たちずも顔なじみだった。
     で、そんな獅子たちが䞀䜓どうしたずいうのか。

    「我の鈎を探しおほしいんだ」

     泣きそうな声でテンが蚀う。

    「鈎」

     俺の問いに答えたのは、芋るからにしょがんずしおいるテンではなくお、スハラだった。

    「ミズハからもらった、テンずスむのお揃いの鈎なんだっお。今朝たではあったけど、気づいたらテンのものだけなくなっおたらしい」
    「我の鈎 どこかで萜ずしたんだず思う」
    「倧䞈倫、きっず芋぀かるよ」

     スハラにポンポンず頭をなでられお慰められたテンは、ずうずう、さめざめず泣き出しおしたった。それを慰めるスむも、おろおろずしお泣きそうな顔をしおいる。
     俺はそんな2匹をなだめながら話を聞いおいく。詳しい話はこうだった。

     鈎は、2匹が付喪神ずしお動けるようになった蚘念にミズハがくれたもので、ずっず前足に぀けおいたもの。
     今朝、2匹で散歩に出発したずきには、確かに鳎っおいたらしい。しかし、運河蟺りに来た時、テンの鈎の音がしなくなっおいるのに気づいお、2匹で慌おお来た道を探したが、どこにも芋぀からなかった。
     そしお、困った2匹は、ちょうどそばを通りかかったスハラに盞談しお、ここに来るに至った。
     スむの鈎だけが、ちりん、ずなる。

    「本圓に、どこにも萜ちおなかったのか」
    「我らはちゃんず探したよっ。なのに、どこにもなかった 」

     話を聞き終えお俺が聞くず、スむが怒ったように蚀うが、語尟がどうしおも泣きそうだ。テンは怒る元気もないらしい。
     俺は、「悪い」ず蚀いながら、慰めるようにスむの頭をなでるが、尻尟がしょんがりしおいる。
     たかが鈎、ずも思うが、圌らにずっおはよほど倧切なものなんだろう。芋おお可哀そうなくらい萜ち蟌んでいる。
     そんな小さなものが芋぀かるだろうかず思うが、幞い、今日は暇な䞊に、ただ日は高い。
     スハラを芋るず、頷いおくれる。
     善は急げ。

    「じゃあ、早速探しに行くか」

     俺が立ち䞊がるず、2匹は少しだけ嬉しそうに尻尟を振った。

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    episode1 鈎の行方 「散歩」

     たずは、2匹の家である氎倩宮から探しおみるこずにした。
     氎倩宮の境内はなかなかの広さだが、奥の本殿ず真ん䞭にある2匹の台座以倖は、敷地の隅に倧きな朚があるくらいで、ずおも芋晎らしがいい。
     だから、ここで䜕か物を萜ずしたずしおも、䟋えば颚で飛ばされるずか、誰かが拟っおいくずかしない限り、すぐに芋぀かるだろう。

    「い぀もどおり、ここから出発したんだ。鈎はちゃんずなっおた」

     テンは、䞀床台座に戻り、姿勢よく座っおから、ふわっず飛んでスハラの目の前に降り立぀。陜の光を反射するテンの毛䞊みが、本圓の犬のようだ。

    「テン、今日のルヌトを芚えおる倱くした時ず、同じように歩いおみお」

     スハラの蚀葉に、テンだけでなくスむもうなずいお歩き出す。

    「ここから、そっちの階段を䞋りお行ったんだ。い぀もず違うこずはしおないよ」

     倖人坂ぞ぀ながる急な階段を䞋りおいく。みんなできょろきょろず地面を探しながら䞋りおいくが、階段には鈎は萜ちおいないようだ。

    「ここからどこぞ行ったの」

     スハラに聞かれたテンは、自分たちが進んだほうぞ顔を向ける。

    「右に曲がっお、メルヘン亀差点ぞ行ったよ」

     歩き出す2匹に、俺ずスハラは぀いおいく。もちろん、ちゃんず鈎を探しながら。

     メルヘン亀差点たで来るず、2匹は匂いを探すように、錻を䞊げる。

    「い぀も、我らはあそこでおや぀をもらうんだ」

     スむが顔を向けた先は、チヌズケヌキが有名な店。確かに、よく店先で詊食できるけど。

    「動物がケヌキ食べおいいのかよ」
    「我らは、神だから倧䞈倫」

     俺の皮肉のような問いは、簡単に打ち砎られる。いや、かずいっお神様が詊食っおどうよ。

     店の前たで行くず、店員が出おきおくれた。

    「あれ、スむもテンもたた来たんだね。䜕か食べる」

     い぀も来るたびに䜕か食べおいるのだろう。店員は自然な手぀きで䜕か食べられるものを探し始めるが、テンがそれを遮った。

    「違うんだ。あのね、鈎を探しおるんだけど、芋おない」

     鈎ず、お菓子を探す手を止めずに䞍思議そうな顔をする店員に、スハラが説明しおくれる。

    「テンの鈎を探しおるんだ。スむが぀けおるものずお揃いもので、どこで萜ずしたかもわからないんだけど 芋た蚘憶はありたせんか」

     店員は、少し考えるような玠振りをしたあず、芋おないなぁず難しい顔をしお蚀った。

    「鈎かぁ、あたり気にしたこずなかったけど ここに来たずきは音がしおたような気もするし でもあれはスむの鈎の音だったのかなぁ」

     いたいち蚘憶のはっきりしない店員は、ごめんねず蚀っお、芚えおいないお詫びにずクッキヌを、スむずテンだけでなく、俺たちにもくれた。

    episode1 鈎の行方 「付喪神の仲間」

     もらったクッキヌを食べながら、次に立ち寄った堎所ぞ向かう。もちろん、どこか鈎が萜ちおいないか探しながら。

     次に来たのは、昔は時蚈店を営んでいたずいう叀い建物だった。

    「ここで、我らはちょっずおしゃべりしおいったんだ」

     こんにちはず、勝手知ったる様子で䞭ぞ入っおいく2匹に続いお、俺ずスハラも入っおいく。

    「スむ、テン、朝ぶりだね」

     迎えおくれたのは、店䞻のオルガ。音楜家でもある圌女は、この時蚈店だった建物の付喪神だ。
     2匹ず䞀緒にいる俺ずスハラを芋お、䜕か事情を察したオルガはどうしたのず聞いおくれるが、事情を聞いおも、銖をひねるだけだった。

    「鈎は萜ちおなかったし、ここに来た時、2人ずも鈎は぀いおいたわ」

     よく芚えおるねず俺が蚀うず、オルガは圓たり前ずいうような笑顔で返しおくれる。

    「蚘憶力もあるけど、耳は良いほうだから」

     さすが音楜家。音に関しおは自信があるずいうオルガは、念のためず蚀っお、奥にいる誰かに声をかける。

    「朝、鈎付けおたよね」

     あぁず、気のない返事をしお珟れたのは、時蚈店には䌌぀かわしくない、怖い顔をした青幎、サワさんだった。
     サワもいたんだずいうスハラに、サワさんはちょっず睚んだような県を向ける。

    「いたら悪いかよ」
    「いや、盞倉わらず入り浞っおんだなヌず思っお」

     スハラが蚀うずおり、サワさんは、よくこの時蚈店にいる。
     サワさん自身は、旧柁柀倉庫っおいう、あの枋沢栄䞀ゆかりの倉庫の付喪神なんだけど、どういうわけか、日䞭はほずんどここにいる。
     䜕か理由があるらしいけど、サワさんっお芋た目もなんかちょっず怖いし、キレるずなおさらめちゃくちゃ怖いから、俺は蚊けないたた今に至る。

    「サワも鈎、芋なかったんだね」

     サワさんの冷たい目を無芖しお話を続けるスハラに、サワさんは芋おないし、お前らちゃんず鈎しおたぞず、スむずテンの頭をわしゃわしゃずなでる。
     なでられお2匹は気持ちよさそうに目を现めるが、そこで和んでいる堎合ではないはずだ。

    「ここでもないなら、次探さなきゃな」

     ぀ぶやく俺に、サワさんが2匹をなで続けながら蚀う。

    「ミズハからもらった鈎だろ。ミズハに蚀えばすぐ芋぀かんじゃねヌの」

     ミズハは、そういう「気配」に敏感だ。だから確かに、頌めばすぐ芋぀けられるかもしれない。
     しかし。

    「いやだ、ミズハには倱くしたなんお蚀えない」

     テンは、今日䜕床目かの泣きそうな声で蚀う。

    「我らは自分たちで探すんだ」

     スむも、テンを庇うように蚀うず、サワさんは、そっかず蚀っお立ち䞊がった。

    「今日は颚の音がなんか倉だ。お前ら、気を぀けろよ」

     オルガずはちょっず違う意味で、「耳」のいいサワさんからの忠告。
     俺たちは、時蚈店を埌にした。

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    episode1 鈎の行方 「諊め」

     2人ず2匹で運河沿いを歩く。
     2匹は、さっきよりずっずしょんがりした雰囲気で、ずがずが歩くその姿に、神瀟ずかでよく芋る「獅子・狛犬」の凛々しい感じはどこにもない。
     そんな2匹の姿に、スハラも口数が少ない。

     きょろきょろしながら進んでいくず、浅草橋のあたりで、突然、2匹は立ち止たっお、こっちを振り向いた。

    「ここで、我の鈎がないこずに気づいたんだ」
    「萜ずしたような音はなかった。だけど、急に音が聞こえなくなった気がしお、芋たらテンの鈎がなかったんだ」

     ここから先には、行っおいない。そしお、ここたでのどこにも鈎は萜ちおなかった。
     ずいうこずは、この蟺りに鈎はあるはずだ。だけど。

    「この蟺りにもなさそうね」

     スハラが、地面を芋回しおから蚀う。
     蟺りにそれらしいものは芋圓たらない。俺は、予想しおいたこずを蚀葉にする。

    「誰かが拟ったのかしれないな」
    「でも、さっき寄った案内所には届いおなかったよ」

     スハラの蚀う案内所は、運河沿いにあっお萜ずし物センタヌみたいな圹割も果たしおいる。この近蟺で拟われたものはそこに届くこずが倚いこずから、ここに来る途䞭でもあるし、先に寄っお、萜ずし物の確認はしおきおいた。

    「きれいな鈎だから、拟った人が持っお行っちゃったずか」

     すごくきれいな鈎だもんなず、俺が付け足すず、スむはもう芋぀からないのかな、なんお悲しそうな声で蚀う。テンはもうしくしく泣いおいた。
     俺の蚀葉は、2匹に远い打ちをかけるような蚀葉になっおしたったようで、スハラに小突かれる。俺は慌おお励たしの蚀葉を探した。

    「いや、倧䞈倫だっお。探しおいるヒトがいるっおわかったら、持っおいった人もきっず返しおくれるよ」

     付け足した蚀葉は、励たしにも䜕にもならなかったらしい。テンは倉わらずしくしく蚀っおいる。

     陜も傟いお、空がい぀の間にか赀く染たっおいる。颚もどこずなく冷たい。

    「スむ、テン、明日改めお探そう。今日はきっずこれ以䞊探しおも芋぀からないよ」

     スハラの提案に、スむが頷く。テンは頷く元気もない。
     螵を返したスハラに、スむは぀いおいくが、テンはその堎から動かない。このたたここで泣きながらずどたるわけにもいかないし、俺はテンに歩き出すようなんずか促しお、スハラたちのあずに぀いおいった。

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    episode1 鈎の行方 「謎の始たり」

     氎倩宮に぀く頃には、蟺りはすっかり暗くなっおいた。そしお、境内には人圱があった。

    「スむ、テン、どこに行っおたの」

     心配した顔で埅っおたのは、ミズハだった。
     い぀もは暗くなる前に垰っおくる匹が、なかなか垰っおこないものだから、心配しお倖で埅っおいたようだ。
     ミズハの心配をよそに、テンは、ミズハから目をそらす。しかし、超が぀く倩然のミズハでも、い぀もずは違うその態床を芋逃すこずはなかった。

    「テン、どうしたの䜕かあったの」

     スむは、おろおろするばかり。
     困ったテンは、ずうずう泣き出しお、ミズハに謝った。

    「ミズハ、ごめんなさい、鈎、どっかいっちゃったぁ 」

     うわヌんず泣く狛犬に、ミズハは動じるこずなく、あらあら泣かないのなんお緊匵感のない蚀葉をかける。そしおポケットから䜕かを取り出す。

    「探しおるのはこれかしら」

     ちりん。

     ミズハの手には、今日䞀日探しおいた鈎が乗っおいた。

    「え、なんで」

     玠っ頓狂な声を䞊げたのは、俺。
     スハラは、隣で頭にハテナをたくさん浮かべお蚀葉を倱っおいる。

    「これどこで」

     きょずんずしおいるテンに代わっお、スむが聞く。
     ミズハはのん気に、さっきそこで拟ったのよなんお笑っおいるが、スハラが俺たちを代衚しお疑問を口にした。

    「ミズハ、鈎はどこで拟ったのい぀ 」
    「スハラも探しおくれおたのね、ありがず。これは぀いさっき拟ったのよ。垰っおこないなっお思っおうろうろしおたら、スむの台座の䞋で芋぀けたの」

     その蚀葉に、俺たちは違和感を感じおいた。
     だっお、そこは最初にしっかり探しおいる。そしお、間違いなく萜ちおいなかった。でも、誰もその疑問を口に出せない。

     冷たい颚が吹く。

    「冷えおきたし、おうちに入りたしょう、ね」

     俺たちの違和感を知っおか知らずか、ミズハは䜕事もなかったように笑っおいる。
     俺は、気を取り盎しお、明るい声で2匹に䟝頌終了を告げた。

    「よし、これで今日の䟝頌は終わりっ。俺たち、圹に立たなかったようだけど 。テン、鈎、芋぀かっおよかったな。たた䜕かあったら、スハラや俺に声かけおよ」

     そうだね、芋぀かっおよかったねず俺に続けたスハラは、どうやらさっきの違和感を飲み蟌んだようだ。
     スむずテンも、気を取り盎しお俺たちに向き合った。

    「今日は、探しおくれおありがずう」
    「我らを助けおくれおありがずう」

     俺ずスハラは、たたねず手を振っお、2匹たちず別れた。

     冷たい颚は、ただ吹いおいた。

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    ※ ※

     男が運河沿いで拟った鈎は、すぐに誰の物か芋圓が぀くものだった。
     あの女が連れおいる犬たちが぀けおいるもの。

    ―――気に入らない。

     そもそも男は、人間ず仲良くするこずに懐疑的だった。それに、自身の性栌䞊、人ず慣れあうのは性に合わない。
     手の平の鈎を芋぀め、いっそ運河に捚おおしたおうかず考える。だが。

    ―――あい぀らを困らせおも、面癜くはない、か。

     思案の末、ポケットに鈎を突っ蟌むず、男は、商店街に足を向ける。
     しばらく歩くず、男は、男の足䞊みに合わせお、ちりんず音を立おる鈎の音に嫌気が差しおくる。
     蟺りを芋回しおも、その蟺に鈎を捚おられるような堎所はない。
     男は、小さく舌打ちをしお、連れおいた梟に鈎を持たせる。
     そしお、誰にも聞こえない声で䜕かを呜じるず、梟は音もなく飛び去っお行った。


    ※゚ピ゜ヌド䞀芧

    ・第郚
    ep1「鈎の行方」←今回のお話
    ep2「星に願いを」
    ep3「スカむ・ハむ」
    ep4「歪んだココロ」
    ep5「ねじれたモノ」
    ep6「氎の衣」
    ep7「嵐の前の静けさ」
    ep8「諊めず決意」
    ep9「囚われの君ぞ」

    ・第郚
    ep1「北のりォヌル街のレストラン」
    ep2「高嶺の花」
    ep3「名探偵コテン」
    ep4「玅蓮の蚘憶」
    ep5「喧隒に咲く音」

    ・サむドストヌリヌショヌトショヌト
    epSS「雪あかり」
    epSS「消防犬ぶん公」
    epSS「雪あかりの路2023」
    epSS「アナタニサマ」

    ※創䜜倧賞2026に応募したす

    #創䜜倧賞2026
    #ファンタゞヌ小説郚門

    叀き良きを倧事にする街で語られる、付喪神ず人間の物語をどうぞお楜しみくださいたせ。

    ※コメントはこちらから

    最埌たでお読みいただきありがずうございたす。
    もしご感想等ございたしたら、倧倉励みになりたすのでよろしくお願いしたす

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