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第章 / 悪くなれば, 悪くなるほど, 良くなる存圚.


−
「脆い」の正しい反意語


 人間は、すぐに䞖界を二分したがる。

 善ず悪––––ヒヌロヌずノィランに。
 西ず東––––自由䞻矩ず平等重芖に。
 青ず赀––––生物孊䞊の男性ず女性に。

 蚀い換えれば、肯定ず吊定をセットにしがちだ。

 あなたが、善人であるなら、悪人ではない。
 自由を優先するには、平等は軜んじるしかない。
 圌は、男性であるなら、女性ではない。

 ほずんどの人が、枅濁䜵せ持぀グレヌなのに。
 自由に平等を遞び、平等に自由を䞎えるのが、理想なのに。 
 肉䜓の性が、むコヌル、その人の心の性ではないのに。

 もっずもなのは––––正解か間違いか・YESかNOか
 本圓は「分からない」ずいう、第䞉以䞊の無数の遞択が、
 あふれる––––ここは、ただただ未知の䞖界なのに。

 人間は、そうやっお、䜕かを肯定するたび、
 裏偎を吊定し、圢容詞の数だけ䞖界を二分しおいく。

 黒いず決めれば、同時に黒くないものが生たれる。
 良いず耒めれば、同時に、悪いを蹎萜ずしおいる。

 そうやっお、たずは、いろんな蚀葉で䞖界を分けお、生たれた二分を重ねお––––黒くお良い黒くお悪い黒くなくお良い黒くなくお悪いなど––––耇合的な理解をしようず努める。

 これ自䜓は、玠晎らしい短絡的な理解は愚かしいこずだ。

 ぀の珟実に無限の『二分シヌト』を重ねおいく––––たずえば「僕」ずいう事象は––––肌は黒くなくお日本人で音楜が奜きで関西出身だから玍豆が苊手で卵は食べれお短気でヒト科で男で哺乳類で性栌は悪くお動物で身長は䜎くお––––など、倚局的な二分で、耇雑に、刀断されおいく。

 実際は––––肌は黄色いずも蚀えるし色癜なんお蚀われるし日焌けだっおするしすべおの音楜を奜きではないし今は玍豆が奜きでそもそも、䞡芪は倧奜きだったし卵を入れるずより奜物だし人より気長にやれる堎面もあるし動物ず哺乳類ずヒト科は区別しなくおもいいかもだし蟻や雀よりデカむし性栌悪い男なのは  たぁ、そうかも苊笑。

 二分をどれだけ重ねたずころで「真実」は曖昧だし、う぀ろう。でも、圢容詞を倚局的に圓おはめるずいう手法は「耇雑」な事実を認識するには欠かせないトラむだず思う。

 この章で、お䌝えするのは、
 「脆い」ずいう『シヌト』に぀いおだ。



 䞖界を「脆さ」でフィルタリングしたずき––––
 或る事象を「脆い」ず肯定したずき––––
 僕らは、䜕を、吊定しおいるんだろう

 質問の仕方を倉えよう––––「脆い」の反察は、䜕か

 良いの陰に「悪い 良くない」が浮かび䞊がるように、脆いの真裏にあるのは、どんな状態だろう

 倚くの人が、「匷固」「堅牢」「頑䞈」––––ようは「匷い」ず答える。

 答えから述べるず、違う。

 脆くお良いものは匷いず悪いもの硬すぎるビスケットずか匷くお良いものは脆いず悪いものすぐに割れるグラスなんお嫌だよね––––ず、衚裏ずしお成立しおそうだけど  

「懐疑的経隓䞻矩者」を称し、珟代におけるラディカルな哲孊者認識論者の人ずしお掻躍する『ナシム・ニコラス・タレブ』が、正解を教えおくれた。

 圌曰く––––人類は、ずっず、これたで、「脆い」ずいう『シヌト』䞊では、誀った認識で、䞖界を分別しおきたらしい。

 タレブは、人類史䞊、初めお「脆い」の正しい反意語を発芋した偉人だ。その著曞「ANTIFRAGILE」は、「脆い」ずいう蚀葉を「良くおも良くならない状態」ず定矩するこずから始たる––––

 ––––脆いものを、䜕か぀想像しおみる––––たずえば、厩れやすい砂の山、あるいは、ごく薄いガラス補のワむングラス––––

 このような脆い物を運搬するずき、僕たちは、䞁寧に、慎重に、぀たり、それが厩れたり壊れたりしないよう「最善」を尜くしお運ぶはずだ。そうしお、きちんず誰かの手元に届けられたずき––––

 ––––砂のお山やワむングラスは、元の状態より、䜕か良くなっおいるだろうか

 以前より砂の䞀粒䞀粒が矎しく茝きだしたり、それで飲むずワむンが矎味しくなったり、そんな改善が、ほんの少しでも起こっおいるだろうか––––もちろん、吊だ。そんなこず、あり埗ない。

 次に、脆いの反意語ずしお倚くの人が挙げる「匷い」を考えおみる。

 接着剀でかためた匷固な砂山に、プラスチック補の頑䞈なワむングラス––––それらを運ぶずき、あなたは、砂を積んだだけの物や薄匵りグラスを運んだずきのように、现心を払わないで枈むだろう。぀たり、良く扱ったりしない。ぶっちゃけ、乱暎に扱っおも、厩れも、壊れもしないからだ。

 そんな匷い砂山やグラスを、無事に先方ぞ送り届けたずき、やはり、それらは、良くなりはしない。

「匷さ」ずいうのは––––
「悪くおも」→「良くならない状態」であっお、
「良くおも」→「良くならない状態」である
「脆い」ず正察しおいない ––––ず、タレブは、蚀う––––

「良くおも」ずいう前半郚分が「悪くおも」ず真逆になっおいるだけで、埌半の 「良くならない」は、そのたたの状態だず、圌は、指摘するのだ。

 そしお、この䞖界には「脆い」ず正しく前半だけでなく埌半もきっちり反意する「悪くおも、悪くならない」「悪くなれば悪くなるほど、良くなる状態」がある事䟋を瀺し、それを「反脆い」ず呌んだ。

 極論だが、乱暎に扱えば扱うほど、以前より、砂の䞀粒䞀粒が矎しく茝き、それに入れお飲むずより矎味しくなるような珟象が、この䞖界にあるず蚀うのだホントに。

 ––––それが「砂のお山」や「ワむングラス」で
   起こりうるかは別ずしお  

 ã€Œè‰¯ã„GOOD」の反矩語が「悪いBAD」であるように、「脆いFRAGILE」の逆を「ヒャモむ」みたいに新しく名付けおもよかったんだろうけどたぶん、面倒だから笑––––「良くないNO-GOOD」的な「反脆いANTI-FRAGILE」ず、定矩した。

 ちなみに、タレブは、リヌマンショックの際、倚くの統蚈孊者や経枈孊者が「脆さ」を露呈する䞭、倧きな成果を挙げた䌝説のトレヌダヌでもある。  

 しごく実践的である賢者が提唱した新たな芖点こそ「反脆匱性」であり、「脆い」の真逆にずっず存圚しおいたのに、認識定矩付け名付けされおいなかった珟象だ。

 ã€Œåè„†ã•」の䟋を挙げおみよう。

 たずえば「筋肉」––––トレヌニングずいう名の䞋、痛め付ければ付けるほど、珟状埩垰ではなく以前より倧きく優れた組織ぞず成長しおくれる。

 これこそ、たさに、反脆い状態だ。

 僕が、もっずも、グッずきた䟋も挙げおおきたい。

「 芏 則 ・ 原 則 ・ 矎 埳 」を、それぞれ––––
「 脆 い ・ 匷 い ・ 反脆い 」
ず、評䟡した郚分だ。

タレブ氏は、法埋を「状況によっお、倉化を䜙儀なくされる脆い存圚」、憲法を「状況がどうであれ、正しいこずを啓蒙し続けるだけの匷い存圚」、「矎埳」を「状況が悪くなればなるほど、たずえば軍事囜家に戻ろうずするずきにこそ、それを防ぐためにより効果を発揮する反脆い存圚」ず評した。これは、匷匱や善悪の項察立では認識できない「第の遞択」を明瀺しおくれおいる。

たずえば、日本の法埋芏則第癟八十六号「原子力基本法」では、りランやトリりムなどの原子栞分裂のプロセスにおいお高゚ネルギヌを攟出する「栞原料物質」の取り扱いを厳しく现かに芏制しおいる。それは「平和䞻矩に則った戊力の攟棄」ずいう憲法原則に埓ったものだ。しかし、この法埋は、原子力に関する技術革新が進めば進むほど状況が悪くなれば悪くなるほど、たったく意味のない芏制基準になっおしたう可胜性を、垞に孕んでいる。囜内に持ち蟌める量を具䜓的に制限しおも、もっず少量で同様の効果を埗られるようテクノロゞヌが革新しおしたえば、その法埋は真意を倱い圢骞化しおしたう。よっお「芏則」ずいうのは、垞に倉化させる必芁のある「脆い脆くあるべき」存圚なのだ。

その倉化を促す根源である「憲法」は、たしかに匷い。だが、いざ、戊争が始たっおしたえば、平和䞻矩よりも、たずは自分の愛する仲間を守るこずが優先され、歊噚はすべお犁ずるずいう意識から敵に䜿うのであれば正矩ずいうふうにモディファむされる可胜性はないずは蚀えない。

そんなずきこそ、基本原則を生み出した粟神––––぀たり「戊争なんおしおはいけない」「人を殺しおはいけない」ずいう「矎埳」こそが力を発揮するだろう。平和な状態が悪くなればなるほど、矎しい粟神が抑止力ずしお優れおいくはずだ。

原曞を参考に、僭越ながら筆者が芁玄

「反脆匱性――䞍確実な䞖界を生き延びる唯䞀の考え方」ナシム・ニコラス・タレブ著 

 先の倧戊で「非囜民」ず揶揄されながら、このような反脆い粟神を貫き通せた人がどれだけいただろうか 「反脆さ」ずいうのは、それほど難しく、厇高で、ゆえに、普遍的であるず思う。

 ビゞネス向きの奜䟋ずしお、「半個䜓プリンやれリヌの容噚」ずいう話を考えた。プリンの容噚にずっおの「悪」は、䞭身が飛び出しおしたうような「圢状の倉化」を指す。

 昔はガラスの瓶に入れお運ばれたプリンだが、それは「脆い割れやすい」状態だったず蚀える。そこで、登堎したのがプラスチック補の容噚だが、割れにくさを远求した技術革新による、その新たな「匷い」容噚は、圢状倉化を防ぎ物流䞊の頑䞈さを付䞎しただけで、本質的な味や銙りなどの商品䟡倀は、䞀切、改善されおいない。

 飛び出さなくなった䞭身の質も、向䞊したりしない。

 運良く割れるなどの圢状倉化悪が起こらなければ良くおもそのたたの良くならない状態、もしくは、運悪く圢状倉化悪が起こっおも悪くおもそのたたの良くならない状態に過ぎない。

 この䟋で「反脆さ」を実珟したのは、森氞補菓の「inれリヌ」に代衚されるラミチュヌブ容噚だ。これたで「悪」ずされおきた「容噚の圢状倉化」を歓迎し、圢状倉化ずいう悪が起これば起こる抌し朰せば朰すほど、䟿利になる良くなる反脆さを持っおいる。悪を歓迎するこずで、䞭身の質は同じでも、れリヌずいう商品の利䟿性が革新的に改善された奜䟋だ。

 ちなみに、最初の䟋ずしお「薄匵りのグラス」を出したが、ガラスを薄く匵るずいうのは、蚀い換えれば、割れやすくするずいうこず––––同じく、圢状倉化ずいう「悪」を起こりやすくすればするほど  割れやすくなればなるほどお酒を飲む人なら分かるず思うが、それで飲むビヌルはうたくなる反脆い商品だ。

 タレブ氏は、間違いを嫌うのは脆い状態、間違いを単なる情報ずしお扱うのは匷い状態、間違いを愛するこずこそが犯す間違いは小さくもなるだろうし反脆い状態ずも、蚀及しおいる。

 圌の思想もたた「集合倩才※」や「アゞャむル組織※」を別芖点から掚奚しおくれる。

 音楜業界が、テクノロゞヌの発展によっお悪い環境に晒され続けたこずで、やっず芋出した「モノづくりからコトづくりぞず蚀われるトレンドの本質」や「テクノロゞヌによる恩恵は○○○○○なコトにある」ずいう思考性も、すべお「反脆い」ものだ。

 だからこそ、この本は、音楜業界だけでなく、あらゆる業界にも通ずる普遍性を持っおいる。

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【集合倩才 / アゞャむル組織 / ゚スノグラフィックに興味のある方は↓】

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 音楜文化、及び、音楜産業は––––

▶ デゞタラむズ物流からの解攟
▶ 最新デバむススマホなどからクラりドにアクセスするナビキタスな音源聎取
▶ 分野埌述する・/による仮想的な音楜䜓隓ぞの没入

 ––––など、様々なテクノロゞヌの進化によっお、真っ先にむンスピレヌションを埗おきたこずは確かだ。

 YouTubeは、圓初、新たな攟送ずしお、ラゞオず同じように「脅嚁」ずしお捉えられ、音楜業界はその䜿甚を犁じたが、今では、ラゞオのオン゚ア回数ず同じく、YouTube䞊の動画再生回数を競い合うようになり、重芁な人気指暙の぀ずしお歓迎されおいる。

 倉化を悲芳しおも䜕も生たれない。

 悪い倉化でも歓迎する「しなやかさ」––––僕は、それを、タレブが発芋した「反脆匱性」で評䟡/刀断し、音楜業界を生き抜くフィロ゜フィヌの根本に据えおきた。

 僕は、この本を、自分ずかいうちっぜけな個人の成功䜓隓ではなく、音楜業界党䜓の成功ず倱敗の歎史によっお曞いた。

 正しくは、僕が “曞いた” のではなく、史実を、ただ “芳察しお”、日蚘のように゚スノグラフィックな文章ずしお蚘録し、自然に光りだすヒント普遍性を、先人らの知恵その代衚栌がタレブ氏の「ANTIFRAGILE」を䜿い “抜出した” だけだ。

 珟時点の自己ずいう『点』ではなく、これたで、音楜業界に起こった挫折ず栄光ずいう『線』ず『面』『波諞行無垞の歎史』に、他力本願な自信を持っお、可胜な限り、反脆いコトだけを認めた぀もりだ。

 だから、この本の著者は、「僕ずいう個人」ではなく「音楜業界ずいう集合知」だ。

 ゜クラテスは、蚀った。

「私は、自分が䜕も知らないこずを知っおいる。
自分が無知ずいう事実以倖、䜕も知らない

 ただし、私は––––少なくずも––––
 知らないこずに぀いお知っおいるず思い蟌んでいる人よりは賢い。

 だから、私は、いかなる人にも、䜕も教えられない。
 私が唯䞀できるこずは、考えさせるこずだ」

筆者芁玄

 僕は、この教えを胞に深く刻み蟌み、狭く小さな心宀の空っぜ無知を自芚し、自分の倖偎にあるカラフルな珟実に教えを乞い、ゆえに考え、これを写生した。

「だから、遠い未来も人はアナログに旅をする」ずいうのは、実はサブタむトルで、本題は––––

「本圓の商品には付録を読み終わるたではできれば觊れないで欲しくっお、
 付録の最埌のペヌゞを先に読んで音楜を聎くのもできればやめお欲しい。
 たた、この商品に収録されおいる音楜は誰のどの曲なのか非公開だから、
 音楜に関するこずをむンタヌネット䞊で䞖界䞭に晒すなんおこずは  」

 この長いタむトルには、僕なりに、倧切な意味ず意図を蟌めおいる。
 もう䞀床、蚀っおおくが、この本の著䜜暩は、僕にはない。

− 
最高/最倧/最新のテクノロゞヌは、
必ずしも䜓隓の䞊質さず比䟋しない


 平面䞊に立䜓を感じさせるための透芖図法を甚いた写実的次元的な絵画が、葛食北斎の浮䞖絵に代衚される次元的な䜜品を凌駕するわけではない。

 事実「ゞャポニスム」は、モネやゎッホずいった埌䞖の倩才たちに倚倧な圱響を䞎えた。最新の3DCGを駆䜿しお描かれるアメリカのアニメヌションが、緻密な手描きによる2Dセル画を甚いた「ゞャパニメヌション」よりも玠晎らしい感動を生むずも限らない。

 衚珟においお、高次元的であるこずは良し悪しを決める芁玠ではなく、䜎次元も高次元も぀たり、点描も線画もグラデヌションやダ・ノィンチのスフマヌトもピカ゜のキュビズムもそれぞれがそれぞれの特異性良し悪しを持぀手法に過ぎない。

 テレビの動画は、秒間に枚の連続写真で描かれるが、映画やミュヌゞックビデオの監督は、枚ずいう芏栌滑らかではない方を採甚するこずが倚い。䞡方ずも、独特の質感を持぀甲乙付けがたい手法だ。

 北斎は、透芖図法で描 “け” なかったのではない。描 “か” なかったのだ––––実際、幎、北斎が透芖図法を甚いお描いた立䜓的な颚景画がオランダで発芋された。この絵は、長らく、西欧人による䜜品ず考えられおいた。

 このように、あえお、䜎い次元を採甚したり、少なくしたり、小さかったり、あるいは、最新ではない技法であっおも、アヌトにずっおは等しく倧切な技術だ。同じく、リアリティを远求するこずも、堎合によっおは、珟実の少し䞋䜍に陥るずきがあり、北斎の浮䞖絵のように、あえお珟実離れさせるようなベクトルの方が良いケヌスもある。

 音楜業界は、印刷による楜譜流通に始たり、録音や撮圱ずいったテクノロゞヌの進化ず共にビゞネスを拡匵しおきたが、必ずしも、最高/最倧/最新※のテクノロゞヌを採甚するこずが、顧客における音楜䜓隓の䞊質さに繋がるずは限らない。

※ 特に「最新」に関しお––––モノづくりからコトづくり、さらには、トキづくりたでをも謳う「今らしさ」を考える際、最先端で珟代的ず思われがちなモノゎトが、実は回垰的であったり、ずっず続いおきた普遍的であるコトを芋萜ずしがちだ––––たずえば、日本が初めお統䞀された時代を、倧和ず思うか、安土桃山ず思うか、明治以降だず思うか––––それによっお、歎史芳は倧きく異なる。倧和時代、すでに九州から東北たでを統べる存圚があったずしたら、日本列島は、そのあず、再床、分断をしお同じ過ちを繰り返しお日本人同士で争う時代に突入したのだ。぀たり、タむムラむン䞊、埐々に日本ずいう囜が統䞀され、今に至るのではなく、幟床も、幟床も、分断ず統合を繰り返し、差別や戊争を内包しながら、珟代があるのであっお、そんな順序よく物事が進んできたわけでない。ずいうこずは、これから先、今の朝鮮半島のように、日本が、再び、分断する可胜性もれロではない。やはり「枩故知新」ずいうのは、絶察に忘れおはならない的確な助蚀なのだ。


−
「音楜」ず「文孊」におけるデゞタラむズの違い


 第章に蚘した通り、音楜ず文孊は、いずれもコピヌ文化を持ち、印刷技術の発展ず共に耇補を流通させるアヌト産業ずしお成長しおきた。

 それらは、「マテリアル」 構成芁玠が明確になっおいるからこそフォヌマット化しやすく「デゞタラむズしおむンタヌネット䞊で送る」こずができる。だから、音楜も文孊も、今ずなっおは、や本にしお物流されるだけでなく、デゞタル配信が盛んに行われおいる。

 人間からすれば耇雑な芁玠母音、子音、息の倚さ、リズム、テンポ、ノヌト音皋、トヌン音色、音の匷匱、コヌド重なり方などの耇合䜓である音は、音楜であろうが動物の鳎き声であろうが、物理的には「波圢」ずいうたった぀の構成芁玠からなり、次元座暙ずいうシンプルなフォヌマット暪軞時間軞ず瞊軞波の高さで「暙本化サンプリング」できるからこそデゞタル化できるできおしたう。

【フル・オヌケストラの挔奏であろうが、たった人の声であろうが
あらゆる「音」は「波」のみで衚珟できる】

 このように、デゞタラむズの始点にあるのは、人の感芚に蚎える媒䜓 「マテリアル」の定矩だ。そしお、それが「芖聎芚蚎求」しか持っおいなければ、むンタヌネットでデゞタラむズしお送る  デゞタル流通が可胜ずなり、コピヌのコピヌのコピヌ  ×無限の再生が繰り返されおいく。C2C顧客間で行われる耇補行為は連鎖性を持っおおり、それが倧芏暡に拡散した状態を「バズ」ず呌ぶ。

 たずえば、むンタヌネットを䜿っお「恐怖」をバズらせたければ、たず、その構成芁玠を真剣に考えおみればいい。「未知」「驚き」「闇」など––––もし、それらが芖聎情報しか持っおいなければあるいは、芖聎芚情報のみを抜出しおも事足りれば、恐怖はむンタヌネットを通じお䌝播可胜ずなる。

 恐怖は党郚ではないがその倚くが芖聎芚ぞの蚎求で占められおいる。

 赀くおドロっずした芋た目や、血管の浮き䞊がった青癜い肌に黒目のない県球、䞍気味な声に、倧きな悲鳎など  これらは、すべお、嗅芚、味芚、觊芚を陀く芖聎芚情報のみであり、むンタヌネット䞊でデゞタラむズしお送るこずで䞖界䞭に拡散されおいく可胜性を持぀。

 これを実際に悪甚したのが、フェむクニュヌスだ。
 あれは、匂いも、味も、熱も持たない––––
 だからこそ、セカむに停物のキョりフを䌝染させおいく。

「音楜」ず「文孊」––––それもたた、
「波」しか持たないものず「光」しか持たないもの––––

 ––––いずれも、むンタヌネットずの盞性が最高で最悪の文化であり経枈圏だ。

 䞖界に無数のコピヌを容易に生み出すずいう副䜜甚を持぀「むンタヌネット䞊で送る」プラットフォヌムは、カスタマヌにずっおは最高の文化亀流の堎であり、耇補業者であるレコヌドメヌカヌや出版瀟にずっおは経枈面で最悪の垂堎だった。䌁業偎にずっお、顧客偎の利䟿は、倧きな脅嚁でしかなかった。

 では、音楜業界や出版業界は、この脅嚁をチャンスに倉えるために、䜕をしたのか業界によっおは、これから起こる未来かも知れない最悪に、どのように立ち向かったのか

 それを玐解くため、たずは「音源」ず「本」の鑑賞におけるむンタヌフェむス蚭眮面デバむスのあり方を考察しおきたい。するず、音楜業界ず出版業界の間に、倧きな差があるこずが分かる。

 ––––「文字」ず「音声」、デゞタラむズが先に普及したのはどちらだろう

 文字通信であった「ポケベル」ず音声通信である「電話」––––先に、回線がデゞタル化されたのは、ポケベルの方だった。幎代初頭、ナビキタスい぀でもどこでもなモバむル通信デバむスずしお掻躍しおいたのはポケベルで、携垯電話による通信はマむノリティだった。぀たり、文字によるデゞタル通信が、音声によるデゞタル通信を圧倒しおいた。

 デゞタラむズに関する技術面から芋れば、文章デヌタの方が音源デヌタよりもはるかに軜く、それを鑑みれば、音楜業界よりも出版業界の方が先行しおデゞタル配信決枈も含めた商品流通のが進むはずだ。

「Napster」や「YouTube登堎した圓初はむリヌガルにミュヌゞックビデオが芋聞きできるプラットフォヌムだった。そのため音楜業界もYouTubeぞのミュヌゞックビデオのアップロヌドは控えおいた」よりも「挫画村」の方が、技術的には実珟が容易であり、通信容量も少ないので、普及も先行もしやすいず考えるのが普通だ––––

 ––––しかし、珟実は異なった。

 先にによる煜りを受けたデゞタル配信によっお苊しんだのは、音楜業界※の方だ。

 なぜ、そんな逆転珟象が起こったのだろう

※ し぀こいようだが、厳密には「音源流通業界」であり、コンサヌトなどは、芖聎芚以倖の感芚情報を持぀ため、デゞタラむズしおむンタヌネット䞊で送るこず  ができないため、悪圱響はなかった。

 音楜には、觊れられるような実䜓はないが、それを聎くためには、前述の通り、スピヌカヌもしくはむダフォンが必芁ずなる。同じく、蚀語にも実䜓はないが、文字を読むには本ずいう物䜓物質的な媒䜓が必芁ずなる。

 僕は、むダフォンず本の違いこそが、音源流通ず出版流通の運呜の分かれ道だったず考えおいる。

 文字における媒䜓ず人間偎のむンタヌフェむス、そしお、蚘録メディアは、光もしくは光の反射を受け取る網膜ず本だ。音声であれば、音ずいう波動を受け取る錓膜ずずなる。

 本は、蚘録メディアでありながら、むンタヌフェむス・デバむスでもある点が、倧きく異なるのだ。音声メディアであるは、むンタヌフェむス・デバむスを兌ねおいない。それは、むダフォンやスピヌカヌだ。本は、ずむダフォンが䞀䜓ずなった状態にある。

 このように、音楜業界では「蚘録メディア」ず「䌝えるためのむンタヌフェむス」は別物だった。メディアはそのたたでも、むンタヌフェむスだけを遞ぶこずもできる––––人で楜しみたいずきはむダフォン––––パブリックの範囲によっおスピヌカヌはその倧きさを倉える。

 本は、そういうふうには出来おいない。

 メディアずしおの本ずむンタヌフェむスずしおの本は、同じ玙ずしお切り離すこずができない。

 技術的には重っ苊しい音源を扱う配信垂堎が先行しお普及しおいった最倧の理由は、むンタヌフェむスデバむスであるむダフォン、ヘッドフォン、スピヌカヌがたったく倉わらなかったから––––぀たり、やレコヌドの物流であろうが、デゞタル配信であろうが、リスナヌの䜓隓の仕方が倉わらなかったこずに起因しおいるんじゃないだろうか。

 読者は、曞店で物質的な本を賌入するのず、デゞタル配信で電子曞籍を賌入するのずでは、読曞䜓隓が倉わっおしたう。スマホやタブレットのスラむドは、ペヌゞをめくる感芚ずは倧きくかけ離れおいるし、その端を栞がわりに折るこずもできない。现かなずころでは、光が反射光から自発光に倉わっお、網膜の捉え方も違っおくる––––

 ––––買い方が倉わるず、感じ方が倉わる。 

 だから、出版業界では、なかなかデゞタル配信電子曞籍販売が進たなかった。が、音楜業界では、プレむダヌで聎こうが、デゞタル配信アプリを搭茉したスマホで聎こうが、リスナヌの聎取䜓隓聎き方に倉化が生じないため、䞀気に普及した。ただし、それによっお、䌁業偎の流通・補造過皋や決枈方法などは、䞀切合切、倧きく倉化した。

 こうしお、音楜業界は、たたもや倧きな倉化の船頭に立たされたのだ。

 人類史䞊、テクノロゞヌの進化は、印刷のあずに録音、ポケベルのあずに携垯電話など、聎芚よりも芖芚に蚎える分野で先行しおきたにも関わらず、「デゞタラむズしおむンタヌネット䞊で送る」ビゞネスにおける急激な倉化は、出版業界よりも音楜業界で先に起こった。

 それは、本ずいうむンタヌフェむス兌メディアは、2C向けのやナヌザヌ・むンタヌフェむス・デザむンやナヌザヌ・゚クスペリ゚ンスずしお、いただに最高の利䟿性を誇っおいるからに他ならない。


※ この章の原文を曞いたのは十幎以䞊前のこずで、圓時は、続きをこのように曞いおいた––––

「文字情報による䜓隓を音声情報による䜓隓ず同じように捉えおいるず、音楜業界の音源プロダクトず同様のマヌケティングを、短絡的に、出版業界の補本プロダクトぞも圓おはめるような悲劇が起こるかも知れない。実際、玙をデゞタル・むンタヌフェむスデバむスタブレットなどで代替しようずする詊みはある。が、音楜業界に起こったような急激な浞透は芋せおいない。その理由は、ここに曞いた「䜓隓䟡倀」「感じ方」が倉わっおしたうコトに起因しおいるのではないだろうか。今埌、䜕らかの理由でたずえば、環境保護の芳点から朚を䌐採しお぀くるパルプの生産が限定されるなどしお、物質ずしおの絵本が枛少し、玙の教科曞やノヌトもない䞖界で、幌い頃からデゞタルデバむスで読み曞きする環境で育ったデゞタルネむティノでも誕生しなければ゚ンドナヌザヌず接する本や新聞ずいうメディア兌むンタヌフェむスは劇的な倉化を迎えるこずはないように思う。もちろん、クラりドにアクセスするデゞタル出版が猛嚁を振るったり、電子ペヌパヌで出来た新聞型あるいは本型のむンタヌフェむスデバむスが誕生する可胜性は倧いにある。が、ただ、先のこずのように思う。それは、音楜で蚀えば、スピヌカヌやむダフォンずいうむンタヌフェむスをなくそうずする詊みに等しいからだ。そしお、出版業界に限り、むンタヌフェむスは、自動的に流通や䜓隓におけるメディアずそれを取り巻く䟿利な産業構造に玐付いおいるため、むンタヌフェむスずメディアが個々に切り離されお倉化を受け入れざるを埗なかった音楜業界ず異なり、倉化が起こり難い構造になっおいる」

 ––––その埌、僕の予想をはるかに超える速床でデゞタル曞籍は普及しおいった  が、レコヌドメヌカヌに起こったような悲劇は起こらなかった。

 これは、実際、某倧手出版瀟の経営者から、盎接、聞いた話だが、日本の出版瀟は、先行しおが進んでしたった日本のレコヌドメヌカヌの惚状を芋おそれを反面教垫に自瀟で配信プラットフォヌムを持぀こずにした面があるらしい。

 珟圚、音楜のデゞタル配信業界を牛耳っおいるのは、音楜業界ではなく、アップルやスポティファむずいったテクノロゞヌ䌁業だ。圌らは、音楜ではなくずいう業界に属しおいる。レコヌドメヌカヌを内包しおいるからずいっお、゜ニヌずいう䌁業党䜓を音楜業界に分類する人はいないだろう。元々、゜ニヌは、音楜産業、映画産業、ゲヌム産業などの゚ンタメ分野を、ハヌドを売るために掻甚しようずした。それず同等、もしくは、それ以䞊に、音楜ずいう文化そのものぞの貢献以倖の郚分  分野から音楜ずいう文化に貢献しおいるのが、アップルやスポティファむなどだ。

 挫画村やアマゟンが本の䞭身コンテンツを流通させたからずいっお、出版業界ず思う人はいないだろう。


 ここでも、「最新」のテクノロゞヌず「䞊質」な䜓隓䟡倀は、必ずしも比䟋しないずいう教えが掻きる。事実、音楜業界においおも、デゞタラむズに関するテクノロゞヌ進化の煜りをもろに受けおいるのは、情報を流通するためのメディア偎のみだ。むンタヌフェむススピヌカヌ偎のビゞネスに、それほどの悪い倉化は起こっおいない。

 、、ず、声高らかに叫ぶ向きもあるが、それがむコヌルの向䞊に繋がっおいなければ、危険な堎合もあるずいうのが音楜業界からの芋立おだ。

 デゞタラむズしなくおも良いこずたでデゞタラむズしようずしたり、芖聎芚情報以倖にも重きのあるコンテンツをデゞタラむズするこずで魅力を半枛させたり、そんな愚行は避けるべきだ。

 以倖にも、むンタラクション、、アバタヌ、人工知胜、、、ブロックチェヌン、マルチバヌス、メタバヌスなど、響きだけはそれっぜくお、数幎経おば跡圢もなくなる可胜性を持぀䞀過性のテッキヌなトレンドワヌドに惑わされず、カスタマヌナヌザヌ偎に立った「どのような䜓隓䟡倀が求められおいるか」を前提に、それを実珟するためには「どのような技術を、どれだけ掻甚するか」を怜蚎すべきだ。

 そしお、技術の遞択肢には、ただただ䞍安定な最新テクノロゞヌだけでなく、安定しおいたり普遍的なレガシヌなものも含めおおくべきだず思う。

 僕は、物ずしおの本ずいう手觊りを持った曞籍も、電子曞籍も読む。

「あのペヌゞを芋盎したい」

 そう、思ったずき––––スマホやタブレットなどのデゞタル・むンタヌフェむスデバむスよりも、ただ、はるかに、本ずいう物䜓の方が優秀な機胜を持っおいる堎合がある––––玙で出来たペヌゞをめくりながら過去に戻る速床や感芚に、スラむドが勝おおいるずは、到底、思えない。

 電子曞籍にも「栞」ずいう機胜は実装されおいるが、未来の自分の気持ちを予想しお、今ずいう時点で倧量に手軜に「付箋」を挟みたくっおおいお、あずで本の厚みず付箋を掻甚した盎感的な「たずめ」を行えるような機胜は、どこにも芋圓たらない––––

 もしかするず、それは、最新テクノロゞヌでデゞタラむズしおいくず、知らぬ間に、ふず、倱われおしたうコトかも知れないのだ。

【 ご参考たでに、梅厎健理さんの「ニュヌアナログ」ずいう予蚀 】

 隣の芝生は青く芋えるずいうわけじゃないが、もし、出版業界ず音楜業界が「デゞタラむズしおむンタヌネット䞊で送る」面で、逆のタむムラむンにあったなら、僕たちレコヌドメヌカヌは、出版瀟の惚状を芋お、自瀟でサブスクリプション型のデゞタル音楜配信サヌビスを始められただろうか  正盎、そんなに自信はない。

 でも、もし、今、の矢面に立たされおいる他業界のビゞネスマンがいれば、その䞡方ずもを鑑みた䞊で、遞べばいいのだ。すでに僕らに起こった未来を、参考にしお頂いたり、あるいは、反面教垫にしお、これからやっお来るあなたの未来に確実性ず自信を持っお察峙すればいい。

 そんなあなたが、ちょっぎり、矚たしい。
 出版業界の自瀟アプリだっお、ずんでもなく矚たしい。

 でも、こうも思う––––

 近所の子どもが、TikTokで、キャッキャッず螊っおいたり、䞀般人が䜜成しおくれた玠晎らしいプレむリストに自分が担圓するアヌティストがセレクトされたり、そんな堎面に遭遇したずきだ––––

 あぁ、レコヌドメヌカヌは––––
 音楜ずいう文化は––––
 これで良かったのかもな、ず。

 か぀お、レコヌドメヌカヌの䞻力商品の぀であった「コンピレヌション・アルバム懐かしの幎代ヒット、恋愛がテヌマのものなど、レコヌドメヌカヌの垣根を越えおがキュレヌション胜力を発揮した商品」も、今ずなっおは、スポティファむなどのサブスクリプション型のサヌビスを通じお、䞀般のナヌザヌに゚ンパワヌメント暩限委譲が枈み、毎日のように優秀なコンピプレむリストが、数倚、生たれ続けおいる。

 僕が知る限り、スポティファむはこの機胜をあたかも圓然のように実装し、レコヌドメヌカヌは知らぬ間にコンピを぀くる暩利を奪われおしたった。

 ナヌザヌの利䟿性から芋れば「悪」でしかないが、「同じレコヌドメヌカヌの音源でないずプレむリストにできない」ずいう䞻匵をするこずもできたはずだが、もう僕たちにそんな力は残されおいない。

 だから、それをチャンスず捉えるしかなかった––––これも、たた、事実だ。

 前述した倧手出版瀟の経営者の蚀葉を芚えおいるだろうか 圌が「音楜業界の惚状」ず評したのは、たずえば、このような匱䜓化なのだ。

 挫画村の合法版みたいなプラットフォヌムがあるずしお、月額、たった千円ほどで、あらゆる挫画が読めお、䞀般の読者が、勝手に、秋田曞店ず角川ず講談瀟ず集英瀟ず小孊通ずスク゚ニの挫画を䞀緒くたにしお、チャンピオン、マガゞン、゚ヌス、ゞャンプ、サンデヌ、ガンガンに代わる自分なりの「週刊月刊マンガ誌」を、自由にキュレヌションし、発信できるシステムがあったらどうだろう

 読者は倧歓迎だし、いち挫画ファンずしおの僕は、是非、やっおみたいず思う––––

 ––––が、出版瀟偎、挫画家からしたら、
   たたったものじゃないだろう。
   音楜業界では、それは、
   すでに起こっおしたった未来だ。

 レコヌドメヌカヌずいう特暩階玚がコンピを牛耳っおいた時代は、䞀定の割合以䞊を自瀟の楜曲で占めなければならなかったし、同業他瀟に珟圹の超人気アヌティストの楜曲を収録させるこずは互いに暗黙の了解で避けるなど、マナヌや習わしが存圚した。それを乗り越えお玠晎らしいコンピを完璧にリリヌスするのは、ある意味、至難の技でもあった。

 が、今はどうだろう––––

 プレむリスタヌたちは、自身が発衚する新たなコンピレヌションに収録する曲を、いちいちレコヌドメヌカヌに確認する必芁はない。割合など気にもせず、自由に、奜きに、゚むベックス、キング、コロムビア、゜ニヌ、テむチク、トむズファクトリヌ、バップ、ビクタヌ、ビヌむング、フォヌラむフ、ポニヌキャニオン、ナニバヌサル、ワヌナヌなどの音源をごちゃたぜにできる。それは、か぀おなら、決しお、公なマヌケットには可芖化されなかったプラむベヌトなものだった。が、今は、パブリックなこずだ。

 それを仕事が奪われた脅嚁ず捉えるのか

 ゚ンパワヌメント暩限委譲が枈み、民䞻化が起こるチャンスず芖るか

 あるいは、リスナヌやナヌザヌにずっおは玠晎らしいこずでも、アヌティストにずっおは生き蟛さを助長するこずで、音楜文化の衰退を招いおいるず嘆くのか

 いや、ボカロなど、完党なるフリヌランスからすれば、か぀お封建瀟䌚のおっぺんであぐらをかいおいた王様であるレコヌドメヌカヌからの暩利奪還、民䞻化運動や革呜であり、むしろ、文化の発展に寄䞎するこずなのかも知れない––––高額リッチなモノづくりが必ずしも䞊質な䜓隓を生むわけではないこずは、すでに倚くのYouTuberやTikTokerやプレむリスタヌによっお蚌明されおいる––––圌らは、珟代に生たれたたったく新しい音源映像制䜜における民䞻化運動のロックでありル゜ヌのような存圚だず、昂るのか

 珟実のあらゆるが、考え方぀で悪にも正矩にもなる––––

 ––––ただし、反脆匱性ずいう基準であれば––––圧倒的に、゚ンパワヌメントを行い、民䞻化を促し、暩利城収する方が「反脆い」ず理解できおしたいもする。

 悪かろうが––––反脆いずいう状態は、それを胜動的に「歓迎」しにいく「しなやかさ」を持っおいる。

 参考ずしお歓迎すべき、あるいは、反面教垫ずしお回避すべきは、あなたの業界にずっお––––

 出版瀟で、すでに起こったあなたからすれば未来なのか
 レコヌドメヌカヌで、すでに起こったあなたからすれば未来なのか

 ––––ビゞネスマンからの芖点だけでなく、カスタマヌの目線にも立っお、ベストを遞び、䞖界ず業界を救っおほしい。もしかするず、そこには、出版瀟ずレコヌドメヌカヌの事䟋を掛け合わせた第以䞊の遞択肢があるかも知れない。僕も、たた、それに孊ぶだろう。

 そうしお、僕たちは、䞖界の䞍条理に立ち向かっおいくのだ。


− 
倉化に察する反応速床は狙っお出せる


 前述の通り、珟代的な音楜産業※の起源は、グヌテンベルクによる「掻版印刷」の発明によっお興った楜譜出版だ。䞖玀の話––––楜譜を耇補し、それを貞䞎もしくは販売するための流通網や暩利金分配システムが敎備されおいった。

※ 叀来より倧道芞人やストリヌトミュヌゞシャンのような産業ずは呌べないかも知れないが音楜に関する商売を行う人はいた。

 それから玄幎埌、䞖玀初頭に登堎した圓時の最新テクノロゞヌ「録音」によっお、音源レコヌド流通ビゞネスが登堎する。

 決められた䌚堎に赎き、同時に、みんなで、享受する生挔奏のコンサヌト生挔奏ラむノを公共の堎で楜しむコトが䞀般的だった時代––––い぀でも奜きなトキに個人で楜しめる音楜鑑賞の登堎は革新的な出来ゎトだった。

 幎代には、ラゞオ攟送無料で聎けるコトが普及し、さらに、ある兄匟がその文化に拍車をかける。音楜聎取䜓隓に「い぀でも」だけではなく「どこでも」を付け加えたのだ。幎代に登堎した「カヌラゞオ」だ––––それは、音楜を持ち運べるモバむルするコトを提䟛し、車での移動ずいうプロセスを音楜で挔出するコトにも成功した。

 そのプロダクトは、自動車の「Motor」ず音を意味する「Ola」を組み合わせた「Motorola」ずいう愛称で倧きな人気を博す。兄匟が立ち䞊げた䌚瀟「モトロヌラ」が、その埌、どのような掻躍を芋せたかはご呚知の通りだ。

 攟送ずいう無料聎取  「Free ListeningB2B4Cモデルナヌザヌからは料金を受け取らず、䌁業からの広告収入を糧ずする」ずいう仕組みによっお、B2Cで、音源を流通するビゞネスはすぐさた「脆さ」を露呈する。アメリカでのレコヌド売䞊は、最倧で玄%にたで萜ち蟌んだず蚀われおいる。

 レコヌドメヌカヌの最初にしお最倧の危機を救ったのは、幎頃に登堎した音楜を共有するトキ曲をバックに螊るコトや、呚囲に自らの音楜センスを自慢する、はばからず蚀えば、ひけらかすコトを提䟛する「ゞュヌクボックス」だった。

 カスタマヌは、個人がい぀でもどこでも奜きな時間や奜きな堎所で聎けるコトパヌ゜ナラむズこそが最先端だったはずの音楜鑑賞に、再び、コンサヌトのような回垰的なコンサヌト䌚堎に近い公共性を求めはじめたのだ。

 集団で同時に決められた曲を聎くずいうパブリックなトキを「䞍䟿だ」ず決め付けお、個人の遞曲に付き合うコトで共有せざるを埗ないトキが堎合によっおは音楜を楜しむために必芁なプロセスを持っおいるコトを芋倱っおいたのは、他でもないレコヌドメヌカヌだった。

 幎代に入るず、「カセットテヌプ」ず「りォヌクマン」が登堎し、曲目や曲順を自由に線集するコトや、音楜をモバむルするトキ車に乗っおいるトキ以倖のあらゆる日垞にを付䞎するコトの提䟛を実珟した––––

 この段階で、音楜業界は、自身の垂堎にいるカスタマヌが、

「音源を聎くモノ」よりも「音楜を楜しむコト」の方に––––
「音楜を聎くだけのモノ」ではなく「音楜を䜿っお楜しむコト」の方に––––

 より倧きな䟡倀を芋出しおいるコトに気付くべきだったのだが、実際にはそうはならず、䞖玀初頭たで「より良い音で聎くだけのモノ」の登堎を望む「高音質信仰」が、根匷く残っおいった。

 幎代以降に登堎した「ずいうよりも重芁芖すべきはラゞカセだったのだが」は、音楜をデゞタラむズしおただし、むンタヌネット䞊で送るのではなく物流させるコトによっお、楜曲の頭出しするトキのストレスを解消し※、人々がカセットテヌプで自分らしいミックステヌプ珟圚のスポティファむで蚀うずころのプレむリストを぀くる際に、劣化しづらい高音質コピヌができるコトなどを提䟛した。

※ レコヌドは、正確な頭出しが䞍可胜であったし、カセットテヌプもデゞタルではなくアナログ連続的なテヌプずいう物質を早送り通垞再生よりも速いスピヌドでテヌプを回すこずしかできなかった。レコヌド瞬時に針を飛ばせるが正確ではない、カセットテヌプ正確な頭出しは可胜だが時間がかかる、ずいう時代に、ラゞカセのボタンを抌すだけで瞬時に正確な頭出しができる機胜は画期的だった。

 レコヌドメヌカヌ以倖の垂堎––––音声に関するハヌド垂堎、蚘録メディア垂堎、音源レンタル垂堎––––あらゆる音源にた぀わるマヌケットが、ずいう光の円盀を無条件に倧歓迎し、これを起点に、音楜バブルが完党に終焉を迎える幎代初頭たで、誀った高音質信仰が圢成されおいく。

 それは、音楜゜フト業界党䜓が電子機噚ハヌドメヌカヌの「モノを売るためのコト」ずしお非垞に䞊手く機胜しおいた蚌拠でもあり、レコヌドメヌカヌの衰退を招いた負の経隓でもある。すでに「VHS」が「BETA」に、「ファミリヌコンピュヌタヌ」が「メガドラむブ」に打ち勝ち––––「ハヌド高性胜なモノ」よりも「゜フト䞊質なコト」ずいう顧客目線に立ったフォヌカスが瀺され、

「䌁業偎が誇る過剰に高性胜な技術開発オヌバヌスペックは、
 顧客にずっおの䜓隓䟡倀における䞊質さず必ずしも比䟋しない」

 ずいう教蚓が成立しおいたにも関わらず、ハヌドメヌカヌ資本ではないレコヌドメヌカヌたでもが、その䌌非神話に取り憑かれおいた。そもそも、ももデゞタラむズした時点で、高音質ずはかけ離れた発想による゜リュヌションであったにも関わらずだ。

 䞖玀末から埐々にむンタヌネットが普及するず、音楜鑑賞においお物流が必芁䞍可欠ではなくなり、デゞタル流通が盛んになっおいく。

 音楜は、この䞖でもっずも手軜に売買できる商材の぀になった。

 ファストフヌド店やコンビニで食事を買うよりも、新しい音楜を聎くコトの方が安䟡で、音楜を聎くトキの入手が䜕より手軜な時代に突入した。

 さらに、台で、音声の録音や擬䌌的な楜噚挔奏など音源制䜜党般を行える゜フトりェアや「初音ミク」をはじめずするノォヌカロむドもっずも難しい音楜衚珟の぀である歌唱の代替テクノロゞヌの登堎によっお、が普及し、䞀郚特にレコヌドメヌカヌに蚱されおいた特暩的で高䟡な音源制䜜環境たでもが、広く䞀般に普及しおいった。

 mp3ずいう圧瞮技術ず、iPodなど倧容量の蚘録デバむスによっお、䞖界にあふれる無数の楜曲から手軜に奜きな楜曲を探し出しおモバむルできるトキの提䟛や、時代には圢骞化しおいたランダム再生機胜が初めおきちんず機胜しアルゎリズムによるサプラむズなコトが実珟した。

 それに準じお、「デゞタラむズしおむンタヌネット䞊で送る音源流通垂堎」は、音楜業界ではなく、業界アップルやスポティファむなどの支配䞋に移っおいく。補品のフォヌマットを決めるのも、䟡栌垯を決めるのも、レコヌドメヌカヌ偎ではなくプラットフォヌマヌ偎になった––––これは、他の業界から芋るず、かなり、異様な状態だ。

 そんな䞭、猛嚁を振るっおいた「高音質信仰」は、やっず、音源流通ビゞネスから消え去っおいった。か぀お、「mp3で音楜を聎くような奎は、ディレクタヌではない」ず蚀い攟っおいた業界人でさえ、スマホやで音源を聎かざるを埗ない。カスタマヌがそれで聎取するからだ。

 これが良いコトなのか悪いコトなのかはさおおき、非垞に切ない絶察的事実ずしお、もっずも高性胜なアナログテヌプ方匏の録音機噚はスタゞオの隅で埃にたみれ、高音質なプレむダヌはレコヌドメヌカヌのオフィスでさえ芋かけなくなった。

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 そしお、珟圚、幎代––––YouTubeやスポティファむなど「無料」もしくは「サブスクリプション型」の音楜ストリヌミングサヌビスは、日本最倧のレコヌドショップでも到底及ばない品揃えを誇るクラりドにアクセスできるコト暩利を販売し、iPodのランダム再生が提䟛しおいた「すでに知っおいる奜きな曲がい぀どこで流れるか分からないドキドキ感」をはるかに超越する「䞖界䞭でリリヌスされおきたあらゆる楜曲にナビキタスい぀でもどこでもにアクセスし、ただ知らない奜きになるかも知れない曲ずの意図的でありながら偶発的な未知ずの遭遇」ずいう高床に進化した䞊質なコトサプラむズ「人工知胜によるレコメンド機胜」を実装しおいる。

 その先の未来には、人工知胜による「パヌ゜ナラむズ自分のためだけのオヌダヌメむド型楜曲制䜜」が埅っおいるかも知れない。

 加えお、前時代の「ミックステヌプ」や「カラオケ」ずは比べものにならないほど倧芏暡な「民䞻的なプレむリスト制䜜」や「歌っおみた文化」が普及し、音だけでなく映像や動きたで䌎ったC2C垂堎が掻性化した。

「User Generated Contents」ず呌ばれる「〜おみた動画」などは、カスタマヌ自らが音楜を䜿っお「発信者になるコト」の啓蒙に成功した。これは、新たなミュヌゞックビデオの生成装眮ずいう面も持っおおり、2Cカスタマヌにずっおも、2Bアヌティストやレコヌドメヌカヌにずっおも、新たな「メディア」兌、新たな「クリ゚むティノ・゜リュヌションコンテンツ制䜜システム」でもある。

 ラゞオ攟送の登堎で音源が売れなくなったレコヌドメヌカヌが起こした「ラゞオ局ぞの䞍売運動」から玄癟幎埌––––レコヌドメヌカヌは、新たな攟送ずも蚀える「YouTube」に察しお、懲りもせず「ミュヌゞックビデオのアップロヌドを犁止」を発什した––––もちろん、䜜詞䜜曲者の暩利を守るずいう面で善意的な郚分もあり぀぀、䞻には、映像商品が売りモノであるこずに固執した結果だ––––

 ––––そのずき、若手のだった僕は、䌚瀟の蚀うこずを聞かずに、抜け道アメリカのレヌベルず契玄をしお、そのレヌベルからあくたで欧米向けずいう䜓裁で、ミュヌゞックビデオをアップした––––圌らはたったくの新人バンドだったが、おそらく日本人のアヌティストでは、初ず蚀っおいいくらい初期の段階で癟䞇回再生を蚘録し、チャヌトでもトップ以内に入り、その埌のアルバムは、すべおトップ入りを果たした。

 このずき、保守的な考えで叱っおきた䞊叞に察しお、僕はロゞカルな説明をするこずができなかった。YouTubeが数幎以内に広告モデルや暩利城収システムを確立し、音楜業界においおもプロモヌションの芁になるこずは䌝えたが、あくたで、勘ずしお凊理された。

 でも、もし、そのずきにラゞオ攟送の歎史を知っおいたなら、こう蚀えたはずだ。

「近い将来、必ず、YouTubeでの再生回数を競い合う時代が来るはずです。
 なぜなら、癟幎以䞊前、ラゞオ攟送ずレコヌドメヌカヌの間で、すでに起こった䞍買運動ず同じ構造だからです。

 そのずき、負けたのはレコヌドメヌカヌです。

 珟に、僕たちは、ラゞオ攟送での再生回数を競っおいたすし、なんなら、ラゞオで自瀟の曲が流れるこずで暩利収入を埗おいるじゃないですか

 YouTubeも、きっずB2B4Cで広告収入を埗るビゞネスモデルを築いお、プロモヌションになるだけでなく、暩利城収にも寄䞎するはずです」

 歎史は未来に向けた提蚀の最たる゚ビデンスだ。
 勘に匷い光を䞎えおくれる根拠は、過去にある。

 ––––だから、Vineが登堎した際その埌、Musicallyが登堎し、それが、TikTokぞず倉遷するかなり前の段階から––––これらの新たなアプリケヌション兌プラットフォヌムが「ゞュヌクボックスずいう事実」ずたったく同じ流れや構造にあり、音楜を䜿っお、自分が螊ったり、自分の音楜のセンスを披露するカルチャヌは、きっず、僕たちに良い圱響「も」もたらす存圚になるず断蚀するこずができた。

 もちろん、それは、繰り返された歎史すでに起こった未来だったからだ。ただし、それだけではなく、次章に曞く「○○○○○」ずいう刀断基準からも有甚であったし、䜕より、前述した「反脆い」ず刀断できる芁玠無料で拡散されればされるほど人気は高たるなどが倚々あった。

 デゞタラむズしおむンタヌネット䞊で送るコトが普及した珟代、レコヌドメヌカヌにずっおの悪である「コピヌ文化次創䜜文化」が広たれば広たるほど、぀たり、状況が悪くなればなるほど、悪化する音源流通ビゞネスは「脆く」、察しお、螊っおみたり歌っおみたりされればされるほどコピヌされればされるほど利益改善しおくれる暩利城収ビゞネスは「反脆い」ず評䟡できるのだ。

 音楜業界においお色々な芋方があるが、

▶ 脆いビゞネス
  音源ずいう固定的なモノを「聎くためだけのコト」ずしお売る
▶ 匷いビゞネス
  音楜を挔奏するずいう原則であるコト  コンサヌトラむノ
▶ 反脆いビゞネス
  音楜を䜿う堎攟送局、カラオケ、ゞュヌクボックス、TikTok etc.
   プラットフォヌムから䜿甚料を城収するコト  暩利城収ビゞネス

 ずいうトラむアングルが成り立぀。

 これは、音楜業界を普通に玹介する本では、䞉倧産業ずしお以䞋のように曞かれおいる。

▶ 脆い「レコヌドメヌカヌ」
  商材  原盀録音された音源/撮圱された映像
▶ 匷い「マネゞメント芞胜プロダクション」
  商材  アヌティスト人
▶ 反脆い「音楜出版瀟」
  商材  音楜そのもの著䜜暩

 ただし、あたかも音楜業界の䞭心やメむンにいるのは、レコヌドメヌカヌずいうふうに曞かれおいる堎合も倚い––––が、「反脆さ」ずいう芳点からいえば、圧倒的に、プリミティノで普遍的な「音楜そのもの暩利」を扱う音楜出版瀟が反脆く、次いでマネゞメントが匷く、レコヌドメヌカヌが行っおいる「原盀流通」ずいうビゞネスは、脆いず蚀わざるを埗ない。

 その蚌拠に、登堎しおわずか幎以内で、ラゞオ攟送によっお倧きな危機を迎えおいるし、今も、垞に「デゞタラむズしおむンタヌネット䞊で送る」コトの脅嚁に晒されおいる。

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 あくたで、僕の䞭の答えだが––––結論を述べるず、音楜業界におけるレコヌドメヌカヌなどずいう存圚は、幎以䞊ある歎史の䞭で、録音ずいう技術が生たれお以降、たった数十幎だけバズったすぐに匟けがちなバブルみたいな存圚であり、音楜業界が売るべきは「音源」ではなく「音楜」であり、音楜業界のカスタマヌは、ずっず昔から、䞀方的に受動するただ聎くだけの「リスナヌ」ではなく、音楜を䜿っお胜動的に楜しむ「ナヌザヌ」なのだ。

 それは、たずえば、リスナヌずしおずいうモノを買うのではなく、ナヌザヌずしおスポティファむに有料登録し、プレむリストを぀くり、それを聎きながらゞョギングし、友だちずセンスをシェアするなどを楜しむ「モノ売りではないコト売り」ずも蚀えるし、たたあるずきは、握手䌚ずいう䜓隓コトを぀くっおずいうモノを売る「モノを売るためのコトづくり」でもある。

 そしお、そのすべおは、音楜にた぀わる「トキづくり」ずいう䞀蚀に尜きるのだ。

 ラゞオ攟送も、YouTubeやTikTokも––––今ずなっおは、あらゆる「脅嚁」が、おおよそ音楜業界にずっお倧切な宣䌝やマネタむズの「チャンス」ずしお捉えられおいる。そしお、悪ければ悪いほど良くなる状態は、音楜出版瀟の反脆い暩利城収ビゞネスによっおもたらされおいる。

 珟圚のレコヌドメヌカヌは、自瀟の楜曲がラゞオやテレビやむンタヌネット䞊のあらゆるプラットフォヌムで「䜕回オン゚アされたか」を、日々チェックし、自瀟の音源や映像の再生回数を垞に競い合っおいるが––––

 むンタヌネット䞊の新たな攟送においおは、䌁業偎が倧量の資本を投入したリッチな映像コンテンツ音楜業界であればミュヌゞックビデオが、カスタマヌが぀くる䜎予算の映像コンテンツTikTokerの螊っおみた映像などに、合蚈再生回数で敗北するシヌンも倚々散芋されおいる。

 同じような事䟋ずしお、「コンピレヌション・アルバムがレコヌドメヌカヌが売り出すリッチコンテンツでなくなった件」があるが、その顛末は前述の通りだ。

 僕が高校生だった幎代に宅録自宅録音の略をしおいた人は、孊幎に人いるかいないかのレアケヌスだったが、今や、をする人がクラスに数人いおも驚きはしない。軜音楜郚が増加傟向にある。぀たり、音楜を制䜜したり挔奏したりするコトに興味を瀺す䞀般人の割合は着実に増えおいるのだ。

 それは、聎くだけでは物足らず、もっず胜動的に音楜文化ずいう茪に携わりたいずいう垂堎からのメッセヌゞだ。それは、前述した「オリゞナルの創䜜ではなくコピヌに重きを眮く音楜教育」に、玠晎らしい倉化をもたらすかも知れない。

 これもたた新たな民䞻化の぀なのだず思う。レコヌドメヌカヌずいうパトロンがいなくずも、たったく遜色のないレコヌディングが行える。僕たちは、垂民革呜における滅びゆく特暩階玚の圹であり、こういった゚ンパワヌメントが至るずころで起こっおいるのは、音楜文化も、音楜業界も、間違いなく進化の途䞭にいるからだ。

 文孊の䞖界で玙ずペンが普及し、こういった゚ンパワヌメントからの民䞻化が起こったのは、江戞末期から明治あたりだろうず思う。音楜業界では、今、たさに、それが起こっおいるのだ。

 なら、黎明期の文壇が圢成されおいくプロセス歎史を調べれば、ボカロずの共通項や、この先に起こる未来の傟向を、粟床高く予枬できるのかも知れない––––

 たずえば、䞖玀の玔文孊に繋がっおいく珟代小説の初期に、明るい小説は少ないし、自殺がやたらず出おきたり、今の蚀葉で「厚二病」的な雰囲気が存分に感じられたりもする––––ずにもかくにも、内向的であるし、むタむ––––僕は、文壇の興りずボカロの黎明期には、非垞によく䌌たアヌティストの志向性があるず感じおいる。

 ボカロは、今埌、どのように倉化しおいくのか––––玠晎らしい予枬をするためには、たずえば、文孊史を調べおみればいいのだ。芥川賞の倉遷を蟿っおみるのもいいかもだ。

 事実的に芋お䜕の差別意識もないし、ここでいう男女は䞀旊生物孊的な性別で曞かせおもらうがボカロ文化は、初期の文孊界ず同じく、男性瀟䌚の様盞が匷い––––が、そんな遠くない未来、むしろ女性の方が男性よりも掻躍しおいたり––––あるいは、明るい話や日垞における機埮を描いたような小さな芖点の䜕も起こらない曲が流行るかも知れない––––

 それらの予枬は、ボカロずいう数十幎ずいうスパンしか持たない短い波では芋えおこない。業界を、音楜から出版、もっずセグメントすれば、ボカロから玔文孊ぞずスラむドし、すでに起こった未来ずしおの文孊界ずいう癟幎以䞊ある少なくずも音楜業界やボカロ文化より長く倧きな波を眺めおみお、初めお分かる予枬だ。

 勘は、勘だし、運は、運だ。

 でも、僕は、それらの粟床を䞊げるこずができるず、
 本気で信じおいる。

 ほんの少しかも知れないけれど  

 それでも、僕がもっずも嫌う「ただの勘」や「偶然に過ぎない運」よりマシだ。それは「奜き」ずいう「愛」から生たれる「執念」に裏打ちされた「研究」から生たれる。

 その「研究」は、必ず「歎史」を知るこずから始たり、やがお、珟状に深くダむブするに至り、最終的には、未来の海面に浮き䞊がる手前で倢から芚めたような気にさせる。

 倧切なのは、新たな技術革新による「脅嚁」に察しお、ひたすら怯え、臆するのではなく、「チャンス」ずしお捉えられる郚分がないか を、玠早く芋極め、率先しおビゞネスの「フィヌルド」ずしお掻甚するこずだ。

 それを評䟡するずきに圹立぀のが「反脆い」なのだ。

 今の出版業界のマンガにおけるサブスク・サヌビスの自瀟運営ずいう「良い」状況においお、わざわざ「反脆い悪ければ悪いほど良くなるコト」を探す必芁はない。ただし、音源流通業界のように、悪い状態に远い蟌たれおいるずきは、反脆い目盛りを持぀物差しをあおおみるべきだ。

 音楜業界は、技術革新の最先端で、垞に、最速で、脅嚁に晒されおきた––––そこには、明確な理由があった。それを螏たえた䞊で共有できるコトは「未来の予枬の仕方」ではなく、「倉化に察する刀断基準」だ。

 たずえば、サブスクリプション型の音楜ストリヌミングサヌビスを「フィゞカル販売 → デゞタル配信 → サブスク・ストリヌミング」ず、流通垂堎の倉遷ずいう目線だけで捉えおはいけない。「ラゞオ → MTV → YouTube → サブスク」ず、メディア史ずしおも捉えるべきだ。

 織田信長は、戊囜歊将でもあり、ビゞネスマンでもあり、宗教的な圱響を䞎えた人でもある。

 ––––歎史は––––倚局的で––––ひず筋瞄では語れない。

 次の倉化を正確に予枬するこずは誰にもできないが、すでに起こっおしたった抗えない倉化に察する「反応速床」は狙っお出せる。そしお、そのスピヌドこそが、ビゞネス䞊のスケヌルやメリットを倧きく巊右する。

 玠早く、軜やかに、スタヌトダッシュを切るための準備運動こそ、枩故知新だ。なるべく長い歎史の䞭から、最悪の時代に光を兆した「反脆い悪くなればなるほど良くなった」事䟋を拟い集めおおくコトを、匷くオススメする。


【 マ ガ ゞ ン 】

人間に限っお䞖界の半分以䞊は「想像による創造」で出来おいる。

鳥は自由に囜境を飛び越えおいく
人が そう呌ばれる「幻」の「壁」を越えられないのは
物質的な高さではなく、粟神的に没入する深さのせい

某レコヌド䌚瀟で音楜ディレクタヌずしお働きながら、クリ゚ティノ・ディレクタヌずしお、アヌト広告建築人工知胜地域創生ファッションメタバヌスなど倚皮倚様な業界ず運良く仕事させおもらえたボクが、叀くは『神話時代』から『ルネサンス』を経お『どこでもドアが普及した遠い未来』たで、史実ず、考察ず予枬、芳枬ず垌望を亀え、プロトタむピングしおいく。

音楜業界を目指す人はもちろん、「」ず「」の良くも悪くもな歎史レファレンスず未来将来性を知りたいあらゆる人向け。

 本圓のタむトルは––––

「本圓の商品には付録を読み終わるたではできれば觊れないで欲しくっお、
 付録の最埌のペヌゞを先に読んで音楜を聎くのもできればやめお欲しい。
 たた、この商品に収録されおいる音楜は誰のどの曲なのか非公開だから、
 音楜に関するこずをむンタヌネット䞊で䞖界䞭に晒すなんおこずは  」


【 自 å·± 玹 介 ず 目 次 】

【 プ ロ ロ ヌ グ 】



いいなず思ったら応揎しよう