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Photo bytomekantyou1

「罰を厳しくすれば、不祥事は防げる」と思っていた

    ある学校から「当社の取り組みを紹介しながら、不祥事を起こさないという意識を高める話をしてほしい」という、教職員向けの講演依頼をいただいたことがきっかけでした。
    引き受けたときは、正直、話す内容はすぐに決まると思っていました。「ルールを守るためにどうするか」「違反したら厳しく罰する」。当社も、不祥事が起きるたびに規則を増やし、処分を重くし、個人への指導を徹底してきました。その発想を疑ったことは、一度もありませんでした。
    でも、資料を作るために少し調べ始めた段階で、妙な違和感にぶつかりました。規則を増やしても、罰則を強化しても、不祥事は一向に減っていない。むしろ、同じような問題が形を変えて何度も繰り返されている組織の方が、目につくくらいでした。
    なぜだろう。厳しく罰することは、本当に不祥事を減らしているのだろうか。
    一度気になると、止まらなくなりました。いろいろな企業や業界の取り組みなどを調べていくうちに、航空業界や医療現場の安全管理の「Just Culture(公正な文化)」という考え方に出会います。
    そこでわかったのは、厳罰化すればするほど、その処分を避けたい一心で、現場は本当のことを話さなくなるということでした。本当のことがわからないまま個人を処分して終わってしまえば、何が本当の原因だったのかは誰にもわからない。それでは、再発防止には何の役にも立ちません。
    これを知ったとき、はっとしました。「ルールの細分化」「厳罰化」「個人の再教育」は、まさに当社がこれまで力を入れてきた取り組みそのものだったからです。恥ずかしながら、講演で紹介するつもりだった当社の対策こそが、不祥事を防げない典型的なパターンをなぞっていたのです。
    結局、当社としても「Just Culture」の視点で不祥事防止に取り組み、評価や処分の仕組みそのものを見直すことにしました。講演の内容も、当初予定していた「当社の取り組み紹介」から、この気づきと転換の過程そのものに変更しました。そして、学んだことを当社の取り組みの中だけに留めておくのではなく、皆さんにも知ってほしいと思い、noteに6回シリーズとしてまとめることにしました。
    「なぜルールを増やしても不祥事はなくならないのか」
    このタイトルは、そのまま最初に浮かんだ疑問そのものです。疑問を持ってから答えにたどり着くまでの遠回りは、今振り返ると、一番の近道だったように思います。
    (続きはこちらのシリーズで)

     
     
    いろいろ考えたこと思っていることをnoteします。

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