アルコール依存症62歳男性・実家の猫
実家には、二匹猫がいます。
二匹ともメスの猫です。
今日は、そのうちの一匹についてご紹介します。
名前は「ミー」…ベタです。
何年前になるのか忘れてしまいましたが、本当にガリガリの姿で実家にたどり着きました。
前足で、柔らかい座布団を踏み踏みしている様子を見ながら、「この猫は、どんな思いでここにたどり着いたのだろう」と胸がいっぱいになったのを覚えています。
さて私の母は、幼いころに自分の父親に病気で死なれているので、あまり幸せな生い立ちではありません。
そのせいか空腹というものには、人並み以上の生理的危機感を覚えている節があります。
その母がガリガリにやせた猫をほっておけるはずもなく、その猫は我が家の猫になりました。
母は昔から猫を飼っており、牝猫の場合、子猫をたくさん産んだ時のお世話が大変なので、実家の猫たちには避妊手術を受けさせています。
さてこのミーちゃんなのですが、元々どのような人がどんな環境で飼っていたのか全く手掛かりがありません
いつか母が「以前家の前を、髪がとても長くてショートパンツを履いた若い女の人が歩いているのを、いつまでもじーっと見ていたよ。昔そういう人が飼っていたのかもね」と言っていました。
私は「いや、そんな女の人が歩いていたら、猫じゃなくてアンタの息子がじーっと見て、後から付いて行きたいよ」と内心思いましたが、話すのはやめておきました。
ミーちゃんは、おそらくトイレのしつけがされていません。
実家にはちゃんとトイレが用意してあります。でも、おしっこは基本的にトイレでしても、なぜか黒いものを見ると、その上でジャーッとやってしまうことがあります。
私が百均で買った黒いビニール製のトートバッグや、ユニクロの黒いバックパックの上に、おしっこをされたことが何度かあります。
決して悪気があってやっているのではないと思うので、強くしかることもせず、あわてて風呂場に持って行って洗剤でゴシゴシ洗うことになります。
こういう時には、ミーがおしっこしそうな場所に置いておいた、こちらの方が悪いと考えるようにしています。
私は、介護職関連の研修(介護福祉士実務者研修)も受けており、半年と短い期間ですが介護現場の経験があるので、排泄の処理に関しては抵抗が無いのです。
こういう時は、介護の知識や現場経験があって、本当によかったと思います。
さらにミーちゃんは、おしっこだけではなく、なんとウンチもトイレ以外にします。
と言っても、のべつ幕無し、あちらこちらにするわけではありません。
玄関や、座敷の廊下の隅っこ、とにかく人目に付かないところで密かに用足しなさることが多いです。
慣れないうちは驚いていましたが、今ではもうすっかり慣れて、見つけ次第トイレットペーパーでさっとつかんでトイレに流し、アルコールなどで消毒します。潔癖症の人が見たら、肝をつぶす光景でしょうね。
いつか不動産屋さんのYouTubeで、「家の一番の敵はネコ!」と言っていましたが、うちの場合、それはまさに真実そのものです。
柱で爪は研ぐわ、ふすまは破るわ、玄関にウンチするわ…もう踏んだり蹴ったりです。
私が週末実家に帰った時は、私もエサの世話やウンチの後片付けができるのですが、それ以外の日には、82歳の母が一人で2匹の猫の面倒を見る事になります。
はっきり言って大変だと思います。
ミーちゃんが母から「きちんとトイレを使えないのなら、もうウチから出てけー」と叱られているのを、何度か見たことがあります。
それを聞いてムスコは「そんなこと言っても、人間の都合はミーにはわからないよ」と腹の中でせせら笑っていますが、面倒くさいので黙っています。
それでもミーがかわいそうだと思うので、色々とミーが好みそうな食べ物を買って帰っています。
母はそれも、あまり気に入らないようです。
実家は、34年ほど前に、10キロメートル離れた場所から引っ越してきたのですが、引っ越しの前からも数匹の猫を飼ってきました。
様々な性格や行動の特徴を持つ猫たちが、母の人生を通り過ぎていきましたが、ミーちゃんはまさに超ド級の「手のかかる猫」となりました。
母はたまりかねてミーちゃんに当たるときがありますが、私は母が認知症にもならず、年齢の割に元気でいられるのは、ミーちゃんを含む2匹の猫たちのおかげだと感謝しています。

お読みいただき、ありがとうございました。
