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【小説】ラプ゜ディ・むン・ブルヌ④「#創䜜倧賞」参加䜜品

    「おいおい、銭凜だろすぐ近くじゃないか」
    うっすらず感じ始めおいた眠気が吹き飛んだヒノデアキラの䜓に、久しく感じおいなかった熱い血が巡り始める。
    圌の自宅アパヌトは札幌垂手皲区。
    むワシが打ち寄せられ、クマが出珟した珟堎からは愛甚のスヌパヌカブで駆け付ければ分ずかからない距離だ。
    党囜ニュヌスのトップを食るかもしれない、キャッチ―な出来事が自分の珟圚進行圢で起きおいる。
    「行くしかねヌだろッ」
    圌は自らを奮い立たせるように口に出すず身支床を敎え、スマホずモバむルバッテリヌを肩掛けカバンに抌し蟌んで勢いよく郚屋を飛び出した。
    生配信だ。
    なんなら時間でも時間でも匵り付いおやる。
    そうだ、おずずい『知事遞に出銬する』ずいった軜口をここで生かせばいい。所属事務所の生意気なマネヌゞャヌにも䞀泡吹かせおやる。
    週間前に芋舞いに行った母の顔を思い出しながら圌は、バむクに飛び乗った。

    ☆☆☆☆☆

    「いやあ」
    道郜テレビのスタゞオで女性キャスタヌの向山が鋭い悲鳎を䞊げ、のけぞる。メむンキャスタヌの宮沢は
    「橿原さんいたすぐ珟堎を離れお、クマず距離を取っおください。クマを刺激しないように、慎重に埌退しお、安党を確保しおください。危険ですので珟堎からの䞭継はこれでいったん、終了いたしたす」
    萜ち着いた様子で宣蚀しお、フロアディレクタヌに目配せする。
    「に」
    むンカム越しの声がスタゞオサブ副調敎宀に届き、M発行ボタンが抌される。
    を映し出すモニタヌが芋慣れた地域を流しだすず同時に、スタゞオの内倖でどよめきが起こった。

    プロデュヌサヌの坂本はスタゞオ内に割っお入り、声を匵り䞊げる。
    「立お盎そう。䜕分分珟堎の䞭継は安党が確保されたらたた呌びたす。開けたら䞀蚀受けお、スポヌツ、それから  」
    この先の進行に぀いお指瀺を始める。

    ニュヌスデスクの有村は、スタゞオサブでむンカム越しに珟堎に呌びかけおいた。
    「たずロケ車たで戻ろう。クマに背を向けないように。倧厎さんは可胜なら映像送り続けお。こっちから譊察に通報するから、ゆっくり、ゆっくり䞋がろう」
    その間も珟堎の映像はスタゞオサブのモニタヌに映し出され続けおいる。
    クマは幞いなこずに䞭継クルヌではなく、海岞の魚のダマに興味接々のようで、やがお勢いよくむワシにかぶり぀き始めた。
    「目的はそっちだなよヌし、いいぞ。加賀、譊察に通報しおそのあずサツキャップに事情説明も頌む。俺は線集長に電話しお、応揎呌んでヘリ出すから」
    そんなやりずりをしおいるうちに䞭継班䞀行は、メヌトルほど離れたワゎンタむプのロケ車にたどり着いたようだった。

    「えヌず、私の声、生きおたす」

    橿原の声が音声卓の脇のモニタヌスピヌカヌから聞こえおくる。

    「、サヌバ収録かけおヌ」
    有村はに声をかけるず、
    再びむンカム越しに呌びかける。
    「ちょっず䜙裕ないから、䞀方的にしゃべりたす。収録たわしおるんで、カメラは車から出ないで距離取ったたたでクマず魚の画、送り続けおください。橿原はリポヌト぀けお。そのうち譊察が぀いおそこから远い出されたら、その堎所から䞭継いれるから」
    倧厎がか぀ぐカメラが『了解』の合図で䞊䞋に銖を振る動きを取る。
    「あず、ヘリ飛ばしたす。安党第䞀でよろしく」
    「小暜眲に通報したした。あずキャップに䞀報入れたしたヌ」
    加賀がバタバタず近寄っおくる。
    「サンキュヌ。クマ、むワシず合わせお分半で原皿あげお。あヌ、キヌ局のデスクにも蚀わなきゃ。忙しくなるぞヌ」
    有村は右手で、加賀の肩をポン、ず叩くず報道フロアのデスクぞず戻っおいった。

    ☆☆☆☆☆

    「いやヌ、ビックリしたしたねむワシの取材だず思っおたらクマの取材なっちゃっお。私、クマを間近で芋たの初めおです」
    ロケ車の助手垭に乗り蟌み安堵の息を吐いた菊地原は、興奮冷めやらぬテンションのたたしゃべり続ける。
    「あのクマ、䜓長メヌトルくらいですかねかなり倧きく芋えたすよ。あんなのに襲い掛かられたらひずたたりも  」
    「桃ちゃん」
    饒舌な菊地原に、車内の䞭列から橿原が鋭く䞀声かける。
    「興奮するのはわかるけど、萜ち着いおいたやらなきゃいけないこずがあるでしょ」
    「そうだ」
    倧厎は肩に担いだたたのカメラのフレヌムにクマを捉え続けながら、声を発した。
    「俺たちはさっき、『海岞に倧量のむワシが打ち寄せた』ずいう生䞭継をしたんだ。遠目にクマが近寄っおくる画たではちらっず芋せられたが、その危険たでは十分に䌝えられおいない。もし、野次銬が海岞にやっおきおクマの被害にあった堎合は  」
    「私たちの責任ね」
    普段は柔らかな衚情の、橿原の目が真剣みを垯びおいる。
    「は、はい。すみたせん」
    「私は今の状況をリポヌトしお、本瀟に送り続ける。このあず譊察もくるし呚囲が隒がしくなるから、桃花ちゃんは察応ず呚蟺取材をお願いね」
    「わかりたした」
    橿原は深刻な衚情を厩し、あえお笑顔を䜜る。
    「さ、そうずきたれば、堎所倉わろやるしかない」

    ☆☆☆☆☆

    「こちらは小暜垂銭凜の海岞です。時刻は時分をたわったずころ。私はいた海岞からメヌトルほど離れた堎所に停車䞭の車の䞭からリポヌトしおいたす」

    橿原の䞊半身を映しおいた倧厎のカメラは、車のフロントガラス越しに海岞線ぞずズヌムし、途䞭で゚クステンダヌを入れおさらに『寄り』の映像を送り出す。

    「銀色に光っお芋えおいるのは、さきほど䞀床䞭継でお䌝えした、海岞に打ち䞊げられたむワシず芋られる魚のダマです。そしお、その魚にかぶり぀くような動きを芋せおいる黒い生き物がみえたすでしょうか私たちが芋た限りではヒグマのように芋受けられたした。
    珟圚私たちはヒグマから距離を取り、譊察に通報しお、車の䞭からクマの状況を監芖しおいたす。付近にお䜏いのみなさんは、危険ですので決しお海岞には近づかないでください。
    繰り返しお䌝えしたす  小暜垂銭凜の海岞です  」

    「よヌし、いいぞ。収録は回し続けお。あ、䜐久間ちゃん聞いおる」
    に指瀺をした埌、有村は、頭に着けおいたヘッドセットでむンカム越しに線集にコンタクトする。
    「はヌい、聞いおたす」
    圓盎の゚ディタヌ、䜐久間は代前半のベテラン線集マンだ。
    「いたのさヌ、サヌバにニュヌス項目の新しいハコ぀くるからいいずこで切っお入れおほしい。尺分くらいだったでしょ」
    「ざっずそんな感じでしたね」
    「加賀君の本蚘のあずに入れようず思うんで、よろしくです」
    「りょヌかいでヌす」
    有村はヘッドセットを倖すず、スタゞオサブから報道フロアヌに移動する。報道フロアヌは生攟送が続いおいる報道スタゞオに隣接しおいお、プロデュヌサヌの坂本はその報道フロアヌから制䜜ラむンのむンカムを䜿っお番組に指瀺を出しおいた。
    「坂本、珟堎の橿原リポヌト、撮っお出しでいこう。生だずなんかあった時に危険もあるけど、ならいいず思うんだ」
    「いいですね。『珟堎付近に近寄るな』の゚クスキュヌズも入れたいし。生は譊察が着た埌に安党が確認されたら埩掻したしょ」
    坂本はモニタヌから目を離さずに応えるず、そのたたオン゚アディレクタヌずフロアマネヌゞャヌにむンカムで䌝える。
    「次の明けからさ、むワシずクマ党力で行くから。残りのスポヌツず特集は飛ばす。倩気の時間だけ残しおあずは党郚、むワシクマあっ、は飛ばさないからね」

    ☆☆☆☆☆

    遠くから聞こえ始めたパトカヌのサむレンは、確実にその音量を増し始めおいた。

    「譊察車䞡のサむレンず思われる音が近づいおいたすが、クマは我関せずずいった様子で、むワシを食べ続けおいたす。食べるペヌスは少し萜ちたように感じられたす。満腹が近づいおいるのかもしれたせん」

    橿原は付近の状況や、クマの様子などを加えおリポヌトを送り続けおいた。
    やがお䞀台の小型のパトカヌが接近し、ロケ車のすぐ暪に停車するず名の制服譊官が降りおきた。
    菊地原はクマの様子をきにしながら、車から出お譊察官に近寄った。

    「さん通報の」
    代ず代のように芋える人のうち、幎かさの方が話しかけおきた。
    「そうです」
    「クマは」
    「あの、ここから芋えおいる海岞で、黒くお動いおるダツ、芋えたす」
    「あヌ、あれか。おい、連絡」
    䞀緒に芋おいたもうひずりの譊察官が、眲ぞの無線連絡を始める。
    「ちょっず近いな。さんね、もっず䞋がっおもらうから」
    「えっ」
    「だっお、危ないでしょ。ここひずたず封鎖するから」
    「封鎖、ですか。じゃ、どのくらい䞋がればもうメヌトルくらいですか」
    「いやいや」
    ベテラン譊官は呆れたような衚情を浮かべながら蚀った。
    「付近䞀垯封鎖だから、キロかキロかわからないけど、この海岞自䜓から出おもらわないず」
    「ええヌっ」
    倧声を出したのは菊地原ではなかった。
    リポヌトを続けおいるはずの橿原が、車の倖たで響くような叫び声をあげおいたのだった。
    思わず、菊地原も譊察官も車に近寄りながら耳を柄たす。
    「ふ、増えおいたす。、、、、。頭い぀のたにか海岞のクマが頭に増えおいたす」


     
     
     
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