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ダークダンス 第9話「プロジェクトボディネーション」

    ―ヒーローと、怪人と。そして、わたしたちの、物語―




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    ダークダンス 第8話「田代VSダークダンス」




    本編





    九 プロジェクトボディネーション



    テレビスタジオ。

    スポットライトの中に、荻野目と大楠が立っている。

     
     

    荻野目 ようこそ、正義の扉へ。国民防衛対策室の荻野目です。

    大楠 新ボディネーションの、大楠義治です。

    荻野目 この国に新しいヒーローが誕生したことを、わたしたちはうれしく思います。

    大楠 ぼくが、そのヒーローに選ばれたってわけなんだけど……。

    荻野目 どうしたの大楠さん、何か不安でも?

    大楠 いやー、ぼくみたいなどこにでもいる普通の人間にヒーローなんて務まるのかな?

    荻野目 大丈夫。ヒーローはあなたひとりじゃないわ。

    大楠 それは心強いな。でも、その仲間はどこに?

    荻野目 新ボディネーションとともに悪と戦うヒーロー。それは、画面の前のあなたたちです。

    大楠 おっと!そうだった!

     
     

    音楽。

    プロジェクトボディネーション、キャンペーンソングが流れる。

    曲は『アメイジンググレイス』。

    キャンドルを持った志ず子・小池、エキストラの国民たちもやって来て、

     
     

    小池 例え、ひとりひとりの正義は小さな灯だとしても。

    志ず子 小さなキャンドルをみなで持ち寄れば、それはきっと大きな正義の炎になる。

    荻野目 正義の心をもつ、国民ひとりひとりがヒーローになる。それが――

    全員 プロジェクトボディネーション!

     
     

    イメージ映像と共に、タイトルおよび歌詞が投影される。



    『正義の夜明け』  作詞 OGINOME


    ボディネーション 正義の夜明け

    正直ぶっこんだ国家予算

    羽織ったシャツはLサイズ 宿す正義はLLサイズ

    キミの正義の 心の裾が

    悪のかかとに踏みつけられて

    闇の地面に汚されぬよう しっかり裾上げしよう

    光のくるぶしまで


    溶暗。


    スタッフの声 ありがとうございましたー!

     
     

    明かりが戻り、

    スタッフが出て来て、大楠たちのピンマイクを外しはじめる。

    皆、がやがやと話しながら、スタジオを去っていく。

     
     

    荻野目 お疲れさま。

    大楠 ああ。なんかまだピンとけえへんなぁ。

    荻野目 何いってるの。戦闘を重ねるたびにスーツに送り込まれるエネルギーは右肩上がり。正直わたしの予想以上よ。

    大楠 そう?ま、なんでもええけど、そろそろ休ませてぇや。

    荻野目 今ががんばり時でしょ!

     
     

    荻野目と大楠、はけて行く。

    小池、スタジオの隅にいるマチに気づく。

     
     

    小池 あ。

    志ず子 あー!マチちゃん!来てたの?マチちゃんも出ればよかったのにぃ!

    マチ いいよ。わたしは。

    志ず子 いいよ。わたしはだって!そんな風に言う人に限ってめちゃめちゃノリノリで歌うんだから!ね、麗香さん!

    小池 べつに、わたしは。

    志ず子 見てたでしょ?マチちゃんも。

    マチ うん。

     
     

    志ず子、ようやくマチの様子を察して、

     
     

    志ず子 ……なんか、元気ないねぇ。

    マチ べつに。

    志ず子 あ、わかった!お父さんがみんなに取られたみたいでさみしいんでしょ!

    マチ そんなわけないでしょ。

    志ず子 でも、気持ちはわかるなぁ。最近、なんか大楠さんがどんどん遠い存在になってくような気がする。

     
     

    志ず子、大楠が荻野目たちと出て行った扉を振り返る。

     
     

    小池 もともと近い存在じゃなかったでしょ、志ず子ちゃん。

    志ず子 え?あ、そっか!はっはっはっは!

    マチ ……。

    志ず子 なんかあったの?

    マチ べつに。

    小池 どうしたの?

    マチ 友達が引っ越しちゃったの。

    志ず子 麗香さんにはすぐ言うんだ。

    マチ 向こうに。お父さんが、事件起こしちゃって。

    志ず子 向こうって、光のフェンスのこと?

    マチ バリケードだよ!あれは。……テレビで見てたのと、全然違った。

    小池 見送りにいったの?

    マチ ……。

     
     

    マチ、うなづく。

     
     

    マチ 親が犯罪者なら、こどもも犯罪者なの?

    小池 そんなことない。

    マチ 父さんが正義のヒーローでも、わたしはわたしだよ。

    志ず子 そうだよ!

    小池 うん。そうだね。

    マチ わたし、父さんが怪人と戦うの、やなんだ。父さんがやられるのやだし。父さんが怪人殴るのも……やなんだ。

     
     

    マチ、下を向いてしまう。

     
     

    小池・志ず子 ……。

     
     

    溶暗。



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    尾米タケル之一座 作・演出。コントやら。舞台やら。 尾米タケル之一座HP https://okometakeru.jp/ 脚本・演出などお仕事のご相談はこちらまで→okometakeru@yahoo.co.jp

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