
【官能小説】戦隊ピンク③ハードネゴシエーター
前の話→
テレビアカツキ本社。会議室の空気はピリピリしていた。
テレビアカツキのプロデューサーたちは、ボブちゃんを迎えるべく一堂に会していたが、その表情はどこか緊張感に包まれている。なにせ、あまたのサプライヤーやステークホルダー相手に、ハードネゴシエーターとしてその名をとどろかせているボブちゃんである。どれほどの強者なのか。しかも、事前に確認事項リストとして238の確認事項が送られてきたのだ。徹夜を重ね、テレビアカツキとしてできる最大限の回答案を作成したつもりであるが、さてどうなることやら。
扉が開くと、ゆるふわな格好をしたボブちゃんが入室してきた。
その格好は、いつも通りの白いスリップ。手足は白く華奢で、裸足。かわいらしい格好なのだが、彼女の視線は鋭く、どこか圧倒的な存在感を漂わせている。
「ほな、始めよか。」
彼女の柔らかな関西弁の第一声で、場の緊張は一瞬ほぐれたが、その裏にある本質的な強さを感じたプロデューサーたちの背筋がぞくっとする。
1.テレビアカツキのプレゼン
まずは、テレビアカツキから、セブンセンシズの企画案についてのプレゼンをプロデューサー自らが開始した。開幕から最強の将軍をぶつける。テレビアカツキの本気である。
「今回のセブンセンシズでは、これまでの戦隊ものの常識を覆すような作品を作るつもりです。」
プロデューサーがスライドをめくりながら語る。スライドには、赤字で"挑戦的"と書かれた大きな文字が映し出される。
「特にピンクのキャラクターには、視聴者がこれまでに経験したことのないレベルのインパクトを与えたい。そのためには、彼女が直面する性的なピンチの描写が欠かせません。」
「ピンチいうても、相手はタコ怪人やろ?もう狙い見え見えやなぁ。」
ボブちゃんが少し笑いながらも皮肉たっぷりに言うと、プロデューサーたちは言葉に詰まりながらも頷く。
「ええ、確かにタコ怪人です。触手を使った攻撃や、雨による弱体化を駆使して、ピンクを追い詰めるストーリーを考えています。」
「ふーん。そんで、そのタコの中の人は?」
「スーツアクターは井口雅人さんです。いぶし銀の実力派で、怪人の動きに関しては業界でもトップクラスです。派手さはないですが、キャラクターの説得力を高めてくれるでしょう。」
「ええ俳優さんやな。ただ、タコ怪人ならば、スーツアクターだけだとあんま目立たんやろ?そこに命を吹き込むんが、エフェクトやな。」
「その通りです。触手の動きや雨の表現、そしてタコ怪人の舌など、特殊効果で魅力を増幅させる予定です。」
「舌?なんやそれ、タコに舌はあらへんで。もしかしてべろんべろん舐められるやつかいな。誰の趣味なん?」(←筆者です)
「ええ、そうです。でもなぜか舌が出てくるんです。それも重要なクライマックスです。」
「戦隊にありがちなご都合主義やなぁ。それでリアリティあるん?」
「ええ、実は舌には深い設定がきっちりありまして、タコ怪人が舌を使うことの説得力においては何の問題もありません。むしろ自信のあるところです。」
「ふーん。なんかとんでもないやつが脚本書いてそうやなぁ。」
ボブちゃんは眉をひそめながらも、興味深そうに聞き入る。
2.ストーリー
「で、そのストーリーの流れ、具体的にはどんな感じなん?」
「ピンクがタコ怪人に敗北し、孤立無援の中で性的な攻撃を受ける。そして正義のヒーローとしての毅然とした態度が崩れていき、大泣きし、最終的には絶望に打ちひしがれる…という流れです。」
「ふーん。胸糞やな。」
「はい、ですがリアルな葛藤と感情を描くことで、視聴者に深い印象を与えたいと思っています。」
「それ、ただのエロになる危険性は考えとる?」
ボブちゃんの指摘にプロデューサーたちは一瞬黙り込む。
「ピンクのキャラクターが持つ尊厳をどう守るか、そこがポイントやと思うで。ただ視聴者に嫌な思いさせるだけやったら、そんなん誰も喜ばん。」
「その点については、演出の工夫や脚本でバランスを取る予定です。」
「たとえば?」
「例えば、雨による弱体化を象徴的に見せるために、雨粒が身体に落ちると発光するようなエフェクトを入れます。見えにくくなるので、最初だけですけどね。また、触手が絡みつくシーンでは、カメラワークを工夫して視覚的な負荷を軽減しつつ、緊張感を維持します。また、触手にありがちな作り物感がでないよう、小道具スタッフがヒョウモンダコの研究をして、それを再現できるレベルにまでなっています。」
「ふーん…まあ、見た目の工夫はええけど、それがちゃんとキャラクターの物語につながっとるんか?」
「はい。いったんはピンクは絶望に打ちひしがれます。しかし、そこから立ち直っていくのがストーリー上、重要なポイントとなります。」
「ほな、私がその立ち直りのところも考えたりしたらええんかな?もしかして、私の過去、変なことされたんも知っとる?」
「はい。それもボブさんにお願いした理由の一つです。」
「なんちゅうやっちゃ!私じゃなかったら怒ってるで。でもまあ、私を選んで正解でもあるやな。要は、ピンクが立ち直るストーリーに、私も寄り添って考え、演じていけというわけやな。」
「それはぜひお願いしたいです!」
「ふむ。私を選んだことに必然性はあるわなぁ、、、」
ボブちゃんは考え込むように頷く。
3. 衣装
「ところで、衣装の話やけど。」
ボブちゃんが目を細めながら聞く。
「事前に頂いた資料には衣装のことは書いてなかったなぁ。なんか理由でもあるんか?」
「実は、、、スリップにするか、それとも他の形にするか議論中です。」
「またスリップかいな。それしかないんか、あんたらは。」(←筆者です)
「いや、戦隊ものではまだスリップはありませんでしたので、視聴者にインパクトがあるかと。」
「インパクトというか、ただのエロ要素として消費されとるやろ。」
「そ、それも一理あります。ただ、スリップの純粋さと儚さが…それに森ガールの服装でもありますし」
「純粋さや儚さいうなら、演技で見せたほうがええんちゃう?それに、桜庭ねねは森ガールちゃうやろ。」
「それはですね、桜庭ねねを森ガールにする設定も検討していまして、、、」
「あほらし!なんのためにやっとるんや!やめや!やめ!私は帰るで。」
ボブちゃんは一喝し、椅子を立ち上がる。スタッフたちに走る緊張。
「わかりました。衣装は普通の女の子の衣装にしましょう。」
プロデューサーが即座に回答する。
「そうやな。」
「実は原作者の強い意向があったのですが、ここは私が調整しておきます。プロデューサーとはそういうものですから。」
「ありがと。」
「あ、それと。官能シーンではスリップでお願いします。そこはこちらも譲れません。」
「ええよー。ちゃんと洗濯してなー。」
4.露出
「ほんでさ、ちゃんと聞いてなかったけど、私はどこまで脱ぐんや?戦隊だし、さすがに露出はあかんやろ?」
「そうですね。基本的には乳首も局部も露出しません。」
「基本的には?どゆこと?」
「すいません。露出しません。特に他意はないです。」
「と、すると、スリップでシーンの演出をするわけやな。脱がずに。」
「そうなります。」
「オッケー。脱ぐことになるとやだなあ、それは断ろっかなーと思ってたけど、よかったわ。」
ボブちゃんはちょっと安心したように微笑む。
5. ギャラと条件の提示
「ほな、条件面の確認やけど。」
ボブちゃんは身を乗り出し、プロデューサーにまっすぐ視線を向ける。
「撮影中、私が不在になる間の手当て、きっちりうちの会社に払ってな。多分、ちょっと困るだろうから。それから、現場の環境もちゃんと整えてくれへんと困る。」
「はい、それはもちろん保証します。」
「ほんでギャラやけど…正直、私、生野菜ボリボリ食べて、飲み会して、毎日きれいなスリップ着られたら、それで十分やねん。」
プロデューサーたちは驚きつつも微笑む。
「せやけど、他の俳優さんと同じくらいの待遇にしといてや。それが筋やろ?」
「はい、そこも問題ありません。」
「最後に。」
ボブちゃんは静かに、しかし力強く言葉を続ける。
「この作品、ただのエロや胸糞で終わらせるんやなくて、生きる意味とか強さとか、そういうもんをちゃんと伝えるもんにしてな。そんなん作れるんやったら、私も全力で協力するから。」
プロデューサーたちは一斉に頷き、頭を下げた。
「ありがとうございます!ぜひよろしくお願いします!」

ボブちゃんが会議室を出るとき、軽く振り返って言った。
「ほな、またな!ええもん作るん楽しみにしてるわ!次は現場やな!」
こうして、ボブちゃんが戦隊ピンクになることが決まったのであった。
次の話→
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作者あとがき:
猛者たちとハードネゴをしてきたボブちゃんのこと、どうなることかと思いましたが、意外とあっさり合意に至ったようです。
なお、衣装がスリップと聞いてボブちゃんが激怒したのには実は理由があります。同僚のポニーテールちゃんに「ピンク役ならいろんな服が着られるで!えへへへ」とか言ってた手前、スリップを衣装にされると困ったからなのでした笑
メタい話をするならば、実はこの章を書くまで、私もどっちにするか決めかねていました。書きながら決めるぞ!って思っていたら、自然とこうなった。どこかでボブちゃんを切れさせようと思っていたのですが、それが「スリップじゃなくて衣装着たい!」というところにハマったわけですね。というわけで、ボブちゃんのいろんな私服姿が拝めると思いますよ~ 彼女、中にスリップ着ると思いますけどね笑