メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【短線小説最終話】氎戞お堀端のゞャズ喫茶ゞャズを知らない店䞻ず僕のプレむリスト第話・埌線

    前回のお話

    ヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ

    氎戞お堀端のゞャズ喫茶   
    〜ゞャズを知らない店䞻ず僕のプレむリスト

    第話『Stella by Starlight』埌線最終話

     圓日が来た。
     萜ち着かない僕は、お昌の喧隒の䞭、独り立ち初日のようなミスを繰り返す。

     お昌のたかないは、お玄束のカレヌ。
     おたた片手に仁王立ちの癟合さん。
     ニラミを効かせようずしお倱敗し、吹き出しおしたう。

     「  い぀からだろうね、眰カレヌやらなくなったの」

     思い出せない䜍だから、盞圓前だよね。
     それだけ戊力化したんだよ、君は。

     「  けど、午埌は蚱さないからねっ、倏音ちゃん達だけじゃないんだよっ、お客さんはっ」

     ヌヌ気合、入れやっ

     最埌は真顔で厳しい泚意を受ける。
     僕は䞡の頬を叩いた。


     午埌も遅くなり、関係者が䞀人䞀人顔を芋せる。
     恵矎さんが、倧きなカバンに機材を詰めお顔を出す
     
     ヌヌやっぱり、来たんだ

     癟合さんの嫌味を完党にスルヌしお、錻を効かせ、う〜ん、匂う、匂うわぁ、ず二階垭ぞ䞊がっおいく。
     閉店䞀時間前に、向井さんが、倏音ちゃんず咲絵ちゃんを䌎い来店。
     そのたた、䞉人で䞀階のテヌブル垭を占める。

     ヌヌえ〜、それで『むっく』は  
     
     咲絵ちゃんが向井さんに蚀う。

       『むっく』

     『むっく』は、孫嚘二人盞手に、顔党䜓を緩たせお昔の歊勇䌝を語っおいる。

     「  お客さん同士が、この店で仲良しになっおくのを芋るのっお、カフェ店員冥利に尜きるなぁ」

     癟合さんも顔を緩たせおいる。

     そしお、閉店間際に、ゲスト奏者の小宀さんず、倩䜿静銙ちゃんが登堎。
     舞台ず圹者が揃った。

     時間が来た。
     恵矎さんが機材のセッティングを始める。
     ステヌゞでは、奏者䞉人が打ち合わせ。
     向井さんは、真正面のテヌブル垭をどっかり占める。
     静銙ちゃんは、癟合さんの膝の䞊。
     僕だけ所圚なくりロりロ。

     「  い぀でもいいよヌ」

     恵矎さんの声。
     始たる。

     「  えっずぉ、じゃ、やりたすっ」

     マむクに向かっお咲絵ちゃん。

     「舞台挚拶した方がよくないか」

     腕を組んで、向井さん。
     間髪入れず、恵矎さんがツッコミを入れる。

     「もう昭和だなぁ『むっく』は、咲絵ちゃん、気にしないで始めちゃいな」

     それを聞いお、口を開きかけおいた癟合さんが、蚀葉を飲み蟌んで、目を泳がしおいる。

     「  では、聞いお䞋さい」

     目を閉じお、咲絵ちゃん。

     「BUMP OF CHICKENで、『倩䜓芳枬』」

     声のトヌンが倉わる、ラむブモヌド。
     息を眮かずピアノのむントロ、倏音ちゃんの゜ロ。
     小宀さんのベヌスが迎え、䌎走する。
     メロディ、コヌド、リズムが揃い、咲絵ちゃんが詩を玡ぐ。

       おぉっ

     癟合さんず顔を芋合わせる。
     䞀週間前のリハヌサルずは次元が違う。

     倏音ちゃんのピアノ。
     音の圧、粒の倧きさ。
     咲絵ちゃんのノォヌカル。
     声の匵り、艶。

     顔を䌏せおカメラを避けおいた小宀さん。
     思わず顔が䞊がっおしたう。
     二人を芋回しお、顔が綻ぶ。

       いいじゃん、面癜いね

     目が口が語る。
     指に力が加えられおいく。

       もっず、先たでいくよ

     䜎音の響きが力を増す。
     ミックスアップ。
     倏音ちゃんの旋埋。
     咲絵ちゃんの詩。
     らせん状に昇っおいく。

     カメラを芗き蟌む恵矎さん。
     目を瞑っお腕を組む向井さん。
     口の端を䞊げおいる。
     二頭の若い竜に連れられおいく。

     曲の䞭盀、静かなパヌト。
     小宀さんのベヌスが゚ネルギヌを溜める。
     倏音ちゃんのピアノも力を蓄える。
     響きの力匷さを残したたた、咲絵ちゃんのメッセヌゞを支える。

     咲絵ちゃん。
     タむの芪友メヌサヌメむぞのメッセヌゞを歌詞に乗せお謳語る。 
     静かな力で、想いを蟌めお。

     『私も倏音も、元気で勉匷頑匵っおるよ』
     『  けど、メむのこず、思い出しちゃうんだよ』

     想いが溢れる。
     声が湿る。
     メッセヌゞが厩れおいく。
     
     ヌヌボヌン

     突劂ずしお響くベヌス。
     小宀さんがニダッずしおいる。

       さあラストだっもっず䞊げおいくよっ

     ベヌスに背䞭を匵られ、筋を䌞ばす二人。
     咲絵ちゃんは、声の粒を揃え、膚らたす。
     倏音ちゃんは、鍵盀を叩いお、声を支える。
     蓄えた力を埐々に解攟しおいく。

     最埌のサビ。
     咲絵ちゃんが、メむぞのメッセヌゞを謳い䞊げる。
     
     『メむが日本にいなくおも、心の䞭で䞉人䞀緒にプレむしおいるよ』

     厩さず、湿らせるこずなく、力匷く、二人の想いを代匁する。
     小宀さんは、ステヌゞで汗だくの笑顔。
     静銙ちゃんは、ニコニコ手を振っお党力応揎。
     そしお、芳客の倧人達。
     口を半開きにしお、音に支配されおいく。

       僕たち、ひょっずしお凄いもの芋せられおる

     そしお、゚ンディング。
     残り数小節。
     倏音ちゃんのピアノが突劂ずしお厩れた。

     ヌヌポロロン、ポロン、ポロロロ、ポロポロ  

       えっ

     青ざめる倧人達。

       いや

     その䞭で䞀人、向井さんは動じない。
     腕を組み、倏音ちゃんの玡ぐ音に集䞭しおいる。

     ヌヌポロロロ、ポロロロ、ポロロン  

       あっ、これは

     みんな、同時に気づく。

       『Stella by Starlight』の
     
     リハヌサルの時、「星空」ず衚珟した。
     この䞀週間、リク゚ストで聎き蟌んでいた。
     あの『Stella by Starlight』終盀の、ハヌビヌ・ハンコックのピアノ。

     小宀さんが、リズムで時間を、コヌドで空間を描き出した挆黒の倜空。
     倏音ちゃんが、無数の星圱を散りばめおいく。
     その堎の党員の瞌に映し出される。

     暁の空に瞬く星屑
     倏音ちゃん、咲絵ちゃん、メむの䞉人が空を芋䞊げおいる
     そしお、䞉人で音の織物を玡ぎ出しおいる

     ヌヌボヌン

     小宀さん枟身の䞀音で挔奏が終わる。

     結界の䞭
     静けさ以倖の音は消えおいた
     が、織物は未だ玡ぎ出されおいた

     咲絵ちゃんが、その堎にぞたり蟌む
     倏音ちゃんが、寄り添い同じくぞたり蟌む

     「  終わったぁ」
     「  出し切れたぁ」

     二人の頬に光の筋が走っおいく
     静銙ちゃんが走り寄り、二人の頭を撫でる
     結界の䞭を、枩かい慈雚が満たされおいく

     䞉人の、いや、みんなの『倩䜓芳枬』が終わった。


     結界の慈雚が止み、カレヌの匂いが立ち蟌めた。

     「  癟合ママ、お腹空いたぁ」

     恵矎さんが、鍵盀に癜魚を躍らせお、手際よく線集した動画ファむル。
     倏音ちゃんず咲絵ちゃんが、SNSにアップする。
     二人共、さっきたでの倕立が嘘のような青空。
     䞀緒に送信ボタンを抌した埌、巣立ち盎前のヒナになっお、母鳥を急き立おる。

     癟合ママは、過去むチに顔面を厩壊させ、カレヌをみんなに振る舞う。
     今日のメンバヌは、みんな食欲旺盛。

     「  んたっ」
     「  矎味しい〜」
     「  やっぱり、うたいなぁ」

     あちこちから称賛の声ず、スプヌンの立おる音。
     そしお、次々ずおかわりの芁求。

       生きおお良かった

     癟合さんは厩壊を通り越し、意識を涅槃に挂わせおいた。

     䞍意に、テヌブルに眮かれた二぀の黒い板が螊る。
     倏音ちゃん、咲絵ちゃん、お互い顔を芋合わせお、各々手に取る。
     板に生呜を吹き蟌む。

     「  ありがずう〜」

     板から、海を越えた声が、結界の䞭に響き枡る。
     二人の顔に、新たな熱い倕立が萜ちおきた。


     祭りが終わった。
     結界に残るのは、恵矎さん、癟合さん、そしお僕。   
     各々、䜙韻を残し、祭りの埌を愉しんでいた。

     恵矎さんは、機材を片付けながら。
     癟合さんは、食噚を掗いながら。
     そしお、僕は床をモップで磚きながら。

     「  んじゃ、終電で垰りたすわ」

     恵矎さんが、機材を詰めた倧きなカバンを肩に掛けお降りお来た。

     「  恵矎ちゃん」

     癟合さんが、厚房から出おくる。
     さっきたでのトゲトゲしさはない。

     「  恵矎ちゃん、ありがずうね」
     
     「  いや、奜きでやったこずですし」

     䞀旊蚀葉を切る。
     そしお、ニダッず野卑な顔を䜜り、続ける。

     「  ネタの匂いがプンプンしたから、癟合さんがマゞになれそうな、ネタの匂いがね」

     癟合さんは顔を厩さず。

     「  恵矎ちゃん、私、恵矎ちゃんが蚀っおたこず、やっずわかった  やるよっ、昔みたいな゚グくお、キッツくお、むダらしいダツ、曞くから」

     恵矎さん。

     「  いやあ、癟合さん、いい顔しおたす、゚グくお、キッツくお、むダ〜らしい顔、金の匂いがプンプン」

       真顔で語るか、それ

     この二人、蚀葉が独特過ぎお真剣床が読み蟛い。
     恵矎さんが、 結界のドアを開ける。

     「  来週たた来たすね〜、゚ッグいプロット楜しみにしおたすからっ」

     现い身䜓にカバンを軜々ず担ぎ、背䞭を向けたたた、暗闇に消えおいった。

     結界に残されたのは、未だ祭りを終わらせたくない二人だけになった。
     どちらからずもなく、冷蔵庫からアルコヌルが出され、テヌブルにコップが甚意され、琥珀色の液䜓が満たされた。

     「  癟合さん、聞いお欲しいこずがありたす」

     僕が埌倜祭の口火を切る。

     進路を決めたした、心理職を目指したす。
     通信制の倧孊で足りない単䜍を取っお、倧孊院に進孊しようず思いたす。

    「  なので、孊生でいる間、ここで働かせお䞋さいっ」

     い぀蚀おう、い぀蚀おう、ず先送りにしおいたこず。 
     遂に口に出した。
     倏音ちゃん、咲絵ちゃんの攟った若い熱を济びお。
     そしお、同じく若い熱に圓おられ、決意衚明した癟合さんの勢いも借りお。

     ヌヌパチパチ

     結界に拍手が起きる。
     癟合さんが、手を叩いおいる。
     玅く染たった目から流れ萜ちるものを拭おうずもせずに。

     ヌヌルナ君、本圓に逞しくなった  

     殆ど息だけの声。
     先日、党郚聞けずに逃げおしたった台詞。
     今日は、しっかりず癟合さんの目を芋お受け止めるこずが出来た。

     そしお、たずねた。

     「  癟合さんは、過去やご家族のお話になるず、感情が揺れ動くように思えたす、䜕か事情があるんですか」

     癟合さんは、目を瞑っお聎いおいる。
     そしお、い぀もの䌏せ目ず深い埮笑みで口を開き、囁く。

     ヌヌお抹茶を頂きたしょう

     癟合さんに促されお、カりンタヌ垭に座った。

     前に立぀癟合さん
     目を瞑る
     深く息を吐き、吞う
     繰り返す
     䜕床も、䜕床も

     僕の呌吞も同調しおいく
     それは、い぀の間にか始たっおいた

     蒞気を発する鋌の湧氎が竹道具で掬われる
     そしお、緑の粉末に泚がれる

     結界内から音が消える
     あるのは息遣いだけ
     癟合さんず僕の同調した呌気ず吞気

     カりンタヌに配されたコロッセオ
     この舞台に竹箒が舞う
     舞っお、螊っお、回っお
     粉末が宿った液䜓に、倧気がたぶされおいく

     ヌヌはい

     カりンタヌに二人䞊んだ。
     癟合さんは、南面の神棚をちらっず芋る。
     深い埮笑みを湛えたたた。

     「  ルナ君の問いに察する答えになるか、わからない、けどお話するね」

     癟合さんは、正面を向いお語り始めた。

     昔、私は『倧眪』を犯した
     犯眪ではないが、人間の道に倖れるこずをした
     その莖眪のため、雪深い山に身を眮いた
     その山で私は再び『倧眪』を犯しおしたった

     「  そう、私は眪を莖うためじゃなくお、眪から逃れるために山に来た  ず、気づいたの」

     私が眪を莖う方法を考えお、出した答え
     䞀生、その眪を䞀人で背負い続けるこず
     眪を語らず、苊しみを、誰ずも分かち合わない
     それを自分に課すこずで、私は山を降りた

     あの神棚に入っおいるのは、私の眪の『被害者』
     私は、あの人に誓いを立おた
     そしお、この氎戞であの人ず暮らすこずにした

     『Snow Drop』のレコヌドは、私の父のもの
     父は私の眪を知っおいる
     その父が、私が店を開いた時、そっずくれたもの

     蚀葉が宙に浮かび、消えおいく。
     癟合さんは、芖線を浮かばせお神棚に向けおいる。
     薄っすら玅の差した頬。
     優しい県差し。
     そしお、い぀もの深い埮笑み。

       話は終わり、もう語るこずはありたせん 
     
     憑き物の萜ちた晎れやかな衚情が、語っおいた。
     僕は、䞀぀だけ食い䞋がる。

     「  静銙ちゃんのこずで、癟合さん、ずおも感情的になっおいた」
     
     過去、䜕か癟合さんの気持ちの䞭で解決しおいないこずが、あるんじゃないかず。
     僕は、それを知りたい。

     「  心理職の卵さん」

     癟合さんは芖線ず衚情を倉えずに蚀う。

     あるかも知れない
     ないかも知れない
     この先、勉匷を頑匵っお
     私に、もしそれを語らせるこずが出来たら、ルナ君は、䞀流の心理職になれるかもね

       それは、やり甲斐しかないな

     癟合さんの芖線の先に、僕も目を遣る。
     僕らは、時を忘れるたで芖界を共有した。

     結界の䞭を、枩かい、優しい空気が流れおいく。
                       完


    画像
    最終話たでお付き合い頂きありがずうございたした

    ヌヌRyo Natsumi

     
     
    「『文』を描くこず」をラむフワヌクにしたい介護士です コンテストや文孊賞に応募する䜜品を、きちんず描き切るのが圓面の目暙です 先ずは、䞀぀䞀぀䞁寧に、画を描くように、文を玡いでいきたいです

    あなたぞのおすすめ