
【第570回】 Marketing Cloud Next : 監査用 BCC でメールのコピーを送信
Marketing Cloud Next Growth & Advanced Editions の 2026 年 9 月の新機能リリース では「Compliance BCC」が利用できるようになり、送信するマーケティングメールのコピーを、あらかじめ指定したメールアドレスへ 自動送信 できるようになりました。
例えば、実際に顧客へ送信したマーケティングメールを、企業のコンプライアンス管理用メールボックスや、外部のメールアーカイブサービスなどにも送信しておきたい場合に利用できます。
一般的な BCC との違い
一般的な BCC は、「このメールを別の人にも見えない形で送りたい」というように、個々のメールに対して BCC の宛先を指定するものです。
一方、Compliance BCC は、マーケターがメールを送信するたびに BCC アドレスを指定するものではありません。
組織全体で 1 つの Compliance BCC アドレスを設定し、Marketing Cloud Next から送信するマーケティングメールのコピーを、そのアドレスへ自動的に送信する仕組み です。
例えば、セットアップの設定画面で
Compliance BCC:compliance@example.com
と設定しておけば、顧客へのマーケティングメールの送信時に、compliance@example.com にも自動的に同じメールが送信されます。

つまり、通常の BCC が「個別のメールで別の人にもコピーを送る」ために利用されるのに対し、Compliance BCCは、企業が送信したマーケティングメールを継続的に記録・監査するための用途を想定したBCC と考えると分かりやすいでしょう。
Compliance BCC に設定できるメールアドレスは組織ごとに 1 つのみです。
設定方法
1. 設定で「Unified Messaging」から「Compliance BCC」を開きます。

2. 「BCC Email Address」に、BCCとしてメールを送信するメールアドレスを入力し、2 つにチェックを入れたら、BCCを有効化します。

注意事項
なお、Salesforce 側では入力したメールアドレスが正しいかどうかの検証は行われないため、入力ミスには注意してください。
また、設定を有効化してから実際のメール送信にBCCアドレスが含まれるようになるまで、最大 1 時間かかる場合があります。
個別のメール送信だけ BCC を無効にできる
3. なお、Compliance BCC には「Campaign Level Override」という設定があり、「Campaign Level Override」のトグルを有効化すると、組織レベルで有効になっている Compliance BCC を、特定のメール送信だけ無効化 できるようになります。

4. この機能が有効化されている場合のみ、フロービルダーの「Send Email Message」アクションから、対象のメール送信について BCC を無効にできます。

注意事項
この設定はあくまで「組織レベルで有効になっている BCC を個別に 無効にする」ためのものです。組織レベルで Compliance BCC が無効の状態から、個別のメール送信だけ BCC を有効にすることはできません。
BCC アドレスを個別のメールごとに変更することはできません。
Compliance BCC の重要な注意点
Compliance BCC を利用する際は、以下の点に注意してください。
① メッセージクレジットを消費する
BCC アドレスへのメール送信 1 通ごとにメッセージクレジットが消費されます。
例えば、10,000 人へのメール送信に Compliance BCC を適用した場合、顧客への送信とは別に、BCC アドレスへの 10,000 通分についてもメッセージクレジットが消費されます。
② Consent(同意)チェックの対象外
Compliance BCC のアドレスはマーケティング対象者を表すものではないため、Consent(同意)チェックの対象外となります。
③ BCC 側での操作が元の受信者に影響する
BCC として受信したメールから発生した 開封、クリック、配信停止などのアクティビティは、元のメール受信者が行ったものとして処理されてしまいます。
特に、BCC として保存されたメール内の「ワンクリック配信停止リンク」が操作された場合、元の受信者に影響する可能性があります。そのため、BCC の受信先には適切なアクセス制御を行う必要があります。
④ Salesforce 自体がメールのコピーを保存するわけではない
Compliance BCC で送信されたメールのコピーは、指定したメールボックスやメールアーカイブサービス側で保存できますが、Salesforce 自体が監査用データとしてメールのコピーを保存するわけではありません。
監査目的で確実な記録を残す場合は、BCC の受信先側で正常に受信・保存されていることを確認する必要があります。
⑤ Email Engagement DMO に BCC の情報が記録される
Email Engagement DMO の BCC Address 項目を確認すると、受信者へのメールに設定された BCC アドレスを確認できます。(下の赤枠)
また、BCC への送信自体も DMO へ記録されます。この BCC 送信イベントでは、BCC アドレスは「BCC Address」ではなく、Sendtime Email Address に保存されます。(下の青枠)

なお、Compliance BCC アドレスがバウンスした場合、その後の BCC への送信は行われなくなりますが、本来の受信者へのマーケティングメールは通常どおり送信されます。
いかがでしたでしょうか。
Marketing Cloud Next の「Compliance BCC」を使用すると、マーケティングメールのコピーを、組織レベルで指定した 1 つのメールアドレスへ継続的に BCC 送信できます。
なお、メールのコピーを保存するのは Salesforce ではなく BCC の受信先となるメールシステム側です。監査目的で利用する場合は、受信先でメールが正常に受信・保存されていることを確認してください。
注意:Compliance BCC への送信でもメッセージクレジットが消費されるため、監査などで必要な場合にのみ有効化するようにしてください。
今回は以上です。