メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo byyokoichi

【第381回】 Marketing Cloud Next : Upsert a Record for a Person フロー

    Nobuyuki Watanabe

    Marketing Cloud Next Growth & Advanced Edition の Winter ’26 リリースで登場した、新しいフローテンプレート「Upsert a Record for a Person」を活用すると、フォームトリガーフローのようなフロー開始時に Salesforce ID が、まだ提供されていないケースでも、該当レコードの検索・更新・新規作成を自動的に実行できるようになります。

    画像

    Tips:Marketing Cloud 専用のフローテンプレートを表示するには、新規フローの作成ボタンを押して「marketing」と検索します。

    画像

    Summer '25 の時点では、5 つのテンプレートがリリースされていました。

    • 誕生日プロモーションシナリオ

    • イベント登録シナリオ

    • リード育成キャンペーンシナリオ

    • 再エンゲージメントシナリオ

    • フォーム登録とフォローアップシナリオ


    「Upsert a Record for a Person」フローテンプレートとは

    このテンプレートを利用すると、まず既存の取引先責任者(Contact)または、リード(Lead)を検索し、該当レコードが存在する場合は更新を行い、存在しない場合は、見込み客(Prospect)を新規作成します。

    画像

    このオートメーションを サブフロー要素 で参照することで、既存のフローを拡張し、より一貫したフロー構築を実現できます。

    サブフロー要素とは、Salesforce フロー内のコンポーネントで、現在のフロー内から別のフローを呼び出すことができます。これは、小さなフローを大きなフロー内で再利用するようなものです。つまり、同じロジックを何度も再構築する必要がなくなります。

    画像

    テンプレートの使用目的

    フォームから送信された顧客情報に対しては、迅速な対応が求められます。
    しかし、ID 解決に時間がかかる場合、すぐに Salesforce 上で Salesforce ID を取得できないことがあります。

    このテンプレートを使えば、フォーム送信直後でも見込み客を既存レコードに紐づけるか、新しい見込み客として登録できるため、スピーディーな対応が可能になります。


    使い方のポイント

    1. 「Upsert a Record for a Person」テンプレートを使用してフローを作成※ サブフローで利用することが前提のため、「自動起動フロー(トリガーなし)」で作成されています

    2. サブフロー要素で、このテンプレートフローを参照

    3. フローは作成または更新されたレコードの「recordId」を返す

    4. 元のオートメーションで、この「recordId」を使用して個人データを参照

    フロー変数について

    • インプットでは、「company」「lastname」が用意されています。

    • アウトプットでは、「recordId」が用意されています。

    画像

    このプロセスにより、既存レコードの確認と重複防止が自動的に行われ、データの整合性を保ちながら迅速なマーケティングアクションを実現します。


    いかがでしたでしょうか。

    今回のテンプレートを実際に確認してみると、あらゆる企業でそのまま使えるものではなく、必ず自社に合わせたカスタマイズが必要であることが分かります。したがって、「更新処理を行う」や「サブフロー化すると便利」といった 設計思想だけを参考 にし、自社向けに最適化したものを構築するのがよいでしょう。

    あくまでテンプレートは出発点に過ぎません。Marketing Cloud Engagement のジャーニーテンプレートと同様に、「技術を学び取るための素材」として捉えるのが適切だと思います。

    また、私の理解では、Summer ’25 の新機能により「レコードを作成」要素で生成したレコードを直接参照できるようになっているはずです。たとえば、フォーム送信後に作成されたリードレコードの Salesforce ID を、その後の要素でそのまま利用できるような仕組みです。

    画像

    運用上、この仕組みがあれば十分な場合もありますが、取引先責任者 > リード > 見込み客と言った形で、段階的に処理できるのと、最初だけ頑張れば、再利用可能になる点がメリットですかね。

    今回は以上です。


    次の記事はこちら

    前回の記事はこちら

    私の note のトップページはこちら

     
     
     
    Salesforce Marketing Cloud、Agentforce、Data Cloud、Salesforce 認定資格に関する実践的な情報を発信しています。これらの記事が、皆さまの学習や日々の業務に少しでもお役に立てば幸いです。