【勝手に人生相談 No.737】本当の自分が分からない ( 兵庫県・20代女性)
▼ご相談内容▼
家族にも親友にもパートナーにも、本当の自分が出せていない気がします。
本当の自分とは何だろう、となります。
誰かといる時も自分は自分なのは分かるけれど、このまま素の自分を誰にも見せられないのは窮屈に思います。
でも一人で抱え込むのが楽なので、心を閉ざしてしまいます。
このままでいいのでしょうか。
▼やまのぼ回答▼
逆説的にいうならば、「本当の自分が出せていない」のが、本当の自分かも知れません。
そのほかに「素の自分」が、あなたの中にあるとしたら、とてもややこしいことになります。
「どれも嘘ではない」し、「どれも本物のあなた」なのです。ただ、どれが「素の自分」か、まだ整理されていないだけです。
でもそれは、「未熟」ではなく、むしろ「柔軟で賢い」振る舞いでもあるのです。
そこで、あなたが思う、「素の自分」とは、どういう自分のことでしょう?
まず、そこをはっきりさせる必要があります。
たとえば、本当は快活な性格なのに、対人関係では大人しく振舞ってしまうとか、喋ることが大好きなのに、嫌われたくないので無口になるとか、あるいは相手の意見に反対することができないとか。
でも、そんなことは誰にだってあることです。そもそも、「素の自分」は一つの固定形ではなく、複数の側面をもった集合体だと思います。
「人は人によりてのみ人となり得べし」という言葉を、哲学者カントは残しています。これは「人は他者との関わりによって初めて人間になる」という意味です。
接する相手によって、「素の自分」を抑えることなど日常茶飯事です。それが、対人関係の基本のキだと思います。それを、性格のせいだと、誤解していませんか?
あえて言うならば、「素の自分とはこういう人だ」と、はっきりと定義づけられる人はいるのでしょうか?
そんな人がいるとしたら、単なる思い込みだと思います。人は誰でも、相手・状況・役割によって振る舞いが変わるものなのです。
もちろん、年齢によっても変わってくるでしょうし、置かれている環境によっても、「自分」というものは、変幻自在に変わるものです。
もっと言うならば、それこそが社会生活を営む礎になっています。むしろ、「本当の自分が出せない」のは、社会的な適応行動の成せる技で、大人の振る舞いだと悟るべきことです。
あなたは、まだお若いので、その頻度が多く、上手く立ち回れていないと誤解しているだけです。
これから、歳を重ね経験豊富になれば、「自分」というものが、よりフォーカスされてくると思います。いい意味でも悪い意味でも。
それが「自分軸=素の自分」になるのです。つまり、自分の価値観や信念を判断基準にして意思決定する考え方が備わってくるのです。
いまこそ、心を閉ざす必要などありません。
あなたがいま思う「素の自分」が、仮にあるのなら、どんどん出すべきです。それこそ、若さの特権です。
それで、去っていく人は、あなたには必要のない人だと、開き直ることにしましょう。
▼次回のご相談予告▼
次回の【勝手に人生相談 No.738】三重県・20代女性のご相談です。「結婚したが幸せになれる?」を、予定しております。
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