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ある彼女の冒険2

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    ※私的な宗教的解釈を含みます。敬虔なキリスト教信者さんはここで回れ右して読み進めないことを強くお勧めします。
    =====

    あの人が十字架刑を宣告されてからめくるめく事態は動いていった

    鉄柵の向こうのあの人が私たち弟子に最後のお話をしてくれた

    話が途切れたところで
    あの人がぽつっと

    「ユダは生まれてきたのが間違いだった、、、」


    とつぶやいた。

    …そんなこと?!
    そんなことないよ!
    だっていつもユダ兄さんは、ユダ兄さんだけは等身大のあなたのこと、それこそ親友のように心配してくれてたじゃん!
    昨日だって部屋にわざわざ呼んで泣きながらなにか大変なこと相談してたんじゃないの??!


    周りの兄弟子たちはあの人の言葉にユダ兄さんに対する怒りを燃え上がらせていたけれど、

    私はあなたに怒ってた

    あなたそんな人じゃなかったじゃん!!
    疲れ過ぎちゃって、あなたこそ大切なこと見えなくなっちゃってるんだよ!!!
    ユダ兄さんがかわいそう!
    ユダ兄さんに謝ってよっ!!!!


    あの人の胸に飛び込んで、そう言いながらこぶしを叩きつけてやろうと思ったけど

    私が飛び込む前に動物の毛皮をかぶった目が座っちゃってなんだか恐ろしげな人たちにあの人は連れて行かれてしまった。


    あの人の言葉の真意を知ったのは全てが終わった後だった



    エルサレムの郊外にゴルゴダの丘はある
    こどもでも1時間もあれば登って帰って来られるそんな小高い丘で、
    頂上からエルサレムの街が一望できてしまった。


    よく晴れ渡っていて暑くもないし寒くもない、

    これからあなたは十字架を背負ってここまで登ってこなこゃいけないからそれだけは幸いだと思った


    私は磔刑の見物?にぞろぞろと集まってきたエルサレムの住人たちをかき分けて、
    なんとか十字架が立てられるという広場の最前列に滑り込むことができた

    ふいに心細くなって周りに兄弟子たちの姿を探したけれど見当たらず、
    しょうがないひとりで見届けようとお腹に力を入れた


    おしゃべりしていた群勢の声がひたっと止んだ

    十字架を背負ったあの人の姿が見えたからだ


    疲れ切った顔をして、処刑人と何か話した後
    背負っていた十字架を地面に置き、その上に身を横たえた


    処刑人が腰袋から極太のくぎと木槌を取り出し
    あの人の右手を素早く打ち据えた

    「痛ぁぁあああああーーーーー!!!!!?」


    とあの人は叫んで、信じられないものを見る目で処刑人を見ていた

    処刑人は構わず、
    両足の甲を重ね合わせ打ち据え、
    次に左手も打ち据え
    なんてこともないように十字架にあの人を固定していった


    その度にあの人は叫び、
    私は涙があふれて見ていられなくなって手で顔をおおってしまった

    十字架が5人の手によって立てられ地面に固定された


    あなたはどこか超然として私たちに説法をするのと同じ顔をしてエルサレムの街の方を見ていた

    手足から血がダラダラ出ていなくて、
    彼が十字架に固定されていなければ今日は普通の日なんだと安心してしまいそうなくらいだった



    突然彼の表情が変わった
    目を見開いて周りを見渡し、彼を見つめていた私と目が合った


    顔が歪み、
    何かを叫ぶように口を開いたが声は出て来なかった
    身をよじらせ、苦しそうに息を弾ませて苦悶の表情をあらわにした

    見ていられない、
    でもちゃんと見届けなきゃいけない気がしてあふれる涙をそのままにあなたをじっと見ていた


    十字架のそばにいたもうひとりの処刑人も見ていられないと思ったのか、
    地面に横たえていたやりを持ち上げ
    あの人のわき腹あたりを突いた


    声にならない絶叫とともに


    あの人の体が跳ね上がり、体から力が抜けていき、
    あなたは眠たそうにその瞳をゆっくりゆっくり閉じていった


    すこやかに眠っているような
    先程の苦悶の表情が幻だったみたいな顔をして
    あなたは静かに十字架に縫い付けられていた


    その姿はとても美しくて、でももう触れられない場所にいってしまったんだと理解した


    私はその姿をじっと見ていた
    周りも静かに、いや嗚咽している人がいたから静かにじゃないかもしれないけど
    静かにあの人の姿を見ていた



    なにかとても大切なことを示唆しているような、
    大切なことを思い出さなければ取り返しのつかないことになってしまいそうな、

    そんな焦燥感を感じていた。




    見物客がひとりまたひとりと離れて、私だけになっても
    日が傾いて太陽が断末魔のように照り輝き地に消えて
    宿屋の女将さんに引っ張られて帰宿をうながされるまで

    私はずっとあなたの姿を見つめてた


    =====
    続きのお話はこちらから
    この話の前のお話はこちらから
    キリスト目線の第一話はこちらから
    ユダ目線の第二話はこちらから


    ここまで読んでくださってありがとうございます🌸
    あなたは素敵です💖
    また読みにきてくださいね✨

    余談

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    いま日本でのsubstackは黎明期
    有名人も無名な人もわちゃわちゃと交流しながら日々楽しんでいます。
    沼です。マウントなんて存在しません。
    必要がないから。
    みんなが自立してお互いの意見を楽しんでいる。
    それがsubstack。

    んー、
    とりあえずsubstackにくればわかるよ
    noteとの連携もできそうですし✨
    おいでませsubstack🌸

    #サブスタ盛り上げ隊

     
     
    不登校・ひきこもりの経験から、今お子さんへの接し方に悩んでいるおかあさん、おとうさんの参考になる情報を書いています。小説も書いてるよ🗒️ 気軽にのぞいていってください♪ 主にsubstackにて活動中です🌸 「味村昇」で検索してねっ🔍

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