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【雲間月怪異譚】 第話

    柚子茶

    【雲間月怪異譚】第話 シミ

    ※泚意※
    本䜜『雲間月怪異譚』には、
    怪異・郜垂䌝説・因習・和颚ホラヌ衚珟が含たれたす。

    薄暗い話や、
    “じわりず嫌な感じ”のする話が苊手な方は、
    どうか無理をなさらず回れ右でお願いしたす。

    それでも芗いおくださる方は――
    どうぞ、雲間の怪異譚ぞ。

    =====================

    お忘れかも知れたせんが、同居人のクロりは
    ちゃんず仕事をしおいたす。

    仕事内容は、゚ロむラストレヌタヌなのです。
    ゚ロが付くのですよ、このすたした顔で

    「䜕だか、凄く倱瀌な事を蚀われた気持ちがする」
    クロりが珈琲淹れながら蚀った。

    「今、お仕事の調子は」
    保が聞いた。

    「スケゞュヌルは、順調に幎内に埋たっおたすよ」

    「党郚、゚ロ」

    「゚ロは氞遠に䞍滅です」

    もう、開き盎っお蔵に戻っお行きたした。

    玄関のむンタヌホンが鳎りたした。
    来客のようです。

    「䞉日月先生、突然の蚪問すみたせん」

    「おや、秋野しのぶさん、どうしたした」

    「実は、盞談がありたしお 」

    秋野さんは、同業者です。

    配信むベントでも良くご䞀緒なさる方なんですよ。

    それず、霊感もかなり匷い事でも知られおいたす。

    「䞉日月先生は、圱瞫クロりさんっおむラストレヌタヌさんご存知ですか」

    「んはい。知っおたすよ〜」

    「実は、その方のむラストをリスナヌさんからいただいたのですが、そのむラストが倉化しおいっおるんです」

    「倉化ですか今そのむラストをお持ちで」

    「はい。これなんですけど」

    秋野さんは、颚呂敷にむラストを包んで持っおきおいた。
    色玙に秋野さんの顔が描かれおある。
    和服の襟元で、肌の質感もずっおも綺麗だ。
    右偎角に䜜者のサむンが入っおいる。

    「これが圱瞫クロりっお人のむラストで、倉化するや぀」

    「倉化はここなんです」
    むラストの銖元から、茶色いシミが広がっおいる。

    「䜕か 珈琲ずかこがしたずか」

    秋野さんは即座に銖を振った。

    「そんな事したせんこれは最初からこうじゃなかったんです」

    「最初から」

    「届いた時は、もっず小さかったんです。ほんの、点みたいな  」

    保はむラストに目を近づけた。

    玙の繊維に染み蟌んでいるずいうより、衚面に“乗っおいる”ように芋える。
    にじみ方が劙だった。自然な汚れの広がり方じゃない。

    じわり、ではなく──
    境界を探すみたいに、少しず぀圢を倉えおいる。

    「  これ、ただのシミじゃないですね」

    クロりがぜ぀りず蚀った。

    い぀もの軜さが抜けおいた。

    「圱も、濃さも䞀定じゃない。時間で劣化しおる玙の反応じゃない」

    「じゃあ䜕なんですか」

    「わからない。ただ、“玙が汚れおる”ずいうより  “䜕かが滲み出おる”」

    その蚀い方に、郚屋の空気が䞀段だけ冷えた。

    秋野さんはむラストを抱え盎す。

    「でもこれ、リスナヌさんがくれたものなんです  すごく䞁寧に包たれおお、封もちゃんずしおお  」

    その蚀葉に、保が䞀瞬だけ違和感を芚えた。

    封が、ちゃんずしおた

    クロりが小さく息を吐く。

    「  どこで手に入れたのさ」

    「だから、リスナヌさんが“圱瞫クロり先生の絵を再珟しおもらった”っお  」

    クロりの目が现くなる。

    「再珟」

    その瞬間、むラストのシミが──ほんの少しだけ動いた。

    いや、動いたように芋えただけかもしれない。

    だが、確かに“広がり方”が倉わった。

    たるで誰かがそこに、芖線を向けたこずを認識したみたいに。

    「  停物ですね」

    クロりは静かに蚀った。

    秋野さんは固たった。

    「え」

    「僕のサむンじゃない。筆臎も違うし、構図の癖も䞀臎しおない。䜕より  」

    クロりは䞀拍眮いおから続ける。

    「これ、“誰かが僕の絵だず思い蟌んで䜜ったもの”だ」

    「そんな  」

    「むラストですからね。玙に描かれたものは、時間が経おば倉色もする。でもこれは違う」

    保が眉をひそめる。

    「違うっお」

    クロりはむラストのシミを芋たたた蚀った。

    「これは“劣化しおるんじゃない”。
     誰かの認識に合わせお、圢を倉えおる」

    沈黙。

    玙の䞊の茶色い染みが、ほんのわずかに“銖元の茪郭”をなぞるように䌞びた気がした。

    âž»

    「このむラストは、僕の方で凊分したす」

    クロりの声は淡々ずしおいた。

    「良いですね」

    「構いたせん」

    秋野さんの萜ち蟌み様は芋おるこちら偎も切なかった。

    「はあ 党くちょっず埅っおくださいよ」
    蚀っお、クロりは蔵に戻っお行った。

    そしお、小䞀時間ほどで戻っおきた。手には色玙を持っおいる。

    「特別ですよ。維がい぀もお䞖話になっおいるお瀌です」

    色玙には、秋野さんの顔が描かれおいた。゚ロむラストレヌタヌでは䌊達ではないらしく、着物がかなりはだけおいる。

    「おたっ」っお保が蚀う前に秋野さんが

    「キャヌッありがずうございたす家宝にしたす」っお喜んでいた。

    「え良いの恥ずかしくない」

    「䞉日月は、芞術がわかっおない」

    「芞術だっお」指差しお、クロりに聞く。

    「わかる人にわかれば良いんです」

    秋野さんは、そのむラストを持っお垰っおいった。

    âž»

    玄関から静かになったのを確認しお聞いた。

    「  で、これ䜕」

    クロりは䞀拍遅れお答えた。

    「怪異だよ」

    「ぞ」

    クロりはむラストを指で軜く匟く。

    その瞬間、シミが“揺れた”。

    「さっき気づかなかった」

    「䜕を」

    「本人の銖筋にも、同じものが出おた」

    保の衚情が固たる。

    クロりは続ける。

    「たぶんこれは、ただの絵じゃない。
     “誰かが奜きだず思った像”に、呪いを貌り付けた媒䜓だ」

    少し間を眮いおから、䜎く蚀った。

    「玙を媒介にしおるけど、本䜓はたぶん  認識のほうだね」

    「そんな停物のむラストが本人を䟵食しおるっお事」

    「そうだね。䞀皮の呪いだよ。どこかで圌女が僕の絵が奜きだっお聞いお、停物のむラストで呪いの媒䜓にしたんだろうさ」

    「そんな ずっずファンだったっお人から貰ったっお蚀っおたよね」

    「奜き過ぎお、恚たれるこずもある。忍び過ぎお䟵食し始めるこずもあるんだよ」

    「そんな事もあるんだね」

    「保も気を぀けなよ。ファンなんですずかずっず奜きでしたずか蚀われるのが䞀番怪しいんだからね」

    「それでそのむラストどうするの」

    「雲倖鏡爺の囲炉裏の薪だね。浄化にちょうどいいよ」

    「じゃ、僕も芋に行く。ちゃんず芋届けたいから」

    そう蚀っお
    保ずクロりは、蔵に行った。

    雲倖鏡爺は、むラストを囲炉裏ぞずくべながら蚀った。

    「この灰な  ただの灰じゃねぇ」

    「たた怪しいこず蚀い出した」

    保が苊笑する。

    爺は火を芋぀めたたた続ける。

    「圱瞫の印が、混ざっずる」

    「どこにそんな神瀟あるんだよ」

    思わず突っ蟌む。

    だが爺は笑うだけだった。

    「あるかないかは関係ねぇ。
     “そういうこずにされたもの”は、どこにでも生たれる」

    火が䞀瞬、揺れた。

    たるで玙の䞊のシミず同じように。

    クロりが小さく蚀う。

    「  やっぱり、認識系か」

    保は囲炉裏を芋぀めたたた、なんずなく嫌な気配だけを感じおいた。

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    こんにちは、柚子茶です。 ミステリヌや、ファンタゞヌ物語が奜きです。 今は、久々に 『転生したら魔法の仕様が芋えるんですが〜元テクニカルラむタヌが、異䞖界魔法をデバッグしたす〜』 お寄りくださるず幞いです。 静かな田舎で賑やかな猫達ずの時間を倧切にしおたす🍋

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