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【ご報告】1000年の封印から目覚めました。|魔王だが、「note初心者」である。|自己紹介|はじめてのnote






目覚めた。

1000年ぶりである。


余の名は


ノア。



突然ですが、


魔王である。




…………。

今、閉じようとしたのであるな?。



待つのである。

せめてスキを押してから閉じなさい。

魔王からのお願いである。



余は

かつて七つの王国を征服し

三人の勇者を葬り

古龍すら跪かせた

漆黒の魔王である。



人間どもは余の名を聞くだけで震えた。

王は門を閉ざし、

兵士は剣を落とし、

子どもは泣き、

犬は吠え、

猫は特に何もしなかった。


猫だけは昔からそうだ。

余を見ても、

普通に毛づくろいしていた。


あいつらには、

魔王という概念が通用しない。


まあ、よい。



1000年前。


勇者、聖騎士、大賢者

その他いろいろ

最終的にはかなりの人数で来られて

余は封印された。


卑怯である。

こちらは一人だった。

向こうは、

めちゃくちゃいた。


途中、

明らかに戦闘職ではないおじさんもいた。

鍋を持っていた。

誰だったのだ。



何百年眠っていたのかは分からない。


500年だったかもしれない。

1000年だったかもしれない。


途中、一度トイレに起きた気もする。

魔王なので、そのへんの記憶は曖昧だ。




そして今日。

長き封印は解かれた。



石棺が砕ける。

大地が揺れる。

黒き雷が天を裂く。

魔物たちが一斉に咆哮する。

余はゆっくりと瞳を開いた。



「…………時は来た。」



立ち上がる。

漆黒のマントを纏う。

魔剣を握る。


1000年前、

果たせなかった悲願。


今度こそ。

世界を征服する。

そう決意した。


その日の夜。


noteに登録した。



なぜnoteに登録したのか。

本当に分からない。



朝は世界征服するつもりだった。

かなりするつもりだった。

昼くらいまでは

まだしていた。


14時27分くらいから

少し怪しくなった。


現代について調べていたら

「これからは個人の発信力が重要」


という文章を見つけた。



発信力。



聞き慣れぬ言葉である。


調査した。

どうやら現代では

魔力を持っている人間より

フォロワーを持っている人間のほうが

強い場合があるらしい。


…………。


余は考えた。


城。

ある。


魔剣。

ある。


魔力。

腐るほどある。


フォロワー。

ない。


これはまずい。

非常にまずい。

1000年間寝ている間に、

戦いのルールが変わっている。


余は慌てて、

「発信 始め方」


と検索した。


魔王が慌ててGoogle検索している。

世も末である。

余のせいではない。



発信には、

どうやらパソコンというものが便利らしい。


買った。


MacBook。



美しい。

薄い。

速い。

そして、


高い。


会計時、

一瞬だけ魔法で店員を操ろうかと思った。


やめた。

犯罪だからである。


魔王にもコンプライアンスはある。


238,800円。


払った。

世界征服開始初日に

国庫から238,800円消えた。


まだ一国も征服していない。

マイナス238,800円からのスタートである。


順調である。


店員が聞いてきた。

「AppleCare+はいかがされますか?」


余は鼻で笑った。

「不要だ。」

「よろしいですか?」

「余は不死身である。」

店員は少し黙った。

そして言った。

「MacBookは不死身ではありません。」


…………。


なるほど。


加入した。



月額料金が増えた。

国庫がさらに減った。

まだ世界征服は、

1ミリも進んでいない。


だが、

MacBookの保証は充実した。

順調である。




人間どもが文章を書いている。


人生について。

仕事について。

副業について。

恋愛について。

AIについて。

今日食べたラーメンについて。


自由すぎる。


王の許可はいらないらしい。

誰でも、

今日から自分の言葉を世界に出せる。



余は衝撃を受けた。

1000年前、

世界へ言葉を届けるには、

使者を馬で走らせていた。


途中で普通に死ぬ。

山賊に襲われる。

川が増水する。

馬が疲れる。

使者が道に迷う。


三週間後。

ようやく隣国に、

「滅ぼす」

と書いた紙が届く。

遅い。



noteなら、

公開ボタンひとつ。

一瞬である。


これは……

使える。


余は決めた。

まず、

noteを攻略する。


そして人間どもを集める。

ゆくゆくは、

この世界すべてを――

「メールアドレスを入力してください」


…………。


分かった。





メールアドレスを入力。

パスワードを設定。

ユーザー名を入力。

ここまでは簡単だった。


問題は、

アイコン画像。


丸い。

なぜ丸い。


余の角は、

横に広がっている。

丸には、

入らない。



アップロードする。

右の角が見切れる。


やり直す。

左の角が見切れる。

引く。


顔が小さい。


寄る。

角がない。


引く。


弱そう。


寄る。


角が見切れる。


引く。


弱そう。


寄る。


角が見切れる。


こんなかんじでうまくツノが入らなかったのだ


これを、

42分やった。


1000年前、

聖騎士団800人に囲まれたときより苦戦した。


余は途中から、

何と戦っているのか分からなくなった。


最終的に、

角を全部丸に収めるのは諦めた。


敗北である。




次。

プロフィール文。


余は腕を組んだ。


これは簡単だ。

余が何者なのか。

それを書けばいい。


入力する。


「深淵より生まれし漆黒の王。七つの王国を滅ぼし、古龍を従え、冥界と現世の境界を――」


長い。

消す。



「魔王です。」



短い。

消す。


「1000年ぶりに復活しました!」


なんか明るい。


消す。


「よろしくお願いします😊」



…………。


誰だ。


余ではない。


危ない。


あと少しで、

魔王ノアが

「よろしくお願いします😊」

になるところだった。


世界観が死ぬところだった。



30分ほど悩み、

こうした。


完璧だ。

順調である。



いよいよ、

記事を書く。


新規投稿。


押した。

真っ白な画面が現れた。


…………。


白い。

余は、

白い画面を見つめた。


5分。

10分。

20分。

何を書けばいい。

何を書けばいいんだ。


おかしい。

世界征服計画なら、

3秒で出る。


東方軍を北へ。

飛竜部隊を西へ。

王都への補給路を遮断。

地下から魔族を侵入させる。

三日で落ちる。



だが、

note。

何を書けばいい。



検索した



検索ボタンを押した瞬間、

余の中で何かが死んだ。


おそらく、

威厳である。





とりあえずタイトルを考えた。

「はじめまして。noteを始めました」


違う。


人間すぎる。



「魔王、note始めました」



悪くない。



「1000年ぶりに復活した魔王がnoteを始めた理由」



YouTubeっぽい。



「【初心者必見】魔王が教えるnote攻略法7選」



…………。


いや、noteのことまだ何も知らない。


危なかった。

危うく、

初日に情報商材屋になるところだった。


2時間後。

まだタイトルしかない。


いや、

タイトルも決まっていない。


玉座の間には、

重い沈黙が流れていた。



黒炎が揺れている。


外では雷が鳴っている。


魔獣の遠吠えが聞こえる。



そして中央。


巨大な玉座。


そこに座る、

漆黒の魔王。


MacBook。


Google検索。

「note 伸びる タイトル」


余は何をしている。




一度、

世界征服に戻ろうと思った。

魔剣を持った。


立ち上がった。


やはり余には、

こちらのほうが向いている。



文章など、

人間に任せればいい。

世界を滅ぼそう。


そう思った。

三歩歩いた。


MacBookが、

「バッテリー残量10%」


と言った。


充電した。


座った。


noteを続けた。


世界征服中止まで、

およそ14秒。





ふと

考えた。


なぜこんなことをしている。


世界征服なら

余は経験者だ。

一度かなりいいところまで行った。


だがnoteは

完全なる初心者。


何も知らない。

文章の書き方も。

読まれる方法も。

人間との交流も。

何ひとつ分からない。


怖い。

魔王なのに。


ちょっと怖い。


でも、

それが少しだけ、

面白かった。



1000年前の余は、

「できること」しかやらなかった。


勝てる戦い。

支配できる国。

従わせられる敵。


失敗は、

敗北だった。

だから、

失敗しないようにしていた。


だが、

この白い画面の前では、

余はまだ白いキャンパスである。


魔力も役に立たない。

魔剣も役に立たない。

ケルベロスを呼んでも

たぶん記事は書いてくれない。


もし書いてくれても

キーボードが爪で壊れる。


だから、

余自身が書くしかない。

下手でも。

誰にも読まれなくても。

恥ずかしくても。


最初の一文字を

自分で打つしかない。


もしかすると

何かを始めるとは

そういうことなのかもしれない。


何者かになってから

始めるのではない。

何者でもない自分のまま

始める。


そして

その一歩を積み重ねた先で

いつか何者かになる。


余は1000年間、

世界を征服することばかり考えていた。



だが、

本当に征服すべきものは

案外

「できるようになってから始めよう」

と囁いてくる

自分の中の小さな臆病者なのかもしれない。


……。



いいことを言った。


メモしておこう。


あ。

今noteに書いていた。




さて。

記事は書けた。


あとは、


「公開」を押すだけである。



…………。


押すだけ。


…………。


ちょっと待て。


公開したら、


人間に読まれるのか。


…………。


当たり前だ。


…………。


怖い。


魔王なのに。



…………。


押した。



ちなみに、基本的には

余はフォロー大歓迎である。


…………。


ここについては、

少し説明させてほしい。


余は、

魔王である。


本来、

人間どもに媚びる必要などない。


余をフォローしたければ

勝手にすればいい。

余は誰にも従わない。

孤高の存在。

闇の支配者。

終焉をもたらす者。


それが、

魔王だ。


したがって

媚びているわけではない。


これは

軍勢の補強である。



フォロワーではない。

魔王軍だ。


フォローではない。

入軍である。


「よかったら仲良くしてください」

ではない。

「我が軍門に下れ。」


という意味である。


ちなみに、

無言フォローも大歓迎だ。


魔王はその辺

かなり寛容である。




世界征服まで、

あと約80億人。

先は長い。


だが、

焦る必要はない。


今日はまず

フォロワー1人を目指す。


壮大な物語というものは、

案外

そのくらい小さなところから始まるのかもしれない。



▼入軍証の発行方法はこちらの記事を見るのである



さて

漆黒の風がまた鳴き始めた。


この世界を、

もっと面白くするとしようか。


――漆黒の魔王 ノア



▼おまけ動画作ったのである


本日の戦果

魔王ノア。
世界征服再開初日。

征服した国、0。
倒した勇者、0。
獲得した領土、0㎡。
MacBook、238,800円。
AppleCare+、加入済み。
プロフィール画像、角が少し切れた。
世界征服、ほぼ進展なし。
note記事、1本。

順調である。



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ノア|魔王|noteを征服したい 人間どもよ。余への供物を許可する。 捧げられた魔力で、note攻略の実験を続けよう。 その成果はすべて記事にして還元する。 余の屍を越えて、そなたのnoteを伸ばすがよい。

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